2019年8月31日土曜日

急性呼吸不全:超音波は聴診器の代わりになるか?

急性呼吸不全:超音波は聴診器の代わりになるか?



Should point-of-care ultrasonography replace stethoscopes in acute respiratory failure?
BMJ 2019; 366 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l5225 (Published 30 August 2019)

 肯定的意見:現時点の道具は、聴診器とレントゲン撮影だが、診断的正確性の限界はあるものの代替手段はなく、伝統的とも言える従来の医療業的観点から放棄困難となっている。市中肺炎を例にしてみても、聴診も胸部レントゲンも感度・特異性も劣る。聴診上のCrackleは感度 19-67%、特異度 36-96%、陽性尤度 2.3、陰性尤度 0.8で rule in/rule out使用は限定的。観察者間一致率も 72%でκ値 0.41。
胸部レントゲンは幾分かはマシで、一致率は 59%、包括的κ値 0.53(中等)
CTと比較したときに胸部レントゲン浸潤存在判断の感度はわずか43.5%
左室機能障害診断や他の急性呼吸不全診断においても従来のこれら技術は診断上poorと言わざる得ない。

一方、急性呼吸不全時の肺超音波はgood evidenceを呈する、ベッドサイドのseminal 2008 single centre studyでは急性呼吸不全重症患者の90.5%の診断上正確性示し、標準化され、再現性もあり、学習しやすく、教育もしやすい。
国際コンセンサスガイドラインでは質の高い入手可能エビデンスが強調され、最近の肺炎でのメタアナリシスでも感度88%、特異度 86%で、陽性尤度 5.37、陰性尤度 0.13でrule in/rule out上の有益。同様データが、気胸、左室機能障害、非心原性肺水腫で存在する。

結論:もはや適切かどうか言及する段階ではない、「常にこの方法を使うべきとき」
エビデンス上はレントゲン・聴診は肺超音波に劣る、これはエビデンスベースで確認されそれが拡大している

With established training pathways like Core Ultrasound in Intensive Care (CUSIC) and Focused Acute Medicine Ultrasound (FAMUS), it should be integrated into the assessment of acute respiratory failure.


否定的意見:

このケアを提供する法的義務と、そのようなケアが保留された場合の医療過失の結果を考えると、診断テストは、ケアの標準として臨床診療に導入する前に主要な要件を満たす必要があります。 急性呼吸不全を診断するためのポイントオブケア超音波検査は、有効性とコストという2つの理由で問題があります。
ベネフィットのある患者アウトカムが示されるべき
診断検査の有効性は診断的正確性を超越している。検査の真の価値は、臨床的思考や管理の変化、最終的には患者のアウトカム改善のための能力にある。特定の条件下で超音波検査が急性呼吸不全の原因を正確に診断することを示してはいるが、管理変更や患者転機改善効果は示されてない。気胸、肺炎、肺水腫に関し正確性90%を超えるとするが、解釈上注意が必要で、高度選択下集団で行われた研究で一般化はされてない。例えば気胸は外傷、重篤患者、気胸リスク患者のみで行われたもので有病率の高い状況での検討。肺塞栓などはCTに落ちる
ガチンコ研究
POC超音波が臨床的思考、臨床管理に影響をあたえるかのデータは乏しい。EDでは診断修正までの時間短縮、病棟では急性呼吸不全の治療変更、集中治療室では集約的心エコー、肺、下肢静脈超音波で全体的診断率を高めるが、これら集中治療研究では複雑な診断、診断の明確性が必要とされる患者を除外した。多くのICUコホートでは急性呼吸不全の主要ドメインであるはずのARDSは存在せず、この病態は肺炎、肺水腫と類似し、超音波検査では判別指数poorである。最重要なバリアは患者のアウトカム改善を示せてないこと。客観的な結果を標準治療プロトコールに使用されるよう、事前指定治療と結びつける検証が必要。



結局は積極的に使う方向で世の中動くんだよなぁ


Smallwood N, Dachsel M, Matsa R, Tabiowo E, Walden A. Focused acute medicine ultrasound (FAMUS)—point-of-care ultrasound for the acute medical unit. Acute Med 2016;15:193-6.28112288


 Diagnostic chest ultrasound for acute respiratory failure. Respir Med 2018;141:26-36. 



LAMA:エクリラは咳嗽・喀痰の重度症例で明らかに効くよ

喘息でも咳嗽を強く訴える症例において、スピリーバ投与すると著効例がある

エクリラはCOPD適応限定なのでpureな喘息二は使えないが、COPDでの咳嗽・喀痰への効果エビデンスにつき検討された


エクリラ400μgジェヌエア60吸入用



The Effect of Aclidinium on Symptoms Including Cough in Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Phase 4, Double-Blind, Placebo-controlled, Parallel-Group Study
AJRCCM Vol. 200, No. 5 Sep 01, 2019




Evaluating Respiratory Symptoms in COPD (E-RS:COPD, formerly the Exacerbations of Chronic Pulmonary Disease Tool [EXACT]-Respiratory Symptoms Scale [E-RS; http://www.exactproinitiative.com/instrument-descriptions/],
https://www.ema.europa.eu/en/documents/other/user-manual-e-rs-exact-respiratory-symptoms-applicant-submission-version-30_en.pdf

 Evidera [http://www.exactproinitiative.com/instrument-descriptions/exactpro@evidera.com]) total score over the course of 8 weeks (minimal clinically important difference [MCID], 2.0) .
https://respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-014-0124-z


セカンダリ有効性アウトカム:8週後E-RS 咳嗽と喀痰 ドメインスコア (MCID, 0.7)と、8週後LCQLeicester Cough Questionnaire (LCQ; MCID, 1.3)
CATスコア(MCID, 2.0)、咳嗽VAS、E-RS総スコア、E-RS-咳嗽喀痰ドメインスコア、各々4,8週後
4週後、8週後、8週間 E-RS息切れ(MCID, 0.1)と胸部ドメインスコア(MCID, 0.7)
and E-RS breathlessness (MCID, 0.1) and chest domain scores (MCID, 0.7) (8) at Week 4 and Week 8 and over the course of 8 weeks.
post hoc解析としてベースラインの咳嗽重症度(VAS;30mm超、30以下で重度、重度でないと判断)



アクリジニウムはプラシーボと比較して、COPD症状(咳嗽を含む)を広範に改善
LCQやCATの改善は総数において統計学的改善を見なかったが、比較的軽症咳嗽において効果少ない症例が含まれているためで、より咳嗽重度の場合には、E-RS咳嗽・喀痰ドメインの大幅改善を示した。
ベースラインの咳の重症度が治療反応の重要な症候性マーカーであり、VASスコアがCOPD、特にアクリジニウム治療に最も反応する咳との産生を促進するメカニズムを反映している可能性があることを示唆している。





