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2022年7月13日水曜日

新型コロナウィルス感染とインフルエンザの同時複合感染の場合・・・インフルエンザウィルスが新型コロナウィルス複製を阻害

SARS-CoV-2とA型インフルエンザウイルス(IAV)同時複合感染:IAVが新型コロナウィルス複製を阻害する

研究者たちは、インフルエンザAウイルスが肺でのSARS-CoV-2の複製を妨害し、研究結果によれば、インフルエンザAが治った後1週間以上たっても妨害し続けられることを発見した


The Host Response to Influenza A Virus Interferes with SARS-CoV-2 Replication during Coinfection, 

Journal of Virology (2022). 

More information: Kohei Oishi et al, 

DOI: 10.1128/jvi.00765-22

Journal information: Journal of Virology 

https://journals.asm.org/doi/10.1128/jvi.00765-22

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)とA型インフルエンザウイルス(IAV)は、パンデミックを引き起こす可能性のある、感染力の強い空気感染性病原体である。SARS-CoV-2はコロナウイルス科に属し、IAVはオルソミクソウイルス科に属するというように、これらのウイルスは別々のウイルス科に属していますが、どちらも人獣共通感染症の可能性を示し、ヒトと密接な関係を持つ動物種に大きなリザーバーが存在しています。この2つのウイルスは、ヒトの気道に感染する能力が類似しており、重大な罹患率と死亡率をもたらす併発症が報告されている。本研究では,SARS-CoV-2 USA-WA1/2020とインフルエンザH1N1 A/California/04/2009ウイルスの同時感染時の相互作用を検討した.In vivoのゴールデンハムスターモデルに加え、インターフェロンI/III型(IFN-I/-III)非応答性またはIFN-I/-III反応性の感受性細胞を用いてin vitroの競合試験を実施した。その結果、SARS-CoV-2感染は、感染のタイミングにかかわらず、in vivoでのIAVの生物学に干渉しないことがわかった。一方、SARS-CoV-2の複製は、IAVの感染後、著しく消失することが確認された。後者の表現型は、IFN-I/-IIIレベルの増加およびSARS-CoV-2複製の動態を妨害する免疫プライミングと相関している。これらのデータは、SARS-CoV-2とIAVの共循環は、疾患の重症化を招く可能性が低いことを示唆している。


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2022年2月7日月曜日

成人市中肺炎においてインフルエンザ診断・治療はその後の臨床的アウトカムに影響を与える

オセルタミビル(タミフル)も可哀想な薬で、当初発熱異常行動を【薬害】とラベルされ、(検査前確率が高い場合はたしかに意義は低いということを念頭に置いた場合は別だが)インフルエンザ診断することすら意味が無いと主張される(おそらく医師会幹部が寿司屋で考えたのかどうか【インフルエンザ「検査しないで」と日本医師会が異例の通知】とやらが誤解の流布を与えたかどうかは不明だが)


肺炎の時のインフルエンザ診断と除外、対応は大事ですよという報告


Influenza Testing and Treatment among Patients Hospitalized with Community-Acquired Pneumonia

Abhishek Deshpande, et al.

CHEST ,Published:February 05, 2022

DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2022.01.053

https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(22)00221-5/pdf


【 背景】

インフルエンザは市中肺炎(CAP)の主要な原因であり、インフルエンザ検査の結果は治療に直結する。しかし、CAPで入院した成人のインフルエンザ検査の頻度や時期、治療法、転帰との関連についてはほとんど知られていない。

【 研究課題】

肺炎患者において、インフルエンザの検査は抗ウイルス治療や抗生物質の投与期間の短縮と関連するか、また、早期の治療はより良い臨床転帰と関連するか?

【 研究デザインおよび方法】

Premierデータベースに貢献している米国の179の病院に2010年から2015年に肺炎で入院した成人を対象とした。インフルエンザ検査を評価し、検査陽性、陰性、未検査の患者の抗菌薬使用量と転帰を比較した。早期抗ウイルス治療(オセルタミビル)と14日間の院内死亡率、在院日数(LOS)、コストとの関連を検討した。

【 結果】

166,268人のCAP患者のうち、38,703人(23.3%)がインフルエンザ検査を受け、そのうち11.5%が陽性と判定された。2010年から2015年にかけて検査率は15.4%から35.6%に増加し、インフルエンザシーズン中(10月~5月)は28.9%であったのに対し、6月~9月は8.2%であった。 

インフルエンザ陽性と判定された患者は、陰性と判定された患者よりも抗ウイルス剤の投与頻度が高く、抗菌剤の投与頻度は低く、投与期間も短かった(5.3日 vs 6.4日、p<0.001)。 

インフルエンザ陽性患者(n=2,585)が入院初日にオセルタミビルを投与された場合、14日間の院内死亡率が低く(調整オッズ比0.75、95%CI 0.59~0.96)、コストが低く(調整平均比0.88、95%CI 0.81~0.95)、LOSも短く(調整平均比0.88、95%CI 0.84~0.93)、オセルタミビルの投与時間が遅いか全く投与を受けない(n=1,742)患者と比べました。

【 解釈】

インフルエンザのシーズン中でさえ、本研究のCAP患者のほとんどはインフルエンザの検査を受けていない。インフルエンザ検査陽性は抗ウイルス剤治療と関連し,早期治療は死亡率の低下と関連しており,検査の普及が患者の転帰を改善する可能性が示唆された.




