2017年9月25日月曜日

遅ればせながら・・・

胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、環境および炎症誘発性刺激に応答して産生される上皮細胞由来のサイトカイン。TSLPは、樹状細胞、T細胞およびB細胞に対する活性および 自然免疫細胞を介したtype 2 免疫調整の中心で、抗原特異的Th2細胞によるサイトカインup-regulationに関わる

これに対するモノクローナル抗体治療

 thymic stromal lymphopoietin (TSLP)ヒトモノクローナル抗体pIIランダム化二重盲検治験
 tezepelumab (AMG 157/MEDI9929):human monoclonal antibody specific for the epithelial-cell–derived cytokine thymic stromal lymphopoietin (TSLP)

中等・重症喘息のうち、特に非好酸球性でコントロール困難な症例
52週間治療

プライマリ・エンドポイントは、喘息急性増悪年間換算発生数(イベント/年)


Tezepelumab in Adults with Uncontrolled Asthma
Jonathan Corren, et al.
N Engl J Med 2017; 377:936-946September 7, 2017
DOI: 10.1056/NEJMoa1704064

 tezepelumab 4週毎 70mg(低用量:145名)、 210mg(中等量; 145名)、2週毎 280mg (高用量; 146名)
急性増悪年間換算回数はそれぞれ 0.26、 0.19、 0.22 vs プラシーボ(148名) 0.67
プラシーボ比較発生比率計算 61%、 71%、 66% p < 0.001)

同様の結果が末梢血好酸球数関連せず認められる


気管支拡張剤投与前FEV1 52週目はtezepelumab群全てでプラシーボ群に優る (差, 低用量 0.12 liters [P=0.01], 中等量 0.11 liters [P=0.02], 高用量 0.15 liters [P=0.002])




 副事象による中止:中等量 2名、高用量 3名、 プラシーボ 1名





アストラゼネカからのお達し
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/2017091102.html


最近の喘息病態スキームには必ず出現するTSLP、かなり期待されてるはず

noteへ実験的移行

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