2015年1月5日月曜日

広島・長崎 核爆弾被爆者:甲状腺腫瘍・結節への影響 1cm以上の結節では小児期被爆の影響あり

戦後62年から66年めの、広島・長崎の核爆弾被爆者の甲状腺結節調査


Association of Radiation Dose With Prevalence of Thyroid Nodules Among Atomic Bomb Survivors Exposed in Childhood (2007-2011)
Misa Imaizumi, et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 29, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.6692


直径10mm以上の甲状腺腫470名(17.6%):孤立性 427例(16.0%)、 悪性腫瘍 47例(1.8%)、良性結節 186例(7.0%)、嚢胞 49例(1.8%)、全て甲状腺照射量に有意相関。
1 Gyあたりの超過オッズ比は、結節全体 1.65 (95% CI, 0.89-2.64) 、孤立結節 1.72 (95% CI, 0.93-2.75)、 悪性腫瘍 4.40 (95% CI, 1.75-9.97)、 良性腫瘍 2.07 (95% CI, 1.16-3.39)、 嚢胞 1.11 (95% CI, 0.15-3.12)


暴露時年齢と照射量の関連性が、全ての結節で見られる (P = 0.003) 、充実性結節にも (P < 0.001)見られ、より若年期での暴露が有意。


性別、甲状腺疾患家族歴、抗甲状腺抗体、海藻摂取とは相関性認めず


10mm未満の小結節では量依存性を認めず



結論:核爆弾被爆生存者の甲状腺結節に於る、照射による影響は、小児期被爆62-66歳生存者で存在する。しかし、サイズの小さい結節では影響認めない

禁煙: チャンピックス効果は標準治療量より増量しても効果頭打ち、副作用は増加

バレニクリン 2mg/日までの標準治療 vs 最大 5mg/日までの増量群での禁煙効果比較

結果は、標準量を超えてもさらなる効果は得がたい。何せ、ニコチン受容体への効果はそれ以上は出現しようもないから・・・


Increasing Varenicline Dose in Smokers Who Do Not Respond to the Standard DosageA Randomized Clinical Trial
Peter Hajek, et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 29, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.6916

 The dose increase reduced smoking enjoyment during the prequit period, with mean (SD) ratings of.
禁煙準備期間中喫煙減少は量依存的に減少 :  1.7 (0.8) for varenicline vs 2.1 (0.7) for placebo (P = 0.001)

 target quit date (TQD)後1週での喫煙希求度(2.7 (1.1) vs 2.6 (0.9) (P = 0.90))、その強度( 2.6 (1.1) vs 2.8 (1.0) (P = 0.36))、離脱症状(1.5 (0.4) vs 1.6 (0.5) (P = 0.30))に差を認めず

禁煙率に関して量依存的効果を認めず
TQD1週後: 37 [37.0%] vs 48 [48.0%], P = 0.14
TQD4週後: 51 [51.0%] vs 59 [59.0%], P = 0.32
TQD12週後: 26 [26.0%] vs 23 [23.0%], P = 0.61

プラシーボ群よりバレニクリン増量群で吐き気、嘔吐多い (P < 0.001 、P < 0.001)

外傷性頭部外傷と認知症リスクの関連: 中等症・重症頭部外傷では55歳以上、軽症では65歳以上で、認知症リスク増加



Dementia Risk After Traumatic Brain Injury vs Nonbrain TraumaThe Role of Age and Severity
Raquel C. Gardner, et. al.
JAMA Neurol. 2014;71(12):1490-1497. doi:10.1001/jamaneurol.2014.2668.



【序文:意義】  認知症リスク要素としての外傷性脳損傷(TBI)の重要性に関して疫学的エビデンスは相反状況である。非TBI(NTT: non- TBI trauma)患者を対照とした、加齢とTBI重症度の影響を検討した、研究は今まで少ない。


【研究目的】  近時TBI成人と、NTT成人との比較による認知症リスクの定量化


【デザイン、セッティング、被験者】  個々的コホートを2005年1月1日から2011年12月31日まで施行(フォローアップ、 5-7年間)。2005-2006年、入院期間中ベースラインで認知症や死亡しなかった55歳以上のTBI診断とNTT診断全患者  (n = 164 661)を、EDや入院のカリフォルニア州域行政医療データベースで同定。


【暴露】 軽症 vs 中等症・重症 TBI (ICD-9によるCDC及び予防クライテリアによる診断)
NTT:ICD-9による診断で、頭部・頚部骨折外の骨折


【主要アウトカムと測定項目】 TBIあるいはNTT後1年以上後のインシデンタルなED、入院での認知症診断 ( ICD-9 コードによる)
TBIと認知症リスクの相関性を、通常認知症予測因子及び寄与要素補正後Cox比例ハザードモデルを用い推定。
TBI重症度と年齢カテゴリー (55-64, 65-74, 75-84, and ≥85 歳)により層別化




【結果】  外傷 51 799 名中、TBI  (31.5%)。 このうち、  4361 (8.4%)名が認知症発症。NTTは5.9%で、有意差あり(p < 0.001)
TBIは、認知症リスク増加と関連   (ハザード比  [HR], 1.46; 95% CI, 1.41-1.52; p < 0.001)

年齢カテゴリー除外後 寄与要素補正にて、影響少ない   (完全補正 HR, 1.26; 95% CI, 1.21-1.32; p < 0.001)

層別化補正後解析では、中等度・重症TBIにより認知症リスクは全年齢横断的にリスク増加  (年齢 55-64: HR, 1.72; 95% CI, 1.40-2.10; p < 0.001; vs 年齢 65-74: HR, 1.46; 95% CI, 1.30-1.64;p < 0.001)
一方、軽症TBIでは、加齢とともにリスク要素の重要性増加   (年齢 55-64: HR, 1.11; 95% CI, 0.80-1.53; P = .55; vs 年齢 65-74: HR, 1.25; 95% CI, 1.04-1.51; P = .02; 年齢相関性 p < 0.001)


【結論と新知見】  EDあるいは入院状況下評価において、中等症・重症外傷性脳損傷の55歳以上、軽症外傷性脳損傷の65歳以上では、認知症発症リスク増加する。

高齢成人より若年成人では、軽症直近TBIの影響は、より可塑性があるのかもしれない。

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