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2020年11月13日金曜日

抗インフルエンザ薬によるインフルエンザ関連入院減少効果あり...だが

抗インフルエンザ薬の効能議論があるところで、小児に関しても問題となる

これでは、罹病期間に伴う就学機会喪失などは配慮されてないので配慮必要だと思う


Oseltamivir and influenza-related complications in children: a retrospective cohort in primary care

Joseph Jonathan Lee, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 1902246; 

DOI: 10.1183/13993003.02246-2019

https://erj.ersjournals.com/content/56/5/1902246


背景 インフルエンザやインフルエンザ様疾患(ILI)は,特にインフルエンザの流行時やパンデミック時には,医療制度に大きな負担を強いている.2009/10年のH1N1インフルエンザパンデミックでは、英国の国別ガイドラインでは、ILI発症から72時間以内の患者に抗ウイルス薬を投与することが推奨されていた。しかし、抗ウイルス治療がインフルエンザ関連合併症の減少と関連しているかどうかは明らかではない。


方法 本研究では、2009/10年のパンデミック時に英国のプライマリーケア施設でインフルエンザ/ILIを発症した17歳以下の小児を対象としたレトロスペクティブコホートを作成した。我々は、doubly robust inverse-probability weighted propensity scoreと医師による事前処方:physician prior prescribing instrumental variable methodを用いて、インフルエンザ関連の合併症に対するオセルタミビル処方の因果関係を推定した。 

副次的転帰は、介入を必要とする合併症、肺炎、肺炎または入院、インフルエンザ関連の入院、および全原因入院であった。


結果 16 162人の小児を対象とし、そのうち4028人(24.9%)がオセルタミビルを処方され、753人(4.7%)が合併症を記録した。 

propensity score分析の下では、オセルタミビルの処方はインフルエンザ関連の合併症の減少(リスク差(RD)-0.015、95%CI -0.022-0.008)、さらなる介入を必要とする合併症、肺炎、肺炎または入院、インフルエンザ関連の入院と関連していたが、すべての原因による入院は減少しなかった。Adjusted instrumental variable 分析では、インフルエンザ関連の合併症(RD -0.032、95%CI -0.051--0.013)、肺炎または入院、全原因による入院、インフルエンザ関連の入院が減少したと推定された。



結論 観察データの因果推論分析に基づき,インフルエンザ/ILIの小児におけるオセルタミビル投与は,インフルエンザパンデミック時のインフルエンザ関連合併症の減少と,わずかではあるが統計学的に有意な関連性があった。



<hr>

NNT

全患者インフルエンザ合併症に関して 89.8

インフルエンザ関連入院に関し 371.4

入院(原因問わず)に関し 365.2

一般化は難しい? 


2020年4月15日水曜日

Covid-19肺炎 vs インフルエンザ肺炎の臨床所見

米国と比べるとやはり日本の移動規制の効果は乏しい



https://www.apple.com/covid19/mobility


このまま、COVID-19収束遷延すれば行政の対応遅延批判は免れないだろう
当初から、厚労大臣の顔や声が全く見えない


地域によっては現時点では臨床的判断での即時検査必要な時期になっていると思う・・・
phase が変わったことに迅速に対応できてるとは思えない現行行政


以下、インフルエンザ肺炎との病態・病像比較報告







本研究では、ARDS患者におけるCOVID-19とインフルエンザA(H1N1)肺炎の異なる臨床症状について検討した。レトロスペクティブ症例対照研究は、COVID-19(n = 73)またはH1N1(n = 75)のいずれかに感染したARDS患者の2つの独立したコホートを比較するように設計された。これらの患者の臨床症状、画像診断の特徴、治療法、予後を分析し、比較した。H1N1患者と比較して、COVID-19患者の年齢中央値は高く、COVID-19コホートでは男性の割合が高かった。COVID-19とH1N1のいずれかに感染したARDS患者の臨床症状には多くの違いが見られた。COVID-19に感染したARDS患者は、H1N1患者に比べて、発症時の重症度スコアが低く、SOFAスコア調整死亡率が低かった。


Comparison of Hospitalized Patients With ARDS Caused by COVID-19 and H1N1
Xiao Tang,  et al.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.03.032
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(20)30558-4/pdf

背景:2019年12月に中国でコロナウイルス疾患2019(COVID-19)が発生して以来、その解明にかなりの注目が集まっている。しかし、臨床医や疫学者がCOVID-19をインフルエンザウイルスなど他の呼吸器感染症と区別することも重要である 。

RESEARCH QUESTION:本研究の目的は、ARDS患者におけるCOVID-19とインフルエンザA(H1N1)肺炎との間の異なる臨床症状を探ることであった。

研究デザインおよび方法:この分析は、レトロスペクティブな症例対照研究である。COVID-19(n=73)またはH1N1(n=75)のいずれかに感染したARDS患者の2つの独立したコホートを対象とし比較。それらの臨床症状、画像の特徴、使用された治療および予後を解析し比較検討した。

結果:COVID-19患者の年齢中央値はH1N1患者よりも高く、COVID-19コホートでは男性の割合が高かった(P < 0.05)。
COVID-19患者は、H1N1患者よりも非湿性咳嗽、疲労およびGI症状の割合が高かった(P < 0.05)。
H1N1患者は、COVID-19問6の患者よりもSequential Organ Failure Assessment (SOFA) scoreが高かった(P<0.05)。

PaO2/FIO2比は、COVID-19の方がH1N1コホートより高く 198.2 mm Hg vs 107.0 mm Hg  (P < .001)
すりガラス状陰影はCOVID-19でH1N1より多い  (P <.001).



 COVID-19患者に投与された抗ウイルス療法の種類が多かった H1N1 患者と比較して、COVID-19 患者の院内死亡率は 28.8%であった。
COVID-19患者の院内死亡率は28.8%であった。一方、H1N1患者の死亡率は34.7%(P = .483)であった。

 H1N1患者のSOFAスコア調整死亡率はCOVID-19患者よりも有意に高く、その比率は2.009(95%CI、1.563-2.583;P <0.001)であった。


知見:COVID-19 と H1N1 のいずれかに感染した ARDS 患者間では、臨床症状に多くの違いがあった。H1N1患者と比較して、COVID-19に感染したARDS患者は、提示時の重症度スコアが低く、SOFAスコア調整死亡率が低かった。


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テレビで医療機関内部の事情を報道していたが、ちょっと気になった【すりガラス状陰影】と称していた場面でのCT画像あれは末梢優位コンソリデーションだったと思う。

