2012年6月30日土曜日

CKD患者診療のエッセンス2012

“CKD”というには以下の批判もある
CKD検診や治療という面で、エビデンス確立しているような代物ではない(Ann Int Med. April 17, 2012, 156 (8))
慢性腎臓病(CKD) 検診・治療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ 2012年4月19日


カナダ:CKD検診にコスト効果なし 2010年 11月 19日

そんな中、以下発表 ・・・ 各医学・医療分野で、毎度のことですけどね 。

CKDという括りをしてどれほどの実地的意味合いがあるか?日本でも調査検討が必要。
それを無視して、上意下達で、諸外国のガイドライン日本語訳だらけのガイドライン押しつけ・・・そんなガイドライン百花繚乱



CKD 患者患者診療のエッセンス 2012




1. CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の障害(蛋白尿など)、もしくはGFR(糸球体濾過量)60 ml/分/1.73m未満の腎機能低下が3ヶ月以上持続するもの、である。


2. 推定 GFR(eGFR)は以下の血清クレアチニンの推定式(eGFRcreat)で算出する。

るいそうまた下肢切断者などの筋肉量の少ない場合には血清シスタチン C(eGFRcys)の 推算式がより適切である。

男性
eGFRcrea(ml/分/1.73m)=1.94×Cr-1.094×年齢-0.287
eGFRcyt(ml/分/1.73m)=(104×Cys-C-1.019×0.996年齢-8

女性
eGFRcrea(ml/分/1.73m)==1.94×Cr-1.094×年齢-0.287×0.739
eGFRcyt(ml/分/1.73m)=(104×Cys-C-1.019×0.996年齢×0.929)-8

3. CKDの重症度は病院(Cause : C)、 腎機能 (GFR : G)、 蛋白尿(アルブミン尿 : A)によるCGA分類で評価する。


4. CKDは、CVD(心血管疾患)およびESKD(末期腎不全)発症の重要なリスクファクターである。


5. CKD患者患者の診療には、かかりつけ医と腎臓専門医の診療連系が重要である。


6.以下のいずれかがあれば腎臓専門医へ紹介することが望ましい。
1)尿蛋白 0.50 g/gCr以上  または 検尿試験紙で尿蛋白2+以上

2)蛋白尿と血尿がともに陽性(1+以上)

3) 
40歳未満 GFR  60 ml/分/1.73m未満

40歳以上70歳未満 GFR 50ml/分/1.73m未満

70歳以上 GFR 60ml/分/1.73m未満


7. CKDの治療に当たっては、まず生活習慣の改善(禁煙、減塩、肥満のかいぜんなど)を行う。


8. CKD患者の血圧の管理目標は 130/80 mmHg以下である。


9.高齢者においては 140/90 mmHgを目標に降圧し、腎機能悪化や臓器の虚血症状が観られないことを確認し、130/80 mmHg如何に慎重に降圧する。 また、収縮期血圧 110 mmHg 未満への降圧を避ける。


10. 糖尿病患者及び 0.15g/gCr以上(アルブミン尿 30 mg/gCr以上)の蛋白尿を有する患者において、第1選択の降圧薬はACE阻害剤とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)である。


11. 蛋白尿が0.15 g/gCr未満の非糖尿病患者の降圧には、降圧薬の種類を問わない。


12. 高度蛋白尿(0.50 g/gCr 以上)を呈する若年・中年の患者では、蛋白尿 0.50 g/gCr未満を目標としてRAS阻害剤を使用して治療する。


13. ACE阻害薬やARB 投与時には、 血清クレアチニン値の上昇(eGFRの低下)や高K血漿に注意する。


14. 糖尿病では血糖をHbA1c 6.9%(NGSP)未満に管理する。


15. CKDではCVDの予防を含めてLDLコレステロールは 120 mg/dL未満にコントロールする。


16. CKD患者の貧血では、消化管出血などを除外し、フェリチン 100ng/mL以上またはTSAT20%以上で鉄が不足してないことを確認する。 

17. 腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent: ESA)を使用した治療の目標値は、Hb10~12g/dLである。