LAMAを検索するとダライ・ラマ氏のご尊顔が・・・

フォシーガ:心筋梗塞既往、駆出率低下心不全合併でのベネフィット

SGLT-2iのなかでは選択性が高い類いで、可逆性が高い部類のフォシーガ
http://www.pmda.go.jp/drugs/2014/P201400016/670605000_22600AMX00528_F100_2.pdf

現在の所、心筋梗塞既往や心不全患者での臨床的エビデンスとして一歩リード?
クラス内比較したわけではないので、真の薬効差はわからないが・・・

DECLARE-TIMI 58 trial(主発表: published in the New England Journal of Medicine)にて2型糖尿病患者のdapagliflozin(フォシーガ)心不全ベネフィットは心筋梗塞・心不全既往ある駆出率低下心不全でベネフィットを示すと今年初めCirculation誌に同時2つ報告( 心筋梗塞 3,500   、駆出率低下心不全671名)されたがそのサブ解析が、 American College of Cardiology meeting (in New Orleans)で報告された



Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus and Previous Myocardial Infarction
Subanalysis From the DECLARE-TIMI 58 Trial
Remo H.M. Furtado, et. al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.039996
Circulation. 2019;139:2516–2527
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.039996

心筋梗塞既往3,500人の報告で、主報告と異なり、過去の心筋梗塞のある人では総MACE(主要な有害な心臓イベント)の割合が16%減少し、しかも、直近の過去2年間に心筋梗塞のあった人ではさらに減少を示した。
現在、心不全の減少-心不全のための入院-は、ダパグリフロジンなどのSGLT2阻害剤全般的に見られ、ほぼすべてが心不全を軽減。
心筋梗塞既往でのMACEリスク減少はvery strong finding


Effect of Dapagliflozin on Heart Failure and Mortality in Type 2 Diabetes Mellitus
Eri T. Kato, M , et. al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.040130
Circulation. 2019;139:2528–2536
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.040130

駆出率45%未満の心不全患者671名ではMACE及び心不全入院低下だけでなく、心血管死45%、総死亡率41%減少を示した


empagliflozin:EMPA-REG、canagliflozin:CANVAS試験と異なり、DECLARE TIMI-58は、心筋梗塞既往患者でのデータ、駆出率低下心不全患者でのデータに特化されており、"showing that these are groups that have considerably more benefit than the rest of the trial."とベネフィット明確と記載

引用:
https://www.medpagetoday.com/innovations-in-medicine/type-2-diabetes/81908



サルコペニアをテーマにする講演もあるようだが、
bone fracture, bone healthへの悪影響にテーマの重点がうつってる気がするのだが・・・






The SGLT2 inhibitors are associated with enhanced blood glucose control as well as a reduction in all-cause mortality, myocardial infarction, heart failure admissions and renal replacement therapy (the good).
However, the SGLT2 inhibitors are also associated with increased genital and urinary tract infections (the bad),
and a rare, hard to diagnose, and potentially fatal condition (the ugly): euglycaemic diabetic ketoacidosis (euDKA).



2019年8月30日金曜日

重度治療抵抗喘息(STRA)児:肺内2型自然リンパ球とステロイド反応

全身性ステロイド投与でないと効果が乏しい重度治療抵抗喘息(STRA)症例

STRAでは、アドヒアランスや修正可能環境要因などによる難治性喘息と異なり、IL-17+ ILCsやTH17細胞増加は見られなかった。

逆に言えば、このIL-17+ ILCsやTH17細胞増加があれば、ICSなど徹底すれば良くなる症例って事?



severe therapy-resistant asthma (STRA)の子供は治療最大化してもコントロール不要で、ベーシックな治療導入困難なコントロールpoorなdifficult asthma(DA)も治療困難である。前者STRAでは最大量の治療・アドヒアランス・アレルゲン・喫煙暴露などの修正可能な要素補正など行っても尚持続的にコントロール不良で喘息児の2%程存在。後者のDAは最大処方治療にかかわらず維持療法遵守できてないためで修正要素が明確な症例。
これら2つは概念的に異なり、気道の分子学的phenotypeとして、ILCsの役割やDA例、STRA例でのその反応性は未だ不明であった。

STRAは単一の疾患群ではなく、その基礎的メカニズム不明。type 2 T-ヘルパー-介在疾患と従来考えられていたが、非-Th2メカニズムが特に重症例で関与が示唆されている。IL-33は小児STRAで増加、. ILCはlymphoid lineageとしてはrareなpopulationであり、主に粘膜表面に存在し、Th subtypeの機能のmirrorである。存在はアレルギー疾患を示唆し、喀痰・BAL中に重症喘息成人・小児で存在。さらにTh17経路は成人の、非-type-2重症喘息の関与として提案されている。IL-17は小児STRA末梢血単核球細胞(PBMCs)由来でステロイドでin vitro 刺激を受けるが、IL-17+ILCsとIL-17の重要性は不明。

最大量のステロイド治療に関わらず、肺内IL-33は増加しているので、downstream effector cell、type 2 ILCはステロイドに関わらず維持し、STRAの病態生理を介するのではないか、そして、difficult asthmaの方では低下するのではないかという仮説。


気道(誘発喀痰)と末梢血のCD4+ T細胞とILCsを比較


気道好酸球、type 2 Tヘルパー(Th2)細胞およびILC2は、DAおよび疾患対照と比較してSTRA患者で有意に高値だが、IL-17 +リンパ系細胞は類似していた。 ILC2およびTh2細胞は、筋肉内トリアムシノロン後のin vivoおよびステロイドでのin vitroで有意に減少した。




さらに、ステロイド抵抗性IL-17 +細胞および好酸球の持続性にもかかわらず、全身ステロイド投与後の喘息発作および症状は減少した。

小児のSTRAとDAには、気道の分子表現型が異なり、STRAはtype 2 T細胞の上昇を特徴としている。 維持的吸入ステロイドでは反応しないが、全身性コルチコステロイドで、持続的増加IL-17 +リンパ系細胞にかかわらず、症状制御の改善と機能的ILC2の減少をもたらす


Airway innate lymphoid cells (ILCs) and T-cells are steroid sensitive in vivo, after high-dose systemic steroids. Induced sputum frequency of ILCs (LinnegCD45+) and CD4+ T-cells (CD4+CD3+) expressing a,c) CRTH2 or b,d) interleukin (IL)-13. e) i) IL-13, ii) IL-4 and iii) IL-5 levels in sputum supernatant. n≥3. Mann–Whitney U-test. *: p<0 .05.="" span="">



気道 LinnegCD45+CRTH2+とLinnegCD45+IL-13+ ILCsのSTRA小児への関与をDAと比較し提示された、ステロイドのこれら細胞への効果はSTRAで見られた。
全身ステロイド後の typ 2 ILCsとT-細胞の減少は急性増悪減少と症状改善を示す

Pulmonary type-2 innate lymphoid cells in paediatric severe asthma: phenotype and response to steroids
Prasad Nagakumar, Franz Puttur, Lisa G. Gregory, Laura Denney, Louise Fleming, Andrew Bush, Clare M. Lloyd, Sejal Saglani
European Respiratory Journal 2019 54: 1801809;
DOI: 10.1183/13993003.01809-2018
https://erj.ersjournals.com/content/54/2/1801809



