2013年10月30日水曜日

70歳以上:DPP4阻害剤、リナグリプチン(トラゼンタ)の有効性評価

65歳以上の高齢者2型糖尿病比率は多いが、血糖降下薬臨床研究から除外されることが多い。

70歳以上での、DPP4阻害剤、リナグリプチン(トラゼンタ)の有効性評価

Linagliptin for patients aged 70 years or older with type 2 diabetes inadequately controlled with common antidiabetes treatments: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
The Lancet, Volume 382, Issue 9902, Pages 1413 - 1423, 26 October 2013

70歳以上の2型糖尿病ランダム化二重盲験平行群多国第三相研究
メトホルミン、SU剤、ベース・インスリン、これら薬剤の併用にてHbA1c 7%以上

コンピュータ形成ランダム化シークエンス
層別化 
・HbA1c < 8.5% vs 8.5% 以上
・インスリン使用
2:1比で、トラゼンタ 5mg vs マッチングプラシーボ 24週間
プライマリエンドポイントは、24週後のベースラインからのHb1cの変化

241地域住居外来患者をランダム化(トラゼンタ 162 vs プラシーボ 79)
平均年齢 74,9歳(SD 4.3)、平均HbA1c 7.8%(SD 0.8)

24週後、プラシーボ補正平均HbA1c変化量は、トラゼンタで - 0.65%(95% CI, - 0.81 to -0.48 , p< 0.0001)

包括的安全性・耐用性は同等 ; 副作用イベント 75.9% (linagliptin n=123, placebo n=60).

死亡例無し

重大副作用イベント:トラゼンタ群 8.6%(14) vs プラシーボ群 6.3(5)、ただし、比肩薬剤によるものと思われる例無し

低血糖は両群で観察されるが、群間差なし  (トラゼンタ群 24·1% [39]、プラシーボ群 16·5% [13] ; odds ratio 1·58, 95% CI 0·78—3·78, p=0·2083).


2型糖尿病・中国非劣性比較:初期治療としてのメトホルミンとアカルボース比較

open-labelの研究なため、解釈に注意が必要

グルコバイ

Acarbose compared with metformin as initial therapy in patients with newly diagnosed type 2 diabetes: an open-label, non-inferiority randomised trial
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 18 October 2013

48週間ランダム化オープンラベル非劣性トライアル
卑劣性マージン0.3%で、24、48週でのHbA1c低下比較 
788名治療群割り付け
24週後、アカルボース -1.17% vs メトホルミン -1.19%
48週後、アカルボース -1.11% vs メトホルミン -1.12% 
重篤副作用イベント
アカルボース群 6(2%) vs メトホルミン群 7(2%) 
低血糖エピソード アカルボース 2(1%)vs メトホルミン群 4(1%)


α1GI系って、臨床的効果乏しく、心血管系ベネフィットのエビデンス乏しい
(Possible cardiovascular benefits need to be proven in major randomised-controlled trials with primary cardiovascular outcomes)


metforminに関しては、少なくともSU剤に比べれば、心血管イベント減少


心血管系マーカー改善効果はありそうだ
(J Intern Med. 2013 Aug 26. doi: 10.1111/joim.12128.

日々の運動以外身体的活動性(NEPA)増加は、生命予後改善、心血管疾患予防に役立つ

運動以外の身体的活動性:non-exercise physical activity (NEPA)

園芸植物の世話したり、車を修理したり、のんびり仕事をしたり、決して、運動とは言えないが、じっとはしてない状況を言うようだ。ガーデニング、DIYといったものが代表的。

これらの趣味は、高齢者にとって、心血管疾患予防だけでなく、寿命をのばす。

要するに、自宅で座ったままという時間をいかに少なくするかが鍵で、スウェーデンでは、家の修理や芝刈り、車のメンテナンス、スキー、ハンティング、キノコやイチゴ苅りが文化的習慣とのことで、このような習慣をアンケートとして調査している。

研究者らは、毎日居宅内でじっとしていると、代謝率低下し、代謝的健康を維持できないと考察している。

The importance of non-exercise physical activity for cardiovascular health and longevity
Press Release
Br J Sports Med doi:10.1136/bjsports-2012-092038
【背景】 全ての共同体でSedentary time (体を動かさない時間)増加し、日々の運動以外身体活動量(non-exercise physical activity (NEPA) of daily life)の減少をもたらしている。NEPAの心血管健康・寿命への重要性に関して、特に老人では、(その情報)限定的。

【目的】 ベースラインでのNEPAおよび心血管健康と、12.5年後の初期心血管疾患(CVD)イベント、総死亡率の相関を検討

【研究デザイン】 Cohort study.

【マテリアルとメソッド】各3次ストックホルム地域の60歳男女を検診研究に誘い込み、4232名(回答率 78%)
ベースラインで、NEPA、運動習慣自己回答アンケート、身体検査・Lab.検査にて心血管健康評価。
平均12.5年フォローアップにて、CVDイベント・死亡率評価。

【結果】ベースラインでは、NEPA高値は、低値と比較すると、定期的運動に関わらず、男女では、ウェスト径、HDLコレステロール、トリグリセリド好ましい状況
男性では、低インスリン、血糖、フィブリノーゲン値で良好。
さらに、運動しない場合、定期的運動する場合ともに、メタボリックシンドローム頻度は、NEPAレベル高い群では有意に低い。
さらに、NEPAレベル高い場合、低値と比較し、初期CVDイベントのリスク減少と相関。
 (HR=0.73; 95% CI 0.57 to 0.94) and lower all-cause mortality (0.70; 0.53 to 0.98).

