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2020年9月11日金曜日

Covid-19:黒人では鼻上皮TMPRSS2遺伝子発現高度

この研究では、人種/民族的に多様なコホートにおける鼻上皮遺伝子発現を調べたところ、黒人では他の自称人種/民族と比較して、TMPRSS2 の発現が有意に高いことが示された。

SARS-CoV-2の侵入におけるTMPRSS2の本質的な役割を考えると、TMPRSS2の鼻腔内での高発現は、黒人個人におけるCOVID-19の高負担に寄与している可能性がある。カモスタットメシル酸塩などのTMPRSS2阻害剤は、COVID-19治療への有用性を検証するために臨床試験が行われている。

TMPRSS2発現における人種・民族間の差異が認められたことは、多様な参加者を含めること、および人種・民族で層別化した解析をこのような臨床試験に取り入れるべきであることを強調している。


Racial/Ethnic Variation in Nasal Gene Expression of Transmembrane Serine Protease 2 (TMPRSS2)

Supinda Bunyavanich, et al.

JAMA. Published online September 10, 2020. doi:10.1001/jama.2020.17386

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2770682

彼の横断的研究では、以前に研究したコホートであるMount Sinai Health System(ニューヨーク州ニューヨーク市)内の個人から2015~2018年に採取した鼻上皮を使用した。健康な個人と4~60歳の喘息患者は、喘息のバイオマーカーの研究のために鼻腔内ブラッシングを受けた。ブラッシングのRNA単離に続いて、RNA配列決定、配列アラインメント、正規化が行われた。マウントサイナイ機関審査委員会はこの研究を承認した。参加者から書面によるインフォームドコンセントを得た。

齢、性別、および喘息を調整した線形回帰モデルを、従属変数として100万人当たりのlog2カウントにおけるTMPRSS2発現を、独立変数として自明の人種/民族性を用いて、Rバージョン3.6.0(R Foundation for Statistical Computing)を用いて実施した。両側検定とP ≤ 0.05の有意水準を用いた。

結果

コホート(n=305)の内訳は、アジア人8.2%、黒人15.4%、ラテン系26.6%、人種・民族混合9.5%、白人40.3%であった。参加者のうち、48.9%が男性で、49.8%が喘息を患っていた。

人種/民族間では、TMPRSS2の鼻腔内遺伝子発現は、アジア人(n=25、平均8.07[95%CI、7.74~8.40]対数百万対数)、ラティーノ人(n=81、平均8.02[95%CI、8.41~8.86]対数百万対数)と比較して、黒人個体(n=47、平均8.64[95%CI、8.41~8.86]対数百万対数)で最も高かった。 02 [95% CI, 7.90-8.14] log2カウント/百万個)、人種/民族の混合個人(n = 29; 平均、7.97 [95% CI, 7.77-8.16] log2カウント/百万個)、および白人個人(n = 123; 平均、8.04 [95% CI, 7.94-8.15] log2カウント/百万個)であった(図)。

線形回帰に基づくと、TMPRSS2発現は、アジア人、ラテン系、人種/民族の混合、および白人に比べて、黒人個体で有意に高かった(すべてのP<0.001)(図および表)。TMPRSS2発現と性、年齢、喘息との間には有意な関連は認められなかった。

2015年10月28日水曜日

BELT研究:黒人成人喘息 ICS+LABA vs ICS+チオトロピウム 効果・安全性差を認めず

黒人喘息に関して、ICS/LABAが必ずしもLABA/チオトロピウムよりすぐれているというわけではないということが示された。


黒人は喘息有病率2倍、ER受診・入院発生率も2倍、死亡率も2−3倍という不均衡な高リスク群。喘息に抗コリン作動性薬剤が有効という報告も増加し、特に気道閉塞、脈拍低い症例などでは有効ではないかという示唆もある。また、黒人ではβ受容体の遺伝子多様性により副事象との関連性も報告されていた。

だが、今回の報告で、吸入ステロイド(ICS)治療中の黒人成人では、LABA追加と、チオトロピウム追加では、喘息急性増悪までの期間は変わらない。ADRB2のArg16gly locusの遺伝子多様性に影響されない。





Anticholinergic vs Long-Acting β-Agonist in Combination With Inhaled Corticosteroids in Black Adults With Asthma
The BELT Randomized Clinical Trial
Michael E. Wechsler, et. al.  ; for the BELT Investigators
JAMA. 2015;314(16):1720-1730. doi:10.1001/jama.2015.13277.