ビレーズトリエアロスフィア第3相:COPD中等度・重症急性増悪減少効果 vs ICS/LABA & LABA/LAMA

この薬品名、ビレーズトリ・エアロスフィアという区分でないとわかりにくい

KRONOS、ETHOSトライアルで 3剤配合吸入剤が、他の2剤配合吸入細工に比べ、肺機能改善効果、急性増悪改善効果を認めたということになった。

「Trelegy Ellipta」の日本語表記が「テリルジー」というのもわかりにくいが・・・

3剤併合吸入剤は、名前が難しい・・・



Breztri Aerosphere

アストラゼネカのCOPD治療配合剤ビレーズトリエアロスフィア、世界に先駆け日本で製造販売承認を取得
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2019/2019061902.html

第3相 KRONOSトライアル:
AstraZeneca reports top-line Phase III KRONOS trial results for PT010 triple combination therapy in chronic obstructive pulmonary disease
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2018/astrazeneca-reports-top-line-phase-iii-kronos-trial-results-for-pt010-triple-combination-therapy-in-chronic-obstructive-pulmonary-disease-26102018.html

Primary endpoints for the Europe/Canada statistical analysis approach were

  • FEV1 curve from 0–4 h (AUC ) for BGF MDI versus BFF MDI and BGF MDI versus BUD/FORM DPI over 24 weeks;
  •  0–4 change from baseline in morning pre-dose trough FEV1 for BGF MDI versus GFF MDI 
  • non-inferiority of BFF MDI versus BUD/FORM DPI (margin of –50 mL from lower bound of 95% CI) over 24 weeks


https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018013001.html





ETHOSトライアル:

Breztri Aerosphere (budesonide/glycopyrronium/formoterol fumarate 320/14.4/9.6mcg) の量で、Bevespi Aerosphere (glycopyrronium/formoterol fumarate 14.4/9.6mcg):LAMA/LABA 及び PT009 (budesonide/formoterol fumarate 320/9.6mcg):ICS/LABA比較し、中等度・重症急性増悪、有意減少



Breztri Aerosphere Phase III ETHOS trial met its primary endpoint in chronic obstructive pulmonary disease
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2019/breztri-aerosphere-phase-iii-ethos-trial-met-its-primary-endpoint-in-chronic-obstructive-pulmonary-disease-28082019.html



dual combination therapyと比べ、triple-combination therapyにおいて統計学的に有意な中等以上急性増悪減少効果を示した




研究デザイン:https://www.resmedjournal.com/article/S0954-6111(19)30267-7/fulltext



FeNO、喀痰好酸球数、末梢血好酸球との関連性を知りたい







Trelegy Elliptaに関しては、IMPACT試験、FULFILトライアルなど


Lipson DA et al. Once-Daily Single Inhaler Triple Versus Dual Therapy in Patients with COPD. New England Journal of Medicine. 2018.

Lipson DA et al. FULFIL Trial: Once-Daily Triple Therapy for Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Am J Resp Crit Care Med. 2017.



NSLT:間質性所見と肺癌

National Lung Cancer Trial (NSLT) からの解析

“間質性所見”の定義: evidence of reticular/reticulonodular opacities, honeycombing, fibrosis, or scarring were classified as having interstitial lung abnormalities. :網状/網状結節陰影、蜂巣肺、線維化、scarring



Interstitial Lung Abnormalities and Lung Cancer Risk in the National Lung Screening Trial
Stacey-Ann Whittaker Brown, et al.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.06.041
CHEST  in Press
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(19)31448-5/pdf


LDCT 25,041名の一次解析中 20.2%間質性所見

間質性所見被験者の肺癌発生リスク IRR 1.61, 95% CI: 1.30-1.99
補正解析だと  IRR: 1.33, 95% CI: 1.07-1.65

肺癌特異的死亡率も同様にリスク比高い


同様所見が胸部レントゲン解析でも認められる





手持ちの呼吸器系洋書でもscarという表現多く使われ、lung cancer scarやCOPDなどの項目の気管支拡張周辺scarなどでも使われ、曖昧になりそうな表現である

:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4387425/



2019年8月28日水曜日

健康成人においてビタミンDは骨の健康を藻守るのに役立たない

推奨される1日あたりの許容量よりもはるかに多い場合でも、ビタミンDは骨粗鬆症のない健康な成人の骨の強化にあまり役に立たない可能性があると、報告された。

健康な成人では、1日あたり4000 IUまたは1日あたり10000 IUの用量で3年間ビタミンDを投与すると、1日あたり400 IUと比較して、放射状BMDが統計的に有意に低下した。 脛骨のBMDは、1日あたり1万IUでのみ有意に低かった。 橈骨でも脛骨でも骨強度に有意な差はありませんでした。 これらの調査結果は、骨の健康のための高用量ビタミンD補給の利点を支持しない。
有害かどうかを判断するには、さらなる検討が必要。



毎日のビタミンD補給の3つのレベル(400 IU、4,000 IU、10,000 IU)を評価する臨床試験で、橈骨骨密度(BMD)は、3年間高用量を服用している(55-70歳)方が有意に低かった

311名被験者(男性 53%;平均年齢 [SD] 62.2[4.2]歳)中、完遂 287(92%)
血中25(OH)D値 ベースライン、3ヶ月、3年
400-IU群 76.3, 76.7,  77.4 nmol/L
4000-IU群  81.3, 115.3, 132.2
10000−IU群 78.4, 188.0, 144.4

volumetric BMDでgroup × time interaction有意


トライアル終了時、橈骨volumetric BMDは400 IU 群との比較
4000 IU 群 (−3.9 mg HA/cm3 [95% CI, −6.5 to −1.3])
10 000 IU 群 (−7.5 mg HA/cm3 [95% CI, −10.1 to −5.0])
volumetric BMDの平均パーセンテージ変化は各々 400 IU群 −1.2%、4000 IU群 −2.4%、10 000群 −3.5%

橈骨volumetric BMDの400 IU群との差は 4000 IU群 −1.8 mg HA/cm3 (95% CI, −3.7 to 0.1) 、 10 000IU群 4.1 mg HA/cm3;平均パーセンテージ差値で、それぞれ −0.4% (400 IU), −1.0% (4000 IU), and −1.7% (10 000 IU)

failure loadの差は有意でない (橈骨, P = .06; 脛骨, P = .12).




