2013年11月30日土曜日

ラウンドアップがらみ遺伝子組み換え関連論文:論文撤回

こういうねつ造って、ホントにはた迷惑

遺伝子組み換え食品に関する疑念を払拭、あるいは、確認のための議論を撹乱するだけ・・・

そのうち、陰謀論みたいなのが世間に流布させる連中もでてくるだろうし


Science journal retracts French study on GM foods
http://www.thestar.com/news/world/2013/11/28/science_journal_retracts_french_study_on_gm_foods.html

Elsevier Announces Article Retraction from Journal Food and Chemical Toxicology
http://www.prnewswire.com/news-releases/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology-233754901.html

  Food and Chemical Toxicology誌では、生データがない、そして、ねつ造・データの作為的虚偽証拠が指摘されている。

"Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize," by Gilles Eric Séralini et al. has been retracted by the journal Food and Chemical Toxicology (PubMed

“生化学データにて、重大な腎臓慢性障害を与える、全ての処理群、両性で見られる。ラウンドアップによる非線形攪乱作用の証明であり、遺伝子組み換えのtransgeneの過剰発現とその代謝結果である”という趣旨



1. Please see Food and Chemical Toxicology, 53 (1), pp. 440-483, for all Letters to the Editor and the response.
2. http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors#8101 [http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors ]

性的に飢え、念願成就できないショウジョウバエは短命

雄ショウジョウバエに興奮するよう仕組まれた雄ショウジョウバエは、ことを成し遂げることができない。それにより40%ほど寿命減少する


感覚知覚は、生物学的分類学上全体の加齢、生理機能へ影響を与える。雄ショウジョウバエ・前肢ニューロンサブセットにおける特異的味覚受容体に於ける、雌・フェロモン知覚受容体を研究
受容体を雄フェロモン刺激するよう細工し、雄のハエと一緒にすると、急激かつ可逆的に脂肪蓄積減少し、飢餓抵抗性減少、生存期間を減少、報酬系neuropeptide F発現するニューロン減少する。
長寿回路発現に影響を与える生物プロセス一連の影響をHigh-throuputRNA-配列実験で証明。matingにてフェロモンの影響は可逆的で、寿命は感覚系・報酬系のintegrationにより影響を受けることが示唆される。


Drosophila Life Span and Physiology Are Modulated by Sexual Perception and Reward
Christi M. Gendron et. al.
Science DOI: 10.1126/science.1243339



むりやりホモセクシュアルにさせられて念願成就もできない、かわいそうなショウジョウバエ君を対象とした論文とは無縁だが・・・


かなり不謹慎かもしれないが、頻回に報道される、ストーカーがらみの事件に関して・・・はたと思いついたことがある。

ホルモン・オキシトシンにより男性貞操深まり、報酬系が関与する 2013/11/26 
オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・  2012/11/15

ストーカーは、稀に女性も居るようだが、圧倒的には男性。かつて交際していた女性が忘れられず、自分の手でその人生を最後としようとする身勝手さは許せない。


この行動の根幹として、雄・男性のオキシトシン作用があるのではないかと考察してみる。すなわち、オキシトシンは、他の異性に魅力を感じなくなる、「貞操保持」「浮気防止」という良い意味の感情・行動と関連するが、一方では、これが悪影響を与えるとするなら、かつての交際相手・恋慕する女性への独占欲となるわけである。

何が言いたいかというと、ヒトを含むあらゆる動物の雄・男性は、ストーカーとなる要素があるのでは? ・・・ と、妻に言ったら、「気色悪い」と言われた。


ナノ粒子を経口投与治療で応用可能へ:経上皮細胞輸送

ナノ粒子治療に関して、非経口投与が試みられている。その臨床応用の障壁となっている。
新生児Fc受容体(FcRn)は、免疫グロブリンG抗体で、上皮バリアを通過する。腸管上皮をも通過するわけで、これを用いてナノ粒子経口治療に使用可能となるという報告



Transepithelial Transport of Fc-Targeted Nanoparticles by the Neonatal Fc Receptor for Oral Delivery
Sci Transl Med 27 November 2013:  Vol. 5, Issue 213, p. 213ra167 
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3007049
Eric M. Pridgen, et. al.

乳がん:コレステロール主要代謝産物 27HCの関連性、 代謝の鍵 CYP27Aとの関連性 ・・・ 予防・治療に関連?


REPORT
27-Hydroxycholesterol Links Hypercholesterolemia and Breast Cancer Pathophysiology
Erik R. Nelson, et.al.
Science 29 November 2013: Vol. 342 no. 6162 pp. 1094-1098 
DOI: 10.1126/science.1241908

高コレステロール血症は、エストロゲン受容体陽性乳がん患者のリスク要素であり、内分泌治療への反応性減少要素である。


コレステロールの主要代謝産物、27hydrocholesterol (27HC)と、エストロゲン受容体、肝臓X受容体(LXR)リガンドはER依存増殖及びLXR-依存転移増加を、乳がんマウスモデルで見いだした。主要病理でのコレステロールの影響は、cytochrome P450 oxidase CYP27Aによる27HC変化が必要とされ、CYP27A1抑制でその影響は減弱される。


ヒト乳がん標本でも、CYP27A1発現レベルが、腫瘍増殖と相関

高度腫瘍にて、ヒト細胞と腫瘍関連マクロファージがこの酵素レベル発現を示す。


循環中コレステロールレベルや、27HCへの代謝への影響を調整することが、乳がん予防に役立つ可能性がある。

2013年11月29日金曜日

アセトアミノフェン:パラセタモール中毒に対するアセチルシステイン短期投与改良プロトコールは有効で副作用軽減

 カロナール(アセトアミノフェン)の成人における用量拡大ならびに効能追加が2011年なされている、成人用量として、1回300〜1000mg、1日4000mgまでと、それまでに比べ処方可能量が増加している。
 そして、例のネット販売など、OTC薬剤など入手容易性は拍車がかかっている。

 薬剤のネット販売などもこの副作用事例増加に寄与するだろうと思うが、おかまいなしのネット業者たち

 いずれにせよ、日本では、パラセタモール(アセトアミノフェン)中毒の蓋然性が、急激に高まっていることは確か・・・救急医療や中毒医療にとって留意すべき時代である。

 パラセタモール(アセトアミノフェン)毒性はその使用頻度や入手性が簡単なためかかなり報告が多い。その治療は静注アセチルシステインであるが、そのレジメンは複雑で、その濃度により副作用と関連し、治療中断につながる可能性がある。より短期化、制吐予防という、副作用を軽減目的の投与法の開発目的の治験。

 アセチルシステイン(ムコフィリン)に関して→http://medical.radionikkei.jp/medical/suzuken/final/020530html/index_2.html
アセチルシステイン内用液17.6%「ショーワ」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929006S1030_2_01/これには、「初回にアセチルシステインとして140mg/kg、次いでその4時間後から70mg/kgを4時間毎に17回、計18回経口投与」と記載

この投与法に関して、改良プロトコールに関する二重盲験ランダム化区分研究(英国病院、2010年9月6日から2012年12月31日)

 結論から言えば、12時間アセチルシステイン改良レジメンにて嘔吐少なく、アナフィラキシー藩王少なく、治療中断必要率減少し有効
ただ、標準アプローチ比較で、短期改良プロトコール非劣性評価できず

Reduction of adverse effects from intravenous acetylcysteine treatment for paracetamol poisoning: a randomised controlled trial
Prof D Nicholas Bateman ,et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 28 November 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)62062-0


http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01050270
Arms Assigned Interventions
Ondansetron /acetylcysteine 20.25h
Ondansetron followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 20.25h
placebo followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Ondansetron/acetylcysteine 12h
ondansetron followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 12h
placebo followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1


ランダム化 222名、評価 217名


2時間後嘔吐、吐気、制吐剤必要性
・ 短期改良プロトコール 39/108 vs 標準アセチルシステイン・レジメン 71/109 ;補正オッズ比 0.26, 97.5% CI 0.13—0.52; p < 0.0001 
・ オンダンセトロン投与群 45/109 vs プラシーボ 65/108: 0.41, 0.20—0.80; p = 0.003


重度アナフィラキシー反応
短期改良レジメン群 5名 vs 標準プロトコール群 31 ; 補正commonオッズ比: 0.23, 97.5% CI, 0.12-0.43; p < 0.0001

アラニンアミノトランスフェラーゼ活性50%増加比率
・標準群、短期改良レジメン群に差を認めず (9/110 vs 13/112);補正オッズ比 0.60 , 97.5% CI, 0.20-1.83)
・しかし、オンダンセトロン群発症比率増加; 16/111 vs 6/111; 補正オッズ比 3.30 , 1.01-10.72 ; p = 0.024





secukinumab:エタネルトセプト:強直性脊椎炎 有効性・安全性二重盲験臨床トライアル

強直性脊椎炎は、進行性の炎症性脊椎炎症、脊椎強直、末梢性関節炎を特徴とする慢性自己免疫性疾患であり、IL-17が鍵となる炎症性サイトカインとされている。

抗IL-17Aモノクローナル抗体である、secukinumabの有効性安全性評価治験

ランダム化二重盲験proof-of-concept研究(ドイツ 4、オランダ 2、英国 2)
18−65歳を4:1割り付け(2×10 mg/kg)とプラシーボ 3週間分離投与




