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2018年2月15日木曜日

米国FDA認可: 軽症外傷性頭部損傷(mTBI)評価のための血液検査 Banyan BTI

軽症外傷性頭部損傷(mTBI)評価のための採血検査
(Banyan BTITM )https://www.banyanbio.com/) 
マーケッティング米国FDA許可

CT放射線被曝の必要性が減少することを評価された
FDA News Release
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm596531.htm
UCH-L1 :  ubiquitin carboxy-terminal hydrolase L1
GFAP : glial fibrillary acidic protein


頭部外傷後12時間内に評価
3-4時間で結果判明


根拠トライアル:  ALERT-TBIトライアル
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01426919







これら検査は、必ずしも疾患特異的ではないらしい

 Glial Fibrillary Acidic Protein and Ubiquitin C-Terminal Hydrolase-L1 Are Not Specific Biomarkers for Mild CT-Negative Traumatic Brain Injury
To cite this article:
Posti Jussi P.,  et al. , and TBIcare Investigators.
Journal of Neurotrauma. April 2017, 34(7): 1427-1438. https://doi.org/10.1089/neu.2016.4442




<バイオマーカー解説>

Biomarkers of Traumatic Brain Injury: Temporal Changes in Body Fluids
Harel Adrian,  et al.
eNeuro 8 December 2016, 3 (6) ENEURO.0294-16.2016;
DOI: https://doi.org/10.1523/ENEURO.0294-16.2016
http://www.eneuro.org/content/3/6/ENEURO.0294-16.2016






日本で認可されると、交通外傷、スポーツ外傷、日常外傷などに影響をもたらすことだろう。高齢者転倒・頭部打撲って結構多い

2016年3月29日火曜日

血中GFAP:頭部外傷・脳振盪 迅速に予測可能

頭部外傷(TBI)及び脳振盪疑いで、GFAP(グリア線維性産生蛋白:Glial fibrillary acidic protein)により、軽症〜中等症TBI(MMTBI)検出、CT病変、脳外科介入の7日間の経過予測に役立つ


Time Course and Diagnostic Accuracy of Glial and Neuronal Blood Biomarkers GFAP and UCH-L1 in a Large Cohort of Trauma Patients With and Without Mild Traumatic Brain Injury
Linda Papa, et. al.
頭部外傷(TBI)及び脳振盪疑い
Glial fibrillary acidic protein (GFAP)
ubiquitin C-terminal hydrolase L1 (UCH-L1)

1831名、40 [16] 歳; 男性 62.0% [362/584]) 、7日間

主要アウトカムは、MMTBI診断、外傷性脳内病変の存在(CT)、脳外科介入

外傷後1時間内で、GFAPとUCH-L1検出可能
GFAPは外傷後20時間でピーク、72時間徐々に減少

UCH-L1は外傷後8時間でピーク、48時間で急激減少

1週間の経過 診断レンジ・AUC
GFAP 0.73 (95% CI, 0.69-0.77) 〜 0.94 (95% CI, 0.78-1.00)
UCH-L1  0.30 (95% CI, 0.02-0.50) 〜 0.67 (95% CI, 0.53-0.81)

CT上頭蓋内病変検出GFAP  0.80 (95% CI, 0.67-0.92) 〜 0.97 (95% CI, 0.93-1.00)
UCH-L1. 0.31 (95% CI, 0-0.63) 〜 0.77 (95% CI, 0.68-0.85)


脳外科介入有無鑑別ではGFAP 0.91 (95% CI, 0.79-1.00) 〜 1.00 (95% CI, 1.00-1.00)
UCH-L1 0.50 (95% CI, 0-1.00) 〜 0.92 (95% CI, 0.83-1.00)



各種格闘技、球技など接触スポーツなど、一定程度以上の接触では義務化すべきでは?

2015年7月17日金曜日

外傷性脳損傷後12後出現するTau蛋白 misshapen isoformへの抗体c/s P-tau

misshapen protein:できそこない蛋白、となるのだろうか?