【結論】 一般的な日常生活活動性は、運動定期的に行う、行わないに関わらず、高齢者において、心血管健康と寿命と相関する。

近くの開業医のほとんどが、高齢となると、園芸や農業に興味を持ちはじめる。
もちろん、私も例外ではない。田舎だと、それ以外に、雑草駆除、ゴミ拾い、芝刈り、秋口の落ち葉掃除など作業に事欠くことがない。(でも、光ファイバーさえないのは悲しい・・・)



低放射線量CT検診:保険カバー準備段階で生じる議論

米国では、低放射線量CT検診・医療保険カバー開始される。これに先立ち、様々な議論がなされている。

リスク層別化された議論は当然で、日本の某県の野放図な検診とはちがってまとも


Lung Cancer Screening: Prep for Change
Published: Oct 28, 2013
By Crystal Phend, Senior Staff Writer, MedPage Today
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/CHEST/42537


肺がん検診プログラムは、診療報酬償還および関心の高まりなど大きな変動となると、委員会。「洪水防御ゲートが開かれることになるので、メディケアはルール変更前に適切に準備してもらいたい」と、
Yale Lung Screening and Nodule Program を指揮し、説明した、Lynn Tanoueは述べている。 
早期取り組み者の意見が HEST meeting で公開されている。 
U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) は、高リスク、55−79歳、喫煙歴 30 pack-yearもしくは15年内禁煙者を対象にした、年次低放射線量CT検診プログラムを支持する推奨原案を6月に発表。パブリックコメントは8月26日で終了、最終推奨が待たれる状況である。 
メディケアなどの保険者は、 Affordable Care Act下の任意の自己負担もしくは控除無しで、この検診カバーするよう義務づけられることになる。このムーブメントは、50米ドルから400米ドルになる最大障壁除去となる。
「この時点での自己負担について配慮すべきではなく、USPSTF最終推奨について注意をはらうべき」と、Douglas Arengerg(ミシガン大学クリニック検診プログラム準備関与者)も同意意見。 
「これは、”how to”セッションじゃない、正答を知らないものたちがベストな方法を求めている状況、利用者に害を与える機会を増大させ、有害性が内在し、それは検出困難である」。
「低放射線量スキャンや検診の宣伝提供は単純なことではない。検診は単にCTスキャンを行うことではない、適切に行われても、CTスキャンが正当でないこともある」と、Tanoue。

検診ガイドライン提出した専門家機構はすべて、検診は多専門職プログラムを含むことを要求している。患者選択を慎重に行うとともに、CTスキャンの品質管理の必要性、結節を有sる患者がほぼ20%に上り、スキャンだけでは96%除外困難という想定があり、それを如何に扱うかのプラン。

 
禁煙が最も協力ながん予防介入方法であるため、禁煙の方向付けがクリティカルな問題である。ミシガン大学と同様、NLST(National Lung Screening Trial)クライテリアに厳密に従うプログラムがある一方、他のオプションを形成するところもある。Cleaveland Clinicの Peter Mazzoneは、6年間に1.5%を超えるというnuanced risk-層別化クライテリアを導入。
Tanoueは、自らのプログラムでは、若干高い閾値状況を目的とする、10年5%リスクを設定したと述べている。

PLCOリスク式はあまりに計算しがたい、point-of-care iPad アプリにて利用できるいくつかのリスク公式計算をデザインしている。
クライテリアに合致しない対象者を如,何に取り扱うか、最も質問される部分であるとArenbergは述べている。Yaleプログラムは、看護師への回答として、初期検診での検診ホットラインを提示、意思決定プロセスを通して患者に診療受診を要求している。 
Cleavelad Clinicは、電子オーダーシステムで、"smart stop"としてリスク計算アンケートを行い、CT検査検診除外を試みていると、Mazzone。
まず、このグループは、医師たちがスキャンオーダーできない、hard stopとなり、抗放射線量診断CTスキャン開始着手するようなシステムを有する。
一度、保険者がCTスキャンをカバーし始めると、リスク状況での制限を求め、NLSTや他のリスク層別かシステムにて住民カバーをしぼることとなるだろう。


こんなに神経質に、低放射線量CT検診導入を進めているのに・・・鹿児島県の肺がん・低放射線量CT検診の雑なこと・・・

人種差:白人の子供はペット比率高く、喘息保有少ない

喘息自動において、白人は、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系に比べ、ねこ・犬、何れかを飼ってることが多いが、国民喘息保有率は、アフリカ系で12%ー14%、白人系で6−8%であり、民族的差がある。

このことは、ひょっとしたら、犬猫のアレルギー防御的効果を示すのかもしれない


 Differences in Asthma Prevalence in Different Ethnic Groups May in Part Be Related to Presence or Absence of Pets at Home
Shahid Sheikh ,et. al.
CHEST , October 2013, Vol 144, No. 4_MeetingAbstracts
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=1739621


衛生仮説による解釈がなされている。

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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note