2014年1月16日木曜日

糖尿病・微小血管合併症予測ではフルクトサミン・糖化アルブミンが優れる、糖尿病そのものはHbA1c重要

HbA1c値では信頼性がないが、フルクトサミンと糖化アルブミン値では糖尿病・微小血管合併症リスク予測可能

95パーセンタイル値にて、糖尿病リスクと、網膜症・腎疾患予測可能と


Fructosamine and glycated albumin for risk stratification and prediction of incident diabetes and microvascular complications: a prospective cohort analysis of the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study
Elizabeth Selvin  et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 15 January 2014


ARIC研究:糖尿病(I型、II型)症例 958名 vs 糖尿病無し対照 11,348


糖尿病発症ハザード比(HR)
・フルクトサミン 95パーセンタイル  4.96 (4.36—5.64)
・糖化アルブミン 95パーセンタイル 6.17(5.45ー6.99)


HbA1c補正後、関連性は減弱するも維持。



フルクトサミンと糖化アルブミンは網膜症と強く関連 (p<0.0001 for trend)


フルクトサミン・糖化アルブミン95パーセンタイル超では、75パーセンタイル未満と比較ではCKDに対する多因子補正HRはそれぞれ、 1.50 (95% CI 1.22—1.85) 、 1.48 (1.20—1.83)。


フルクトサミン、糖化アルブミンによるCKD発症予測は、HbA1cと同等に高値 (C統計 0.717、0.717、0.726)
だが、HbA1cは、糖尿病発症に関しては、フルクトサミン、糖化アルブミンを上回るパフォーマンス(C統計 0.760、0.706、0.703)


C統計:AUC

アセトアミノフェン:FDA剤型毎含有成分量制限

2011年、FDAは 2014年1月までに、併用薬としてアセトアミノフェンは1カプセル・錠剤毎の含有量を325mgまでとすることを製造業者に求めていた。半数以上は同意しているが、これ以上の含有量剤型製剤が現在もマーケットの在庫として存在する。

アセトアミノフェン過剰摂取は、世界で最も多い中毒とNIH


FDAは1日最大量を4,000gとしている。

チレノール・カプセルのラベル変更
http://edition.cnn.com/2013/08/29/health/tylenol-cap-warning/


肝障害は重篤で重要だが、他に、特定の人たちへの皮膚障害(SJS、TENS、AGEP)も問題になっている。
http://edition.cnn.com/2013/08/01/health/fda-acetaminophen-skin-warning/index.html
http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2013/08/17/acetaminophen-skin-reaction.aspx


日本のアセトアミノフェン市販薬
http://medical-cost.net/Acetaminophen.html

中年初老男性:アルコール量36g/日超えると認知機能低下迅速 → 飲酒は頭を悪くする

中年から初老・男性においては、36g/日を超える大量飲酒者では、軽度・中等度アルコール摂取者に比べ、認知機能減衰著明

イギリスの男性5千名超・20年間のコホートで、ワイングラス大きめ2杯ほどで、6年以上年取るほどの認知機能低下をもたらす・・・


Alcohol consumption and cognitive decline in early old age
Séverine Sabia,  et. al.,
Published online before print January 15, 2014, 
doi: 10.1212/WNL.0000000000000063

Whitehall II cohort study、男性 5054名、女性 2099名、平均年齢 56(44-69)歳で初期認知機能評価


認知機能評価10年間3回(1997−1999、2002−2004、2007−2009)


男性では、アルコール摂取不能(いわゆる下戸)、禁酒者、軽度、中等度(<20g>


アルコール摂取 0.1gから19.9g/日と比べ、アルコール摂取 36g/日では、認知機能ドメイン全般にその機能減少相関:10年間

  • 全般的認知機能スコア低下  −0.10 (−0.16, −0.04)
  • 遂行機能 −0.06 (−0.12, 0.00)
  • 記憶 −0.16 (−0.26, −0.05)



女性では、下戸の方が、0.1−9.9g/日に比較して減衰迅速

  • 全般認知スコア −0.21 [−0.37, −0.04]
  • 遂行機能 −0.17 [−0.32, −0.01]


アルコール控えなきゃ・・・


2型糖尿病:BMIと死亡率の関連性 → 非喫煙者:線形、 喫煙者:J字型

2型糖尿病患者の体重と死亡率の関連性は不明で、過体重や肥満患者で死亡率低下するのではないかという報告さえある。

「診断時過体重・肥満である糖尿病では死亡率高くない」という"Obesity Paradox"は存在しない
メディア解説:http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sci-sn-obesity-paradox-false-diabetes-20140115,0,5142638.story#axzz2qWJATPnJ


NHS(8970名)/HPFS(2467名)の糖尿病発症被験者(糖尿病発症時心血管疾患・がん認めない)


Body-Mass Index and Mortality among Adults with Incident Type 2 Diabetes
Deirdre K. Tobias, et. al.
N Engl J Med 2014; 370:233-244January 16, 2014
DOI: 10.1056/NEJMoa1304501

フォローアップ期間15.8年間、死亡 3083名

BMIカテゴリー( 18.5 to 22.4、 22.5 to 24.9(参照値)、 25 to 27.4、 27.5 to 29.9、 30.0 to 34.9、 35.0以上)で全死亡率と、“J”字型関連性認める
 (ハザード比, 1.29 [95% 信頼区間 {CI}, 1.05 to 1.59]; 1.00; 1.12 [95% CI, 0.98 to 1.29]; 1.09 [95% CI, 0.94 to 1.26]; 1.24 [95% CI, 1.08 to 1.42];  1.33 [95% CI, 1.14 to 1.55])

この関連性は、非喫煙者では線形(ハザード比・ BMI カテゴリー: 1.12、 1.00、 1.16、 1.21、 1.36、 1.56)だが、喫煙既往では非線形  (ハザード比・BMI カテゴリー: 1.32、 1.00、 1.09、 1.04、 1.14、 1.21) (P = 0.04 for interaction)


糖尿病診断時65歳未満の被験者ではダイレクトに線形関連性あるも、診断時65歳以上では線形関連性認めず  (P<0.001 for interaction)



全原因死亡率ハザード比



原因特異的ハザード比


運動や身体活動性増加では、カロリー摂取・マクロ栄養素増加をもたらさない

身体運動増加はカロリー・マクロ栄養素摂取増大をもたらすか・・・システマティック・レビューではNo!

Does Increased Exercise or Physical Activity Alter Ad-Libitum Daily Energy Intake or Macronutrient Composition in Healthy Adults? A Systematic Review
Joseph E. Donnelly ,et. al.
PLOS one Published: January 15, 2014DOI: 10.1371/journal.pone.0083498

横断研究、急性/短期、非ランダム化、ランダム化トライアル論文検討


影響なしという報告は、横断研究(n=17) 59%、急性研究(n=40) 69%、 短期的(n=10) 50%、 非ランダム化(n=12) 92%、 ランダム化 (n=24) 75%

急性研究 94%、 短期研究 57% 、 非ランダム化 100%、 ランダム化 74%で影響なし


横断トライアル 46%では、身体活動性増加に伴う脂肪摂取減少が見られた。



noteへ実験的移行

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