Anti-interleukin-17A monoclonal antibody secukinumab in treatment of ankylosing spondylitis: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
Dominique Baeten , et. al.
The Lancet, Volume 382, Issue 9906, Pages 1705 - 1713, 23 November 2013 
Published Online: 13 September 2013

プライマリ有効性エンドポイントは、6週目Assessment of SpondyloArthritis international Society criteria for improvement (ASAS20) スコア(ベイズ解析)
安全性は28週目評価
37名の中等度・重度強直性脊椎炎をふるい分けし、30名をランダム化
secukinumab n=24 vs プラシーボ n=6
最終有効性解析対象は、secukinumab 23 、プラシーボ 6、安全性検討対象は30名全員

6週目、ASAS20治療反応は、介入群 59% vs プラシーボ 24%
(プラシーボ比較優越性確率 99.8%)
重度副事象、黄色ブドウ球菌による皮下膿瘍が1例、重度副事象として介入群で生じた。


参考:ノバルティスのsecukinumab(AIN457)、エタネルセプトに対して優越性を立証 乾癬に対する直接比較第III相臨床試験において http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20130718.html

2013年11月28日木曜日

ビタミンD濃度低下は、手術後肺炎リスクである

propensity score法による後顧的解析による、ビタミンDと、HAI(院内発症感染症)のリスク関連性


25(OH)D 30 ng/mL 未満と以上で、HAI 補正オッズ比 3.05 (95% 信頼区間 [CI], 1.34-6.94)、術後要素補正でも、この関連性は不変。
Locally weighted scatterplot smoothing analysisでは、ほぼ線形の逆相関

"Association between preoperative 25-hydroxyvitamin D level and hospital-acquired infections following Roux-en-Y gastric bypass surgery"
Quraishi SA, et al
JAMA Surg 2013; DOI: 10.1001/jamasurg.2013.3176.


介入治験ではないので、ビタミン投与後そのベネフィットがあるかどうかは分からない。

薬でもナトリウム影響:ナトリウム含有製剤は、心血管イベント、高血圧リスク増加

薬剤に含まれるナトリウムが多いほど、心血管疾患イベント生じるか?

やはり、毎日服薬すると、有意な影響を与えるようである、特に、高血圧のオッズ比なんて7倍以上。

Association between cardiovascular events and sodium-containing effervescent, dispersible, and soluble drugs: nested case-control study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6954 (Published 26 November 2013) Cite this as: BMJ 2013;347:f6954


1 292 337 名、平均フォローアップ7.23年間
心血管イベント総数 61 072患者数を対照とマッチ化


プライマリエンドポイント:非致死性心筋梗塞、非致死性卒中、心血管死発生率
このプライマリエンドポイントについて、ナトリウム含有薬剤使用にて、補正オッズ比 1.16(95%信頼区間 1.12−1.21)
セカンダリエンドポイント:高血圧・心不全発生、全原因死亡率
セカンダリエンドポイント補正オッズ比に関し
・全原因死亡率 1.28 (1.23 to 1.33)
・高血圧 7.18 (6.74 to 7.65)
・心不全  0.98 (0.93 to 1.04)
・非致死性心筋梗塞 0.94 (0.88 to 1.00)
・血管血管死  0.70 (0.31 to 1.59)
コホートエントリー日付である初日からイベントまでの期間中央値は、3.92年

ナトリウム含有製剤(発泡剤、水和剤、溶剤)の暴露は、それを含まない製剤に比べ、心血管イベント・オッズ有意に増加。

リスクを上回るベネフィットのあることが明らかな場合のみ、ナトリウム製剤は、留意しながら処方すべきである。
・非致死性卒中 1.22 (1.16 to 1.29) 



マルチビタミンにて、HIV感染進行抑制:軽度だが安全性・コストを考えれば考慮もあり

ビタミン剤全般に否定的なスタンスだが、私はNHKなどゴミ・メディアの一員じゃないから、それと異なる報告も紹介する・・・というか、ビタミン不足の蓋然性が高い状況なので、先進国などの状況とは全く異なる・・・


微量栄養素欠乏がHIV感染早期に生じ、そのサプリメント投与のベネフィットの可能性があるが、その有効性は研究されていなかった。

対象は、878名のHIV感染(subtype C、CD4細胞数 350/μL超、ART未施行)
ランダム化臨床トライアル

主要アウトカム測定は、CD細胞数 2008年5月まで200/μL未満到達、その後はCD250/μLまで(ボツワナの標準的ケア開始時期到達時点)



Effect of Micronutrient Supplementation on Disease Progression in Asymptomatic, Antiretroviral-Naive, HIV-Infected Adults in Botswana
A Randomized Clinical Trial
Marianna K. Baum, et. al.








結論:ART-naive HIV感染成人で、24ヶ月間、セレニウム+マルチビタミンのサプリメント投与で、免疫現象リスクや合併症リスク軽減





ENGAGE AF-TIMI 48研究:1日1回エドキサバン経口投与にて、対ワーファリン比較:卒中・全身塞栓非劣性あり、出血リスク減少

Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
Robert P. Giugliano, et. al.
for the ENGAGE AF-TIMI 48 Investigators
N Engl J Med 2013; 369:2093-2104November 28, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1310907


経口直接Xa阻害剤であるEdoxaban(エドキサバン トシル酸塩水和物;リクシアナ錠 →日本では、現時点では、「肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」のみ健保適用)


二重盲験二重ダミートライアル(1日1回エドキサバン vsワーファリン)
21,105名の中等度から高度心房細動リスク患者

フォローアップ中央値2.8年間

プライマリ有効性評価は、卒中、全身塞栓症で、非劣性検証。
安全性エンドポイントは重大出血

プライマリエンドポイント年次換算発症率 
ワーファリン 1.50%  (治療rangeの期間中央値相当, 68.4%) vs 高用量エドキサバン 1.18%   (ハザード比, 0.79; 97.5% 信頼区間 [CI], 0.63 to 0.99; P<0 .001="" 0.87="" 1.07="" 1.31="" 1.61="" 97.5="" blockquote="" ci="" edoxaban="" for="" low-dose="" nbsp="" noninferiority="" p="0.005" to="" with="">
Intention-to-treat analysisで、高用量エドキサバンの方が、対ワーファリン比較で良好  (hazard ratio, 0.87; 97.5% CI, 0.73 to 1.04; P=0.08) 、低用量エドキサバンでは、対ワーファリン比較で不良  (ハザード比, 1.13; 97.5% CI, 0.96 to 1.34; P=0.10)

重大出血年次発生率;ワーファリン 3.43% vs 高用量エドキサバン 2.75% (ハザード比 , 0.80; 95% CI, 0.71 to 0.91; P<0 .001="" 0.41="" 0.47="" 0.55="" 1.61="" 95="" blockquote="" ci="" nbsp="" p="" to="">
心血管疾患年次発生率は、それぞれ、ワーファリン 3.17% versus 高用量エドキサバン 2.74% (ハザード比, 0.86; 95% CI, 0.77 to 0.97; P=0.01)、低用量エドキサバン 2.71% (ハザード比, 0.85; 95% CI, 0.76 to 0.96; P=0.008) 
同様に、キーとなるセカンダリエンドポイント(卒中、全身性血栓、心血管死アウトカム組み合わせ)では、それぞれ、 4.43% versus 3.85% (ハザード比, 0.87; 95% CI, 0.78 to 0.96; P=0.005),、4.23% (ハザード比, 0.95; 95% CI, 0.86 to 1.05; P=0.32)

ワーファリンに対し、エドキサバンの非劣性が、上記一次エンドポイントで示された。
そして、有意に出血リスク減少、心血管疾患減少と関連した。


23andMe:NHKの過剰演出問題は?

FDA Tells Google-Backed 23andMe to Halt DNA Test Service
By Anna Edney - Nov 26, 2013 7:33 AM GMT+0900
http://www.bloomberg.com/news/2013-11-25/fda-tells-google-backed-23andme-to-halt-dna-test-service.html

FDA warns maker of genetic-testing kit
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/fda-warns-maker-of-genetic-testing-kit/2013/11/25/7a778aa4-55ef-11e3-835d-e7173847c7cc_story.html


23andMe’s direct-to-consumer test問題


DNAテストの23andMe、自宅用テストキットの販売に米食品医薬品局から中止命令
http://jp.techcrunch.com/2013/11/26/2013112523andme-fda-block/


NHKスペシャル”あなたは未来をどこまで知りたいですか~運命の遺伝子~”」で紹介していたもの

→視聴をすすめは決してしないが、違法ながら、今でも、ネット視聴できるサイトがある。

そして、NHKで放送されたということで、一定の信頼性担保としてネット上紹介もされている。そして、日本でも一定数の利用者があることがネットの情報から分かる。

ロコモ(身体的脆弱性国際的コンセンサス → 日本毒等の暴走概念である「ロコモ」を懸念する!そうだが、一定の団体だけに偏った放送内容が多いNHKの現状。
この米国ローカルなはずの問題が日本に及んだことに関与している。

身体的脆弱性国際的コンセンサス → 日本毒等の暴走概念である「ロコモ」を懸念する!

