2019年2月1日金曜日

走りすぎても大丈夫?

「(爺さんたちの)マラソンのような高レベルの身体活動は体に良くない」という話を聞いたことがある。



論文は冠動脈石灰化レベル高い場合でも死亡リスクが高いというわけでもない
特に冠動脈石灰化レベル少ない場合はむしろ死亡確率減少



Association of All-Cause and Cardiovascular Mortality With High Levels of Physical Activity and Concurrent Coronary Artery Calcification
Laura F. DeFina, et al.
JAMA Cardiol. Published online January 30, 2019. doi:10.1001/jamacardio.2018.4628
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/fullarticle/2722746



Cooper Center Longitudinal Study:予防医学施設 Cooper Clinicの前向き観察研究
1998年1月13日〜2013年12月30日、死亡率は 2014年12月31日までフォローアップ
明確な心血管疾患認めない健康被検者 21,758名、身体活動とCACスキャン施行

自己報告身体活動(MET/週)カテゴリー化  3000以上(n=1561)、 1500 to 2999 (n = 3750), and less than 1500 (n = 16 447)

CACスコアカテゴリー 100以上  (n = 5314) 、 100未満 (n = 16 444) Agatston units (AU)

主要アウトカムと測定項目:総死亡率、心血管疾患死亡率、(国内死亡統計指標: National Death Index Plus)

ベースライン平均(SD)年齢 51.7(8.4)歳


  • 3000 MET-分以上/週の男性は、それ以下の累積身体活動低下男性に比べ、CAC 100AU以上の蓋然性が高い
  • フォローアップ 10.4(4.3)年間、総死亡 759、心血管死 180、うち、3000 MET-分以上/週の場合、総死亡 40、心血管死亡 10例
  • CAC 100 AU未満、身体活動 3000 MET-分以上/週では1500 MET-分 未満/週に比べて死亡確率半減 (ハザード比 [HR], 0.52; 95% CI, 0.29-0.91)
  • CAC 100 AU以上の男性群に限っても、3000 MET-分以上/週男性は、1500 MET-分 未満/週に比べて総死亡率有意増加はない (HR, 0.77; 95% CI, 0.52-1.15)
  • 身体活発でない男性は、CAC 100 AU以上の場合、100 AU未満より死亡確率2倍 (HR, 1.93; 95% CI, 1.34-2.78)







最近、11km/h(11.5 MET)〜12km/h(12.4 MET)x1時間以上が基本なんだよなあ
60分x週 5回だと 3600 MET-分/週かぁ それ以上なんだけど・・・

https://exrx.net/Calculators/WalkRunMETs


外来呼吸リハビリテーション:喘息もCOPDと同様効果


呼吸リハビリテーションは運動トレーニング・自己管理教育を主たる構成要素とする集学的・包括的介入で、COPD患者では症状、運動能力、QOL改善をもたらす。軽症喘息の若年者での研究を検討し、肥満・非肥満患者への食事介入が最近検討されている。喘息でも運動によるQOLや運動能力改善効果、さらには一部研究ではFEV1、喘息コントロール、運動誘発性気管支収縮、気道炎症、不安・うつ、体重・脂肪組成などへの効果が期待されている。
一方、重症喘息患者の呼吸リハビリテーションの役割は研究が乏しい。
重症喘息は、COPDと異なり、肺胞ガスtransferは温存され、運動による低酸素血症は比較的生じないはず。COPD患者では運動中酸素飽和度低下とそれに伴う筋肉への酸素運搬の増加と換気効率減少が見られる特徴がある。経口ステロイドのためミオパチーにより呼吸筋および骨格筋の障害など、運動プログラムのデザインなど喘息にあわせたデザインが求められる。


Outpatient pulmonary rehabilitation for severe asthma with fixed airway obstruction: Comparison with COPD
Agnès Bellocq, et al.
Journal of Asthma, 1–9. doi:10.1080/02770903.2018.1541351
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02770903.2018.1541351


後ろ向き研究にて、固定閉塞重症喘息患者を、性別・年齢・BMI・FEV1マッチ化COPDと比較して外来リハビリテーションの効果・耐用性比較

29名、気道閉塞中等度:median FEV1 57% [44–64]


ピーク時VO2はCOPDより喘息で高値  (19.0 [15.7–22.2] vs 16.1 [15.3–19.6] ml.min−1.kg−1, p = 0.05)

リハビリテーション後、喘息とCOPD群は共に有意で同様の定常負荷サイクリング試験耐用時間 ;[114–831] 秒、 377 [246–702] 秒
Hospital Anxiety and Depression Scale (HAD) total score変化量も同様 (–2.5 [–7.0 to 0.0] vs –2.0 [–5.0 to 2.0], p > 0.05)

SGRQのQOLスコアは有意に両群改善 (–14.0 [–17.7 to –2.0], p < 0.005 and –8.3 [–13.0 to –3.6], p < 0.0001)


固定気道閉塞重症喘息患者でも外来呼吸リハビリテーションの適応性や認容性同様





noteへ実験的移行

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