2013年2月4日月曜日

急性冠症候群:未婚・独居は予後が悪い

未婚や独居は、急性冠症候群のリスクイベント、イベント後の1ヶ月、1年後の死亡率増加と関連すると、フィンランド居住者(FINAM)の検討からの報告


Prognosis of acute coronary events is worse in patients living alone: the FINAMI myocardial infarction register
European Journal of Preventive Cardiology
Published online before print January 30, 2013,
doi: 10.1177/2047487313475893 European Journal of Preventive Cardiology 2013 2047487313475893

35歳以上の15330名の急性冠症候群症例で、年齢補正後急性感症候群発症リスク
男性では、未婚なら既婚比較で 58% → 66% とリスク増加
女性では、60% → 65% とリスク増加
急性冠症候群イベント入院全患者では、28日死亡率が既婚男女にくらべ、未婚男女は有意にかつ著名にリスクが増加する。
 

急性冠症候群入院後28日死亡率(性別、婚姻状態、同居人数補正)
パラメータ 男性, % (95% CI) 女性, % (95% CI)
婚姻状態    
既婚 26 (24–29) 20 (15–24)
未婚 51 (46–57) 43 (31–56)
婚姻経験あり 42 (37–47) 32 (25–39)
同居人数    
他の2名以上と同居 31 (28–35) 21 (14–28)
他の1名と同居
31 (28–34) 25 (19–31)
独居
49 (44–54) 43 (35–51)
*Case fatality=% of ACS events that were fatal




加えて、35−64歳群の解析では、1年後死亡率は、婚姻経験ありに比べ(44% (95% CI 40%–49%))、結婚経験のない男性で有意に高い( 55% (95% CI 50%–60%) )

同様に、独居者がいる場合での検討だが、1年後死亡率は、独居の男性で有意に死亡率高く (52% (95% CI 48%-57%))、女性でも高い( 45% (95% CI 37%-53%))

独居かつ未婚者が、1年後のもっとも生存率の悪い状況で、最も死亡率が少ないのは既婚男女・2名以上の他の同居人が存在する場合。


急性冠症候群入院患者全員のうち、28日死亡率は、既婚男女より未婚男女で有意に急激に高くなっている。

特発性肺線維症:バクタ有効?

特発性肺線維症は治療選択がきわめて厳しい疾患

co-trimoxazoleが 有効な報告がある

二重盲験多施設研究で、18名
12ヶ月間 co-trimoxazole 960mg 1日2回 vs プラシーボ 比較

Treating idiopathic pulmonary fibrosis with the addition of co-trimoxazole: a randomised controlled trial
Ludmila Shulgina, et. al.
Thorax 2013;68:155-162 Published Online First: 10 November 2012 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202403 
プライマリエンドポイント:肺活量
セカンダリエンドポイント:DLco、EQ5Dベース効用、6分間歩行距離、MRC呼吸困難スコア
ターシャリエンドポイント:死亡率・副事象

Co-trimoxazoleは肺活量で効果認めず(差平均 15.5 ml (95% CI −93.6 〜 124.6))

Dlco (mean difference −0.12 mmol/min/kPa (95% CI 0.41 〜 0.17))、 6MWT 、 MRC dyspnoea score (intention-to-treat analysis)も同様

per-pro〜col解析では、例外として、EQ5Dベース効用改善(平均差 0.12 (95% CI 0.01-0.22)、酸素必要比率減少 (OR 0.05 (95% CI 0.00 〜 0.61))、全死亡率減少(co-trimoxazole 3/53, placebo 14/65, HR 0.21 (95% CI 0.06 〜 0.78), p=0.02))

co-trimoxazoleは気道感染減少するが、吐き気・皮疹増加 

バクタ配合錠1錠は スルファメトキサゾール400mg、トリメトプリム80mgだから2錠/日
ニューモシスティスカリ肺炎抑制作用としてなれてるが・・・果たして・・・

COPD急性増悪:抗TNFα製剤はステロイド治療を凌駕せず 

抗リウマチ エタネルセプト(エンブレル)

COPD急性増悪に対し、“抗TNFα拮抗剤 エタネルセプト 50mg皮下注”vs “プレドニゾロン40mg/日×10日間”を、ランダム化後14日目FEV1で効果判定

81名のCOPD急性増悪例

結論からいえば、COPD急性増悪時は、etanerceptはプレドニゾロン治療より有効とはいえない。血中好酸球2%以上の時の患者でその有効性が高い


TNFα antagonists for acute exacerbations of COPD: a randomised double-blind controlled trial
Thorax 2013;68:2 142-148 Published Online First: 17 November 2012

FEV1のベースラインからの平均±SE変化
プレドニゾロン群 20.1 ± 5.0%
etanercept群 15.2 ± 5.7%
治療群差 4.9%(95%CI -10.3%〜20.2%) p=0.52


90日目治療失敗率(呼吸苦、QOL比較)
プレドニゾロン群 32%
etanercept 群 40% p=0.44

増悪時、血中好酸球 2%以上のサブグループでは、プレドニゾロン治療の失敗率が少ない  (22% vs 50%, p=0.08)

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