2021年5月31日月曜日

アビガン:Favipiravir  臨床効果はあるものの臨床現場での有効性低い

アビガンに関して否定的まとめ 臨床効果はあるものの臨床現場での有効性低い


The efficacy and safety of Favipiravir in treatment of COVID-19: a systematic review and meta-analysis of clinical trials

https://www.nature.com/articles/s41598-021-90551-6

https://www.nature.com/articles/s41598-021-90551-6.pdf


新型コロナウイルスのアウトブレイクは2019年12月下旬に始まり、世界中に急速に広がり、公衆衛生システムに決定的な影響を与えました。すでに承認され販売されている多くの医薬品が再利用のために試験されており、その中にはFavipiravirも含まれています。我々は、システマティックレビューとメタアナリシスにより、COVID-19患者の治療におけるFavipiravirの有効性と安全性を調査することを目的としています。本システマティックレビューおよびメタアナリシスは、PRISMAステートメントに基づいて報告されました。PROSPEROにプロトコルを登録した(CRD42020180032)。SARS-CoV2の感染が確認された患者の治療において、ファビピラビルの安全性と有効性を他の対照群と比較して取り上げたすべての臨床試験を対象とした。LitCovid/PubMed,Scopus,Web of Sciences,Cochrane,Scientific Information Databaseなどの電子データベースを2020年12月31日までに検索した。Cochrane Collaborationの基準を用いて、含まれる研究のバイアスのリスクを評価した。すべての分析は、Comprehensive Meta-Analysisソフトウェアバージョン2を用いて行い、リスク比指標を算出した。出版バイアスの評価には Egger and Begg 検定を用いた.


9件の研究がメタアナリシスに含まれた。


メタアナリシスの結果、入院後7日間において、Favipiravir群は対照群に比べて臨床的に有意な改善が認められた(RR = 1.24, 95% CI: 1.09-1.41; P = 0.001)。



ファビピラビル群は対照群に比べて入院後14日目にウイルス除去率が高かったが、この知見はわずかに有意ではなかった(RR = 1.11, 95% CI: 0.98-1.25; P = 0.094)。


補助的酸素療法の必要性は、ファビピラビル群が対照群より7%少なかった(RR = 0.93, 95% CI: 0.67-1.28; P = 0.664)。ICUへの転入や有害事象は両群間で統計的な差はなかった。




Favipiravir群の死亡率は対照群に比べて約30%低かったが、この所見は統計的に有意ではなかった。


ファビピラビルは、軽度から中等度のCOVID-19患者の一般群において、死亡率の観点からは有意な有益な効果を発揮しなかった可能性がある。症状が出てから抗ウイルス剤を使用するのでは手遅れであり、このことが臨床現場での有効性の低さを説明していると考えるべきである。


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