神経学的急性機能障害を来す外傷性脳損傷(TBI)は、慢性外傷性脳障害、アルツハイマー病などのリスク要素で、リン酸化タウ蛋白(P-tau)を含むタウ障害として定義されている。

TBI後12時間で、Tau蛋白のmisshapen isoform、cis P-tauが形成され、神経変性となる神経破壊のもとになる
これに対する、選択的検出可能な蛋白抗体で、この高度毒性蛋白破壊する抗体の開発が報告された。




Antibody against early driver of neurodegeneration cis P-tau blocks brain injury and tauopathy
Asami Kondo, et. al.
Nature (2015) doi:10.1038/nature14658



cis P-tauは、正常の神経学的機能を破壊し、他のニューロンにも広がり、広汎な神経障害のもととなる。
開発の抗体は、この毒性蛋白を中和し、ニューロンの構造・機能の回復が見込める。


2015年4月8日水曜日

慢性外傷性脳症:[F-18] FDDNP PET で診断可能に!

慢性外傷性脳症: chronic traumatic encephalopathyは、震盪外傷など脳への外的反復性物理的ストレスによる脳変性疾患で、病理的にしか診断不能であった。

今回、非侵襲的診断可能にと・・・

In vivo characterization of chronic traumatic encephalopathy using [F-18] FDDNP PET brain imaging Jorge R, Barrio , et. al. http://www.pnas.org/content/early/2015/04/01/1409952112


症例対照研究だが、Tau蛋白沈着の領域パターンで、アルツハイマー病のそれと明確に異なる所見で、”medial temporal lobe and progresses along the cortical default mode network, with minimal involvement of subcortical structures”だそうで・・・default mode networkに沿った側頭葉病変で、皮質下構造は比較的保たれているのが特徴。
 vs. 「アルツハイマー病で最初に代謝・血流が低下する部位は後部帯状回から楔前部、視覚評価ではこの部分は評価不能・・・default mode networkと呼ばれ自己に関する思考を行う場として・・・この部位の代謝・血流低下する。アルツハイマー初期に代謝・血流低下が見られる大脳皮質連合野・・・


この問題はエリートアスリートや若年スポーツで大きな問題だと思うのだが・・・小学・中学格闘技とかKなんたらとか・・・ 。極真は対策されてはいるようだ・・・

2015年1月5日月曜日

外傷性頭部外傷と認知症リスクの関連: 中等症・重症頭部外傷では55歳以上、軽症では65歳以上で、認知症リスク増加



Dementia Risk After Traumatic Brain Injury vs Nonbrain TraumaThe Role of Age and Severity
Raquel C. Gardner, et. al.
JAMA Neurol. 2014;71(12):1490-1497. doi:10.1001/jamaneurol.2014.2668.



【序文:意義】  認知症リスク要素としての外傷性脳損傷(TBI)の重要性に関して疫学的エビデンスは相反状況である。非TBI(NTT: non- TBI trauma)患者を対照とした、加齢とTBI重症度の影響を検討した、研究は今まで少ない。


【研究目的】  近時TBI成人と、NTT成人との比較による認知症リスクの定量化


【デザイン、セッティング、被験者】  個々的コホートを2005年1月1日から2011年12月31日まで施行(フォローアップ、 5-7年間)。2005-2006年、入院期間中ベースラインで認知症や死亡しなかった55歳以上のTBI診断とNTT診断全患者  (n = 164 661)を、EDや入院のカリフォルニア州域行政医療データベースで同定。


【暴露】 軽症 vs 中等症・重症 TBI (ICD-9によるCDC及び予防クライテリアによる診断)
NTT:ICD-9による診断で、頭部・頚部骨折外の骨折


【主要アウトカムと測定項目】 TBIあるいはNTT後1年以上後のインシデンタルなED、入院での認知症診断 ( ICD-9 コードによる)
TBIと認知症リスクの相関性を、通常認知症予測因子及び寄与要素補正後Cox比例ハザードモデルを用い推定。
TBI重症度と年齢カテゴリー (55-64, 65-74, 75-84, and ≥85 歳)により層別化




【結果】  外傷 51 799 名中、TBI  (31.5%)。 このうち、  4361 (8.4%)名が認知症発症。NTTは5.9%で、有意差あり(p < 0.001)
TBIは、認知症リスク増加と関連   (ハザード比  [HR], 1.46; 95% CI, 1.41-1.52; p < 0.001)