 昨今、日本では、他専門職団体・学術団体のコンセンサスがなされているとは言えないのに、「ロコモティブ・シンドローム」をまるで確立した疾患群のように宣伝し、マスメディアや製薬会社(久光・大正富山など)を巻き込む趨勢に辟易している。
 この概念は筋骨格筋系脆弱性以外無視しているかなり偏った概念であり、学際的と言えない、特定団体利益誘導概念なのである。


 【軽薄概念・ミスリーディング行為】ロコモ:運動療法介入エビデンス乏しい、 そもそも運動制限を生じる原因は整形外科疾患だけじゃない
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/09/blog-post_8592.html


さっそく ・・・ ロコモの犠牲? NHKで骨折事故 2009年 04月 07日
http://intmed.exblog.jp/8149095/


「ロコモ」・・・いい加減にしてくれないか カタカナ概念 2009年 03月 05日
http://intmed.exblog.jp/8029696/ 

 国際的に、身体的脆弱性に関して、主要団体からのコンセンサスができた。 これでは、運動器関連疾患だけでなく、「多原因由来の医学的シンドローム」と定義されている。

 これこそが、国際的に通用する概念である。 →  臨床整形外科学会の諸君と偉そうに言い放ってみせる!



Frailty Consensus: A Call to Action
JAMDA Volume 14, Issue 6 , Pages 392-397, June 2013
Journal of the American Medical Directors Association

6つの主要国際団体コンセンサスにて以下の4つのコンセンサスポイント

身体的脆弱性
1. Physical frailty is an important medical syndrome. The group defined physical frailty asa medical syndrome with multiple causes and contributors that is characterized by diminished strength, endurance, and reduced physiologic function that increases an individual's vulnerability for developing increased dependency and/or death.

2. Physical frailty can potentially be prevented or treated with specific modalities, such as exercise, protein-calorie supplementation, vitamin D, and reduction of polypharmacy.

3. Simple, rapid screening tests have been developed and validated, such as the simple FRAIL scale, to allow physicians to objectively recognize frail persons.

4 .For the purposes of optimally managing individuals with physical frailty, all persons older than 70 years and all individuals with significant weight loss (≥5%) due to chronic disease should be screened for frailty.

2013年11月27日水曜日

個別化アナフィラキシーリスク管理

Anaphylaxis: opportunities of stratified medicine for
diagnosis and risk assessment
F. Wolbing & T. Biedermann
https://onlinelibrarystatic.wiley.com/store/10.1111/all.12322/asset/all12322.pdf

1902年、PortierとRichetの記載が最初で、重症・生命危機に居たるあるいは全身性のアレルギー性type I反応で多臓器障害。高親和性FεRI-IgE受容体が古典的機序説明で、ヒスタミンのようなメディエータが臨床症状に関与。マウスではIgEなしでアレルゲン特異的IgGでもアナフィラキシーを好塩基球、好中球でさえも関与。PAFが好延期級依存アナフィラキシー機序として注目され、もう一つの経路の可能性がある。
メカニズム知識が増え、ヒスタミン以外のメディエータの役割が明らかになっている。cofactorはアレルギー非依存的外因性・内因性要素で、type I アレルギー反応に影響を与える。アレルゲン少量、あるいは低アレルゲン能で、アナフィラキシー生じるはずもない場合でも、cofactorにより、アナフィラキシーが生じる。成人では39%にも及ぶ。
最も明確なcofactor関連、cofactor-related allergic reactionは、 WDEIA(wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis)である。omega-5-gliadin (Tri a 19)は、麦アレルゲン小分画。このIgE結合能は組み替え産物あるいは、naiveアレルゲンにより、交叉抗原性、重症度リスクの決定など、cofactorの作用に関しても知見の蓄積がなされている。

アレルゲン:分子量・安定性

感作:免疫グロブリン・クラスと、感作の比率・親和性・強度

アレルゲン接触ルート:アレルゲン吸収と修飾はばらばら (e.g. 吸収)

co-factorの存在:アレルゲン吸収への影響、effector細胞活性化、遊離メディエータの影響


遺伝子組み換え抗原や純化単一アレルゲンを用いたComponent-resolved allergen diagnosis (CRD)で、アレルギー診断の分野は進歩した
・・・

network meta-analysisによるCOPDにおけるLABA臨床的効果比較

MCID(Δ)を考えてないからよく考えてみたら、非劣性とはちょっと異なると思う。


同等性・非劣性試験

http://intmed.exblog.jp/3307656



network  meta-analysisによる、COPDにおけるLABA臨床的効果比較
Comparative efficacy of long-acting bronchodilators for COPD - a network meta-analysis
Respiratory Research 2013, 14:100 doi:10.1186/1465-9921-14-100 



Interpretation of the relative treatment effects resulting from the network meta-analysis for continuous and binary outcomes.

CFB=Change from baseline; D=difference in CFB; FEV1=Forced expiratory volume; OR=odds ratio; SGRQ=St. George’s Respiratory Questionnaire; TDI=Transitional Dyspnoea Index; d=0 indicates that the dotted line is equal to a difference in CFB between the treatments of zero for continuous endpoints (i.e. no difference between treatments); OR=1 indicates that the dotted line is equal to an odds ratio of one for binary endpoints (i.e. no difference between treatments). Cope et al. Respiratory Research 2013 14:100 doi:10.1186/1465-9921-14-100











Overview of the network meta-analysis results for trough FEV1, post-dose FEV1, SGRQ total score, and TDI total score at 6 months.

重度細菌性髄膜炎:低体温治療トライアル早期中断:アウトカム改善認めず有害性可能性 ・・・ 後顧解析と異なることでややわだかまりが残る

治験被験者の安全性が大事なので、しかたない措置なのだろう

低体温:4度生理食塩水負荷・32−34度体温48時間保持

これにて、重症細菌性髄膜炎患者のアウトカム改善はみとめず、有害性の可能性がある。ただ、サブグループ解析では有意差無く、post-hoc解析では、低体温処置で良好なアウトカムの可能性。

三者三様だが、治験の本分ら言えば、やはり「重症細菌性髄膜炎患者のアウトカム改善はみとめず、有害性の可能性」というのがこの論文の正しい結論だろう。


Induced Hypothermia in Severe Bacterial Meningitis: A Randomized Clinical Trial
Bruno Mourvillier,  et al.

重症細菌性髄膜炎患者に上記低体温介入治療を行い、プライマリアウトカムとして、GCSスコア(3ヶ月後)で評価 
98名登録後早期中断:超過死亡理由DSMB要求

不良アウトカム(3ヶ月時点):低体温群 86% vs 対照 74%
(RR, 2.17; 95% CI, 0.78-6.01; P = .13)

年齢、登録時GCSスコア、敗血症状態補正後もリスク比は有意差ないが高値 維持 (ハザード比, 1.76; 95% CI, 0.89-3.45; P = .10)

サブグループ解析では、両群同等。

Post hoc解析で、低体温介入に有益性を示す統計学的有意差到達(3計画連続解析)  (probability to conclude in favor of futility, 0.977).




2009年パンデミックH1N1インフルエンザ:検査確認推定死亡数は12−20万で、当初報告の10倍;日本ではパンデミックでなかった?

2009年H1N1インフルエンザ死亡数推定は、実は10倍で、12万3千から20万3千名であったと PLOS Medicine

Global Mortality Estimates for the 2009 Influenza Pandemic from the GLaMOR Project: A Modeling Study
Lone Simonsen , et. al.  - the GLaMOR Collaborating Teams
http://www.plosmedicine.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pmed.1001558
doi:10.1371/journal.pmed.1001558.t001


WHOの検査レベル確認パンデミック死亡数は1万8631名という見解であった。




GLaMOR Stage 1 modelは、国毎死亡率データと検査サーベイランスの相関性にもとづくもので、線形解析モデル。


日本はパンデミックパラメータにて有意差無し

2013年11月26日火曜日

ホルモン・オキシトシンにより男性貞操深まり、報酬系が関与する

オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・ 2012/11/15

上記は、オキシトシン鼻スプレーを投与し、浮気的行動を計測し、その抑制効果を示した報告。

fMRIにて、深めた報告

二重盲験プラシーボ対照被験者内pharmaco-functional MRI を20名のヘテロ性癖男性

オキシトシン治療(24単位)にて、女性パートナーを見知らぬ女性より認識し、顔見知り女性へは反応無し。これは、パートナーへの反応が見知らぬ女性より大きく、腹側被蓋野(ventral tegmental area, ventral tegmentum、VTA)や側坐核(Nucleus accumbens, NAcc)を含む脳の報酬系において反応促進が見られた。
左NAccで、オキシトシンは、顔見知り女性のそれと比較してパートナーでのニューラル反応を促進する。このことから、単に顔見知りの自省より、パートナーとは、そのつながりが特異的であることを意味する。
オキシトシンは、パートナーへのロマンティックなつながり重視を男性にもたらし、パートナーへの恋心を促し、報酬的価値を見いだす。


Oxytocin enhances brain reward system responses in men viewing the face of their female partner
Dirk Scheele
PNAS November 25, 2013



特発性肺線維症:herpesvirus saimiriとの関連性 ← 診断治療革命的発見?