用語のコンセンサス一致させていた方が良い

この論文の図はBの表記が無いが、一応、コンソリデーションとGGOの読影には納得

2019年9月4日水曜日

検査確認インフルエンザ発生率:外来医療従事者:N95 respirator vs medical mask

一般的な外来では、medical mask サージカルマスクで良いという結論に・・・



N95 Respirators vs Medical Masks for Preventing Influenza Among Health Care Personnel
A Randomized Clinical Trial
Lewis J. Radonovich Jr, et al. ; for the ResPECT investigators
JAMA. 2019;322(9):824-833. doi:10.1001/jama.2019.11645
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2749214

意義  臨床的研究によってもN95 respiratorとmedical maskの医療従事者での医療職場:HCPウィルス呼吸器感染からの予防効果については不明

目的  医療現場(HCP)での、N95 respirator vs medical maskでインフルエンザや他のウィルス性呼吸器感染予防効果比較

デザイン・セッティング・被験者:cluster randomized pragmatic effectiveness study :7米国医療センターの137外来研究サイトで、2011年9月から2015年5月まで、最終フォローアップ 2016年6月
4年感毎年ピークのウィルス呼吸器疾患期間中、各々のセンター内外来サイト(clusters)のペアでマッチ化、ランダム割り付け:N95 respiratorとmedical mask群

介入  全体で 189クラスター、1993名の被験者をN95 respirator装着(2512 HCP-シーズン:観察)と 191 cluster 2058をmedial mask (2668 HCP-シーズン)にランダム割り付け:呼吸器系疾患患者の近傍で装着

主要アウトカムと測定項目  プライマリアウトカム:検査確認インフルエンザ発生率
セカンダリアウトカム:急性呼吸器症、検査確認呼吸器感染、検査確認呼吸器症状、インフルエンザ様疾患
介入アドヒアランスも評価


結果  2862ランダム化被検査(平均 [SD] 年齢, 43 [11.5]歳;女性 2369 [82.8%])研究完遂、5180 HCP-シーズン


検査確認インフルエンザ感染イベント:HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 の  207 、8.2% vs medical mask群   193、7.2%
 (差, 1.0%, [95% CI, −0.5% to 2.5%]; P = .18) (補正オッズ比 [OR], 1.18 [95% CI, 0.95-1.45])

急性呼吸器疾患イベント:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 1556, vs medical mask 群 1711  (差, −21.9  [95% CI, −48.2 to 4.4]; P = .10)

検査同定呼吸器感染:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 679 vs medical mask群 745  (差, −8.9 , [95% CI, −33.3 to 15.4]; P = .47)

検査同定呼吸器系疾患イベント:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respiratory群 371 vs medical mask群 417  (差, −8.6  [95% CI, −28.2 to 10.9]; P = .39)

インフルエンザ様疾患イベント: 1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 128 vs medical mask 166
(差, −11.3  [95% CI, −23.8 to 1.3]; P = .08)

N95 respirator群では、割り付けデバイス装着「常に」「時々」は89.4% vs medical mask群は 90.2%




結論と知見  外来医療関係者において、N95 respirator vs medical mask装着の効果差ははこのトライアルでは、検査確認インフルエンザ発生率で見る限りは有意な効果を認めない

Trial Registration  ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01249625





序文
職場で日常的にウイルス性呼吸器感染症にさらされている医療従事者(HCP)1は、感染を他の人に感染させる可能性があります。 HCPは、グループとして、感染予防の推奨事項と実践基準を不完全に遵守していることが広く認識されています。入院時の呼吸保護の研究では、遵守率は10%から84%の間で変化することが示唆されています。
 100%の介入順守を達成するように設計された実験室の研究では、エアロゾルへの暴露を減らす際に、N95フィルタリングフェイスピース呼吸器が医療用マスクよりも効果的であることが示されましたが、5つの臨床効果の比較研究は決定的ではありませんでした。
 一部の専門家は、N95の人工呼吸器と医療用マスクは臨床環境で同等であると主張しています。
有効性試験は有効性と真のアドヒアランスを過大評価する可能性があるため、実際的な有効性試験は医学的証拠の不可欠な要素としてますます認識されています。

使い捨てのN95マスクと医療用マスクはどちらも自己保護のためにHCPで着用されます。ただし、これらのマスクには異なる用途があります。 N95人工呼吸器は、着用者が小さな浮遊粒子を吸入するのを防ぐように設計されており、ろ過要件を満たし、着用者の顔にしっかりとフィットし、顔面シールの漏れを制限する必要があります。

 外科用マスクと呼ばれることが多い医療用マスクは、着用者から患者への微生物の伝播を防ぐことを目的としています。医療用マスクは顔にゆるくフィットし、小さな浮遊粒子の吸入を確実に防ぐことはできません。ただし、医療用マスクは、大きな液滴やスプレーでの顔と手の接触や顔との接触を防ぎます。
N95人工呼吸器がインフルエンザを含むHCPのウイルス呼吸器感染を予防するために医療マスクよりも効果的であるかどうかについては、臨床的証拠は決定的ではありません。

この研究の目的は、N95呼吸器とHCPが着用する医療用マスクの有効性を、地理的に多様で、高被ばくの外来患者環境で、職場で獲得したインフルエンザやその他のウイルス呼吸器感染症の予防のために臨床で比較することでした。

2019年2月14日木曜日

インフルエンザ:タミフル投与の死亡率軽減効果検討 すべてのウィルス型が同等効果でない可能性

ゾフルーザ vs 対照で、有症状率をKaplan-meyer曲線で結局は差が無くなるのだから意味が無いという趣旨のウェブ記載をみて、乱暴な理論で目眩を感じた

高リスク群を含めインフルエンザ患者全般において抗ウィルス薬の死亡率、合併症、治療コスト、欠席・欠勤など社会的コスト、患者本人のQOLなど含めた形で議論すべきなのに・・・

タミフルの死亡率検討

Effect of early oseltamivir treatment on mortality in critically ill patients with different types of influenza: a multi-season cohort study
Theodore Lytras, et al.
Clinical Infectious Diseases, ciz101,  https://doi.org/10.1093/cid/ciz101
Published: 07 February 2019  Article history
https://academic.oup.com/cid/advance-article-abstract/doi/10.1093/cid/ciz101/5308530