年齢カテゴリー除外後 寄与要素補正にて、影響少ない   (完全補正 HR, 1.26; 95% CI, 1.21-1.32; p < 0.001)

層別化補正後解析では、中等度・重症TBIにより認知症リスクは全年齢横断的にリスク増加  (年齢 55-64: HR, 1.72; 95% CI, 1.40-2.10; p < 0.001; vs 年齢 65-74: HR, 1.46; 95% CI, 1.30-1.64;p < 0.001)
一方、軽症TBIでは、加齢とともにリスク要素の重要性増加   (年齢 55-64: HR, 1.11; 95% CI, 0.80-1.53; P = .55; vs 年齢 65-74: HR, 1.25; 95% CI, 1.04-1.51; P = .02; 年齢相関性 p < 0.001)


【結論と新知見】  EDあるいは入院状況下評価において、中等症・重症外傷性脳損傷の55歳以上、軽症外傷性脳損傷の65歳以上では、認知症発症リスク増加する。

高齢成人より若年成人では、軽症直近TBIの影響は、より可塑性があるのかもしれない。

2014年7月2日水曜日

頭部外傷後ヘモグロビン濃度維持アウトカム改善エビデンス認めず

エリスロポイエチン製剤あるいはヘモグロビン輸血による、頭部外傷後閾値に情報不十分。ランダム化臨床トライアル、200症例(エリスロポイエチン 102名、対照:プラシーボ 98名)の比較研究。


主要アウトカムは、受傷後6ヶ月時点での、Glasgow Outcome Scale スコアあるいは、不良アウトカム(重度障害、植物状態、死亡)

結論から言えば、10g/dL以上維持あるいはEPO製剤投与はアウトカム改善しめせず、10g/dLの輸血閾値は有害事象頻度増加と関連。



Effect of Erythropoietin and Transfusion Threshold on Neurological Recovery After Traumatic Brain InjuryA Randomized Clinical Trial
Claudia S. Robertson, et. al
the Epo Severe TBI Trial Investigator
JAMA. 2014;312(1):36-47. doi:10.1001/jama.2014.6490.


2014年2月18日火曜日

フットボールヘルメットの効果は限定的

フットボールヘルメットは平均して、外傷性脳損傷を20%しか減少せず、10のヘルメットブランド検証では、Adams a2000が最良のパフォーマンス、最悪は、Schutt Air Advantage。
ヘルメットは、線形の衝撃を防ぎ、損傷(70%から80%)や頭蓋骨折(60%から70%)を防ぐ。
"rotational acceleration" forceへの効果は限定的。


Press Release
FOR IMMEDIATE RELEASE
How Well Do Football Helmets Protect Players from Concussions?
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1241

2013年12月27日金曜日

住民ベース研究:軽度認知機能障害では、頭部外傷と脳内アミロイド沈着関連性有り

頭部外傷は認知正常者あるいは軽度認知障害(MCI)において、アミロイド沈着と神経変性疾患とに相関する。

Mayo Clinic Study of Agingにおける448名の認知機能健常者と、141名のMCいにおいて、Pittsburgh compound B (PiB)-PET、fluorodeoxyglucose-PET、 MRIを行い、脳震盪や一過性記憶喪を伴う失頭部外傷自己報告との関連性


頭部外傷有無関連無く、認知機能正常者では、神経画像検査で差を認めず
MCI141名では、25名(18%)で頭部外傷自己報告あり、頭部外傷報告例ではアミロイドレベル高値 (平均 0.36標準取込値比, p = 0.002)


Head trauma and in vivo measures of amyloid and neurodegeneration in a population-based study
Michelle M. Mielke, et. al.,
Published online before print December 26, 2013,
doi: 10.1212/01.wnl.0000438229.56094.54
Neurology 10.1212/01.wnl.0000438229.56094.54


記憶障害問題を有する高齢者で、脳震盪病歴はアルツハイマー病病理プラーク病変と関連するアミロイド沈着傾向を認める。






A prospective study of gray matter abnormalities in mild traumatic brain injury
Josef M. Ling, BA, , et. al.
doi: 10.1212/01.wnl.0000437302.36064.b1 
Neurology December 10, 2013 vol. 81 no. 24 2121-2127

