2012年7月9日月曜日

1歳未満の子供:犬と室内で過ごすのは健康によい、感染症も減らす

犬と、一緒に、室内で、過ごすことは、赤ちゃんにとって、健康度を良好とし、発熱・耳炎を減らし、抗生剤使用を減らす ・・・ 犬の存在がますます、かわいくなりますな。



"Respiratory tract illnesses during the first year of life: effect of dog and cat contacts"  
Bergroth E, et al.  
Pediatrics online

Children With Early Contact With Dogs and Cats Are Healthier 7/9/2012 For Release: July 9, 2012

Medpage: http://www.medpagetoday.com/Pediatrics/GeneralPediatrics/33659


フォローアップ合計17124週で、発熱71.8%、中耳炎 39.5%、鼻炎 96.7%、咳嗽 84.4%、喘鳴 32.2%の報告、抗生剤全身投与47.6%

後顧的アンケートで、自宅犬暴露無しは65.2%、猫暴露無し75.5%

生まれたばかりの時、犬と一緒に過ごすと健康的 (OR 1.31, 95% CI 1.13 to 1.52, P<0.001) で、かつ、耳感染症罹患リスク少ない (OR 0.56, 95% CI 0.38 to 0.81, P=0.002)と フィンランドの大学の研究者

耳炎への抗生剤投与数減少(OR 0.71, 95% CI 0.52 to 0.96, P=0.03)


犬居宅内滞在時間を6時間未満、6-16時間、16時間超で比較
6時間未満で最も関連性が有り
包括的健康度 OR 1.25 (95% CI 1.04 to 1.50, P=0.02)
発熱  OR 0.63 (95% CI 0.41 to 0.97, P=0.04)
抗生剤使用  OR 0.54 (95% CI 0.34 to 0.87, P=0.01)
耳炎 OR 0.38 (95% CI 0.18 to 0.82, P=0.01)
 居宅内に犬滞在時間が短いほど良いのはなぜか?屋内に泥を持ち込み、居宅環境の細菌学的多様性と関連し、子供の免疫系成熟と、気道感染に影響を与えているのではないかという仮説。


猫に関しては、単変量解析では予防的だったが、多変量解析では全般健康度有意差消失 (OR 1.06, 95% CI 0.88 to 1.29, P=0.53)

ヒトC5aアゴニストによる自然免疫促進:新型を含むあらゆるインフルエンザ型に有効?




 C5a受容体にC5aが結合すると”食細胞に遊走運動”、“C5aの濃度勾配に従って組織内を移動”、“補体標識微生物存在部位に到達貪食”という補体のメカニズム
 http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~s-inoue/yoshino/060703.pdf


人工的なC5a的免疫促進活性物質の吸入の予防・治療効果有効性を確認


Innate Immune Induction and Influenza Protection Elicited by a Response-Selective Agonist of Human C5a
PLoS ONE 7(7): e40303. doi:10.1371/journal.pone.0040303
Sanderson SD, Thoman ML, Kis K, Virts EL, Herrera EB, et al. (2012)

アナフィラトキシンC5aは、局所性・全身性炎症の強力なメディエータで、細菌・ウィルス・真菌への粘液宿主防御機能の役割にも必須。

ヒトC5aに対するresponse-selective agonistを開発した。
そのEP67は、炎症・アナフィラキシー原因特性として、C5aの免疫促進活性を有する。
EP67吸入は、肺のサイトカイン、 ケモカインの急速なinductionを生じ、好中球、NK細胞、樹状細胞を含むinnate immune effector細胞出現が生じる。
EP67は、インフルエンザA感染ねずみモデルで予防的・治療的特性が示された。
EP67治療マウスは非致死性感染24時間window内で、有意にインフルエンザによる体重減少予防的であった。
さらに、致死性感染に関して、EP67で、インフルエンザ原因死亡率完全ブロック (0% vs. 100% survival).

innate immune inductionベースの予防は特異的抗原に限定されないため、EP67はウィルス・細菌・真菌に対し効果的。インフルエンザの新種などに限らずemergentな呼吸器感染症に対する戦略となる可能性もある。 

カンボジア致死性小児感染症:エンテロウィルス71同定 ・・・ でも、疑問点まだ多い

カンボジアの、4月から60名を越える死亡者が出てるのではないかとされる致死性感染症

6月中旬、手足口病に関連するウィルス、エンテロウィルス71を15/24名から同定


高熱、呼吸困難、神経学的異常 急激な肺機能低下
64名死亡で、多くは2-3歳
死亡前数時間は肺胞障害所見

http://www.bloomberg.com/news/2012-07-08/mystery-disease-investigation-in-cambodia-advances-on-virus-find.html






果たして、エンテロウィルス71ということだけで問題は解決されたのだろうかと、WHOは注意を呼びかけている。重篤な呼吸器系障害合併症には、役割を果たすtoxic factorが関連しているとのこと。
脳炎症状の患児もいて、脳への炎症波及が認められる。
さらに、効果的な抗ウィルス薬が無く、ワクチンもない。
幸いに絶対的比率としては現在のところ小さい。しかし、感染原因、疾患、感染方法確立してないため、他国への情報共有をWHOは急いでいる。
http://edition.cnn.com/2012/07/08/world/asia/cambodia-children-disease/index.html






あたりまえだが、IDSC:エンテロウイルス71 を検索すると、日本では無菌性髄膜炎の報告が多い。


でも中には、”劇的な経過をみた、致死的呼吸器障害症例”が報告されている。
エンテロウイルス71型感染が原因で急死したと考えられた3症例―大阪市 
 

悪法(個人情報保護法)&医療行為に対する刑罰化により、症例報告少なくなっていると聞いている。致死性感染症が広く薄く広がった場合、日本では検出困難だろう。
なんたらのしずくのような健康被害の場合も・・・








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