ギリシャのICU入院検査確認インフルエンザ成人全員 (2010–2011 to 2017–2018の8季) とオセルタミビル治療を検討
早期オセルタミビル使用と死亡率との関連性は、対数二項モデルならびに死亡および退院の原因別および下位分布の危険性を推定する競合リスク分析を用いて評価した。 影響推定値はインフルエンザの種類によって層別化され、複数の共変量について調整。


1330名を検討、ICU死亡 622(46.8%)

A/H3N2患者の内、早期治療は有意に死亡率低下と関連  (相対リスク 0.69, 95% CrI 0.49–0.94;
部分分布ハザード比:subdistribution Hazard Ratio 0.58, 95% CrI 0.37–0.88)(subdistribution参照→https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjb/29/2/29_2_141/_pdf)

この効果は純粋に退院に対する患特異的ハザードによるもので、死亡に対する疾患特異的ハザードで増加はしていない

生存者間では、ICU滞在期間中央値は治療群で 1.8日間(95% Crl 0.5-3.5日間)短い

A/H1N1とインフルエンザBで死亡率の影響観察なし

結論:重度インフルエンザ診断患者において迅速にオセルタミビル治療することは、特にA/H3N2流行期において重要。オセルタミビル有効性はインフルエンザ全てのサブタイプで確認できず


IDSAがらみなのでギリシャの一地方の報告というよりは重きを感じなければならない報告では?

序文から
インフルエンザは世界的に死亡率の主要な原因であり[1]、オセルタミビルが最も頻繁に処方されているノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)は、インフルエンザを治療するために現在利用可能な唯一の抗ウイルス薬です。重症患者や合併症のリスクが高い患者には、NAIの早期使用(症状の発症から48時間以内)が推奨されています。それにもかかわらず、これらの勧告を支持する証拠については議論が続いている。死亡率に対するNAIの影響に関する無作為化試験からの証拠の欠如[6]、および重症患者を倫理的に無作為化することの難しさは、勧告が必ず観察研究に頼っていることを意味します。しかし、入手可能な観察証拠は、質が低く、バイアスの危険性が高く、交絡、特に徴候による交絡については不完全に調整されていると批判されてきた。研究では死亡率が低く、比較的若く健康な患者を登録する傾向があります。
さらに重要なことに、NAIおよびインフルエンザ関連死亡率に関する事実上利用可能なすべての証拠は、インフルエンザA / H1N1pdm09に関連しています。しかしながら、すべての種類のインフルエンザに対してNAIが同等に有効であると推測するべきではありません。例えば、オセルタミビルはin vitroおよびin vivoでインフルエンザBに対して有効性が低いことが観察されており、ある研究では、オセルタミビル治療はインフルエンザA / H3N2患者の間で流行前A / H1N1患者よりも熱の持続時間が短かった。
この背景に対して、ギリシャの集中治療室(ICU)に入院した重症インフルエンザ患者のコホートにおいて、早期(症状発症から48時間以内)対後期オセルタミビル治療と死亡率との関連性を調べた。我々は、単なるA / H1N1型ではなくすべてのインフルエンザ型に焦点を当て、オセルタミビルの過去の観察研究で提起された一般的な方法論的問題に取り組むことによって現在の証拠を拡大しようとした。



ダイレクトなインフルエンザウィルスによる臓器障害というよりは併発・合併・続発症などの影響が大きそう・・・




2019年1月7日月曜日

インフルエンザ濾胞・インフルエンザ濾胞芽(buds)

昨日日曜当番で30名弱のインフルエンザ診たわけだが・・・

インフルエンザ濾胞・インフルエンザ濾胞芽(buds)に関して・・・自信なし
2例 所見あり→インフルエンザ迅速検査陰性例あり、判断困難としたが、果たして・・・
その後迅速検査陽性だが、濾胞所見認めず5例連続など・・・まだ、自信が持てない

記載ほど感度は良いのだろうか? 特異度は良さそうな気がするが・・・



咽頭の視診所見でインフルエンザを診断する [診内研より476] (2014年11月2日)http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/141102-100000.php



Sakuma T. ATLAS SAKUMA. 2nd edn Tokyo, Japan: Maruzen Planet, 2008.


Influenza follicles and their buds as early diagnostic markers of influenza: typical images
Akihiko Miyamoto and Shigeyuki Watanabe
Author information Article notes Copyright and License information Disclaimer
Postgrad Med J. 2016 Sep; 92(1091): 560–561.
Published online 2016 Jul 27. doi: 10.1136/postgradmedj-2016-134271
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5013091/

Reply to ‘Influenza follicles and their buds as early diagnostic markers of influenza: typical images’ and demonstration of lymphoid follicles in the posterior pharyngeal walls of patients with mycoplasmal pneumonia
Tsuneaki Kenzaka, et a.
Postgrad Med J. 2018 May; 94(1111): 311–312.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5931247/

胃ポリープの山田福富分類として起始部がなめらかで境界が明瞭でない平滑隆起型 I型ではなくII型無茎性:隆起起始部に明瞭な境界線を有するが、くびれを有さない隆起

発熱+咳嗽、筋痛、48時間未満、悪寒あるいは発汗が組み合わさったとき診断上のクライテリアの正確性向上する

肺炎マイコプラズマ感染時の2例のリンパ濾胞所見あるも、インフルエンザウィルス(アデノウィルス、エコーウィルスなどを含め)と異なり、大きく、最大10mm程にもなる、数が少なく、teardrop-外観で境界明瞭でflushingを有する

一方、インフルエンザのリンパ濾胞は 直径(2−4mm)、形状、膠着性の有無、色調で区別

2018年10月25日木曜日

米国FDAもゾフルーザ認可

FDA News Release
FDA approves new drug to treat influenza
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm624226.htm



FDA Approves First-in-Class Flu Drug
Baloxavir at least as effective as oseltamivir (Tamiflu) in clinical trials, with different mechanism
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/uritheflu/75900