オハイオ州大学包括的がんセンター研究者の報告

Modern Pathology誌のオンライン報告で、特発性肺線維症との関連性の発見

Herpesvirus salmiriは、γーヘルペスウィルス・ファミリーで、一部はすでに動物における肺線維症の原因として知られていた。T-cellリンパ腫や白血病のNew World monkeyでは発症するが、健常宿主では発症せず。 このウィルスの増殖的感染は4つのpirated mammnalian protein(IL-17、サイクリンD、チミジル酸シンターゼ (FAD:フラビタン依存性チミジル酸合成酵素)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR))と関連
(pirated; viral piracyとは、大型dsDNAウィルスで、ウィルス免疫調整蛋白と、ホストの蛋白の配列同等性により、ホストからpirateされる状況)
EBウィルスやCMV、HSVなどのヘルペスウィルスとの関連性もあるかどうかの研究からの発見。


Idiopathic pulmonary fibrosis is strongly associated with productive infection by herpesvirus saimiri
Virginia A Folcik1 et. al.
Modern Pathology advance online publication 15 November 2013;
 doi: 10.1038/modpathol.2013.198

特発性肺線維症に於ける、γーヘルペスウィルスの役割を検討
21のパラフィン固定肺生検病変を年齢マッチ化標本と比較
γ−herpesviruses’ DNA/RNAのシリーズを検査、In situ hybridaization、 RT-PCRベースメソッドで検討し、再生上皮細胞のco-expressionとして発現されているγ−ヘルペスウィルスのゲノム(cyclin D、thymidylate synthase、 dihydrofolate reductase、 interleukin-17)の4つの発現蛋白を検知し、対照では検知せず。γ-ヘルペスウィルスのうち、herpesvirus saimiri のみが、この4つのペア化ほ乳類蛋白を有している。

IPF症例を独立したプローブセットを用いIPF 21/21で、再生上皮細胞内に、herpesvirus saimiri DNAを検出したが、21の対照では認めず


DNA polymerase herpesvirus saimiri 遺伝子に対応するゲノムの一部配列をクローン化し、公表されたウィルス配列と100%マッチすることが示された。


これらのデータにおいてherpesvirus-誘起肺線維症と特発性肺線維症とは一致した


ウィルス増殖・ウィルス関連蛋白への治療にて進行が抑えられる可能性が出てきた。


喫煙によりBAL中CD8+、NKT-like細胞増加などT細胞サブセットに影響多大

現行喫煙は、COPD軽症・中等症患者の、BAL(気管支肺胞洗浄)中T細胞サブセットに影響を多大に与える。COPDにおけるT細胞の役割が重要


Distribution of T cell subsets in bronchoalveolar lavage fluid of patients with mild to moderate COPD is dependent on current smoking status and not airway obstruction
Helena Forsslund, et.al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0873


COPDのある喫煙者、COPDのない喫煙者では、無喫煙経験者、COPD喫煙経験者に比べ、BAL中のCD8+、NKT-like細胞比率増加し、NKT-like細胞の大部分はCD8+


一方、非喫煙者に比べ、喫煙者において、 CD4+ T細胞比率低下


血中では、喫煙者両群での CD4+ T細胞 frequecyの増加が見られる。


現行喫煙では、非喫煙者と比べ、BAL中activated (CD69+) naïve and effector CD4+ T cell数増加、特に、COPD現行喫煙者で増加


男性喫煙者では、BAL中CD8+ T細胞比率は、1日あたりの喫煙数と相関



CD69受容体は、以下のT細胞活性化と関連


Treg(制御性T細胞):
制御性T細胞の機能低下がトレランス障害を引き起こしCOPDの重症化の原因となる可能性


Th17
Regulation in chronic obstructive pulmonary disease: the role of regulatory T-cells and Th17 cells
Clinical Science (2010) 119, (75–86)





NKT-like細胞はその比率はわずかだが、炎症誘発性サイトカインやgranzymeの重要なソース。COPD中のNKt-like細胞増加がみられる。重要な治療ターゲットの可能性。

粉じんガスなど吸入暴露建設業労働者COPD死:非喫煙者では半分、喫煙者では1/4が死亡原因

スウェーデン建築関係労働者・COPD患者:Vapor、ガス、ダスト、ヒューム職業的暴露と死亡率の関連性


粉じんガスなど吸入暴露建設業労働者でのCOPD死亡原因責任は、非喫煙者で半分、喫煙者で4分の1が、その職業的暴露に起因する



Occupational exposure to vapors, gases, dusts and fumes and mortality in relation to chronic obstructive pulmonary disease among Swedish construction workers – a longitudinal cohort study
Kjell Torén, et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1429


約35万5千名男性建築関係労働者
Vapor、ガス、ダスト、ヒューム暴露者 196,329 vs 非暴露 117,964
暴露は職業性暴露matrixベース、1970年代中頃にフォーカスを当て調査

COPD死亡 1085、うち 49名が非喫煙者
Vapor、ガス、ダスト、ヒューム暴露労働者は、COPD死亡率増加 (RR=1.32, 95% 信頼区間 (CI) 1.18 to 1.47)
暴露種類比較したところ、有意に増加したのは、
無機塵 RR 1.19, 95% CI 1.07-1.33)
非喫煙者内で比較
職業的空気汚染暴露はどの種類でもCOPD死亡率が高い (RR 2.11, 95% CI 1.17-3.83)

職業的暴露関与COPD寄与区分は、全労働者の0.24、非喫煙者では0.53
ヒューム RR 1.20, 95% CI 1.07-1.36) 


アスベストだけが特別じゃない!

RAPIDスコア:胸膜感染リスク推定

胸膜感染は合併症率・死亡率とも高い。
臨床的リスク評価スコア開発が必要

MIST1(multi-centre UK pleural infection trial n=411)ベース

RAPID : Renal profile (urea) / Age / Purulence of pleural fluid 
/ Infection Source (hospital versus community) and Dietary factors (albumin)



A clinical score (RAPID) to identify those at risk of poor outcome at presentation in patients with pleural infection
Najib M. Rahman,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1558

パラメータ 測定

スコア
腎(Renal) Urea < 5 mmol/L
0


5-8 mmol/L
1


> 8 mmol/L
2
年齢(Age) 年齢 < 50 years
0


50-70 years
1


> 70 years
2
胸水膿性 膿性

0
Purulence of pleural fluid 非膿性

1
感染源(Infection source) Community acquired

0

Hosptal acquired

1
食事要素(Dietary Factor) アルブミン > or = 27 mmol/L
0


< 27 mmol/L
1
リスクカテゴリー スコア 0−2

低リスク

スコア 3−4

中間リスク

スコア 5−7

高リスク

尿酸:mmol/L なので、日本で応用するには、代替式が必要となる
e.g. 尿素窒素濃度(mg/dL)に2.144を乗じると、尿素濃度(mg/dL)が、 尿素窒素濃度(mg/dL)に0.357を乗じると、尿素物質量濃度(mmol/L)が得られる。これを逆算、すなわち mmol/Lを0.357で割れば良いはずだが・・・


RAPIDスコアを用いると、リスク3分割
3ヶ月死亡リスクは、最小群(0−2)に比べ、
中等度リスク(3−4)では オッズ比 24.4 95% CI 3.1 to 186.7 p = 0.002)
高度リスク(5-7)では 192.4 (95% CI, 25.0 to 1480.4 ; p < 0.001)

2013年11月25日月曜日

痛風:家族集積性あり

家族集積性として、遺伝学的第1度近親者と第2度近親者の推定相対リスクで考察されている。
(日本の法律上の近親カウントと異なるので注意:http://www.falco-genetics.com/brcastudy_end/main/q01/index.html

兄弟は同じ環境に育つわけだから、遺伝的集積性以外に影響を与えているのかもしれない。


Clinical and epidemiological research
Extended report
Familial aggregation of gout and relative genetic and environmental contributions: a nationwide population study in Taiwan
Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2013-204067




痛風に関して
・第1度近親者:相対リスク
女性 1.97 (95% CI 1.94 to 1.99))
・第2度近親者
女性 1.40 (95% CI 1.35 to 1.46))

双生児 8.02 (6.95 to 9.26) 、兄弟 2.59 (2.54 to 2.63)、子供 1.96 (1.95 to 1.97)、親 1.93 (1.91 to 1.94)、孫 1.48 (1.43 to 1.53)、甥・姪 1.40 (1.32 to 1.47)、おじ・おば 1.31 (1.24 to 1.39)、祖父母 1.26 (1.21 to 1.30)  

痛風発現型相対的寄与として、遺伝性、コモン環境要素、非共有環境要素は、それぞれ、男性 35.1,、28.1、36.8% 、 女性 17.0、 18.5 、64.5%


住民ベース研究において、痛風の家族集積性が明らかになり、痛風リスクは家族歴有りで頻度が高い。遺伝的・環境的要素が痛風疫学と関連しており、相対的要素として性別も関連。
男性 1.91 (95% CI 1.90 to 1.93)
男性 1.27 (95% CI 1.23 to 1.31)

AHA/ACCの暴走について:CAlculator-gate  → いまこそ “スタチン”ペテンの追放を! 

