2018年4月23日月曜日

単純性下部尿路感染: 5-Day Nitrofurantoin vs Single-Dose Fosfomycin

ニトロフラントインは発癌性懸念されてるらしい
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0312-13i.pdf


ヒトではなさそうだが・・・
The observations in these studies indicate that therapeutic uses of Macrodantin would not present a carcinogenic hazard to man. 1990 Apr;28(4):269-77.



薬害なんたら運動が激しい日本でのマーケット化は難しいのでは?





抗菌薬耐性増加にて、単純性下部尿路感染へのガイドラインが2010年変更され、nitrofuratoinとホスホマイシンを 第一選択と推奨に変更された。
Clin Infect Dis. 2011 Mar 1;52(5):e103-20. doi: 10.1093/cid/ciq257.
https://academic.oup.com/cid/article/52/5/e103/388285

これら薬剤は1953年、1971年に各々市場に登場。
筆者等の検討では90年代のRCTはなく、有効率 ホスホマイシン 70%、シプロフロキサシン 96%、trimethoprim/suflfamethoxazole 94%だが、微生物学的、薬物学的ベースだと有効性は減少する。ホスホマイシンはヨーロッパでは承認後すぐにプラスミド・エンコードが一部存在した。

今まで、単純性下部尿路感染に対し nitrofurantoinと fosfomycinの効果比較なかった

結果的には nitrofurantoinが単回ホスミシンより有効性優れているとのこと




Effect of 5-Day Nitrofurantoin vs Single-Dose Fosfomycin on Clinical Resolution of Uncomplicated Lower Urinary Tract Infection in Women A Randomized Clinical Trial
Angela Huttner,  et al.
JAMA. Published online April 22, 2018. doi:10.1001/jama.2018.3627

多施設オープンラベル分析者盲検化ランダム化臨床トライアル
513名の18歳以上非妊娠女性
下部尿路感染症状
尿dipstick陽性(亜硝酸反応、白血球エステラーゼ反応)
被検薬剤への尿路原性病原菌耐性知られてない症例


1:1 ランダム化

  • nitrofurantoin 100mg×3回/5日間
  • ホスホマイシン 3g単回


プライマリアウトカム:28日目の臨床的反応(症状・徴候完全寛解)、失敗(有効性無いための抗生剤治療追加・変更)、不確定:inderminate(客観的感染証拠無き症状持続)


ランダム化 513名、年齢中央値 44歳、IQR 31-64歳、 トライアル完遂 475 (93%)、ベースラインで培養陽性 377 (73%)
day 28の臨床的改善 nitrofurantoin 171/244 (70%) vs fosfomycin 139/241(58%) (difference, 12% [95% CI, 4%-21%]; P = .004)

微生物学的改善   129 of 175 (74%) vs 103 of 163 (63%)  (difference, 11% [95% CI, 1%-20%]; P = .04)

副作用は少なく、消化管症状が主で、nitrofurantoin群では吐気(3%)、下痢(1%)、 fosfomycin群では2%,1%


24時間持続血圧測定による前向き予後評価報告

24時間持続血圧測定は、その間の包括的血圧評価に最適であろうことは想像に難くないが、現時点では連続的使用は現実上困難で有り、clinic blood pressure(診察室血圧)か at home(家庭内血圧)などが現実的ということに。
ただ、24時間持続血圧測定と臨床的アウトカムの検討は十分だったとは言いがたい。
前向きに、診察室血圧、24時間持続血圧、それに血圧phenotype区分にて検討した重要な報告

このレジストリでは、仮面高血圧(診察室血圧では正常、持続血圧では高値、降圧未治療)はこの報告では約4%、masked uncontrolled hypertension(診察室血圧は正常、持続血圧測定で増加、降圧治療中)は約5%

take-home messageとして、持続血圧測定は今のところ最重要治療予後寄与要素指標で、早期死亡率低下、合併症リスク軽減のため重要

白衣高血圧も重要とのこと





スペインのレジストリ・ベース、多施設国内コホート



クリニック(診察室)血圧、24時間持続血圧データをカテゴライズ

  • sustained hypertension (elevated clinic and elevated 24-hour ambulatory blood pressure):持続性高血圧
  • “white-coat” hypertension (elevated clinic and normal 24-hour ambulatory blood pressure):白衣高血圧
  • masked hypertension (normal clinic and elevated 24-hour ambulatory blood pressure):仮面高血圧
  • normotension (normal clinic and normal 24-hour ambulatory blood pressure):正常血圧


Cox回帰モデルにて検討


Relationship between Clinic and Ambulatory Blood-Pressure Measurements and Mortality
José R. Banegas, et al.
April 19, 2018
N Engl J Med 2018; 378:1509-1520
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1712231


フォローアップ中央値 4.7年間、全原因死亡 3808、心血管疾患原因死亡 1295
24時間持続血圧測定と診察室血圧測定を含むモデルで、24時間測定収縮期血圧の方が診察室収縮期血圧に比べ全原因死亡率と強く相関  (ハザード比, 1.58 per 1-SD 血圧増加毎; 95% 信頼区間 [CI], 1.56 to 1.60,診察室血圧値・昼間血圧値補正後)
(ハザード比, 1.02; 95% CI, 1.00 to 1.04,24時間持続血圧測定値補正後)


血圧1-SD増加毎のハザード比は、夜間持続血圧測定収縮期血圧は1.55 (95% CI, 1.53 to 1.57、昼間持続血圧測定収縮期血圧は 1.54 (95% CI, 1.52 to 1.56, after adjustment for clinic and nighttime blood pressures)

これらは、年齢、性別、肥満・糖尿病・心血管疾患・高血圧治療に応じた状態、これら全てのサブグループ横断的に一致した相関性

仮面高血圧は、持続性高血圧に比べ、また白衣高血圧に比べ、全原因死亡率に対し、より強く相関  (ハザード比, 1.80; 95% CI, 1.41 to 2.31。, 1.79; 95% CI, 1.38 to 2.32)

心血管疾患死亡率は全原因死亡率と同様










参照:24時間血圧計の使用(ABPM)基準に関するガイドライン(2010年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_shimada_h.pdf

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note