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2022年9月2日金曜日

日本人PRISmも全原因死亡率、心血管死亡率と関連







序文から

COPD、喘息、気管支拡張症などの慢性閉塞性肺疾患のスパイロメトリーの特徴である気流制限(AFL)は、スパイロメトリーによりFEV1/FVC比が低下していると定義されています(2, 3)。FEV1とFVCが同時に低下している場合、肺機能が低下している可能性があるにもかかわらず、FEV1/FVCは正常であることになる。このようなスパイロメトリーパラメーターのパターンは、preserved ratio impaired spirometry(PRISm)と定義されている。PRISmは予後において臨床的に重要な役割を持つことが認識されつつある。欧米の集団で行われたいくつかの集団ベースの研究では、PRISmを持つ参加者は肺機能が正常な参加者に比べてAFLの発生率が高く、死亡率も高いことが示されている。


Risks of Mortality and Airflow Limitation in Japanese Individuals with Preserved Ratio Impaired Spirometry

Yasuyoshi Washio ,et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 206, Issue 5

https://doi.org/10.1164/rccm.202110-2302OC       PubMed: 35549659

Risks of Mortality and Airflow Limitation in Japanese Individuals with Preserved Ratio Impaired Spirometry | American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (atsjournals.org)

論文根拠 欧米のいくつかの研究では、preserved ratio impaired spirometry (PRISm)を持つ参加者は、気流制限(AFL)と死亡のリスクが高いことが報告されている。しかし、東アジアの集団におけるエビデンスは限られている。

目的 日本人集団におけるPRISmと死亡およびAFL発症のリスクとの関係を調査すること。

方法 40歳の日本人地域住民3,032人を対象に、中央値で5.3年間、年1回の肺機能検査によるフォローアップを行った。参加者はベースライン時に以下の肺機能カテゴリーに分類された:正常スパイロメトリー(FEV1/FVC0.70およびFEV1予測値80%)、PRISm(0.70および80%未満スパイロメトリー)、AFISm(0.70および80%未満スパイロメトリー)。 70および<80%)、AFL Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease 1(<0.70および<80%)、AFL Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease 2-4(<0.70 および<80%)である。ハザード比(HR)およびその95%信頼区間は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出された。

測定方法と主な結果 追跡期間中、131人が死亡し、うち22人が心血管系疾患で死亡し、218人がAFLを発症した。ベースラインの肺機能カテゴリーごとの予後を検討すると、PRISmを有する参加者は、交絡因子調整後、スパイロメーターが正常な参加者に比べて、全死亡(HR、2.20;95%信頼区間、1.35-3.59)および心血管死(HR、4.07;1.07-15.42)リスクが高かった。さらに、PRISmを有する参加者のAFL発症の多変量調整リスクは、正常なスパイロメトリーの参加者よりも大きかった(HR, 2.48; 1.83-3.36)。


 

結論 PRISmは、日本人コミュニティにおける全死亡および心血管系死亡の高いリスクと、AFLの発症の高いリスクと関連していた。


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2022年4月12日火曜日

AHA科学ステートメント:SARS-CoV-2 小児・若年に於ける心血管所見と合併症;MIS-Cとワクチン関連心筋炎を含め

 AHA SCIENTIFIC STATEMENT


SARS-CoV-2 Infection and Associated Cardiovascular Manifestations and Complications in Children and Young Adults: A Scientific Statement From the American Heart Association

Pei-Ni Jone, Anitha John, Matthew E. Oster, Kiona Allen, Adrianna H. Tremoulet, Elizabeth V. Saarel, Linda M. Lambert, Shelley D. Miyamoto, Sarah D. de Ferranti and … See all authors 