18. CKDステージ G3aより、 血清P、Ca、PTH、ALPのモニターを行い、基準値無いに維持するよう、適切な治療を行う。


19. CKDステージ G3aより、高K血漿、代謝性アシドーシスに対する定期的な検査を行う。


20. CKD患者患者には腎傷害性の薬物投与を避け、腎排泄性の薬剤は腎機能に応じて減量や投与間隔の延長を行う。



鉄飽和率(TSAT)(%)=〔血清鉄(μg/dL)/総鉄結合能(TIBC)(μg/dL)〕×100 


解説されている・・・

[トピックス] INFORMATION●CKD診療ガイド2012発表
CKD重症度分類,降圧目標, 降圧薬選択など大幅に改変

エロ動画視聴による頭痛

特殊状況下頭痛の一つ



Headaches Induced by Pornography Use
Arch Sex Behav DOI 10.1007/s10508-012-9988-5
http://www.springerlink.com/content/p35u591237743661/fulltext.pdf

24歳男性、職業ソフトウェア産業、未婚、糖尿病・高血圧既往無し
マスターベーションや性行為の時の頭痛歴無く、小児期外傷歴や髄膜炎もない

2年前から重度全般性頭痛をポルノ動画視聴時経験
動画視聴後5分で次第に出現し、8から10分でピーク
頭痛で視聴断念せざる得なくなる

身体所見上異常認めず
脳MR図、MR血管造影、心電図は正常

NSAIDs合剤(イブプロフェン400mg+パラセタモール500mg)を動画視聴前に不況し、頭痛軽減

報告では、性的活動性と頭痛の関連は不明。オーガニズム前頭痛は器質的原因の可能性がある。 オーガニズム後頭痛は片頭痛時に生じることがある。性的活動性相関頭痛層別化で、男性に多いことが報告されている。性的興奮が次第に高まると共に増加するdull type、あるいは、爆発型がある。疼痛は、両側、びまん性、もしくは後頭部痛である。性的活動性関連頭痛には性行為特異的関連性はみられないし、パートナーとの行為後あるいはマスターベーション後でも観られる。


片頭痛や他のタイプの頭痛(e.g. 良性運動性・緊張性頭痛)との合併多い


性的活動関連ずつのメカニズムは、主に 三叉神経領域血管と考えるが、筋肉成分の関与が考えられる (Anand & Dhikav, 2009)。筋収縮が主に働き、特に、片頭痛では主で、性的興奮が高まるほどその程度が増加する。可能性としては、 三叉神経血管刑固有知覚メカニズムの関与で、疼痛刺激性亢進がポルノ動画視聴による情緒的状態とともに生じる。

2012年6月29日金曜日

FDAも、過活動性膀胱治療薬 ベタニス承認

過活動性膀胱に関して抗コリン作動薬とは異なる作用機序の薬剤



FDA NEWS RELEASE
For Immediate Release: June 28, 2012
FDA approves Myrbetriq for overactive bladder
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm310096.htm

FDA Approves Overactive Bladder Treatment Myrbetriq™ (mirabegron) from Astellas
http://www.prnewswire.com/news-releases/fda-approves-overactive-bladder-treatment-myrbetriq-mirabegron-from-astellas-160732575.html

Myrbetriq (mirabegron):ベタニス(ミラベグロン)FDA承認。
日本では、「ベタニス」としての薬価基準収載は、2011年9月。

日本と同様、25mg、50mgで有効と承認
1日25mg/日で開始し、8週以内に効果が出現するが、有効性・耐用性をみて50mg/日に増量。
The recommended starting dose for Myrbetriq is 25 mg once daily with or without food. Myrbetriq 25 mg is effective within eight weeks; based on individual efficacy and tolerability, the dose may be increased to 50 mg once daily.[4]
The recommended starting dose for Myrbetriq is 25 mg once daily with or without food. Myrbetriq 25 mg is effective within eight weeks; based on individual efficacy and tolerability, the dose may be increased to 50 mg once daily.[4]


治験としてはムスカリニック作動薬投与無しが48%、併用で52%で行われている。

12週間、25mg/日にて、尿失禁回数ベースラインの2.65から1.36回減少、尿回数は11.68から1.65回減少。

副作用として、「血圧増加、かぜ症状(鼻咽頭炎)、尿路感染、便秘、疲労、心拍増加、腹痛の報告
重症コントロール不良高血圧・ESRD、重症肝障害では推奨されない」


禁忌は日本では、「妊娠・妊娠可能性、重篤心疾患、重度肝機能障害(Child-Pughスコア≧10)」などで、若干、注意事項が異なる。高血圧・腎疾患に関しては日本の添付文書・慎重投与に書かれてない。
かわりに日本では、TdPのリスク、QT延長、クラスIA・IIIとの併用注意、低カリウム血症、緑内障などが記載されている。