CAlculator-gate
2013年ACC/AHA関連ガイドライン:動脈硬化疾患・コレステロール治療、心血管疾患リスク・ライフスタイル、肥満・体重過多 2013/11/13
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/2013accaha.html

"CAlculator-gate": 心血管疾患予測式 リスクかさ上げ問題  2013/11/20
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/calculator-gate.html 
これに関する関連記事を読んで、ことの背景がやや分かった気がする。


・ AHA・ACC(アメリカ心臓病主要関連学会)の新しいガイドライン(http://circ.ahajournals.org/content/early/2013/11/11/01.cir.0000437738.63853.7a)では、白人男性 62歳超、アフリカ系アメリカ人 65歳超、白人女性 70歳超、アフリカ系女性 69歳超ではすべてスタチン服用すべきとなり、若年全体への言及無し。

・ 事実、多くの心臓病専門医団体では、成人3名に1人では、コレステロール値をスタチン系薬剤でコントロールすべきとされている。(スタチンなどによる)心臓発作・卒中予防に関するエビデンスは少ないという、悪しき団体(薬理利益軽視・薬害至上主義者)の信念が広がることにつながる少なくとも、新規推奨がbacklash(一般大衆の反感)を引き起こし、処方薬剤が心疾患予防に役立つか疑念を生じさせることにつながるのは間違いない。

・ 一定年齢以上の国民は、ルーチンにコレステロール、LDL、HDLコレステロールを測定し、 LDLを 2.6-33 mml/L未満に、HDLを 1.6 mml/Lを上回るようキープすべきとされる。この系統のガイドラインは2001年出版され、HDL低下・LDL増加による心発作・卒中増悪仮説に従ったもの。このアプローチは現在否定され、新しいガイドラインでは、ルーチンモニターの必要はないとされる。:善玉・HDLと悪玉・LDLという仮説と治療ルーチン測定の否定。国民の3/4が心臓発作を生じる状況であり、一般での採血上の検査値の平均などを目安とするのこと自体が間違い。

・ 信念のようにスタチンの有効性を信じ込む("leap of faith"と表現)こと、コレステロールさえ測定せず薬剤投与量さえ補正しないという行きすぎたガイドライン。スタチンには心臓発作病歴予防に関しては中等度効果しか無い、そして女性ではその効果が示されてない。これら対象者に多大なるベネフィットがあるとは言えない。例えば、BMJ誌では、先月、“5年間で1例の心臓発作予防“に対し、140名のスタチン投与例が必要という解析解説がなされた。
・ カナダは、コレステロールに関する、新しい米国ガイドラインを採用せず、これも科学的とは言えないのだろうが、LDL/HDL方式のまま。一度信じ込んだら信仰のように離れない臨床概念、この呪縛からの解放には相当年数が必要となるだろう。 

・ 「心血管疾患診断既往」「家族性高コレステロール血症を主とした、LDL 190 mg/dL以上」「40-75歳診断の糖尿病患者全員」「10年間心血管疾患リスク 7.5%以上の40−75歳(年齢、体重、人種考慮)」というのがスタチン投与の基準。リスク推定式でスタチン投与必要という一群が投与対象者の大部分となる。一度、スタチン始めたら、薬剤投与量不要、永遠に服用し続けるという製薬業界団体に都合の良いもの
故に、このリスク推定式の信頼性が今度のガイドラインの肝であったわけである。今までのスタチン使用リスクの閾値としては、次の10年で20%を基準とするものであったが、さらに、広く15%としている。その上に、この推定式作成者自身が認めてるごとく、過剰推定となることがthe Lancetのコメンタリーに記載され、おそらく、75−150%ほど心臓関連イベントを過剰推定することになる。


英国の医学ジャーナル雑誌「the Lancet」、自らの不祥事には甘く、他人には厳しい雑誌だが、こういう時には良い働きをする。米国内からの告発じゃないところに根の深さを感じる。繰り返しになるが、日本よりはましだわ。ノバルティス不祥事は結局製薬会社だけのせいにして幕引きして、学会の自浄作用に関する話は途絶えているどこかの国。


標準化されてないLDL直接法で国策としての健康施策してる馬鹿な国は何も言えまい。

2013年11月22日金曜日

システマティック・レビュー:スタチンと認知機能 ・・・ 現時点では明確な結論づけできるデータ無し

稀なケースながら、スタチン関連記憶喪失の報告が有る。
e.g. Statin-associated memory loss: analysis of 60 case reports and review of the literature. Pharmacotherapy. 2003 Jul;23(7):871-80.


むしろリスク減少してもおかしくなく、観察研究でもそういう報告がなされている。
いまだ、明確なエビデンスがないところを見ると、あまねく有効というわけでもなく、副作用としても明確でもないということなんだろう

Statins and Cognitive Function: A Systematic Review
Karl Richardson,  et. al.
Ann Intern Med. 2013;159(10):688-697.

低品質エビデンスでは、アルツハイマー病増加せず、procedural memory、注意、運動速度に関する認知機能パフォーマンスも差を認めないということが示唆される。
中品質エビデンスでは、認知症、MCI増加させないことを示唆また、全般認知パフォーマンススコア、行動遂行機能、叙述メモリー、遂行速度、視覚認知機能において変化認めず
FDA市販後サーベイランスデータベースでは、認知機能関連副作用は同種薬剤に比べ低頻度とされた。





ビタミン信仰弊害:徐放性ナイアシンにて虚血性卒中増加・・・ かろうじて否定

これもビタミン信仰の被害事例か・・・

 徐放性ナイアシン(ERN)は、当初、低HDL/TG高値心血管疾患症例に対して、臨床的ベネフィットを示す目的のトライアルだったが、HDLコレステロール増加させるも、ベネフィット効果認めなかった。

(臨床的アウトカム軽視の日本のトライアルなら、合格だったのかもしれないという・・同時、恐ろしさを感じる)

このトライアルから、シンバスタチンに、ERNを加えると、虚血性卒中増加させるという逆効果が示された。ただ、臨床的には有意差があるが、数は少なく既知リスク要素補正多変量解析ではナイアシンと虚血性卒中の相関性は消失したとのことだが、薬剤としてはあり得ない話だし、有意差がないといっても p=0.0631・・・

と、同時に、 HDL増加ターゲット治療に関する疑念も・・・



Extended-Release Niacin Therapy and Risk of Ischemic Stroke in Patients With Cardiovascular Disease
The Atherothrombosis Intervention in Metabolic Syndrome With Low HDL/High Triglycerides: Impact on Global Health Outcome (AIM–HIGH) Trial
Koon K. Teo, et. al.
on behalf of the AIM-HIGH Investigators
Stroke. 2013; 44: 2688-2693
Published online before print July 23, 2013,
doi: 10.1161/​STROKEAHA.113.001529


ITT解析では、非致死性虚血性卒中 50 ; プラシーボ 18(1.06%) vs ERN 32(1.85) (ハザード比 [HR], 1.78 [95% 信頼区間 {CI}, 1.00–3.17; P=0.050) 
多変量解析にて、独立した虚血性卒中との関連性は、65歳超の年齢 (HR, 3.58; 95% CI, 1.82–7.05; P=0.0002)、卒中・TIA・頸動脈疾患既往  (HR, 2.18; 95% CI, 1.23–3.88; P=0.0079)、ベースラインLp(a) (HR, 2.80; 95% CI, 1.25–6.27 (最小3分位と中間比較3分比較); HR, 2.31; 95% CI, 1.002–5.30

ERNは有意な関連性認めず HR, 1.74; 95% CI, 0.97–3.11; P=0.063).