Originally published11 Apr 2022

https://www.ahajournals.org/doi/epdf/10.1161/CIR.0000000000001064


コロナウイルス症2019(COVID-19)は世界的な大流行をもたらし、世界中の医療システムを圧倒している。この科学的声明では,小児および若年成人における重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)および多系統炎症症候群の疫学,病態生理,臨床像,治療,転帰について,心血管症状および合併症を中心に説明する.先天性および後天性心疾患を有する小児および若年成人におけるこの疾患の健康への影響、これらの集団におけるこの感染の公衆衛生上の負担と健康格差、およびワクチン関連心筋炎に関する現在の知見について概説している。



小児多系統炎症症候群(MIS-C)は、稀ではあるがSARS-CoV-2感染による重症の炎症後合併症で、急性心筋機能障害、不整脈または伝導異常、冠動脈拡張を引き起こす(図)11-20。後天性および先天性の心疾患を持つ小児および若年成人患者には特別なリスク評価と治療が必要かもしれないが、まだ分かっていないことがたくさんある21。この科学的声明では、小児および若年成人集団におけるCOVID-19およびMIS-Cの疫学、病態生理、臨床症状、治療および転帰について既知のことを説明する。 


また,先天性・後天性心疾患を有する小児・若年成人におけるCOVID-19の健康影響に関する現在の知見をレビューし,この感染症の公衆衛生上の負担/格差を考察し,小児・若年成人の心筋炎と一時的に関連するCOVID-19ワクチンについて検討する。


疫学

COVID-19は、世界中であらゆる年齢、人種、民族が感染しています。 2022年2月24日現在、米国では、18歳未満の小児が全症例の約17.6%を占め、死亡者の約0.1%が18歳未満で発生しています。 同様に、疾病対策予防センターの報告によると、若年成人(18〜29歳)は、症例の21.3%、死亡の0.8%を占めています25。若年者は比較的臨床疾患を免れますが、一部の子供や若年者はCOVID-19に感染しやすく、重症化するリスクが高いと思われます。COVID-19の流行は、感染者の割合と重症化した人の割合の両方で、黒人やラテンアメリカ人に不釣り合いな影響を及ぼしています25,26。 成人と同様に、慢性肺疾患や肥満などの基礎疾患を持つ子どもや免疫不全の子どもは、COVID-19で入院したり、集中治療室(ICU)に入ったり、死亡したりする可能性が高くなります。 先天性心疾患との関連で重症COVID-19のリスクがわずかに上昇するという報告もありますが27-29、先天性心疾患患者、特にチアノーゼ型先天性心疾患や肺高血圧症患者では重症化するリスクが変動することを実証する研究もあります30。 -小児および一部の若年成人は、心臓および複数の臓器系に影響を及ぼす、比較的まれではあるが重度の炎症性症候群であるMIS-Cを、SARS-CoV-2の感染後2~6週間後に発症することがある12,33。 -パンデミックの最初の年に、2600例以上のMIS-Cが米国疾病対策予防センターに報告され、小児のSARS-CoV-2感染3164例あたり1例のMIS-Cの割合と推定された36,37。37 COVID-19の基礎率を考慮しても、MIS-Cは特定の人種および民族の子供に偏って影響を及ぼしていることが分かります。(1)ヒスパニック系以外の黒人の子どもは予想より多く、ヒスパニック系以外の白人の子どもは予想より少なく、(2)ヒスパニック系の子どもは予想より多く、ヒスパニック系以外のアジア系の子どもは予想より少なく発症しています38。