2013年11月22日金曜日

軽度脳震盪でも、認知・身体・感情症状続き、MRI上左右不均等な所見認める

軽度脳震盪(しんとう)患者でも長期間、認知機能 、身体症状、情緒・感情的症状に影響を生じ、神経画像上の所見として存在持続する。4ヶ月後は左右不均等なdiffusion所見が脳MRIに見られるという知見。


"A prospective study of gray matter abnormalities in mild traumatic brain injury"
Ling J, et al
Neurology 10.1212/01.wnl.0000437302.36064.b1

50名の軽度頭部外傷患者と、性・年齢・教育レベルマッチ化対照との比較

外傷後の臨床・神経画像所見を14日から26名は4ヶ月目まで回収

亜急性外傷期において、認知、身体、感情面の訴え多く、4ヶ月後には有意に減少。

亜急性期において、両側前頭前皮質のdiffusion(fractional anisotropy:FA、diffusivityを意味)増加。左前頭前皮質の病変は、受傷後4ヶ月間持続する。


患者とマッチ化対照群では、神経心理的検査事項、灰白質萎縮/平均diffusivityにおいてどのポイントでも差を認めず


結論としては、皮質のFA増加は神経外傷後も灰白質の動物実験所見と一致した状況と類似し、細胞毒性浮腫、反応性のgliosisと関連する。この研究では皮質・皮質下萎縮のエビデンスがなく、慢性疾患経過初期に起きるニューロンあるいはneuropil喪失とつながるエビデンスは示せてない。



関連:
AAN:スポーツしんとうガイドライン
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/03/aan.html 


RSNA報告: サッカーと脳障害画像診断証拠2011 11 30
http://intmed.exblog.jp/14092689/

2013年3月21日木曜日

米国神経学会:スポーツ震とう対策を地方政府・州に訴え

2013AAN(アメリカ神経学会)年次集会は、スポーツ震とう(振盪)に熱心


AAN:スポーツしんとうガイドライン 2013/03/19
ガイドライン
Summary of evidence-basede guideline update: Evaluation and Development Subcommittee of the American Academy of management of concussion in sports : Report of the Guideline
http://neurology.org/content/early/2013/03/15/WNL.0b013e31828d57dd.full.pdf+html

Neurology group urges states to pass concussion laws
http://www.stltoday.com/lifestyles/neurology-group-urges-states-to-pass-concussion-laws/article_281d55c4-182f-5ca3-a57e-bd8691bd7624.html

米国内では、1年間に推定160万から30万件が生じているとのこと。
AANは州や地方政府に対して、スポーツ関連震とう最小化する法律導入を強く推奨とのこと。
  • アスリート、親、コーチに、アスリートの震とう(振盪)の認識、震とう後の後遺症の可能性の認識を最大に拡大すべき
  • 震とうを疑うアスリートは、だれでも、重症度と無縁に、ゲームや練習中止すべき
  • 神経専門医などのライセンスを持つ医療専門医、震とうへの評価・管理に関し適切に実践訓練を受けた上での者が、若年アスリートのプレー復帰前にその問題をクリアしなければならない。これには、高校の運動連盟によるもの、他の範疇の娯楽リーグなどのものも含まれると認識。
  • 高校・アスリートの運動連盟は、 非医師使用のためデザインされているStandardized Assessment of Concussion (SAC)などのツールを取り入れなければならない。スポーツ震とう評価・管理のためのAANのガイドラインによれば、SACは外傷早期において、震とう存在を正確に同定する可能性がある。



日本では、スポーツ関連でのコーチ監督による生徒・学生・競技選手への虐待が話題になっているが、海の向こうでは、別の話題が・・・

2013年3月15日金曜日

軽度頭部外傷を生じやすい遺伝的要素が存在する

繰り返しの頭部外傷と関連する脳のダメージは、画像やマーカーなどでその因果関係否定できない。
広汎脱分極所見:頭部外傷後アウトカムを予測 2011年 11月 05日
フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに 2010年 09月 24日
スポーツ:反復軽度頭部打撃→血液脳関門破壊→自己抗体出現→認知機能低下の可能性 2013年03月07日
脳しんとう:FA高値は神経可塑性を示し、その後の予後改善と関連する 2012年11月27日

しかし、「軽度頭部外傷により認知機能低下をもたらす」という仮説にだけとらわれていたのかもしれない。住民レベルで見ると、「頭部外傷を生じやすい認知機能低下をもたらす遺伝的要素が存在する」という事実が浮かび上がってきた。


Cognitive function and other risk factors for mild traumatic brain injury in young men: nationwide cohort study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f723 (Published 13 March 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f723
【目的】 若年者の軽度頭部外傷後の認知機能・他のリスク要素調査

【デザイン】 Nationwide prospective cohort study.