Effect of High-Dose Vitamin D Supplementation on Volumetric Bone Density and Bone Strength
A Randomized Clinical Trial
Lauren A. Burt,  et al.
JAMA. 2019;322(8):736-745. doi:10.1001/jama.2019.11889
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2748796






女性閉経後が骨粗鬆症では主たるターゲットとなることが多いし、最近ではステロイド投与なども


今回は、一般健常者を対象としたサプリメント投与の意義




2019年8月26日月曜日

電子タバコ:リポイド肺炎

急性肺障害、器質化肺炎、急性好酸球性肺炎、肺胞出血などの場合電子タバコによる肺障害も鑑別に入れた方が良さそうだ

インタビュー記事だが・・・ためになる

後述するが、日本の新型タバコは電子:E-Cig.ですらない
日本では、とにかく、臨床データや疫学データの累積と分析、観察が必要



急性肺障害時、なんらかの電子タバコ吸引の聞き取りの場合以下の症例の可能性有り

Years Ago, This Doc Linked a Mysterious Lung Disease to Vaping
Pulmonologist John E. Parker, MD, discusses his 2015 case study
by Victoria Knight, Kaiser Health News
August 24, 2019

ウェストバージニア病院で勤務するJohn E. Parker, MDの31歳女性の急性肺障害症例報告


リポイド肺炎(LP)は脂質成分の誤飲・吸入で生じる稀な疾患。

Acute Lipoid Pneumonia Secondary to E- Cigarettes Use: An Unlikely Replacement for Cigarettes
Sujal Modi, MD; Rahul Sangani, MD; Ahmad Alhajhusain, MD
West Virginia University, Morgantown, WV
Chest. 2015;148(4_MeetingAbstracts):382A. doi:10.1378/chest.2274860

CASE PRESENTATION: A 31 year-old female smoker was admitted to the hospital for progressive dyspnea and cough. Physical exam was remarkable for bibasilar rales and low-normal oxygen saturation. Chest x-ray noted bilateral air space opacities. Despite treatment with empiric antibiotics, she became increasingly hypoxic and was intubated due to concerns of acute respiratory distress syndrome. Blood and sputum cultures were negative. CT of the chest revealed diffuse ground-glass opacities with interlobular septal thickening consistent with ‘crazy paving’ pattern. Bronchoalveolar lavage  showed reactive pneumocytes and alveolar macrophages with positive staining (Oil-Red-O) for lipid content. She was started on intravenous steroids. Given the temporal association of recent three month e-cigarettes use and characteristic findings, she was diagnosed with LP. Patient noted rapid improvement with cessation of e-cigarettes and systemic steroids.

DISCUSSION: Exogenous LP is an infrequent inflammatory disease, historically associated with use of laxatives and oil-based nasal solutions. Symptoms are non-specific and may be mistaken for pneumonia. Our patient started using e-cigarettes in an attempt to quit smoking. She endorsed frequent coughing with e-cigarettes and it is suspected that she aspirated the lipid contents into her airways which were subsequently taken up by alveolar macrophages, accumulated in the interstitial space and manifested as LP. Compared to prior reported cases, our patient had a relatively acute and severe presentation, requiring intubation. Cessation of exposure typically resolves the symptoms. However, in severe cases, it can progress to fibrosis and chronic respiratory failure. Steroids are recommended for severe cases but evidence is lacking.

CONCLUSIONS: Our case highlights a side effect of e-cigarettes presenting as acute severe exogenous LP. Growing use of e-cigarettes among the smokers and its unregulated availability raises concern for emergence of such adverse effects. Extreme caution is recommended to consider e-cigarettes as effective nicotine replacement therapy.


それから4年後、vapingと関連した重度肺障害の国家的outbreakの検討開始

16州、150名超のvapingに関わる重度肺疾患の報告がある

インタビュー
Was it the first case that you had seen at your institution?

To our knowledge it was our first case, but we are humble enough clinicians to realize we may have missed some other cases that we interpreted [as] viral pneumonia or bacterial pneumonia.

Have you seen more cases since then?
I know we've seen a case [of alveolar hemorrhage syndrome] that we published, and in polling some colleagues we think we've probably also seen [cases of] cryptogenic organizing pneumonia as well as lipoid pneumonia and acute eosinophilic pneumonia. Yeah, we've certainly seen at least probably four forms of lung disease from vaping.

If your team was seeing this back in 2015, is it possible that it's been happening in the 4 years since then and people just don't know about it?
I really have every reason to think we were not the first ones to see it, by any means.
And I don't think we were even the first ones to report it. I think that there were some clusters in Wisconsin and some other places in the U.S. I also know that the Japanese have been very interested. They've probably got four or five papers at least in the medical literature about vaping-related lung injury. 
Do you have a theory of what might be causing the lipoid pneumonia cases? Do you think there may be certain chemicals that are irritants?
We need a strong multidisciplinary team to understand the real etiology and cause of lung injury from inhalation. I think it could be any number of components in the mixtures. Lungs don't like oil, in general, and probably the most specific agent that's been studied recently is diacetyl, which was studied in popcorn-flavoring lung disease.
 Have these kinds of cases changed the way you approach patients?
Yeah, we search very carefully for a history of vaping.... I think it's quite important to understand if they might be using inhaled agents or vaping that might present new toxicities to the lung. 
Will these illnesses have long-term health effects?
An inhalational injury may cause an acute lung injury that's life-threatening and that someone may survive from and have no long-term sequelae. But there also is the possibility that long-term [e-cigarette] use may cause more insidious or chronic diseases from which there may not be a full recovery.





Vaping: CDC investigates severe lung injuries
BMJ 2019; 366 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l5228 (Published 20 August 2019)
Cite this as: BMJ 2019;366:l5228
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l5228


米国疾病管理予防センター(CDC)は、電子タバコの使用または「vaping」に関連する重度の肺損傷のほぼ100のケースを調査しています。
ケースは、ウィスコンシン、イリノイ、カリフォルニア、インディアナ、ミネソタの5つの州で発生しています。影響を受けた人々のほとんどは若い成人でした。 CDCは、ニューヨーク、インディアナ、ユタを含む他の州でも未確認の症例を調査しています。
6月18日から8月15日までに、14の州で、vapingに関連した重症肺損傷94例が報告されました。 30症例がウィスコンシン州中西部上部州で発生し、近くのイリノイ州では24症例が報告されました。
すべての患者は、吸入のために物質をエアロゾル化する電子タバコのようなデバイスの使用である「vaping」を報告しました。多くの患者は、テトラヒドロカンナビノール(THC)製品を使用したことも報告しています。しかし、シンドロームに明確に関連する特定の製品はありません、とCDCは言いました。
患者には、咳、息切れ、疲労などの呼吸器症状がありました。発熱、胸痛、体重減少、吐き気、下痢についても言及しました。 CDCは、胸部X線は両側性の陰影を示し、CT画像はびまん性のすりガラス陰影を示し、しばしば胸膜下温存を伴うと述べた。ほぼすべての患者で感染の兆候は見られませんでした。
患者の症状は数日または数週間で悪化し、入院しました。一部は機械的換気が必要でしたが、コルチコステロイドで改善されました。
潜在的な危険
子供のミネソタ病院の最高医療責任者であるエミリー・チャップマンは、肺の損傷のパターンは以前に見られたものに適合しないと述べました。胸部X線は肺全体に異常を示した。 
イリノイ州公衆衛生局長のNgozi Ezikeは、次のように述べています。「10代の間のvapingはここ数年間で劇的増加している。未だ短期・長期影響調査がなされている状況で、最近報告の入院において、10代の子供とvapingについて両親が会話する必要性とvapingによりもたされる結果と、潜在的危険性が注目されている。」 
これまでCDCは、電子タバコを子供、ティーンエイジャー、若い成人にとって安全ではないと考えていたが、タバコや他の喫煙製品の代替品として、妊娠していない成人喫煙者にとっては有益である可能性があるとした。現在、CDCは疾患や徴候、症状についてのemergency alertを医師や医療機関へ送っているその警告には、医師は呼吸器または肺の病気の患者に電子タバコ製品を吸うために使用したかどうかを尋ねるべきであり、使用された合法または違法薬物の種類と使用方法も尋ねるべきだとしている。電子タバコ製品が疑われる場合、医師は製品の種類と、患者が市販のデバイスまたは液体を使用しているか、電子タバコ製品を共有しているか、古いカートリッジまたはポッドを(自家製または市販の製品とともに)再使用しているかどうかを尋ねる必要があります。または、薬物を加熱して濃縮し、特定の種類の装置を使用して吸入します。
また、患者は、デバイスや液体などの電子タバコ製品を保管しているかどうかを尋ねられるべきです。そうすれば、地方や州の保健部門でテストすることができます。
CDGによると、可能性があるか疑われる場合には「積極的な支持療法」が必要であり、重篤な場合は肺、感染症、救命救急の専門家との協議が必要になる可能性がある。 