最初は無症状であることが多く、その後、急性呼吸促迫症候群などの呼吸器症状を発症します。 7SARS-CoV-2 は、血管周囲のT細胞浸潤を伴うびまん性の肺胞損傷と、細胞内ウイルスを伴う重度の内皮損傷を引き起こし、急性感染症における急性呼吸窮迫症候群として臨床的に現れます。 ICUに入室した患者は、入室していない患者と比較して、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンγ誘導蛋白、単球化学伝達蛋白、マクロファージ炎症蛋白1α、腫瘍壊死因子αの循環濃度が高くなる53。肺内皮細胞の炎症は微小血栓を形成し、重症患者における深部静脈血栓症、肺塞栓症、四肢虚血、虚血性脳卒中、心筋梗塞の高い発生率に寄与している可能性があります54。クレアチンキナーゼMB、高感度心筋トロポニンI、ミオグロビンなどの心筋損傷に関連するバイオマーカーの有意な上昇が非救命成人群で認められ、高感度心筋トロポニンIは予後不良の独立した予測因子であった。 MIS-Cの病態生理についてはあまり知られていないが、MIS-Cに対する免疫反応は、SARS-CoV-2ウイルスによる急性感染症とは異なるようである。しかし、MIS-Cの初診時によく見られる著しいリンパ球減少にもかかわらず、T細胞の活性化と増殖、特にCD8+T細胞の活性化は、COVID-19の重症成人と比較して、MIS-Cの小児ではより強固であることが判明した。さらに、グローバル自己抗体スクリーニングでは、免疫細胞のシグナル伝達に関わるタンパク質や心臓や血管の構造タンパク質に自己抗体の結合が確認された。 他の研究者は、MIS-Cの小児における超抗原と一致するユニークなT細胞レセプターレパートリーを同定した。


・・・・・・・・

ワクチン関連心筋炎

5歳以上ではCOVID-19を予防するためのワクチン接種が行われています。 乳幼児への接種の安全性については、現在研究が進められています。

心筋炎および心膜炎は,胸痛とトロポニン高値を呈し,若年者ではmRNA COVID-19ワクチン接種後通常2~6日で発症し,ワクチン有害事象報告制度に報告されている.COVID-19ワクチンと一時的に関連した心筋炎を有する21歳以下の患者63人のシリーズでは、平均年齢は15.6歳、92%が男性、全員がトロポニン上昇を示し、7%に有意な不整脈、14%に左室収縮機能低下(駆出率、45%-54%)、88%に心臓磁気共鳴画像上の心筋炎の証拠がありました。

  このコホートでは、平均35日のフォローアップで、86%の患者は症状の消失と機能の正常化がみられたが、残りの14%ではフォローアップができなかった。

治療は主に支持療法で、IVIG、ステロイド、コルヒチンが使用されているが、主に経口抗炎症薬による疼痛管理である。

mRNA COVID-19ワクチンに関連した心筋炎や心膜炎のメカニズムは現時点では不明です。これらの症例に男性が多い理由も不明です。

 CO-VID-19 ワクチンの有益性は,COVID-19 ワクチンに一時的に関連するまれな心筋炎/心膜炎のリスクを上回ります.12歳から29歳の男性(ワクチン関連心筋炎の最高リスク群)にCOVID-19ワクチンを100万回接種すると,COVID-19症例11000例,入院560例,死亡6例が予防されるが,心筋炎は39〜47例と予想される.ある研究では,12歳から18歳の年齢層で,mRNA COVID-19ワクチン2回接種がMIS-Cの予防に非常に有効であることが示された:MIS-Cに対する推定有効率は91%(95%CI=78%-97%)であった. したがって,このパンデミックを抑制するためにCOVID-19ワクチンの接種が依然として推奨されるが,COVID-19ワクチン接種に伴う心筋炎の長期的影響の可能性を調査するための活発な取り組みが進行中である


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2020年9月28日月曜日

LDL時間的暴露とCVDリスク

40歳以前からLDLコレステロールコントロールすべき



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研究者らは、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)と年齢曲線の下の面積と心血管疾患(CVD)発症リスクとの関連性、および面積の蓄積の時間経過によるリスクの変調について検討した(同じ面積の増加に対するリスク増加が年齢によって異なる場合)。この目的のために、CARDIA(Coronary Artery Risk Development in Young Adults)試験のデータを用いてプロスペクティブ解析を行った。被験者は、1985年から1986年にかけて登録された18歳から30歳までの無症状の成人4,958人であった。その結果、偶発的なCVDイベントのリスクは、LDL-Cへの累積的な過去の曝露量に依存していることが示されたが、それとは独立して、蓄積面積の時間経過に依存していた。

同じ面積の蓄積比較で、若年期に蓄積された場合と高年期に蓄積された場合では、若年期の影響がリスク上増加することが示され、人生の早い時期からの最適なLDL-Cコントロールが重要であることが強調された。

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Time Course of LDL Cholesterol Exposure and Cardiovascular Disease Event Risk

Michael J. Domanski, et al.