【セッティング】 Sweden.

【被験者】 1989-1994年徴兵305 885 名の男性

【主要アウトカム測定】 徴兵時及びフォローアップ時の認知機能及び他の寄与リスク要素と関連する軽度頭部外傷

【結果】軽度頭部外傷1回を有する男性で、認知機能検査前2年内 n=1988、認知機能後 n=2214 では、総合的認知機能スコアが、フォローアップ中外傷無しの男性に比べ、5.5%ほど低下する  (p< 0.001 for both)

さらに、軽度頭部外傷2回以上男性 n=795では、非外傷経験男性に比べ、総合的認知機能スコア15%低下  (p< 0.001)

認知機能検査後、1回以上の軽度頭部外傷に対し、強力な独立リスク要素(p< 1× 10 -10)は、総合的認知機能低下、頭部外傷既往、中毒による入院、低レベルの教育状況・社会経済状況

認知機能検査前に軽度頭部外傷を双生児一人経験している、双生児サブコホート(n=63)では、双生児両方とも、頭部外傷既往内総コホート男性に比べ、ロジカルなパフォーマンス、テクニカルなパフォーマンス低レベル(p< 0.05)

【結論】低レベル認知機能、社会経済状況に関わる要素は、男性の軽度頭部外傷に対する独立したリスク要素である。
 軽度頭部外傷不一致双生児で双生児両方とも認知機能低下していることは、そのような外傷を起こしやすい認知機能低下を有する遺伝的な要素が示唆される。
この研究は男性に限定したものであり、女性での関連性には十分注意が必要。 


頭部外傷と認知機能との関連性検討の時は、遺伝的要素を除外する必要性がある。

2013年3月7日木曜日

スポーツ:反復軽度頭部打撃→血液脳関門破壊→自己抗体出現→認知機能低下の可能性



脳震盪に至らない、軽度の頭部打撲を繰り返すスポーツでも、認知機能への影響があるという報告はかなり前からなされている。
フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに 2010年 09月 24日
頭をつかうスポーツは頭が悪くなる? 2004年 05月 12日
AAN: スポーツ脳しんとう疑い・既往時はスポーツ参加禁止、復帰時は事前訓練された医師の許可必要 2010年 11月 02日

疫学的データだけでは共役要素関与の懸念捨てきれない。できるだけ、そのメカニズムを説明できるものがほしい。

血液脳関門破壊と、自己抗体関与の可能性、画像診断の関係など 、さすが、Cleaveland Clinicの研究といえるきれいな報告。

"Consequences of repeated blood-brain barrier disruption in football players"
Nicola Marchi, et al
PLoS ONE 2013; DOI: 10.1371/journal.pone.0056805.

アメリカのフットボールプレイヤー頭部外傷リスク認識により、sideline concussion診断、神経学的障害のための評価に関する研究を促進している。脳震盪が神経学的後遺症スペクトラムの疫学的要素と認識されてきたが、脳震盪下のレベルでも後遺症があるかは不明であった。
血液脳関門破壊(BBBD)仮説を検討し、アストロサイト蛋白S100Bの血中急激増加により、自己抗体産生と関連する免疫応答が生じる可能性を検討。
これらのイベントがdiffusion tensor imaging(DT) scanにおける白質の 破壊所見を生じるかを決定する目的。
3つの大学フットボールチームからのプレイヤー登録(総計 67のボランティア)
いずれのプレイヤーも脳震盪経験せず、血液サンプルをゲーム前後採取(n=57)
全プレイヤーのhead hit数を動画視聴でモニター、試合後インタビューと合わせ評価
S100B血中値とS100B自己抗体を測定し、direct及びreverse immunoassayで補正(n=15プレイヤー; 5ゲーム数)
DTIスキャン施行プレイヤーサブセットをセッション前後、6ヶ月間隔にて行う(n=10)