作用機序が従来のタミフル・リレンザ等のノイラミニダーゼ阻害効果と異なり、ウィルスcap-dependent endonucleaseの阻害作用

対プラシーボ無作為治験(n=1832)でインフルエンザ持続時間薬24時間短縮中央値53.7時間対80.2時間)でオセルタミビルと同等
B型インフルエンザではBaloxavir優位性あるかも

一般的副事象は下痢と気管支炎


off-season発売だったので4例の経験しか無いが、1回の服用ですむし、吸入指導も要らないというメリットが大きい


速やかなウィルス消失に期待がかかる

Baloxavir Marboxil for Uncomplicated Influenza in Adults and Adolescents
Frederick G. Hayden,  et al., for the Baloxavir Marboxil Investigators Group
N Engl J Med 2018; 379:913-923
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1716197


2018年3月2日金曜日

新規抗インフルエンザ薬:ゾフルーザ 安全性高く、ウィルス消失タミフルより迅速、症状改善時間は他剤と同等?

皆、思うこと なんで、米国FDAでは認可されなかったの?
CNNなど米国でも報道されてたみたいだけど・・・
https://edition.cnn.com/2018/02/14/health/new-flu-drug-and-flu-related-products/index.html

neuraminidase inhibitorではなく、"endonuclease inhibitor"
S‐033188 is a prodrug that is metabolised to an active form (known as S‐033447). S‐033447 is a small molecule inhibitor of the cap‐dependent endonuclease of influenza A and B viruses.

ゾフルーザ(Baloxavir marboxil)は、タミフル(oseltamivir)より迅速にウィルス増殖を止め、症状改善時間は他の抗ウィルス薬と同様だが、安全性が高い


Baloxavir marboxil (S-033188)
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02954354


Baloxavir Marboxil Demonstrates Positive Phase 3 Influenza Results OCTOBER 13, 2017
http://www.mdmag.com/conference-coverage/idweek-2017/baloxavir-marboxil-demonstrates-positive-phase-3-influenza-results

20-64歳 
baloxavir marboxil 40mg , 80mg 、プラシーボ1回投与 2:1:2割り付け
対照オセルタミビル 75 bid x 5日間

12-19歳
baloxavir marboxil 、プラシーボ  2:1割り付け
(体重 80kg未満 40mg、体重 80kg以上 80mg)


登録者は、合併症無しの有症状インフルエンザで、最低 38度、1つ以上の呼吸器症状、1つ以上の全身症状あり、48時間を超えてない罹病時間

ウィルスtiterの変化、ウィルス消失時間、解熱・インフルエンザ前健康状態への回復時間

ウィルスtiterは1,2,4日、oseltamivirに比べても有意に低下
ウィルス消失時間は、oseltamivirの72時間に比べて24時間で有意に短い


Baloxavir marboxil 服用で、プラシーボに比較して解熱時迅速で、 24.5時間 vs 42時間

インフルエンザ罹患前健康状態への回復時間は、129.2時間で、プラシーボ 168.8時間で、40時間ほど早く改善

阻害剤は、 time to alleviation of symptoms (TTAS)においてプラシーボより優越で、53.7時間 vs 80.2時間

全体的に、baloxavir marboxilは副事象全般頻度 (20.7%) はプラシーボ (24.6%)、oseltamivir (24.8%)に比較して少ない
治療関連副作用もoseltamivirに比較して頻度少ない


ほっとけば、これ以外の薬剤駆逐しそうだけど・・・ 薬剤耐性大丈夫なのだろうか?


“The advantage is that it’s one pill once, versus a course of therapy, so particularly for pandemic planning, this could be an advantage,” O’Day said. “You don’t have the potential resistance that comes with not completing your course of therapy.”


2018年2月26日月曜日

喘息小児:ライノウィルスとインフルエンザ感染では病態が違う!「asthma- augmented influenza infection」

喘息発作において、ウィルス感染がトリガーは、小児では85%、成人では40%−80%と文献記載。ライノウィルス(RV)が最も多いトリガーだが、他の呼吸器系ウィルス感染に関しては検討乏しい。一方、インフルエンザウィルス(IFV)が呼吸器感染源として代表的。



横断研究、流感症状入院1207名(6ヶ月齢〜13歳まで)検討したところ、 「asthma- augmented influenza infection」という病態存在


Distinction between rhinovirus-induced acute asthma and asthma- augmented influenza infection.
George V. Guibas  et al.
Clinical &  Experimental Allergy
DOI: 10.1111/cea.13124 View/save citation

RVは喘息様症状(喘鳴、呼吸努力、急性喘息症状)と相関するも、発熱/嘔吐は関連少ない
IFV+小児では、喘息様症状(喘鳴、呼吸努力、急性喘息症状)は少なく、発熱状況多い

喘息既往ある場合、両ウィルスとも喘鳴を誘発するも、IFVはよりgeneraliseされ、発熱、ラ音、肋間筋陥凹、リンパ節腫大など重症の臨床症症状を示す、これらは、RV喘息では見られず、全身症状は少なく、咳嗽は多い





「“インフルエンザ”に罹患したが、意外と喘鳴少なく、喘息悪化なくて安心」なんて思ったら大間違いというお話

2018年2月17日土曜日

米国:今年流行のインフルエンザA(H3N2):ワクチン有効性 25%



米国内では今年、インフルエンザA(H3N2型)が、インフルエンザ感染の70%を占める
このウィルス種に対する暫定的ワクチン有効性はわずか25%に過ぎない( 25% (95% CI 13%-36%))と米国CDC
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/uritheflu/71181


他の種類は・・・
インフルエンザBでは 42% (95% CI 25%-56%)
インフルエンザH1N1では  67% (95% CI 54%-76%) 
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6706a2.htm

有効性低下についての解説
多くの要素が関与していて、そもそもワクチン有効性は年齢や既感染、ワクチン接種歴により異なり、若年児ではH3N2のワクチン有効性高く、ワクチンがこの世代では流行中のH3N2ウィルスへ防御有効性高いことが示されている。
卵内培養中ワクチンウィルス血液凝固蛋白の遺伝子変化がワクチン免疫反応不良へと変わった可能性があり、ヒト血清データでは、流行中細胞培養A(H3N2)の抑制効果減少が示唆された。ワクチン種によりA(H3N2)へのワクチン有効性に、卵ベースと、卵以外ベースの製造で、ばらつき認めた。




日本のワクチン メーカー毎の vaccine efficacyは現実的のどうなっているのだろう?

