レビ-小体を伴う認知症(DLB)は剖検では10~15%。臨床的にも、アルツハイマー病(AD)より高レベルの問題が生じやすく、施設への入所が早い。
DLBがより認知機能低下急激であるが、認知機能・非認知機能症状の低下程度が分かれば、将来の患者とケアする人たちへの手助けになる可能性があるということで、DLBとADの進行度を検討。
Comparison of cognitive decline between dementia with Lewy bodies and Alzheimer's disease: a cohort study
BMJ Open 2012;2:e000380 doi:10.1136/bmjopen-2011-000380
100目のAD、58名のDLB 12ヶ月フォローアップ
ADとDLBは、ベースラインで性別、年齢、Clinical Dementia Rating score と cholinesterase inhibitorとmemantine使用率差を認めず。
Neuropsychiatric Inventory (NPI) と NPI carer distress scoreは統計学的に有意に、ベースラインやフォローアップ時、DLBで高い。
ADとDLBの認知機能スコアの差は、ベースライン、フォローアップ時にも認めない。
変数の進行程度に有意な差を認めない。
結論:DLBはより神経精神的特性がベースライン、フォローアップ時共にADより目立つが、軽症・中等症ADとDLB群に関しては、認知・神経精神的特性上の進行性の差は認めない。
DLBは精神症状として特徴的。だが、DLBがADより認知機能進行するかは不明であったが、このやや大きなコホートで、CAMCOGスコア減少に差は無かった。
DLB患者は、neuropsychiatric inventory(NPI)やNPI carer distressスコアが常に高値。
DLBの予後は、神経精神症状、他の症状を介し、認知機能低下だけによるものではない。