【ビタミンの害を正当に広めると都合の悪い人たち → サプリメント屋や製薬会社さん、ネット通販したいどこかの方々、市井の知ったかぶり屋さん】

抗酸化ビタミンサプリメントは、主要心血管イベント、心筋梗塞、卒中、総死亡、心血管死へ無影響・無効果  2013/03/05

ビタミンE過剰摂取で骨減少=ネズミで確認、人の調査必要―慶大など 2013/03/05

抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質 ...
intmed.exblog.jp/12809477


ビタミンE 前立腺がんリスク増加 
intmed.exblog.jp/13793866/ 

非アルコール性脂肪肝炎にビタミンE有効 ...
intmed.exblog.jp/10513533/

 高用量ビタミンEは寿命を短くする 続編
intmed.exblog.jp/1323743/

APO E2はアルツハイマー病治療・予防に役立つかもしれない

 APOE2 をウィルスベクターで脳内に導入すると、異常βアミロイド蛋白レベルが低下する。 さらに、ヒトAPOE2、APOE3、APOE4 isofromと緑色蛍光蛋白とともに導入し検討すると、42-merのβアミロイド対照比較でそれぞれに異なる反応が見られた。


APOE2では、対照およびAPOE3に比べ2/3まで減少、 APOE4では約80%まで増加し、
βアミロイドプラーク密度もそれぞれに改善、悪化の逆方向の反応が見られた。

以上から、APOE遺伝子関連による治療の可能性がひらけた画期的報告

"Gene transfer of human apoe isoforms results in differential modulation of amyloid deposition and neurotoxicity in mouse brain"
Hudry E, et al
Sci Transl Med 2013; DOI: 10.1126/scitranslmed.3007000.
http://stm.sciencemag.org/content/5/212/212ra161

apolipoprotein E (APOE)のε4 allele の遺伝性はアルツハイマー病の遺伝的リスク要素として最強。APOE ε2は逆の作用をもつ。メカニズム上、APOEがリスクとなるか、逆に、予防効果となるかは不明であった。gene transferを用い、アミロイドプラーク保有transgenic mouseで、ヒトAPOE遺伝子発現の実証を行った。

in vivo microdialysis、postmortem array tomographyによりAPOE-介在的Aβ関連神経毒性を検討。ヒトAPOE4にて、間質内液オリゴマーAβを増加させ、プラーク沈着増悪的に働いた。

ヒトAPOE2暴露後、逆に、オリゴマーAβ減少、プラーク減少として働いた。

APOE4によりプラーク周囲シナプス喪失、異栄養性神経突起悪化が見られ、APOE2によるその影響が減弱される。

CNSから血中へのAβのegress(排出)は、APOE2比較すると、APOE3、APOE4において、減少。これは、isoform特異的AβのCNS内貯留と一致する所見。

APOE isoform により、アミロイド沈着・クリアランスへ、異なる影響を与え、Aβ介在シナプス毒性に影響を与えることが分かった。

治療的アプローチとしてAPOE4を減少、APOE2を増加させることも考えられる。

軽度脳震盪でも、認知・身体・感情症状続き、MRI上左右不均等な所見認める

軽度脳震盪(しんとう)患者でも長期間、認知機能 、身体症状、情緒・感情的症状に影響を生じ、神経画像上の所見として存在持続する。4ヶ月後は左右不均等なdiffusion所見が脳MRIに見られるという知見。


"A prospective study of gray matter abnormalities in mild traumatic brain injury"
Ling J, et al
Neurology 10.1212/01.wnl.0000437302.36064.b1

50名の軽度頭部外傷患者と、性・年齢・教育レベルマッチ化対照との比較

外傷後の臨床・神経画像所見を14日から26名は4ヶ月目まで回収

亜急性外傷期において、認知、身体、感情面の訴え多く、4ヶ月後には有意に減少。

亜急性期において、両側前頭前皮質のdiffusion(fractional anisotropy:FA、diffusivityを意味)増加。左前頭前皮質の病変は、受傷後4ヶ月間持続する。


患者とマッチ化対照群では、神経心理的検査事項、灰白質萎縮/平均diffusivityにおいてどのポイントでも差を認めず


結論としては、皮質のFA増加は神経外傷後も灰白質の動物実験所見と一致した状況と類似し、細胞毒性浮腫、反応性のgliosisと関連する。この研究では皮質・皮質下萎縮のエビデンスがなく、慢性疾患経過初期に起きるニューロンあるいはneuropil喪失とつながるエビデンスは示せてない。



関連:
AAN:スポーツしんとうガイドライン
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/03/aan.html 


RSNA報告: サッカーと脳障害画像診断証拠2011 11 30
http://intmed.exblog.jp/14092689/

2013年11月21日木曜日

ナッツ摂取すると、総・原因別死亡率減少

 ナッツ類は、不飽和脂肪酸、線維成分、ビタミン、ミネラル、フェノール類抗酸化・phytosteroidを含み、臨床トライアルで、冠動脈疾患、中間バイオマーカー(コレステロール)などにベネフィットを有することが知られている。FDAは、2003年43gのナッツで低脂肪食の一部として心血管リスク減少の可能性を示すとしている。Mediterranean dietとしては、walnuts(クルミ)、hazelneuts、アーモンドなど。

ハーバード大学の研究

Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality
Ying Bao,  et. al.
N Engl J Med 2013; 369:2001-2011November 21, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1307352
ナッツ摂取増加は、心血管疾患・2型糖尿病など慢性疾患リスク減少と相関する。 
76,464名の女性(NHS 1980-2010)、42,498名の男性(HPFS:1986-2010)で検討 
フォローアップ約300万人年中、死亡 男性 約11,2千名、女性 16,2千名
ナッツ摂取量は、男女とも総死亡率と逆相関(既知・候補リスク要素補正後)

死亡関連プール化多変量ハザード比(ナッツ食無しと比較)
週1回未満:0.93 (95% 信頼区間 [CI], 0.90 to 0.96) 
週1回:0.89 (95% CI, 0.86 to 0.93) 
週2−4回:0.87 (95% CI, 0.83 to 0.90) 
週5−6回:0.85 (95% CI, 0.79 to 0.91) 
週7回以上:0.80 (95% CI, 0.73 to 0.86)  (P < 0.001)

ナッツ摂取と、がん・心臓疾患・呼吸器疾患死亡と逆相関

コーヒーvs脱カフェイン・コーヒー

カフェインコーヒーは心血管疾患へのベネフィットがあることが知られているが、そのメカニズムは分かってなかった。琉球大学薬理学のMasato Tsutui氏らの報告という報道。
http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sci-sn-coffee-caffeine-blood-vessels-20131120,0,1691082.story#axzz2lGCWvozg


27名の健康成人(22−30歳)、コーヒー摂取習慣のない対象者で、カフェイン入りと脱カフェインを飲ませreactive hyperemiaを測定。小血管機能への影響が考えられた。
・カフェイン入りコーヒー一杯で、30%の指標指の血管機能30%、75分継続
・カフェインコーヒーは軽度血圧増加し、血流を減少させる
・心拍レベルは、脱カフェイン摂取・定期的コーヒー摂取者は同様

この研究は日本コーヒー協会が資金提供している
[Updated at 5:15 p.m. PST, Nov. 20]

この小規模研究結果では結論的なことは言えないという




NEJM: スポーツ参加前心臓検診に関する問いかけ

Cardiac Screening before Participation in Sports

高校のアスリートプログラムの指導者という立場で、学校スポンサーアスレティックチーム全学生アスリートに、医師による心臓検診を受けさせる必要があるか?
意見を多く求めている


突然死報道を受けて、自発的検診プログラムを行っているところもあるが、その必要性と経済的意味合いなどが問題となる。
2つの疑問
1)若年アスリートは、スポーツ参加前の心臓検診すべきなのか?
2)検診をするとしたら、病歴・身体所見でのみで良いのか?心電図は必要か?
質問1に対する選択肢
・スポーツ参加前・心臓検診必要
・スポーツ参加前・心臓検診不要
質問2に対する選択肢
・スポーツ参加前・心臓検診は病歴・身体所見チェックだけでよい
・スポーツ参加前・心臓検診は病歴・身体所見チェックに加え、心電図を行うべき





AHA Scientific Statements
Recommendations and Considerations Related to Preparticipation Screening for Cardiovascular Abnormalities in Competitive Athletes: 2007 Update
A Scientific Statement From the American Heart Association Council on Nutrition, Physical Activity, and Metabolism: Endorsed by the American College of Cardiology Foundation
Circulation. 2007; 115: 1643-1655 Published online before print March 12, 2007, doi: 10.1161/​CIRCULATIONAHA.107.181423 

12のエレメント,
病歴
・病歴
1)労作性胸痛/不快
2)突然予知不能失神/near-syncope
3)過度労作による或いは突然の呼吸困難/疲労で、運動関連性症状であるもの
4)心雑音指摘既往
5)収縮期血圧増加
・家族歴
6)50歳未満の心臓疾患による1未満のrelative(米国基準近親数)早死(突然死・予知不能死、など)
7)50歳未満の近親者心疾患による障害保有
8)家族内特定心病態の存在既知
・身体所見
9)心雑音
10)大動脈縮窄除外femoral pulse(大腿動脈脈拍亢進・減弱)
11)マルファン症候群の身体的特徴
12)前腕動脈(座位)




Cardiovascular pre-participation screening of young competitive athletes for prevention of sudden death: proposal for a common European protocol. Consensus Statement of the Study Group of Sport Cardiology of the Working Group of Cardiac Rehabilitation and Exercise Physiology and the Working Group of Myocardial and Pericardial Diseases of the European Society of Cardiology.
Eur Heart J. 2005 Mar;26(5):516-24. Epub 2005 Feb 2.