2018年2月1日木曜日

かぜウィルスもインフルエンザウィルスも、加湿すれば関連リスク減少するというものではない

雑感になるのだが、世の中、加湿器を感染予防のため使ってる人が多いようで、医療機関にも押し売りされているようで、誇らしげな記載も目立つ。


加湿器の中途半端な管理でレジオネラを振りまく状況になったとしたら・・・何のための加湿器なのだろう?
加湿器の「レジオネラ菌」に注意 高齢者施設で集団感染、死者も 厚労省、適切な手入れ呼び掛け
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180201-00010001-nishinpc-soci


以下、加湿というか、湿度、温度と感染に関する2つの報告を提示してみる。

ライノウィルスは、湿度・温度の複合的な変化により影響を受けること
インフルエンザは、温度にて、湿度と伝播性の影響複雑に変わること




横断研究だが、温度・湿度単独要素というより、その組み合わせの変化量が、かぜウィルス感染には重要


A Decrease in Temperature and Humidity Precedes Human Rhinovirus Infections in a Cold Climate
Tiina M. et al.
Viruses. 2016 Sep; 8(9): 244.
気温と湿度のヒトライノウィルス(HRV)感染リスクへの関与は単独因子独立にあるいは組み合わせで関与するのか?亜北極圏の地域でその関連性横断的検証。徴兵兵士(n=892)名呼吸器症状とHRV PCR検査で検討

ウィルス感染前の日平均気温は  −9.9 ± 4.9 °C、平均絶対湿度 AH  2.2 ± 0.9 g/m3
気温に関しては平均、最大共に、気温1℃減少毎8%ライノウィルス感染リスクを増加する  (オッズ比 (OR) 1.07 (95%信頼区間(CI) 1.00–1.15)、OR 1.08 (1.01–1.17))
絶対湿度に関して、平均、最大共に、0.5 g/m3減少毎に、13%、20%ウィルス感染リスク増加 (OR 1.20 (CI 1.03–1.40),OR 1.13 (CI 0.96–1.34))
潜行3日間平均気温高いと、ウィルス感染増加と正相関   (OR 1.07 (CI 1.00–1.15)).

感染全数日の気温低下・湿度低下そのものより、気温・湿度減少の程度が、寒冷期ヒトライノウィルス感染に重要


 Onset of a human rhinovirus (HRV) infection (n = 146) and its association with mean values and declines in temperature (per 1 °C) and humidity (0.5 g/m3).
Parameter OR (95% CI) 1 Adjusted OR (95% CI) 2
Absolute humidity (AH)        
mean of three prior days 0.94 (0.86-1.03) 0.97 (0.80-1.16)
maximum change during three prior days 1. (0.96-1.24) 1.20 (1.03-1.40)
mean change during three prior days 1. (0.91-1.21) 1. (0.96-1.34)
Temperature (°C)        
mean of three prior days 0.96 (0.92-1.00) 1. (1.00-1.15)
maximum change during three prior days 1. (0.98-1.10) 1. (1.01-1.17)
mean change during three prior days 1. (0.97-1.11) 1. (1.01-1.17)
1 The odds ratios (OR, 95% confidence interval) were calculated per 1 °C temperature and per 0.5 g/m3 absolute humidity decreases;
2 Adjusted for the initial level of the temperature and AH. The adjusted mean temperature and AH take into account seasonal variation, whereas the adjusted change in these parameters also considers that the potential for change in temperature and humidity depends on the level of the parameters. CI: confidence interval.
-->



インフルエンザに関するモルモットのインフルエンザ伝播性研究

Roles of Humidity and Temperature in Shaping Influenza Seasonality
Anice C. Lowen et al.
J. Virol. July 2014 vol. 88 no. 14 7692-7695







高温下(30℃)の時は、相対湿度、絶対湿度低下するほど、伝播性低下
だが、20度程度だと、相対湿度では一筋縄ではいかない
-5度だと、相対湿度高い場合でも一定以上は減少しない



 絶対湿度と相対湿度の関連は以下の如く


気温、絶対湿度(乾燥空気1キログラムあたりの水のグラム数)、空気中相対湿度の関連
外気温 -8℃、湿度100% (A) → 室内温度 20℃となる相対湿度は15%となる
気温 15℃、絶対的湿度 5.5g/1kg(水グラム/乾燥空気キログラム) → 18℃となると相対湿度は40%







国内外の行政パンフにはばらつきがある

カビ繁殖防止が主眼で、30%〜60%という環境基準<職場環境>
“ The EPA recommends maintaining indoor relative humidity between 30 and 60% to reduce mold growth ”
https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/temperature.html


相対湿度 50%と決め打ちなど・・・
https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/hvac.html




2018年1月19日金曜日

入院高齢患者はインフルエンザ検査施行不十分

日本の場合は、入院に於けるインフルエンザの同定は病院経営にとってもクリティカル。


CDCのインフルエンザ症状疑診例は
・体温 摂氏 37.8度以上
・咳嗽 and / or 咽頭痛

Grohskopf, L.A., et al., Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines. MMWR Recomm Rep, 2016. 65(5): p. 1-54. 