Journal of the American College of Cardiology Volume 76, Issue 13, September 2020

DOI: 10.1016/j.jacc.2020.07.059

https://www.onlinejacc.org/content/76/13/1507?rss=1


<img src="https://www.onlinejacc.org/content/accj/76/13/1507/F1.large.jpg?width=800&height=600&carousel=1">


背景 

低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)濃度と暴露時間の増加に伴い、心血管疾患(CVD)の発症率が増加する。LDL-C対年齢曲線下面積は、リスクパラメータとして考えられる。この指標をデータに基づいて実証することはできませんし、面積の蓄積の時間経過がリスクを修飾するかどうかも不明


目的 

CARDIA(Coronary Artery Risk Development in Young Adults)試験のデータを用いて、LDL-C対年齢曲線下面積とCVD発症リスクとの関係、および面積の蓄積の時間経過によるリスクの変調について、同じ面積の増加に対するリスクの増加が年齢によって異なるかどうかを評価した。


方法 

本研究は、1985年から1986年に登録された18歳から30歳までの無症状の成人4,958人を対象としたプロスペクティブ研究である。アウトカムは、非致死的冠動脈性心疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作、心不全による入院、心臓再灌流、末梢動脈疾患介入、または心血管死を複合したものであった。


結果 

40歳以降の中央値16年間の追跡期間中に275人の参加者がCVDイベントを発症した。性、人種、および従来のリスク因子を調整した後、LDL-C下面積対年齢曲線、および面積蓄積の時間経過(LDL-C曲線の傾き)の両方がCVD発症リスクと有意に関連していた(ハザード比:1.053、100mg/dl×年あたりのp<0.0001、ハザード比:0.797/mg/dl/年あたりのp、それぞれ0.045)。


結論 

CVDイベントの発症リスクは,LDL-Cへの累積的な先行曝露と,独立して,面積の蓄積の時間経過に依存する。同じ面積の蓄積でも、高年齢に比べて若年ではリスクが高くなり、人生の早い時期から最適なLDL-Cコントロールを開始することの重要性が強調された。


 

2019年9月5日木曜日

mendelian randomization 研究:LDLコレステロールと収縮期血圧の心血管生涯リスク

天が与えたランダム化研究とも考えられる、遺伝子リスクスコアと心血管疾患リスクの関連性、それはまるでタバコのリスクのPack-Yearsのよう・・・


1) LDL-C値とSBP(収縮期血圧)の心血管リスクへの独立関連要素であるという証拠を示した
2)対数線形的用量依存関連性が感S夏去れ、LDL-CとSBPの組み合わせによる、心血管疾患リスクへの関連性が明確化された
3)研究結果によりLDL-CとSBPの組み合わせと心血管疾患の関連性の強度は主にLDL-C、SBP暴露の強度と期間に依存する
4)LDL低下とSBP低下の組み合わせ長期暴露と心血管イベントリスクの関連性のその強度を定量化、形状を明らかにすることにより、この研究結果を利用し新しいアルゴリズム設計により、ヒトへのLDL-C、SBP暴露による心血管疾患生涯リスク推定可能となる




最初にダメ押し
LDL低値および収縮期血圧低下の生涯遺伝的曝露は、心血管リスクの低下と関連。 ただ、これらの所見は、これらの危険因子の治療から得られる利益の大きさを表すわけではない。