12誘導心電図異常クライテリア
P wave
 left atrial enlargement: negative portion of the P wave in lead V1≥0.1 mV in depth and ≥0.04 s in duration;
 right atrial enlargement: peaked P wave in leads II and III or V1≥0.25 mV in amplitude.
QRS complex
 frontal plane axis deviation: right ≥+120° or left –30° to –90°;
 increased voltage: amplitude of R or S wave in in a standard lead ≥2 mV, S wave
  in lead V1 or V2≥3 mV, or R wave in lead V5 or V6≥3 mV;
 abnormal Q waves ≥0.04 s in duration or ≥25% of the height of the ensuing R wave or QS pattern in two or more leads;
 right or left bundle branch block with QRS duration ≥0.12 s;
 R or R′ wave in lead V1≥0.5 mV in amplitude and R/S ratio ≥1.
ST-segment, T-waves, and QT interval
 ST-segment depression or T-wave flattening or inversion in two or more leads;
 prolongation of heart rate corrected QT interval >0.44 s in males and>0.46 s in females.
Rhythm and conduction abnormalities
 premature ventricular beats or more severe ventricular arrhythmias;
 supraventricular tachycardias, atrial flutter, or atrial fibrillation;
 short PR interval ( < 0.12 sec )
 sinus bradycardia with resting heart rate ≤40 beats/min
 first (PR≥0.21 s), second or third degree atrioventricular block.                         







中国野生型ポリオ流行:感染制御報告 ・・・ ポリオの流行はワクチンで止められる!

中国に土着していると思われる、野生型ポリオ症例は1994年報告されている。
2000年にポリオ・フリー地域と、中国はみなされていたが、2011年感染流行が新疆(シンチアン)地域で観察されている。

2年前このことが在中国日本国大使館からも注意されている
中国における野生型ポリオウイルスの発生について  2011/10

経緯についての報告

Identification and Control of a Poliomyelitis Outbreak in Xinjiang, China
N Engl J Med 2013; 369:1981-1990November 21, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1303368

2011年6月3日から2011年10月9日まで21例の野生型ポリオ・ウィルス感染確認21例、臨床的診断23例
急性弛緩性麻痺患者との接触673名のうち14名から、野生型ポリオウィルス type 1を検出。、感染接触してない491例の健常者491名中13名からも検出。

配列解析にて、パキスタン起源の野生型ポリオウィルスと示唆されている。

緊急事態宣言がなされ、サーベイランスを強化。5回のラウンドの生ワクチン、弱毒OPVを小児・成人に接種、4300万投与がなされた。

3価OPV3回、単価OPV type 12回投与

指標症例確認後1.5ヶ月で流行終了

PTSD:体重過多・肥満発症リスクと関連:うつ要素と独立した影響

 Traumatic Stressという言葉、「外傷“性”(あるいは"的")ストレス」という一区切りだと思うのだが、「心の傷」という言葉とともに、とらえ方が、曖昧になる。この論文では、「外傷による、慢性ストレス反応」(chronic stress reaction in response to trauma)と書かれている。となると、一義的な外傷に伴う、心的ストレスの一群の検討かと期待したのだが、デザインをみるとPTSDスクリーナーによる判断によるPTSDというとらえ方のようだ。
 DSM-5では、「The person was exposed to: death, threatened death, actual or threatened serious injury, or actual or threatened sexual violence, as follows: (one required)」(死亡、死が迫ってる状況、現実的あるいは切迫状況としての重症外傷、現実的あるいは切迫状況としての性的暴行に関し、直接の被害個人としての目撃、間接的暴露、反復的あるいは極端な間接的暴露)とその範囲が拡大されており、曖昧となっている。

 もう一つの不満は、「心理学的介入で全てが解決するかのような」メディアや行政の発する情報。

 診断バーデン拡大指向やエビデンス無き介入の誤解流布に対する不満はともかく、NHS II研究、前向き観察研究において、PTSD症状の経験は、体重過多・肥満発生リスク増加と関連するという報告。

 以下の報告は、PTSD発症によるBMIの影響を分析し、PTSD症状の存在は、体重過多・肥満発生リスクと関連し、PTSD症状は、時間推移と共に変化するBMIの軌跡に影響を与える。PTSD症状の存在について臨床医は注意を払い、体重増加との関連性について医療問題として問題視、適切な関心を向けるべき。

 The Weight of Traumatic StressA Prospective Study of Posttraumatic Stress Disorder Symptoms and Weight Status in Women
Laura D. Kubzansky,
JAMA Psychiatry. Published online November 20, 2013. 

1989年(コホート開始)前、少なくとも、4つのPTSD症状を有する女性において、フォローアップ中、BMI増加は急激  (b = 0.09 [SE = 0.01]; P < .001
(bというのはβの事だろうか?)

1989年以降のPTSD発症者では、BMI軌跡はPTSD発症前のPTSD状況により影響されない。

PTSD症状出現後、4つの症状以上の女性ではBMIは急激に増加する  (b = 0.08 [SE = 0.02]; P < .001)

1989年BMI正常女性において、1989年以降4つ以上の症状発症した場合は、体重過多・肥満発症リスク増加する (オッズ比, 1.36 [95% CI, 1.19-1.56])


この影響はうつを補正しても維持され不変。


SSRIなどの影響は?
身体活動性、身体運動の影響は?

米国FDA:アデノシンなど負荷試験薬剤安全性注意喚起(アデノスキャン、レキスキャン)

アステラス製薬のアデノシン受容体アゴニスト製剤である、レキスキャン・アデノスキャンについて、データベースにて、レキスキャンでは心臓発作26例、死亡例29名、アデノスキャンでは6名の心発作、死亡例27例指摘

レキスキャン(Regadenoson、CVT-3146)はA2Aアデノシン受容体アゴニストで、2008年4月米国FDA認可、EU、UK、ドイツで販売されている。


[ 20日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は20日、アステラス製薬 の心機能検査補助剤「レキスキャン」と「アデノスキャン」が心臓発作を引き起こす恐れがあるほか、患者が死に至るケースもあるとして、医療関係者に注意を喚起した。
FDAは、急性心筋虚血の症状がある患者には使用しないよう勧告したほか、これら補助剤を使用し心機能を検査する際には、蘇生器具を用意し、訓練を受けている医療スタッフを配備するよう促した。
アステラスはFDAに協力し、安全性に関する最新の情報を医療関係者に周知させることを確実にしていると説明した。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0J540R20131120
http://in.reuters.com/article/2013/11/20/astellas-fda-idINL2N0J51PN20131120


2013年11月20日水曜日

ランダム化対照:急性心筋梗塞患者:「短期ヒューマニスティック実存的心理療法」新規心臓イベント抑制などかなり効果認める

標準心臓病学的治療+短期ヒューマニスティック−実存(主義)的心理療法(short-term humanistic–existential psychotherapy (STP) ) vs 標準心臓病的治療

AMI治療のため緊急・待機的血管形成術後、70歳以下、101名


プライマリ複合エンドポイントは、新規心臓病イベント(梗塞再発、死亡、卒中、再度血管再検、生命危機心室性不整脈、典型的・臨床的狭心症再発)と臨床的有意新規合併症の組み合わせ
セカンダリエンドポイントは個別組み合わせ(プライマリアウトカムに心血管疾患再入院、NYHA分類、心理学的スコア)

このNNT数だと、かなりの効果のようだ


One-year results of the randomized, controlled, short-term psychotherapy in acute myocardial infarction (STEP-IN-AMI) trial
Adriana Roncella et. al.
International Journal of Cardiology 
Received 17 April 2013; received in revised form 14 August 2013; accepted 29 August 2013. published online 18 November 2013.