65歳以上では合併症の影響や免疫老化(senescence)などより体温上昇しにくい。
また、認知障害の存在もあり、自覚症状認知しがたいこともある。
故に、疑診クライテイリアを拡大することも自主的に行われている。

そのような背景下の報告


Underdiagnosis of influenza virus infection in hospitalized older adults
Authors: Lauren Hartman,  et al.
Journal: Journal of the American Geriatrics Society
10.1111/jgs.15298
https://www.terkko.helsinki.fi/article/17997612_underdiagnosis-of-influenza-virus-infection-in-hospitalized-older-adults


要約
目的:入院成人おけるprovider指示インフルエンザ検査と関連する要素記述
デザイン: 患者住民統計指標、症状、provider-指示インフルエンザ検査をアンケート、チャートレビューで収集。前向き検査室ベースサーベイランス(RT-PCR使用、インフルエンザ診断のgold-standard)、患者特性とprovider-指示検査が正確なインフルエンザ診断に与える影響を検証
セッティング: 1つの学術的病院、3つの地域病院 Davidson County, Tennessee, USA)
被検者:18歳以上の1422名の成人(急性呼吸器症状、非-localizing fever)
測定:provider-指示インフルエンザ検査有無での患者特性比較( Wilcoxon test と Pearson’s chi-square test)。多変量ロジスティクス回帰モデルでprovider-指示予測に関する要素を同定
結果:全体としてprovider指示インフルエンザ検査  28% (399/1422)。検査群は若年が多い  (58 ± 18 歳 vs. 66 ± 15 歳, p < 0.001)、インフルエンザ様症状を有する場合が多い  (ILI, 71% vs. 49%, p < 0.001)。ILIは、若年ほど増加 : 48% ≥ 65 歳; 60% 50-64 歳; 63% 18-49  歳.
患者全部のうち、ILIの存在と若年はprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子である。RT-PCR確認インフルエンザ136名中、ILIのみがprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子  (AOR 3.43, 95% CI 1.22-9.70)
結論: インフルエンザシーズン中の発熱もしくは呼吸器症状を有する65歳以上では若年成人よりはprovider-指示インフルエンザ検査はなされにくい。全部ではないが、一部、ILI出現尤度低いが故のdisparityが考えられる。さらなる戦略として、この脆弱な群の存在への検査と臨床医の啓発する必要性あり

Key words: influenza, elderly, older adults

2017年12月5日火曜日

インフルエンザ:院内併発感染症のリスク要素:リンパ球減少、重症度、年齢、貧血、ICU使用など・・・

インフルエンザ(H1N1、 pdm09)患者の院内感染の予測因子、高リスク要素の検討
中国の国内ネットワークを通した前向き収集データによる解析




Risk factors for nosocomial infection among hospitalised severe influenza A(H1N1)pdm09 patients
Fei Zhou, et al. , for the National Influenza A(H1N1)pdm09 Clinical Investigation Group of China
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2017.11.017

 2,146名、年齢中央値 36.0才、男性 50.2%、院内感染合併 232 (10.8%)
 主な感染病原は、Acinetobacter baumannii、 Pseudomonas aeruginosa、 Stenotrophomonas maltophilia 、 Staphylococcus aureus 
 侵襲性真菌感染も30例(12.9%)認めた
 
 
 院内死亡率は、院内感染無しに比べ、院内感染有りでは大きく増加  (45.7% vs 11.8%, P < 0.001). 
 


  •  人工呼吸必要性  (OR: 3.336; 95% CI 2.362-4.712)
  • 敗血症(OR: 2.125; 95% CI 1.236-3.651)
  • 初日ICU入室 (OR: 2.074; 95% CI 1.425-3.019)
  • リンパ球減少  (OR: 1.906; 95% CI 1.361-2.671)
  • 年齢 > 65 years (OR: 1.83; 95% CI 1.04-3.21)
  • 貧血(OR: 1.39; 95% CI 1.39-2.79) 
以上の要素は、院内感染と独立相関
 







当方地域では、中核となる病院職員にインフルエンザワクチン行き渡ってないと聞いている。厚労省の失策の一つだと思う。
パンデミック対応だけでなく、通常のインフルエンザワクチンでもリスク層別化された供給が必要で、まずは、中核医療機関の職員配布が先行されるべきと思うのだが・・・



2017年3月3日金曜日

欧州レジストリ調査:新生児アウトカム・先天異常:タミフル、リレンザによるリスク増加認めず

欧州のレジストリー調査
タミフル、リレンザという2つのニューラミニデース阻害剤妊娠中使用と胎児異常・先天異常

Neuraminidase inhibitors during pregnancy and risk of adverse neonatal outcomes and congenital malformations: population based European register study
BMJ 2017; 356 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j629 (Published 28 February 2017)

暴露母・児 5824 (0.8%) 、非暴露対照 692 232


調査アウトカムと関連せず

  • 低出産体重児(adjusted odds ratio 0.77, 95% confidence interval 0.65 to 0.91)
  • 低Apgarスコア (adjusted odds ratio 0.87, 0.67 to 1.14)
  • 早期産 (adjusted hazard ratio 0.97, 0.86 to 1.10)
  • 胎児発育遅延 (adjusted odds ratio 0.72, 0.59 to 0.87)
  • 死産 (adjusted odds ratio 0.81, 0.51 to 1.30)
  • 早期新生児死亡 (adjusted odds ratio 1.13, 0.56 to 2.28)
  • 疾患併発新生児 (adjusted odds ratio 0.92, 0.86 to 1.00)


第一トリメスター期母体暴露と先天異常についてリスク増加認めず (adjusted odds ratio 1.06, 0.77 to 1.48)



オセルタミビル単独に限定してもどのリスク増加も見られず




治療投薬限定だと思う、予防投薬に関する記載見つけられない

ビッグデータとか結局はレジストリー調査が主になるとおもうのだが、その信頼性担保は調査法に依存するはず。市販後調査レベルでさかんに”リアルワールド”などとごまかすメーカー目立つが、PMSの信頼性ってそれほど高いのだろうか?
話は横道になったが・・・昨今、少々メーカーのこの主の宣伝に行きすぎを感じてる次第

2017年2月1日水曜日

インフルエンザ迅速発見呼気検出器の開発

気道のVOC(揮発性有機化合物)とNOを測定し、疾患検出のバイオマーカーとする機器開発 National Science Foundation基金、Smart Connected Health programによる開発

