2019年12月27日金曜日

ツインサイクル仮説:極低カロリー食による2型糖尿病寛解

以下の記事気になった

https://gigazine.net/news/20191225-overspill-fat-diabetes/

DiRECT研究:VLCDの減量効果について
Fat Spillover Theoryとともに twin cycle 仮説で説明が試みられている
Fat Spilloverは、遺伝的・民族的・年齢に依存し、皮下脂肪からectopic fatへ脂肪があふれ出て、代謝的異常をもたらす。これは減肥手術後数日で糖尿病寛解がもたらされる



The Use of Very Low Calorie Diets in the Management of Type 2 Diabetes Mellitus, South African Journal of Clinical Nutrition, 29:2, 96-102, DOI: 10.1080/16070658.2016.1216514 




一方、twin cycle仮説は・・・
低カロリー食(low energy diet)をツールとして使用することで、2型糖尿病発症のきっかけになる病態生理変化解明につながる可能性がある
2型糖尿病の負のエネルギーバランスは肝臓内脂肪含量の著しい低下を生じ、肝臓のインスリン感受性を7日間以内に正常化する。負のエネルギーバランス期間は広がり、肝臓内脂肪が正常に復帰し、肝臓からのtriacylglycerolの搬出速度が低下する。結果、膵臓ないの脂肪含量も低下し、2型糖尿病早期において、正常血糖コントロール内での正常の第1相インスリン分泌が再確立される。 2008年のツインサイクル仮説の予測によって推進されたこの研究は、理解のパラダイムシフトをもたらした。 病態生理学的変化の逆のシーケンスとして研究すると、肝臓と膵臓の関連する異常が明らかになった。 初期の2型糖尿病は、潜在的に可逆的な状態で、 驚くべきことに、実験ツールとして考案された食事が実際に研究参加者に好まれていることが観察された。 それはほとんどの人の空腹や疲労に関連するものではなく、急速に健康を増進することに関連していた。

Diabetologia volume 61, pages273–283(2018)
https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-017-4504-z










Hepatic Lipoprotein Export and Remission of Human Type 2 Diabetes after Weight Loss
Ahmad Al-Mrabeh, et al.
Published:December 19, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.cmet.2019.11.018
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(19)30662-X


取り上げられた報告は、2型糖尿病での食事制限による肝臓リポ蛋白代謝の役割についてであり、VLDL1-トリグリセリド産生速度と、VLDL1-パルミチン酸濃度の膵臓内含有量変化についての知見





肝臓内脂肪、VLDL1-トリートメント産生、膵臓内脂肪量は減量後減少し、2型糖尿病寛解後24ヶ月後正常化維持する。インスリン分泌第1相は糖尿病寛解維持症例においてのみ増加維持する。24ヶ月寛解患者に比べ、初期寛解後再発患者では、VLDL1-トリグリセリド、VLDL1-パルミチン酸の含有量大きく増加し、膵臓内脂肪再蓄積を認め、インスリン初期反応を欠如する。VLDL1-トリグリセリド産生、肝臓パルミチン酸排出、膵臓内脂肪、β細胞機能間の一過性の関係が観られる。体重関連疾患による脂肪代謝が2型糖尿病の発症及び可逆性の鍵となる







personal fat threshold、個別的脂肪蓄積の影響は様々
https://www.ncl.ac.uk/media/wwwnclacuk/newcastlemagneticresonancecentre/files/fat-threshholds-slides.pdf







ベイズ理論:概念的学習から初めよ

今の医学生はベイズ理論を用いた臨床推計を学ぶはず

概念的な教育が有効なようだ


Effect of Teaching Bayesian Methods Using Learning by Concept vs Learning by Example on Medical Students’ Ability to Estimate Probability of a Diagnosis
A Randomized Clinical Trial
John E. Brush Jr,et al.
JAMA Netw Open. 2019;2(12):e1918023. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.18023

質問:初学的臨床家は、明示的概念教育あるいは反復例示を含む教育手法を用いることで診断確率をより正確なベイズ理論revsionを用いるよう教育できるか?

知見:61名の医学生のランダム化臨床トライアルで、ベイズ理論化や概念についての明示的概念的インストラクションにより初学的臨床家への検査後確率推定の正確性を有意に改善した。診断可能性推定確率は、三つの実験コンディション(明示的教育、反復演習、対照)全てで予測より優秀であった。

意義:明示的理論的インストラクションは診断確率のbayesian revsionの改善を有意にもたらし、初学臨床家への診断的reasoningを教育する上での示唆を与える


Importance  Clinicians use probability estimates to make a diagnosis. Teaching students to make more accurate probability estimates could improve the diagnostic process and, ultimately, the quality of medical care.

Objective  To test whether novice clinicians can be taught to make more accurate bayesian revisions of diagnostic probabilities using teaching methods that apply either explicit conceptual instruction or repeated examples.

 teaching bayesian updatingとdiagnostic reasoning教育2手法の ランダム化臨床トライアル
web-ベースプラットフォームを用い、各介入の効果の同意、ランダム化、介入、検証
t McMaster UniversityとEastern Virginia Medical Schoolでの61名の医学生 2018年5月1日から9月30日
介入:ランダム化
(1) receive explicit conceptual instruction regarding diagnostic testing and bayesian revision (concept group)
(2) exposure to repeated examples of cases with feedback regarding posttest probability (experience group)
(3) a control condition with no conceptual instruction or repeated examples.

主要アウトカムと測定項目 3群の医学生について、negative or positive test結果に関する診断確率をupdateする能力検証
確率revisionを比較
Bayes ruleを用いそして、既知感度・特異度を用い計算した検査後確率と比較して、この確率revsionを計算



結果 61名の被験者のうち、concept 群 22名、演習群 20名 、対照群 19名
平均年齢 25歳、2名の被験者は1年、37名は2年、12名3年、10名は4年

concept群学生の平均(SE)確率は他の2群より、bayesisan確率計算に近似 (0.4%; [0.7%] vs 演習群 3.5% [0.7%]; 対照, 4.3% [0.7%]; P < 0.001)
統計学的に有意だが、群間差は比較的少なく、全ての学生のパフォーマンスは文献報告に基づく予測より良好であった。

Trial Registration  ClinicalTrials.gov identifier: NCT04130607




stanを導入してベイズ推計の深みにはまる必要があるかは?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note