1年時点で、94名解析。2治療群はベースライン特性同等。

フォローアップ時、STD患者ではプライマリエンドポイント発生低下(21/49 vs 35/45 p=0.0006; NNT 3)

狭心症再発(14/49 vs 22/45, NNT=5)・新規合併症頻度低下(5/49 vs 25/49 , NNT=3)

STP施行患者は統計学的有意に再入院、NYHA分類、QOL、うつスコア改善


Four schools of theory and therapy
理論的方向性とテクニックにより数百の種類がある心理療法

以下4つを解説:http://psychcentral.com/therapy.htm
・Psychodynamic (and psychoanalytic)
・Cognitive-behavioral (and behavioral)
・Humanistic (and existential)
・Eclectic

「人間性・実存・トランスパーソナル心理学」「実存主義的心理学」
「アメリカではすでに精神分析が定着しつつあったが、その一方では、行動変容を中心とした心理療法(行動療法)が急速に強まりつつあった。しかし、実存的ア プローチをアメリカに紹介した一人であるロロ・メイは、行動療法は人々をますます体制順応主義者にしてしまい、個性を破壊してしまう危険性があると述べて いる。そして、この問題の根は近代以降の合理主義や観念論、主客二元論にあるという。つまり、主観や理性ばかりを重視したため、情動や意志が分離(無視) され、個人としての自己自身を体験することができなくなっていることが、現代の不安の原因だというのである。そこで、こうした近代的な理性を批判する考え 方として、キルケゴールやニーチェの実存思想が重要になると、ロロ・メイは主張する。」「「不安は、ある可能性――自己の実存を充足させるある可能性――がその人に向かってあらわれてくる、その時点で起こるものなのです。しかし、まさにこの可能性そのものが、現在の安定感を破壊する可能性をも含んでいて、その安定感の方を得ようとすると、新しい可能性が否定されてしまうという傾向も生まれてく るわけです」(ロロ・メイ『存在の発見』)。」「人間は新しい可能性を現実化する自由を持っているからこそ、不安を体験するのであり、新しい可能性と現在の安定感のどちらを選ぶか、この葛藤が不安には含 まれている。そして、この可能性を現実化することに失敗するとき、罪の意識が生じてくる強迫神経症者の罪悪感は、安定感を維持するために強迫的な行為を選び、新たな可能性に向かわないことから生じているのだ。」 ロゴセラピー、クライエント中心療法、フォーカシング、ゲシュタルト療法。「行動療法と対照的な、内面重視型クライエント自身からみた内部重視。自己への気づき、自己一致、自己了解。」「仮説が多すぎる問題」「無意識の否定なのに実体化を促し、潜在性を結果的に認めている自己矛盾の多い心理学分野との批判は当然出てくる」
http://yamatake.chu.jp/02psy/2thera/4.html

EU-PACTグループ:ゲノムタイプ指標ワーファリン投与量調整にて治療域到達迅速で安全

抗凝固療法固定量レジメンは治療開始期間中予測困難、故に、ゲノムタイプ指標予測投与量を用いて行い、その検討

多施設ランダム化対照化トライアル
心房細動・VTE患者で、CYP2C9*2, CYP2C9*3, VKORC1 (−1639G→A) をPOC検査として施行

5日間薬物学ベースアルゴリズムに従い処方 vs 3日loading-doseレジメンとの比較

プライマリアウトカム測定は、INR治療域2.0-3.0範囲内比率(ワーファリン開始12週後)


A Randomized Trial of Genotype-Guided Dosing of Warfarin
Munir Pirmohamed, et. al.
for the EU-PACT Group
N Engl. J. Med. November 19, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1311386


455名登録し、ゲノタイプガイド群 227名、対照群 228名

治療域到達比率: ゲノタイプガイド群は67.3%、 対照群は 50.3%
(補正差, 7.0 %ポイント; 95% 信頼区間, 3.3 to 10.6; P < 0.001)

ゲノタイプガイド群では、過剰抗凝固(INR 4.0以上)発生率は、有意に減少

治療的INR到達中央期間は、前者 21日、対照群29日(P<0.001)


"CAlculator-gate": 心血管疾患予測式 リスクかさ上げ問題

AHA/ACCの心血管疾患ガイドラインの"CAlculator-gate"問題

2013年ACC/AHA関連ガイドライン:動脈硬化疾患・コレステロール治療、心血管疾患リスク・ライフスタイル、肥満・体重過多 2013/11/13

問題は、この中のリスク計算式で、スタチンを一次予防としたことが発火材料となった。

心筋梗塞・卒中のリスクを75%から150%ほどかさ上げしていると、Brigham and Women's Hospital(ボストン)のPaul RidkerとNancy Cookらは会合していた。NYTimes誌で、CNNレポーター Elizabeth Cohenにより要約されたmedia free-for-allの示唆記事について、featureしている。


NYTimes
新しいガイドライン導入停止をACC前会長が促した。

この論争のため、AHA年次総会はその議論を呈しとし、予測式が十分でなかったが、全身ではあったと述べ、計算式に闇雲に従うのではなく、治療オプション議論上の役割として、医師・患者の選択肢材料だとした。

機能不全は何処にあったか?

1年前に、the Lancetのコメンタリーで指摘され、NIH/NHLB施設においてガイドラインが独自に開発され、独立的にレビューしたPaul RidkerとNancy Cookはどちらも振り返り、計算式が機能していないと報告している。ニュース解禁後両者はその事実を知り、問題点があることを知った。

この2名とACCメンバーは、土曜夜、密室議論し、この問題を指摘、いかに対応するか日曜日議論した。

ガイドライン開発に関係してない、Dr Blaha(Johns Hopkins大学、心臓疾患予防Ciccaroneセンター研究指導者)は、予測式は、10年より長い期間集積データを用い、結果的に喫煙期間長く、卒中多く、心発作が若い時期の多いもの由来であることを指摘。長期間データを用いた結果、数十年でその状況は変化し、大きなギャップを生じた。人々は近年、高齢となって初めて心発作や卒中を生じるようになった。



MESA と REGARDSと呼ばれる新しい推定式で、評価コホート2つで過剰推定として記載されたものであった。リスク閾値を7.5%としたこの指標は正確でないため、3300万名の中年アメリカ人の40%から50%がスタチン治療の対象となる状況をもたらす。再考されるべきで、この推定式前の外部評価が広くなされるべき。
ATPIIIリスク推定式と比較しパフォーマンスは同等であったと、このリスク推定寄稿ガイドラインのDavid Goff Jr(コロラド大学公衆衛生)は述べている、また、Donald Lloyd-Jones(ノースウェスタン大学・予防医学部門)は、リスク全般に過剰推定があり、特に高リスク群でこの影響が大きいとしている。コホート最大リスク群が同定されるようにするため、より低い予測イベント率でも結果的にスタチン開始となったと説明。彼らの検証は全般的な米国住民に代表されるようなコホートではなく、過剰推定につながった



なんだかんだ言っても、アメリカの医学界は健全だなぁ・・・
日本の糖尿病・肥満・動脈硬化などの学会に渦巻く根拠不明ないろんな事柄を見聞きするにつけ・・・

日本なら、学会のおえらいさんが、下々のものに高圧的に、言い放っておしまい・・・となりそうだが・・・

e.g.)
日本のメタボリックシンドロームの腹囲基準のベースとなったコホートは、訳の分からないもので、突如現れたCTによる腹囲測定された一群であった。批判に次ぐ批判であったが、いまも強弁が続いている日本の現状・・・ 風通しの悪く、一部おえらいさんたちだけに都合の良いよう進む日本の医学の世界。

2013年11月19日火曜日

CORAL研究:腎動脈中等度狭窄:ステント治療成績は包括的薬物治療を凌駕しない

腎動脈ステントは、中等度腎狭窄では、薬物治療単独より、役立つことはない。

副事象イベントについて、平均3.5年間の観察期間で、ステント患者では35.1%、薬物療法単独では35.8%。


腎動脈狭窄が有り、高血圧合った場合、インターベンション考慮する前に、最大積極的薬物治療包括的トライアルがなされるべきであるという単純なメッセージに収束するという解説



Stenting and Medical Therapy for Atherosclerotic Renal-Artery Stenosis
Christopher J. Cooper, et. al.
for the CORAL Investigators  
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMoa1310753.

非心臓手術:心不全・recent MI患者ではβ遮断剤使用・重大心血管副事象・死亡率軽減効果

非心臓手術でのβ遮断剤使用促進はエビデンス少なく批判的状況にもある。

だが、以下の報告から、非心臓疾患手術患者において、虚血性心疾患患者において、β遮断剤使用はMACEと全原因死亡率軽減し、それは、主に、心不全・recent MI患者においてのリスク軽減効果によるものであった。

虚血性心疾患を有する28263名
非心臓手術施行患者の虚血性心疾患患者の、30日目の重大心血管副事象イベント(MACE)と全原因死亡率に関する評価

心不全:7990(28.3%)
β遮断剤未使用:20273(71.7%)
心不全有りで使用 4262(53.3%)、心不全梨で未使用 7419(36.6%)


Association of β-Blocker Therapy With Risks of Adverse Cardiovascular Events and Deaths in Patients With Ischemic Heart Disease Undergoing Noncardiac Surgery
A Danish Nationwide Cohort Study
Charlotte Andersson, et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 18, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.11349


β遮断剤使用は、ハザード比 MACE 0.90 (95% CI, 0.79 - 1.02)、全原因死亡率 0.95 (95% CI, 0.85-1.06)

心不全有り患者について、β遮断剤使用は以下のリスク減少に有意関連
MACE (HR, 0.75; 95% CI, 0.70-0.87) 、全原因死亡 (0.80; 0.70-0.92)


心不全無しの患者では有意に相関せず MACE (1.11; 0.92-1.33) 、死亡率 (1.15; 0.98-1.35) (P < .001 for interactions).

心不全無し患者では、β遮断剤は、recent MI患者(2年未満内)で、ハザード比減少
MACE 0.54  (95% CI, 0.37-0.78) 、全原因死亡率 0.80 (0.53-1.21)   (P < .02 for β遮断剤と心筋梗塞後の期間相互関係)、しかし、残る患者間の相関は有意ではない。
結果は、propensity score-matched analysisでも同様。




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