新型タバコの種類

1.電子タバコ E-cigarettes
a). 液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
b). 液体(リキッド)には、ニコチンを含むものと含まないもの、の 2 種類がある注)
ニコチンを含むもの:electronic nicotine delivery systems (ENDS)
ニコチンを含まないもの:electronic non-nicotine delivery systems (ENNDS)
注)海外ではニコチン入りリキッドが販売されている(ENDS)。一方、日本では、医薬品医療機器法(旧薬事法)による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていない。

2.非燃焼・加熱式タバコ Heat-not-burn tobacco
a). 葉タバコを直接加熱し、ニコチンを含むエアロゾル吸引するタイプ(商品名 iQOS, glo)
b). 低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させた後、タバコ粉末を通過させて、タバコ成分を吸引するタイプで、電子タバコに類似した仕組み(商品名 Ploom TECH)
http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf

iQOSやglo、Ploom Techは電子タバコですらない



2019年8月24日土曜日

2型糖尿病への多価不飽和脂肪酸の影響:さしあたり4g前後までは影響無さそう

この報告の印象があるためかもしれないが、
   ↓
糖尿病重症度、TG値やLDL値など層別化されてないので、雑な印象を受けるレビュー

同じPUFAだが、サプリメント使用なのかどうか、また、目的も対象も違うが、以下の報告でも 1日4.4gが上限のようで、4gまでを議論の対象にした方が良いようだ

上記報告では、TG極高値(500 mg/dL以上)ならEPA単独以外、LDL-C増加となる可能性がある


さらには、耐糖能への影響で、魚由来のサプリメントに伴う有機水銀などの影響懸念された報告で上記報告とはコンセプトも異なるようだ


Omega-3, omega-6, and total dietary polyunsaturated fat for prevention and treatment of type 2 diabetes mellitus: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2019; 366 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l4697 (Published 21 August 2019)
Cite this as: BMJ 2019;366:l4697
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l4697




目的 ω-3、ω-6、総多価不飽和脂肪酸(PUFA)の糖尿病診断とブドウ糖代謝への影響評価
デザイン:システミック・レビュー&メタアナリシス

データソース: Medline, Embase, Cochrane CENTRAL, WHO International Clinical Trials Registry Platform, Clinicaltrials.gov, and trials in relevant systematic reviews.

参入クライテリア:RCT 24週間以上、α-リノレン酸(Linolenic acid)、長鎖ω-3、ω-6、総PUFA、糖尿病診断情報、空腹時血糖、インスリン、HbA1c、and/oro HOMA-IR

データ合成:統計学的解析は相対リスクや差平均、感度分析はrandom effects meta-analysisにより施行。Funnel plots検証しsubgroupingで、介入タイプ、replacement、糖尿病ベースラインリスク、抗糖尿病薬使用、トライアル期間、用量について影響調査
バイアスのリスクはCochraneで評価、エビデンスの質はGRADEで評価

結果
83のRCTを登録、サプリメント投与長鎖ω-3評価が主で、10がsummary risk of bias低く
長鎖ω-3は糖尿病診断の尤度への影響少ないかない(相対リスク 1.00, 95% 信頼区間 0.85-1.17; 58,643名、 糖尿病発症 3.7%)、同様、糖代謝測定値(HbA1c 差平均 −0.02%, 95% 信頼区間 −0.07% to 0.04%; 血糖 0.04, 0.02 to 0.07, mmol/L; fasting insulin 1.02, −4.34 to 6.37, pmol/L; HOMA-IR 0.06, −0.21 to 0.33)においても同様

長鎖ω-3サプリメント投与が 4.4 g/日を超過した場合、アウトカムとしてはネガティブになることが示唆される。


糖尿病診断へのα-リノレン酸(Linolenic acid)、ω-6、総PUFAの影響は不明(エビデンスとして低品質)だが、糖代謝測定値の影響は少ないかもしくはない状況が見られた。例外は、α-リノレン酸(Linolenic acid)の空腹時インスリン増加(約7%ほど)であった。


ω-3/ω-6比は糖尿病及び糖尿病代謝に対して重要であるというエビデンスは無かった


結論:多価不飽和脂肪酸の糖尿病診断およびブドウ糖代謝への影響評価に関してトライアルのほぼ広範なシステミック・レビュー、事前非公表データも著者等にコンタクトし含む。
エビデンスとしては、ω-3、ω-6、総PUFAでは2型糖尿病の予防・治療に関して影響としては少ないかもしくはない





序文:Google翻訳

糖尿病の制御に対する長鎖オメガ-3の影響についての心配は長く存在しており、実験的研究では、オメガ-3の補給とPUFAおよびオメガ-3を多く含む食事が空腹時血糖を有意に上昇させることを示唆しています。
 推奨閾値を超えるメチル水銀およびポリ塩化ビフェニルのレベルが、魚介類および魚油サプリメントで報告されています。マウスモデルでは、水銀レベルが上昇するとインスリンシグナル伝達が中断され、空腹時グルコースが上昇します。 有機汚染物質の体内濃度は、米国の糖尿病の有病率と相関していますが、他の横断的研究では、血糖コントロールで魚を食べることとの関連性または有益性が示唆されています。
 観察研究の系統的レビューは、グルコース代謝と正および負の関連性を示唆していますが、強力な証拠は、オメガ-3サプリメントがトリグリセリド上昇を減らし、体重にほとんどまたはまったく影響を与えないことを示しています。
 疾病のグローバルな負担データの分析は、長鎖オメガ-3とオメガ-6の両方をグローバルに増加させる必要があることを示唆していますが、オメガ-3とオメガ-6脂肪はいくつかの代謝経路で競合するため、オメガ-3 /オメガは-6比率は、いずれかの絶対摂取量よりも重要です(念のため原文:理論上は・・・ということで: theories suggest that omega-3 and omega-6 fats compete in some metabolic pathways so that the omega-3/omega-6 ratio is more important than absolute intakes of either.)。
 コクランの系統的レビューでは、糖尿病患者におけるオメガ-3の効果が評価されました。これには、23の試験で1075人の参加者を平均9週間無作為化した試験、トリグリセリドの減少は認められましたが、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、空腹時グルコース、またはインスリンの変化は認められませんでした。
 より最近のレビューでは、少なくとも2週間の20のランダム化比較試験で糖尿病の1209人の参加者が含まれ、空腹時血糖のほぼ統計的に有意な上昇を除いてほとんど効果は見られませんでしたが、HbA1cにはほとんどまたはまったく影響がありませんでした。