認知・機能評価も施行。脳震盪下レベルの頭部打撲数の最も多いプレイヤーでのみ、ゲーム後、血中S100B測定BBBダメージ一過性に増加。
抗S100B自己抗体増加は、BBBDによる特徴的な繰り返しの脳震盪未満頭部打撲後でのみ増加。
S100B自己抗体の血中濃度は、また、認知機能変化と相関性のあるMRI-DTI異常持続を予測する変化である。
脳震盪の存在無い場合でも、フットボールプレイヤーは、繰り返し脳血液関門ダメージを受け、有害性と関連する自己抗体S100Bの急激な出現機会に遭遇するだろう。
血中S100B、自己抗体、DTI変化の相関は、繰り返す血液脳関門障害との関連性を示唆性、将来の認知機能への影響リスクを表す 

解説:Non-concussion football head hits can cause brain changes, Cleveland Clinic-led study finds
http://www.cleveland.com/science/index.ssf/2013/03/non-concussion_football_head_h.html

2012年11月27日火曜日

脳しんとう:FA高値は神経可塑性を示し、その後の予後改善と関連する



単一施設の症例対照研究


MRI上の “high-resolution diffusion tensor imaging” (超高分解能拡散テンソル画像による皮質下白質トラクトグラフィー:TDI)による分析

軽度頭部外傷(TBI)において、Fractional anisotropy(FA)で予後判定できるか?


Rosenbaum SB, et al "Abnormally high ansiotropy predicts health related quality of life and post-concussive symptoms at one year post mild TBI" RSNA 2012.
http://www.rsna.org/Attendees.aspx

参考:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/RSNA/36108


頭部外傷後1年、脳振盪後症状評価アンケート (via the Rivermead PCS Questionnaire [RPQ]) とHRQOL(via the Sickness Impact Profile [SIP])施行

包括すると、全患者でFA異常高値領域検知し、その値に高低がある。しかし、FA異常高値患者は、脳振盪後症状少なく、HRQOL良好。

高値は、脳しんとう症状改善予測として有意(p=0.01)で、QOLアウトカムも良好(P=0.024)、心理的機能も良好(p=0.007)

このことは、脳は脳卒中後補正しようと働き、それがFA高値ということになり、神経可塑性の現れということになると筆者らは述べている。



サッカー:脳しんとう未満微小打撃繰り返しの脳影響 ・・・ 画像化(TDI)  2012/11/14

2012年11月14日水曜日

サッカー:脳しんとう未満微小打撃繰り返しの脳影響 ・・・ 画像化(TDI) 



有症状脳しんとう既往の無いプロ・サッカー選手でも、閾値未満の脳への振とう的影響が繰り返し生じている。その結果、白質への形態的変化を生じている。


MRI上の “high-resolution diffusion tensor imaging” (超高分解能拡散テンソル画像による皮質下白質トラクトグラフィー:TDI)による分析



"White matter integrity in the brains of professional soccer players without a symptomatic concussion"
Koerte I, et al
JAMA 2012; 308: 1859-1861.


いままでの報告でも、繰り返す外傷性頭部外傷で、長期悪影響出現の報告が有り、白質密度を含めた検討もあった。しかし、脳しんとう以下のくりかえす微小打撃からの影響は不明であった。

12名のエリートレベルの右利き男性サッカー選手と、対照として11名の年齢別競技選手レベルの水泳選手と比較。

対象者は、平均年齢21.4歳で、9年超のトレーニング歴、有症状脳しんとう歴なく、神経精神疾患を有さない

軽度外傷脳障害、軸索・ミエリンの病態のマーカーとして拡散テンソル画像(FA:fractional anisotropy 、 mean diffusivity)を測定


年齢・訓練期間補正後、サッカー選手では、右眼窩前頭皮質白質、脳梁の神経膝・前方区域のradial diffusivity増加観察され、両側下前頭後頭束、両側視放線、両側前帯状回、右前、右上、両側放線冠、右内包前脚、右外包、右上前回の神経線維を含む変化である(P<0 .05=".05" br="br"> 
軽度頭部外傷患者にみられる radial diffusivityの広汎な増加が観察され、脱髄の可能性が示唆される。