ピリドキサールリン酸(ビタミンB6活性化型)血中濃度と炎症は関係有るぞと主張・・・ビタミンと炎症の関連性

ホモシステインをご本尊とするビタミン不足による脳・心血管系病態関連仮説はかなり前から雲行きがあやしい

e.g. : ホモシステインと冠動脈疾患:メンデルランダム化 2012年2月22日

参照:http://bit.ly/N0cvDA



ビタミンBの活性化型である、ピリドキサールリン酸(Pyridoxal phosphate、PLP)血中濃度と炎症性パラメータとの関連性を結びつけようとする話


Plasma Pyridoxal-5-Phosphate Is Inversely Associated with Systemic Markers of Inflammation in a Population of U.S. Adults
Lydia Sakakeeny , et. al.
J. Nutr. July 1, 2012 jn.111.153056

pyridoxal-5-phosphate (PLP)は、ビタミンB6低値の状態を表し、炎症性疾患、たとえば心血管疾患、関節リウマチ、炎症性腸疾患、糖尿病で観られる。
包括的炎症スコア:overall inflammation score (IS)を勝手に作り、このISとPLPの相関を検討。


幾何平均血中PLP濃度は、最小比較最大三分位カテゴリーで最も低値  (61 vs. 80 nmol/L; P-trend < 0.0001)

同様に、PLP不充分頻度は、ISカテゴリー最小比較最大三分位カテゴリーで最も高値


ビタミンB-6摂取補正後もこの関連性は維持。
血中PLPと、機能的に関連する4つのIS(急性期炎症、サイトカイン、接着分子、酸化ストレス)の逆相関認める。
加えて、二次解析にて、個別炎症マーカーの多くは血中PLPと、血中CRP補正後でも逆相関維持。
炎症は機能的ビタミンB-6欠乏という仮説はまだまだびくともせず、2つの役割、炎症性プロセス、トリプトファン代謝やセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(Serine hydroxymethyltransferase)活性に関して重要という主張。





ビタミンB6摂取量と、PLP血中濃度に関連性がないのは?

卵円孔開存と、視覚前兆の関連性

片頭痛の" 視覚前兆 : visual aura"、時に片頭痛を伴わず、前兆症状だけの症例を経験する。 "Migraine without Aura"は開業医でもごく普通に遭遇するので、経験してない医師は自分の臨床姿勢を改めた方が良い・・・と、偉そうに書いとく。


卵円孔開存(PFO)患者での検討だが、片頭痛3群(片頭痛+aura、片頭痛時点と一致しないaura、片頭痛無しaura)で右左シャント頻度は同程度で、PFO閉鎖で改善する。PFOの存在とvisual aura現象に同一の病態が関連している可能性がある。

The Effect of Patent Foramen Ovale Closure on Visual Aura Without Headache or Typical Aura With Migraine Headache
Hamidreza Khessali, et. al.
J Am Coll Cardiol Intv. 2012;5(6):682-687. doi:10.1016/j.jcin.2012.03.013


patent foramen ovale (PFO)225名を検討し、対照群200名で比較。
 
以下のごとく、3群に分類
1) 片頭痛有りのvisual aura :A
2) 片頭痛時点と関連しないvisual aura :B
3) 片頭痛無しのvisual aura :C

R→Lシャントの頻度は、それぞれ96%、72%、67% versus 対照群 18% (p < 0.0001)


シャント比率は、3群の内、 B vs C群は同程度だが、3群で対照群に比べ比率多い。

PFO閉鎖後12ヶ月で、auraの症状はA群 52%、B群 75%、C群 80%改善(p=NS)

血流感染迅速核酸同定検査:BC-GP :FDA承認

血流感染(BSI; Blood Stream Infection)12種検出、同時に耐性関連遺伝子(メチシリン耐性遺伝子:mecA、バンコマイシン耐性遺伝子 vanA、vanB)
検出可能拡散



FDA allows marketing of first test to identify certain bacteria associated with bloodstream infectionsTest makes it possible to identify potentially serious illness causing bacteria hours after a positive blood culture
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm309950.htm



Verigene GP Blood Culture Nucleic Acid Test (BC-GP)
http://www.nanosphere.us/sites/nanosphere.us/files/literature/Anderson%20Poster%20ASM%202012.pdf












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