【必要性】  LABAの有効性と安全性に疑念あり、黒人に対する不均等なLABAリスク存在する

【目的】  喘息黒人成人ICS使用者へのチオトロピウム vs LABAsの有効性・安全性比較
β2アドレナリン作動受容体(ADRB2)遺伝子のArg16Glyのアリル変異が治療反応性に影響を与えるかの検討


【デザイン・セッティング・被験者】 多施設(n = 20)、オープンラベル、並行群、プラグマティックランダム化臨床トライアル (2011年3月から2013年7月まで)、米国内中等度・重度喘息黒人被験者


【介入】 National Heart, Lung, and Blood Institute guidelineにおける step 3 もしくは 4で、治験登録可能、受け入れ可能な対象者
吸入ステロイド+
・チオトロピウム 1日1回 (n = 532)
・LABA 1日2回 (n = 538)
18ヶ月フォローアップ

genotypingを受けた患者では、ベースライン、1、6、12、18か月受診、月毎アンケート

【主要アウトカムと測定】
プライマリアウトカムは、急性増悪までの期間
悪化定義は、経口・非経口外ステロイド投与必要イベント

セカンダリアウトカムは、患者報告アウトカム:Asthma Quality of Life Questionnaire,
Asthma Control Questionnaire [ACQ]、 Asthma Symptom Utility Index, and Asthma Symptom-Free Days questionnaire)
+ スパイロメトリ (FEV1)、 rescue medication use、喘息悪化、副事象イベント


【結果】 LABA + ICS vs tiotropium + ICS において、初回急性増悪までの期間差、認めず

急性増悪/人年は、 0.42 vs 0.37 (発生率比 , 0.90 [95% CI, 0.73 to 1.11], log-rank P = 0.31)


FEV1 12か月で差認めず(0.003 L for LABA + ICS vs −0.018 L for tiotropium + ICS; 群間差, 0.020 [95% CI, −0.021 to 0.061], P = 0.33) 、18ヶ月時点でも同様 (−0.053 L vs −0.078 L; between-group difference, 0.025 [95% CI, −0.045 to 0.095], P = 0.49)


ACQスコアでは、18ヶ月時点で群間差認めず (ベースラインからの変化量 −0.68 for LABA + ICS vs −0.72 for tiotropium + ICS; between-group difference, 0.04 [95% CI, −0.18 to 0.27], P = 0.70)


他の患者報告アウトカムも群間差認めず





Arg16Gly ADRB2 alleleは、効果群間差に影響与えず (初回急性増悪までのハザード比 , 0.84 [95% CI, 0.47 to 1.51] for Arg/Arg vs 0.85 [95% CI, 0.63 to 1.15] for Arg/Gly or Gly/Gly, P = 0.97)




以上のトライアルの結果を日常臨床にどう結びつけるか・・・特に、日本人としては解釈困難だなぁ


必ずしも、スピリーバ・レスピマットの安全性は完全払拭されてない。
”スピリーバ=絶対的安全”ということではなく、悪vs悪の比較・・・と言わざるえないのでは・・・


2014年1月10日金曜日

人種差認知症発症率の差:社会経済的状況により左右される

高齢者居住・住民中、黒人と白人で認知症比率の違いがある。これは社会経済的状況、すなわち、収入・経済的安定、教育、リテラシーや健康関連要素と関わるのか?

平均年齢73.6歳、黒人比率 41.5%、女性比率50.2%のHealth, Aging, and Body Composition studyの検討

フォローアップ12年間で、449(18.3%)の認知症発生率

黒人認知症発症は白人より多い (211 (20.7%) v 238 (16.6%), P < 0.001; 非補正ハザード比 1.44, 95% 信頼区間 1.20 〜 1.74)

住民統計指標、アポリポ蛋白E ε4、合併症、ライフスタイル因子補正後若干ハザード比影響減少 (1.37, 1.12 〜1.67)

しかし、社会経済的状況補正を加えると、統計学的有意差消失 (1.09, 0.87 to 1.37)


Effect of socioeconomic disparities on incidence of dementia among biracial older adults: prospective study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7051 (Published 19 December 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f7051

2012年3月26日月曜日

線維素溶解・抗凝固療法出血副作用:人種差認めず

Comparison of Bleeding and In-Hospital Mortality in Asian-Americans Versus Caucasian-Americans With ST-Elevation Myocardial Infarction Receiving Reperfusion Therapy
American Journal of Cardiology Volume 109, Issue 7 , Pages 925-931, 1 April 2012


アジア系アメリカ人は白人アメリカ人で比べ線維素溶解・抗凝固系治療で出血リスク増加するか?

PPCI施行STEMIで、出血リスクや関連アウトカムの違い認めるか?

National Registry of Myocardial Infarction (NRMI) 4 and 5 (n = 90,317)

リスク補正重大出血や入院死亡率補正検討


線維素溶解後の重大出血率は、アジア系アメリカ人 (n = 705) と白人アメリカ人で同様  (n = 42,243, 11.1% vs 10.3%, adjusted odds ratio [OR] 0.97, 95% 信頼区間 [CI] 0.69 ~ 1.36, p = 0.5002)

アジア系は白人に比べ、PPCI治療に伴う出血率多いが (10.3% vs 7.8%, p = 0.0036)、ベースライン変数補正後のみ境界的な差異となっている (OR 1.24, 95% CI 0.97 ~ 1.59)。

線維素溶解療法後でも、PPCI後でも、包括的補正死亡率はアジア系、白人でも同様 (OR 0.96, 95% CI 0.56 ~ 1.65、OR 1.35, 95% CI 0.85 ~ 2.13).

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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note