糖尿病の発症および治療に対するPUFAの長期的な影響は未定のままです。
 糖尿病および前糖尿病の診断およびグルコース調節マーカー(血清グルコース、HbA1c、インスリン)を含む糖尿病転帰に対するPUFA(長鎖オメガ-3、α-リノレン酸、オメガ-6、総PUFA)の効果を体系的に確認することを目的としました抵抗)。
また、介入の種類、ベースラインのグルコース代謝、用量、期間、PUFAの増加によって置き換えられる栄養素によって効果がどのように変化するかにも興味がありました。
このレビューは、World Health Organization’s Nutrition Guidance Expert Advisory Group (NUGAG)サブグループが委託した PUFAH Groupによるシリーズの一部





2019年8月23日金曜日

AHA:EPA and/or DHA 高TG血症治療をスタチン併用有無にかかわらず推奨するというが・・・

AHAによれば、ω-3脂肪酸処方は中性脂肪をcut downするための「有効で安全な」オプションとされてきた。 しかし、高中性脂肪長期管理において薬剤処方の場でOTC ω-3サプリメントについてはFDAによりレビューされず、承認もされてない。

Ann Skulas-Ray, ( group chair PhD, of the University of Arizona, Tucson)は警告

「4 g / dの用量での処方オメガ3脂肪酸は、単独療法または他のトリグリセリド低下療法の補助として、根本的な原因に対処し、食事およびライフスタイル戦略を実施した後、トリグリセリドを減らすのに臨床的に有用 」と彼女のグループは結論付けた。


Circulation誌のステートメントによると、
EPA and/or DHA含有魚脂はTG 500mg/dL以上の患者において30%程TGを減少する

Circulation
Source Reference: Skulas-Ray AC, et al "Omega-3 fatty acids for the management of hypertriglyceridemia: a science advisory from the American Heart Association" Circulation 2019; DOI: 10.1161/CIR.0000000000000709.


長鎖ω-3脂肪酸(n= 3FAs: 4g/日)の効果
オメガ-3脂肪酸エチルエステル(O3AEE)+ドコサヘキサエン酸(DHA)+エイコサペンタエン酸(IPE;EPA-only)、omega-3 carboxylic acid(O3CA; EPA+DHA) vs placebo
極度高値TG(VHTG; 500-2000 mg/dL)と高値TG ; 200-499 mg/dL)



この助言委員会の目的は薬理学的用量( EPA+DHA総量 3g超)で生じる脂質、リポ蛋白のn-3 FAの効果を新しい科学的データや入手可能n-3 FA 薬剤ベースで検討すること

VHTGにおいて EPA+DHA 4g/日は、TG 30%以上減少、しかし、LDLコレステロールは増加する。
EPA単独ではLDLコレステロールをVHTGにおいては増加しない

スタチンとの組み合わせあるいは単独治療において、高TG血症治療使用時、EPA+DHAでもEPA-単独でも、 n-3 FA治療は、大まかには、TG減少、LDL増加を生じない

n-3FA 4g/d処方大規模トライアルでは、非HDLリポ蛋白とapoリポ蛋白Bは軽度減少し動脈硬化原性リポ蛋白総量を減少を示唆する。

高TG血症患者の動脈硬化性心血管疾患改善のためのn-3 FA (4g/日)使用は重大心血管疾患イベント(MACE)をスタチン治療高リスク患者においてREDUCE-IT (Reduction of Cardiovascular Events With EPA Intervention Trial)において25%減少

高TG血症のEPA+DHA 4g/日処方トライアルは2020年結果が予想される。


脂質低下薬剤の単独、アジュバントとして 4g/日の用量n-3 FAs  (EPA+DHA or EPA-only) (総EPA+DHA 3g/日超)は有効で安全という結論





EPAだけの成分だとLDLコレステロールを増加しないが、EPA-DHA組み合わせだと増加する
これは無視して TG 500mg/dL以上症例で併用推奨して良いのだろうか?

気管支拡張症におけるCAT:心理的指標として有益

今日からCOPD以外の気管支拡張症やDPBなどでもCAT導入しようっと・・・

・・・・・・・・・・・

CAT (COPD ASSESSMENT TEST) In Bronchiectasis: Minimum Clinically Important Difference and Psychometric Validation. A Prospective Study
David De la Rosa Carrillo,  et al.
CHEST
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.08.1916
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(19)33460-9/fulltext?rss=yes

背景
気管支拡張(BE)において、Health-related Quality of Life (QoL)は最重要エンドポイントの一つ
しかし、HRQoL質問票の多くは時間がかかり、BEでは検証もされてない
COPD Assessment Test (CAT) は簡単な質問票であり、この研究の目的はBEでのCAT信頼性を評価

方法
BE患者の観察多施設前向き研究、CATの心理的特性を測定:
 :内的整合性 internal consistency (Cronbach´s α)、再現性 (test-retest; intra-class correlation coefficient [ICC])、判別妥当性 (重症スコアとの相関性:correlation with severity scores)、収束妥当性( correlation with some validated QoL questionnaire and other clinical variables of interest:検証済みQoLアンケートや他の着眼臨床変数との相関)、長期的な妥当性(変化と反応性を感知する為にフォローアップ中の急性増悪毎前後測定比較)、将来の悪化に対する予測的妥当性、および最終的に最小の臨床的に重要な差(MCID)

結果
患者 96名、1年間フォローアップ。平均年齢 62.2(15.8)歳(女性 79.2%)
CATにて内的整合性 internal consistencyは、α 0.95で、再現性 (ICC: 0.95)
CATの信頼性は全ての測定項目でexcellent(ほぼ全てPearson coefficient >0.40)、例外は重症度スコア (Pearson coefficient between 0.22-0.26)