サッカー選手は、脳梁のaxial diffusivity高度であるが、FA、mean diffusivityの群間差は見られない。神経放射線医は脳の構造的異常を認めない。





RSNA報告: サッカーと脳障害画像診断証拠  2011年 11月 30日 

頭をつかうスポーツは頭が悪くなる? 2004/05/12
頭をつかうスポーツは頭が悪くなる 続編 2004/07/03


ボクシングなどの格闘技スポーツで検討して欲しい

文明国ではボクシングは追放されなければならない(2005年08月23日)
ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い (2006年09月12日
アマチュア・ボクシングによる慢性外傷性脳損傷の存在:否定的論文なのだが・・・ 2007年 10月 05日


ボクシングでは随分前に行われているが、神経解剖的所見に乏しい・・・
Distribution of microstructural damage in the brains of professional boxers: A diffusion MRI study
Journal of Magnetic Resonance Imaging Volume 24, Issue 3, pages 537–542, September 2006
深部白質のFA減少、皮質灰白質にADC減少



2012年4月20日金曜日

慢性外傷性脳症(CTE):商業的格闘家脳長軸研究 ボクサーや職業的格闘家・フットボールプロ選手など

American Academy of Neurology's 64th Annual Meetingの事前情報がそのソース
http://www.wgal.com/news/health/Scientists-making-strides-to-define-crippling-brain-disease/-/9360276/10998498/-/item/0/-/ul93iwz/-/index.html


職業的なフットボール選手や繰り返す頭部外傷にさらされる人たちでは、意思決定・感情に関与する部分に粘性tangleが蓄積する。

Chronic traumatic encephalopathy(CTE)という病態

“Professional Fighters Brain Health Study”と呼ばれる長軸研究結果が発表される。

パーキンソン病やアルツハイマー病のように、発症前から進行が見られる。
109名の頭部外傷が日常的な、ボクサーや様々な武闘芸術家、自己報告・記録からの武闘競技記録調査。
6年未満、6-12年、12年以上で、格闘回数との相関と脳CTE病変との関連を調査し、6年を越えると脳の視床下部・尾状核、海馬の萎縮が見られ、記憶との関連性が見いだされた。
格闘回数が増えるほど、萎縮は著明となる。
12年以上で、パフォーマンス悪化し、進行悪化が明らかになる。症状発症善からCTEに至る脳の病変は存在する。
Dr. Charles Bernic(Cleveland Clinic Lou Ruvo Center for Brain Health)がリードした研究。



Center for the Study of Traumatic Encephalopathy
http://www.bu.edu/cste/
Chronic Traumatic Encephalopathy (CTE) :慢性外傷性脳症は脳の進行性変性疾患で、脳しんとう、無症状脳しんとう未到達打撃を含む反復性頭部外傷既往のあるアスリート(時にはそれ以外でも)生じる。 CTEは1920年代からボクサーでは既知の病態だったが、反復頭部外傷既往の職業的フットボールプレイヤーや他アスリートにおいて神経病理学的確認CTE症例が最近報告が続いている。この外傷がトリガーとなり、脳へ進行性変性を生じ、tauと呼ばれる異常たんぱくのbuild-upをもたらす。 外傷後数ヶ月、数年、時に数十年後に、引退後かもしれないが、この脳の変化をもたらす。 脳の変性は、記憶障害、混乱、判断障害、衝撃的問題行動、攻撃性、うつ、時に認知症発症と関連する。








【参考】

King-Devick 検査:ボクシング・格闘技関連頭部外傷・脳しんとう検査の妥当性 2011年 05月 02日

小児:軽度頭部外傷でも注意力・認知・記憶障害に影響を与える

文明国ではボクシングは追放されなければならない 2005年 08月 23日

ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い 2006年 09月 12日

アマチュア・ボクシングによる慢性外傷性脳損傷の存在:否定的論文なのだが・・・ 2007年 10月 05日

フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに2010年 09月 24日

K-1甲子園:危険性への配慮が足りなさすぎる  2008-09-03

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...