2012年3月15日木曜日

救急外来受診“非心原性胸痛”は生命予後は良好だが、心理的予後は不良



救急外来受診する非心原性胸痛は、生命予後という面ではもちろん良好だが、心理学的アウトカムは不良。予測指標評価の研究が今後必要という結論

EDで "rapid rule-out"された後のフォローが必要ということだろうか?

Review :The prevalence and correlates of psychological outcomes in patients with acute non-cardiac chest pain: a systematic review
Emerg Med J 2012;29:267-273 doi:10.1136/emermed-2011-200526 


胸痛によるED受診患者の40%は非心臓疾患診断

非心臓性胸痛患者は、心臓副事象イベント・死亡率という観点では予後良好 、だが、心理的合併症、QOLという意味ではアウトカム不良な傾向。さらに胸痛のため他の医療サービス利用などをもたらす。近年、EDベースの"rapid rule-out"プロトコール使用が増え、 さらに胸痛に特化した専門ユニットも存在する。
EDベースのケアにアクセスしたNCCP患者の心理的アウトカムをチャートし、心理学的アウトカム不良と関連することを示した。

12の文献、10研究。 NCCP患者は不安、うつ、QoLは、心臓疾患された胸痛患者と同等で、健康対象者よりは悪い。

心理的アウトカム不良要素は、性別、年齢、精神疾患病歴、死への恐怖・たちくらみの特定症状がある。

しかし、研究自体がheterogenousであり、アウトカム測定、デザイン、セッティングもばらつきある 


"rapid rule-out":"serial sampling of cardiac troponin over at least six hours from the onset of symptoms"
Than M, Cullen L, Reid CM, et al. A 2-h diagnostic protocol to assess patients with chest pain symptoms in the Asia-Pacific region (ASPECT): A prospective observational validation study. Lancet 2011; DOI:10.1016/S0140-6736(11)60310-3.






lightheadedness : ふらつき といっても、心拍出量低下の症状にもなる。たとえば、徐脈性・頻拍性不整脈、左室や右室の流入・流出制限、心臓タンポナーデ、大動脈解離、重症ポンプ不全など。reflex-mediated vasomotro isntability、起立性低血圧なども。脳血流低下をもたらす前駆症状の場合がある。患者によってはdizzinessを来す疾患との区別が必要な場合がある。neurocardiogenicな場合は突然。

喘息の分類:持続性好酸球性、間欠的好酸球性、持続性無好酸球性・・・

喘息というのは、単一なものではなく、heterogenousな病気であるのは自明だが、喀痰好酸球によるサブグループ分けでの検討はなされてなかった。


A Large Subgroup of Mild-to-Moderate Asthma Is Persistently Noneosinophilic
Am. J. Respir. Crit. Care Med. March 15, 2012 vol. 185 no. 6 612-619 


横断的解析にて、喀痰好酸球(2%以上)は、吸入ステロイド使用しない喘息のうち36%のみ、ICS治療患者では17%
 suboptimally controlledの患者においてさえ、好酸球が喀痰中に存在しないことの方が多い

ICS服用してない喘息患者の繰り返し測定で、22%が常に喀痰好酸球増加あり(持続好酸球症)、31%が1回のみ(間欠的好酸球症)、47%はどの時点でも喀痰好酸球認めず(持続性無好酸球症)

抗炎症組み合わせ治療2週間で、好酸球性喘息の気流制限は有意に改善するが、持続性無好酸球性喘息では認めない。

逆に、アルブテロールに反応する気管支拡張は好酸球・無好酸球性喘息両者で見られる。



持続性無好酸球症性喘息に対する治療戦略は?

抗結核薬剤性肝障害チェックは均一に行うべき

抗結核薬による薬剤性肝障害チェックに関してリスク層別化ベースに行うより、ユニフォームに2週後チェックすることが妥当らしい


A Comparison between Two Strategies for Monitoring Hepatic Function during Antituberculous Therapy Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012; 185: 653-659. 

 ALTをベースラインと、治療開始後2週間毎検査を行う

288名の患者を登録し、21(7.3%)で薬剤誘発性肝障害(早期<2週目> 57.1%、 後期<2週以降> 42.9%)

早期薬剤性肝障害群は、肝障害無し、後期肝障害に比べ、HIV感染が多い(33% vs 7.1% vs 0%; P=0.004)

ATSアルゴリズムは、早期肝障害で、感度 66.7%、 特異度 65.6%、 後期肝障害で、感度 22.2%、特異度 63.7%。

均一なモニタリング ポリシーは、薬剤性肝障害予測に関し、感度が少なく、特異度は良好(22.2%、82.1%)





現時点でのATSガイドライン

An Official ATS Statement: Hepatotoxicity of Antituberculosis Therapy
the ATS Hepatotoxicity of Antituberculosis Therapy Subcommittee
This official statement was approved by the ATS Board of Directors, March 2006
http://www.thoracic.org/statements/resources/mtpi/hepatotoxicity-of-antituberculosis-therapy.pdf

Monitoring for hepatotoxicity during LTBI treatment. Dotted lines signify management according to physician’s discretion. ALT = alanine aminotransferase; AST=  aspartate aminotransferase; HAV = hepatitis B virus; HCV = hepatitis C virus; HepBsAg hepatitis B surface antigen; ULN = upper limit of normal.






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