急性増悪前後変化への感度は5.4〜5.8の間でセットされている
CAT値 10以上は1回を超えるの急性増悪の予後因子となり、MCID は3点とセットされる

結論
気管支拡張において、CATは優秀な心理的特性を提示し、容易に使える指標で解釈も容易





CAT
http://www.gold-jac.jp/support_contents/cat.html

I like CATというやつで・・・

もちろん、文法的には間違いですが・・・



2019年8月22日木曜日

加速度計という客観的評価による身体活動評価と死亡率の関連性

訳すときに困る言葉

sedentary :一応、座位とすることが多いが・・・実は日本語訳困難

一つの報告を上げると
 General recommendations for future sedentary physiology research efforts include that studies of sedentary behavior, including that of sitting time only, should focus on the physiological impact of a “lack of human movement” 
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4362885/

とにかく動かない時間の事で、必ずしも座位とは限らないはず、立位のままじっとしている状況もこれだと含むことになるが・・・
別の文献では、 sedentaryupright, standing, and walkingと別となっている。


実際、多くの混乱があるという記載がある

Sedentary Behavior Research Network (SBRN) – Terminology Consensus Project process and outcome
Int J Behav Nutr Phys Act. 2017; 14: 75.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5466781/

かなりの定義がある
“Sedentary behavior may be defined as having a MET value between one and 1.5 (for example, equivalent to sitting or lying down)”. [65]
“Sedentary behaviors were defined as having MET <2 .0="" down="" e.g.="" equivalent="" lying="" or="" sitting="" span="" style="white-space: pre;" to="">
[66]
“A distinct class of behaviors characterized by low energy expenditure”. [67]
“Sedentary behavior involves activities with a very low energy expenditure (1.0–1.8 metabolic equivalents [MET]), performed mainly in a sitting or supine position”. [68]
“Sedentary behavior refers to activities that do not increase energy expenditure substantially above the resting level and includes activities such as sleeping, sitting, lying down, and watching television, and other forms of screen-based entertainment. Operationally, sedentary behavior includes activities that involve energy expenditure at the level of 1.0–1.5 metabolic equivalent units (METs)”. [4]
“Sedentary behaviors such TV viewing, computer use, or sitting in an automobile typically are in the energy-expenditure range of 1.0 to 1.5 METs (multiples of the basal metabolic rate). Thus, sedentary behaviors are those that involve sitting and low levels of energy expenditure”. [2]
“Sitting, lying down, and expending very little energy (approximately 1.0–1.5 metabolic equivalents [METs])”. [56]
“Non-upright” activities”. [69]
“Sedentary behaviours are considered those requiring ≤1.5 METs.” [7]
“Sedentary behaviour, defined as time spent sitting or lying”. [70]
“The term sedentary behavior (from the Latin word sedere, “to sit”) describes a distinct class of activities that require low levels of energy expenditure in the range of 1.0–1.5 METs (multiples of the basal metabolic rate) and involve sitting during commuting, in the workplace and the domestic environment, and during leisure”. [6]
“Any waking behavior characterized by energy expenditure ≤1.5 metabolic equivalents (METs) while in a sitting or reclining posture”. [25]
この報告の結論は「定義をはっきりしてくれ」なのだ!



さらに、physical activityも問題
身体活動量なのか、身体活動性なのか、さらには身体活動強度の意味として physical activity intensityなどと表現しactivityが使われ混乱を生じている。これは日本語訳というプロセスでの混乱なのか、ホントに混乱が生じているのか?


以下は、加速度計という客観的評価による身体活動評価(様々な視点での指標)と死亡率の関連性を評価した報告

単なる聞き取り、インタビューによる身体活動評価ではないので信頼できるはず


Dose-response associations between accelerometry measured physical activity and sedentary time and all cause mortality: systematic review and harmonised meta-analysis
BMJ 2019; 366 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l4570 (Published 21 August 2019)
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l4570





Dose-response associations between total physical activity (top left), light intensity physical activity (LPA) (top right), low LPA (middle left), high LPA (middle right), moderate-to-vigorous intensity physical activity (MVPA) (bottom left), and sedentary time (bottom right, data from REGARDS (Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)9 and FHS (Framingham Heart Study) are only included for MVPA) and all cause mortality. Modelling performed using restricted cubic splines with knots at 25th, 50th, and 75th centiles of exposure specific distribution from medians of quarters (least to most active). The exposure reference is set as the median of the medians in the reference group (least active). Knot locations are available in supplementary table 8. cpm=counts per minute



目的 総身体活動量:total physical activity評価のための加速度計、身体活動の強度の違い、座位時間:sedentary timeと総死亡率の量依存性関連性を検討

Design Systematic review and harmonised meta-analysis.

Data sources PubMed, PsycINFO, Embase, Web of Science, Sport Discus from inception to 31 July 2018.

登録クライテリア 前向きコホート研究:身体活動量と座位時間を加速度計により評価し、全死亡率との相関性を評価、ハザード比、オッズ比、相対リスク+95%信頼区間で報告

データ抽出と解析 メタアナリシス・システミック・レビューを観察研究を対象に行い、PRISMAガイドラインに従った。2名の著者が独立してタイトルと要約をスクリーニング。2名の著者が独立してバイアスリスクを評価。個別レベルの被験者データを研究レベルでharmoniseし解析した。
身体活動量は研究レベルで4つにカテゴリー化、全死亡率との特異的相関をCox比例ハザード回帰解析施行。研究特異的結果はrandom effects meta-analysisで要約

主要アウトカム:全死亡率

結果 全てのテキストreviewから39研究を回収し、登録は10研究、harmonisation challenge(e.g. 加速度計手首設置)により除外3研究、一つの研究は参加なし。2つの未報告死亡率データを有する追加研究を追加

8つの研究からの個別データ(n=36,383; 年齢平均 62.6歳;女性 72.8%)、フォローアップ中央値 5.8年(range 3.0-14.5 年間)、死亡 2149(5.9%)にて解析

身体活動量は強度にかかわらず、死亡率リスク低下と関連するが、非線形の量反応関係

死亡率へのハザード比は第1・四分位 (活動量最小) 1.00(参照)とすると、第2・四分位 0.48 (95% 信頼区間  0.43 to 0.54) 、第3・四分位  0.34 (0.26 to 0.45)、第4・四分位  0.27 (0.23 to 0.32)

身体活動量のハザード比として
身体活動強度として軽度の場合、各々 1.00, 0.60 (0.54 to 0.68), 0.44 (0.38 to 0.51), 0.38 (0.28 to 0.51)
中等度・高度身体活動の場合、各々 1.00,  0.64 (0.55 to 0.74), 0.55 (0.40 to 0.74), 0.52 (0.43 to 0.61)

座位時間としては、ハザード比 1.00(参照;最小座位時間)、1.28 (1.09 to 1.51)、 1.71 (1.36 to 2.15)、 2.63 (1.94 to 3.56)となる

結論 身体活動量高レベルほど、強度にかかわらず、臥位など安静時間短いほど早期死亡リスク減少と相関し、中年・高齢では非線形の量反応関係である






moderate-to-vigorous intensity physical activity (MVPA)は20分程度が底のようだが・・・



禁煙後心血管疾患リスクは軽減するが5年間を超えて影響残る

Association of Smoking Cessation With Subsequent Risk of Cardiovascular Disease
Meredith S. Duncan, et al.
JAMA. 2019;322(7):642-650. doi:10.1001/jama.2019.10298