多くのランダム化トライアルによりLDL-C、SBP(収縮期血圧)低下5年間治療が心血管イベント低下をもたらすことは示されている。

Baigent  C, Blackwell  L, Emberson  J,  et al; Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration.  Efficacy and safety of more intensive lowering of LDL cholesterol: a meta-analysis of data from 170,000 participants in 26 randomised trials.  Lancet. 2010;376(9753):1670-1681. doi:10.1016/S0140-6736(10)61350-5PubMedGoogle ScholarCrossref

Silverman  MG, Ference  BA, Im  K,  et al.  Association between lowering LDL-C and cardiovascular risk reduction among different therapeutic interventions: a systematic review and meta-analysis.  JAMA. 2016;316(12):1289-1297. doi:10.1001/jama.2016.13985
ArticlePubMedGoogle ScholarCrossref

Ettehad  D, Emdin  CA, Kiran  A,  et al.  Blood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death: a systematic review and meta-analysis.  Lancet. 2016;387(10022):957-967. doi:10.1016/S0140-6736(15)01225-8PubMedGoogle ScholarCrossref
加え、 mendelian randomization研究でも経時累積的にベネフィットが示されている。
Cohen  JC, Boerwinkle  E, Mosley  TH  Jr, Hobbs  HH.  Sequence variations in PCSK9, low LDL, and protection against coronary heart disease.  N Engl J Med. 2006;354(12):1264-1272. doi:10.1056/NEJMoa054013PubMedGoogle ScholarCrossref

しかし、LDL-C低値、SBP低値の生涯リスクへの影響は不明。そこで、randomizationをinstrumentとして生涯リスクへの影響を検討

目的  LDL-C低下と、SBP低下組み合わせ生涯暴露と心血管疾患生涯リスクへの影響検討

デザイン・セッティング・被験者  438 952 名、UK Biobank(2006 〜 2010) 2018年までフォローアップ 遺伝的LDL-C、SBPスコアをinstrumentsとして用い、LDL-C低下、SBP低下、その両者の生涯リスクへグループ分け
血中LDL-C、SBP、心血管イベント発生率の差を群間で比較し、生涯リスクとの関連性を推定。

暴露:血中LDL-C、SBPの差を中央値未満遺伝子スコアと比較
中央値より高値の遺伝リスクスコアはLDL-C低値、SBP低値と相関

主要アウトカムと測定項目:重大冠動脈イベント(定義:冠動脈死、非致死性心筋梗塞、冠動脈血管再建)のオッズ比

結果 被験者 438,952名、平均年齢 65.2歳(range 40.4-80.0歳)、女性 54.1%、初回重大冠動脈 24,980

参照群と比較し、中央値超のLDL-C遺伝子スコア被験者は LDL-C値 14.7-mg/dL低値、重大冠動脈インベントリスクオッズ比 0.73 (95% CI, 0.70-0.75; p< 0.001)


中央値超のSBP遺伝子スコア 被験者は、SBP 2.9-mm HG低値で、重大冠動脈イベント OR 0.82 (95% CI, 0.79-0.85, P<0.001)

中央値超の両者遺伝子スコア群被験者では、LDL-C 13.9-mg/dL低値、  SBP 3.1- mmHg低値で、重大冠動脈イベント OR 0.61 (95% CI, 0.59-0.64; P< 0.001)

 4 × 4 factorial analysisでは、遺伝子リスクスコア増加ほど、LDL-C、SBP低値で、量依存的に重大冠動脈イベントリスク低下

メタ回帰分析では、 LDL-C 38.670mg/dL低値 SBP 10-mm Hg低値組み合わせで 重大冠動脈 OR 0.22 (95% CI, 0.17-0.25; P< 0.001)で、心血管死 OR 0.32  (95% CI, 0.25-0.40; P < 0.001)