警察で用いられている、アルコール濃度を調べるbreathanalyzerに類似した装置となり、呼気で調べられることになる

特異性はあきらかでないが、インフルエンザに関連したバイオマーカーを検出する、portable 3-sensor array microsystem-based toolで、ドラッグストアで入手、早期治療へ導くことができるかもしれない・・・


うち、WP3はα相からε相とunstable hexagonal phase (h-WO3)までの様々な温度温度で安定固相で存在し、h-WO3はNOxにセンシティブ。



Novel Isoprene Sensor for a Flu Virus Breath Monitor
Sensors 2017, 17(1), 199; doi:10.3390/s17010199
http://www.mdpi.com/1424-8220/17/1/199


二次情報源
https://phys.org/news/2017-01-material-scientist-flu.html

2016年12月9日金曜日

インフルエンザ入院患者:クラリスロマイシン・ナプロキセン・抗ウィルス薬併用にて死亡率など改善

2015年2月〜4月:入院インフルエンザ患者に対する治療
オセルタミビルに併用としてクラリス・ナプロキセンとプラセボ比較

Efficacy of clarithromycin-naproxen-oseltamivir combination in the treatment of patients hospitalized for influenza A(H3N2) infection: an open-label, randomized controlled, phase 2b/3 trial
Ivan FN. Hung, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.11.012
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2589092



H3N2インフルエンザA患者 217名登録、107名を併用割り付け

  • 3剤併用: clarithromycin 500mg、naproxen 200mg、oseltamivir 75mg twice daily for 2 days, followed by 3 days of oseltamivir 75mg twice daily
  • oseltamivir 75mg twice daily for 5




年齢中央値 80歳、男性 56%、副事象まれ
30日間フォローアップで、10名死亡
併用療法は30日死亡率低下と相関 (P=0.01)、ICU/HDU入室回数減少(P<0 .001="" p="">ウィルス抗体、PSI (day 1-3; P<0 .01="" 5="" nasopharyngeal-aspirate="" nbsp="" p="" quasi-species="" serial="">多変量解析にて、併用治療は30日死亡率低下と独立した相関性の要素  (オッズ比:0.06; 95%,信頼区間 0.004-0.94;P=0.04)




2016年6月23日木曜日

米国:インフルエンザ鼻スプレーワクチン:非承認

ACIP votes down use of LAIV for 2016-2017 flu season
http://www.cdc.gov/media/releases/2016/s0622-laiv-flu.html


CDCワクチン助言委員会(ACIP)は、弱毒化生インフルエンザワクチン(LAIV) 2016-2017インフルエンザシーズンでの使用について"should not be used"という決定


5月後半2歳から17歳の子供で2015-2016年シーズンの有効性予備データ検討
  • FluMIST有効性3%(95% CI, -49% - 37%):予防効果無しと判断
  • 一方、不活化ワクチン(IIV:従来のワクチン)はVE 63% (52% - 72%)



日本での「フルミスト」認可どうするんでしょ?
https://goo.gl/RusSkd



















2016年2月18日木曜日

インフルエンザワクチンと心房細動

インフルエンザワクチンにより、インフルエンザ感染・無症状及びインフルエンザ感染・有症状を減少させ、結果、心房細動発症を抑制する・・・と考えるのが普通では・・・


反ワクチン無責任市民団体は、その利益性は無視するけどね・・・


The association between influenza infection, vaccination, and atrial fibrillation: A nationwide case-control study

Ting-Yung Chang, et. al.
Heart Rhythm Society
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.hrthm.2016.01.026
http://www.heartrhythmjournal.com/article/S1547-5271(16)00126-0/abstract

インフルエンザ感染なし・ワクチン患者 (reference group; n = 38,353)に比べ、ワクチンなしインフルエンザ感染患者 (n = 1369) は心房細動高リスク有意差あり
オッズ比 1.182  p = 0.032 ベースライン差補正後


心房細動リスクは、インフルエンザ感染無し・インフルエンザワクチン接種患者(n = 16,452)で低下 オッズ比 0.881 (P < .001)

インフルエンザ接種患者・インフルエンザ感染経験者では、心房細動リスクは参照患者と同等
 (オッズ比 1.136; P = .214)


 ワクチン接種心房細動のリスク低下は、サブグループ解析で一致

2016年2月6日土曜日

妊娠インフルエンザ:抗ウィルス薬早期投与だと入院期間短い:重症インフルエンザで著明、 ワクチン有効性も確認

The benefit of early influenza antiviral treatment of pregnant women hospitalized with laboratory-confirmed influenza
Ikwo Oboho, et. al.
J Infect Dis. (2016) doi: 10.1093/infdis/jiw033First published online: February 3, 2016


重症インフルエンザ定義:ICU入室、人工呼吸、呼吸不全、肺塞栓、敗血症、死亡

コンディション、インフルエンザワクチン、妊娠トリメスター補正後、重症度層別、抗ウィルス治療までのタイミングにより入院期間のパラメトリック生存率解析

865名の妊娠女性、年齢中央値27歳(IQR、23-31歳)

68%の多くで従来健常、85%で抗ウィルス治療

63名、7%で重症、4名死亡

重症度と早期産・胎児死亡と関連

重症女性はワクチン接種群では非接種群に比べて少ない  (14% vs. 26%, p=0.03)

抗ウィルス治療発症後2日間以下 vs 2日超投与比較で
  • 重症インフルエンザ層別グループ内比較LOS中央値(日)は 2.2 (IQR 0.9−5.8; n=8) vs. 7.8 (IQR 3.0−20.6; n=7) (p=0.03)
  • 非重症インフルエンザ層別グループ内比較 2.4 (IQR 2.3−2.5; n=153) vs. 3.1 (IQR 2.8−3.5; n=62) (p<0 .01="" li="">







家庭内にインフルエンザ確認患者が居ればインフルエンザである事前確率高いのは当たり前だとおもう。迅速診断キットで陽性にならなきゃ治療できないと思い込む医者・・・治療の遅れをもたらす可能性がある。医師たちは各自自戒しなきゃ・・・


反ワクチンプロパガンダを垂れ流す方々は、妊娠患者のアウトカム悪化をもたらしている自覚をしてほしいものだ

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...