Association of Genetic Variants Related to Combined Exposure to Lower Low-Density Lipoproteins and Lower Systolic Blood Pressure With Lifetime Risk of Cardiovascular Disease
Brian A. Ference, et al.
JAMA. Published online September 2, 2019. doi:10.1001/jama.2019.14120
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2749533

2019年5月15日水曜日

未診断・閉塞型睡眠時無呼吸の術後心血管イベントリスク

未診断閉塞型睡眠時無呼吸と非心臓系重大手術後の30日心血管合併症

5ヶ国8病院、1218名の閉塞型睡眠時無呼吸事前診断なしのリスク状態の患者の前ムココホート:2012年1月〜2017年7月まで、フォローアップ2017年8月まで
術後モニタリング夜間パルスオキシメトリーと心筋トロポニン濃度

REI (Respiratory Event Index (REI): – # of apneas + hypopneas per hour of monitored time):被検者装着モニタリング中の指数 5-14.9、 15-30、30超で分け分類

主要アウトカム・測定:
一次アウトカム:心筋障害、心臓死、心不全、血栓塞栓、心房細動、卒中(術後30日間)
比例ハザード解析にて閉塞型睡眠時無呼吸と術後心血管合併症関連性検討



Association of Unrecognized Obstructive Sleep Apnea With Postoperative Cardiovascular Events in Patients Undergoing Major Noncardiac Surgery
Matthew T. V. Chan,  et al.; for the Postoperative Vascular Complications in Unrecognized Obstructive Sleep Apnea (POSA) Study Investigators
JAMA. 2019;321(18):1788-1798. doi:10.1001/jama.2019.4783
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2733209


研究登録 1364名、解析は1218名(平均年齢, 67 [SD, 9]歳 ; 女性 40.2%)

術後30日において、プライマリアウトカム発生率

  • 重症OSA 30.1% (41/136)
  • 中等度OSA  22.1% (52/235) 
  • 軽度OSA 19.0% (86/452)
  • 非OSA 14.2% (56/395)



OSAはプライマリアウトカムリスク増加と相関 (補正ハザード比 [HR], 1.49 [95% CI, 1.19-2.01]; P = .01); しかし、この相関は重度OSA患者のみ有意 (補正 HR, 2.23 [95% CI, 1.49-3.34]; P = .001) で、中等度 OSA (adjusted HR, 1.47 [95% CI, 0.98-2.09]; P = .07) or 軽症 OSA (adjusted HR, 1.36 [95% CI, 0.97-1.91]; P = .08) (P = .01 for interaction)では相関認めず

初回術後連続3日夜間の平均酸化ヘモグロビン不飽和度 80%未満累積平均時間が心血管合併症ありの患者では、心血管合併症発症無しより長い  (23.1 [95% CI, 15.5-27.7] 分間) vs 10.2 [95% CI, 7.8-10.9] 分間) (P < .001)

周術アウトカムの有意相互作用は麻酔の種類には依存せず、同様、手術オピオイド、酸素負荷治療にも依存せず


結論:重大非心臓手術リスク成人において、未認識重度閉塞型睡眠時無呼吸は有意に30日間の心血管合併症発症リスクと関連する。





<序文 Google翻訳>
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠障害呼吸の最も一般的なタイプであり、睡眠中の咽頭虚脱と覚醒の間の周期的変化によって特徴付けられます。
その結果、夜間低酸素症、高炭酸ガス血症、内皮機能不全、凝固亢進、および交感神経過活動の再発性の症状があります。
 一般集団では、OSAは高血圧、心筋虚血、心不全、不整脈、脳卒中、突然の心臓死などの心血管系合併症のリスクが高いことと関連しています。
全身麻酔薬、鎮静薬、術後鎮痛薬は、上気道拡張筋を弛緩させ、低酸素血症や高炭酸ガス血症に対する換気反応を損なう強力な呼吸抑制剤です。
 これらの事象はそれぞれOSAを悪化させ、患者に術後の心血管合併症を起こしやすくします。この点で、OSAの周術期の管理ミスは深刻な医療法上の結果をもたらしています。しかし、最近の大規模データベースリポジトリの分析は矛盾する結果を示しました。選択したエンドポイントに応じて、OSAは手術後の不良、あいまいな、またはより良い転帰1と関連していました。認識されていないOSAが術後の転帰に悪影響を及ぼすかどうかは不明である。
</序文 Google翻訳>

ではどうしたらよいか?
術後3日間の酸素療法で術後心血管イベント改善しなかった
酸素飽和度 80%未満の重度低酸素飽和度期間により積極的な手段をとるのか、今後の課題




2019年5月9日木曜日

運動誘発虚血:毛髪水銀高濃度リスク増加、長鎖ω3脂肪酸高濃度リスク減少

中年以上の男性で横断的に血中長鎖ω3脂肪酸と毛髪水銀濃度と運動負荷心筋虚血頻度の検討

魚介類食の負のリスクの一つは水銀摂取量増加があり、
海中で検出される水銀の濃度は非常に低い(1リットルあたり10億分の1グラム以下)。しかし、特に食物連鎖の上位に位置するメカジキやマグロのような、私たちが食する魚には、高濃度で存在する。MeHg(メチル水銀)は、生物蓄積性が高く、毒性の高い水銀であり、魚を食べることによって人々の健康に悪影響を及ぼす。海中濃度は低いにもかかわらず、どのようにして多量のMeHgが私たちが食べる魚に含有するのか。その答えは、プランクトンが取り込み、海洋食物網内でに生物蓄積するためであり、この 過程の第一段階が大きな理由なのである。...動物プランクトンは、食糧が豊富にあるため大量のMeHgを摂取することになり、成長するにつれ、MeHgをより迅速かつ効果的に希釈する。これにより、動物プランクトン中のMeHgの濃度は、周囲の海水よりも50,000〜1,000,000倍高くなる。MeHgが魚に到達する前の海水中の水銀濃度とこれだけの差ができるのは、海水中の微量の水銀を海洋食物網の中で濃縮させていくからである。 https://nereusprogram.org/ja/works/%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B6%B2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%B0%B4%E9%8A%80%E6%BF%83%E5%BA%A6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E9%AB%98%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B/




Serum long-chain omega-3 fatty acids, hair mercury and exercise-induced myocardial ischaemia in men
BMJ journals ;Heart
https://heart.bmj.com/content/early/2019/05/04/heartjnl-2019-314755

魚は長鎖ω3不飽和脂肪酸(PUFA)を多く含み、冠動脈疾患リスクと負の相関を示すが、同時にメチル水銀も含みこちらは冠動脈性心疾患リスク増加と関連し、PUFAの心血管疾患予防効果を薄める可能性がある

Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study(42-60歳、1984-89年調査)
電気ブレーキ自転車エルゴメータによる症状上限運動負荷試験を行い、ロジスティック回帰による運動誘発心筋虚血オッズ比検討

多変量解析にて、ω-3PUFA最大最小4分位比較で、心筋虚血オッズ比 33%低下(OR , 0.67 , 95% CI, 0.51 - 0.87, p-trend = 0.006)

CHD病歴患者で最もこの相関強く (OR, 0.10, 0.03 - 0.39, p-trend < 0.001)
病歴なしの場合は OR 0.80, 95% CI 0.57 - 1.12 p-trend 0.17)

毛髪水銀濃度は心虚血オッズ比増加と相関 (OR, 1.62 95% CI 1.22 - 2.14, p-trend 0.002)






水銀と心血管リスクの関連性は、冠動脈性心疾患既往有り・無しのサブグループ各々では有意差無しだが、totalでは明確なリスク増加

アンケートならではの分類過誤バイアスの可能性あり
The strengths of our study include the use of serum long-chain omega-3 PUFA and hair mercury, both established biomarkers for fish intake, instead of food-frequency questionnaires, which reduced the bias by misclassification. 


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note