意義  禁煙後の心血管疾患:CVDリスクの時間経過に関しては不明瞭。リスク計算は5年感のみのリスクが計算されていた。
目的:筋炎後の年数とCVD発生の関連性を評価
デザイン・セッティング・被験者 ベースラインでCVD有さないFramingham Heart Study被験者前向き集積データの後顧解析(original cohort: attending their fourth examination in 1954-1958; offspring cohort: attending their first examination in 1971-1975)、2015年12月まで

暴露  time-updateされた自己報告喫煙常態、禁煙からの年数、累積pack-years

主要アウトカムと測定項目  CVD(心筋梗塞、卒中、心不全、心血管死)発生
プライマリ解析:両コホート(pool化)と重度喫煙者(≥20 pack-years).限定

結果  研究populationは 8770名  (original cohort: n = 3805; offspring cohort: n = 4965) 、平均年齢 42.2 (SD, 11.8) 歳、男性45%
喫煙既往 5308名、pack-yerasベースライン 中央値17.2 (IQR , 7-30)、重度喫煙 2371(喫煙既往 406 [17%]、現行喫煙 1965 [83%]

フォローアップ年数中央値 26.4年間において、初回CVDイベント 2435 ( original cohort: n = 1612 [重度喫煙 n = 665]; offspring cohort: n = 823 [重度喫煙 n = 430]).

pooled cohortにおいて現行喫煙比較おいて、禁煙後5年間は、有意にCVDリスク低下と関連  (千人年あたり発生率: 現行喫煙, 11.56 [95% CI, 10.30-12.98]; 5年間内禁煙, 6.94 [95% CI, 5.61-8.59]; 差, −4.51 [95% CI, −5.90 to −2.77])、CVD発症リスク低下と関連   (ハザード比, 0.61; 95% CI, 0.49-0.76)

pooled cohortにおいて、Never smoker比較において、禁煙後10-15年感でCVDリスク増加の有意差が継続しなくなる 千人年あたり発生率: : never smoking, 5.09 [95% CI, 4.52-5.74]; 10 年〜15 年間未満禁煙, 6.31 [95% CI, 4.93-8.09]; 差, 1.27 [95% CI, −0.10 to 3.05]; ハザード比, 1.25 [95% CI, 0.98-1.60]).


結論と知見 重度喫煙者において、禁煙により、喫煙継続者と比較してCVDリスク減少5年内に有意性認める。しかし、never smokerに比べ、喫煙経験者はCVDリスクは禁煙後も5年間を超えて増加継続する





"5年 禁煙後5-15年で脳卒中のリスクが非喫煙者と同じになる"


訂正した方が・・・

インフォグラフィック 米国COPD

日本版を出してほしい

世間の認知の低いCOPD、問題点を明確化するためには有益かもしれない


日本では2017年COPD死亡率増加しているんだけど・・・
http://www.gold-jac.jp/copd_facts_in_japan/
その後も
H29 COPD死亡数 18,523
H30 COPD死亡数 18,572
で高止まり

COPDの認知の高まりで死亡原因として診断書に記載しやすくなった?

以下、オリジナルの話


JAMA Infographic
Prevalence and Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD) in the United States
Adam I. Biener,  et al.
August 20, 2019
JAMA. 2019;322(7):602. doi:10.1001/jama.2019.10241
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2748492


2014年と2015年に、40歳以上の成人の6%以上が慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断されたと報告。多くの慢性疾患の有病率は上昇しているが、COPDの有病率は2008年と2009年の7.2%から2014年と2015年の6.4%に減少した。
慢性閉塞性肺疾患の有病率は低所得、公的保険、喫煙。現在の喫煙者の約15%が、2014年と2015年にCOPDと診断されたと報告したのに対し、以前の喫煙者の約10%と、喫煙していない人の3%である。
COPDの成人は、COPDと診断されていない成人と比較して、別の慢性疾患と診断されたことを報告する可能性が高かった。特に、COPDのない人の約44%と比較して、COPDのある人の64%は高コレステロールと診断されたと報告。
COPDの成人では、気管支拡張薬とコルチコステロイドの使用と同様に、救急部門のサービスの使用と処方薬への支出が増加している。  COPDの成人の約33%が、短時間作用型気管支拡張薬の服用を報告した(2014年と2015年の成人の39%近く)。一方、コルチコステロイドの支出は減少し、気管支拡張薬の支出は増加した。


























2019年8月21日水曜日

ビスフォスフォネートでは死亡率改善せず

ビスフォスフォネート治療が主だが、治療により骨折リスクだけでなく総死亡率減少効果あるのではないかと報告があったが、それが本当なら死亡率増加というだけで骨折リスクにかかわらず処方推奨となってしまう。

ということで、メタアナリシス





Association Between Drug Treatments for Patients With Osteoporosis and Overall Mortality Rates
A Meta-analysis
Steven R. Cummings, et al.
JAMA Intern Med. Published online August 19, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.2779

38の臨床トライアル、 101,642名のユニーク被験者のうち、38対象として、全ての薬剤治療のメタアナリシス  (プラシーボ対照割り付け 45 594 ;治療群 56 048);
ビスフォスフォネート治療の21の臨床トライアル(プラシーボランダム割り付け 20 244 、治療割り付け 6926)

全ての薬剤の骨粗鬆症と総死亡率の関連性を検討したところ相関性認めず (リスク比 [RR], 0.98; 95% CI, 0.91-1.05; I2 = 0%)

ビスフォスフォネートの臨床トライアルでは総死亡率と有意相関認めず(RR, 0.95; 95% CI, 0.86-1.04)
同様に、ゾレドロン酸治療臨床トライアルでも総死亡率への相関認めず(RR, 0.88; 95% CI, 0.68-1.13) ;しかし、heterogeneityを示すエビデンス  (I2
= 48.2%)








骨折予防=死亡率改善 ・・・ と書かれているのがあるが、少なくとも薬剤ではみとめない

2019年8月19日月曜日

GLP-1受容体アゴニスト:MACEベネフィット システミック・レビュー&メタアナリシス

GLP1- Receptor agonist (GLP1-RA)はSGLT2iともに心血管リスク増加させないどころか、ベネフィットが示されつつある

GLP-1受容体アゴニストは投与ルートが複数有り、ベネフィットに関してなかなか一様にいえないのではないかと思うが、一応、システミック・レビュー&メタアナリシスがなされている



Cardiovascular, mortality, and kidney outcomes with GLP-1 receptor agonists in patients with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of cardiovascular outcome trials
Søren L Kristensen, et al.
The Lancet  Diabetes & Endocrinology
Published:August 14, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-8587(19)30249-9
https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(19)30249-9/fulltext


Medpageから
https://www.medpagetoday.com/cardiology/diabetes/81658

Glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonist:GLP-1 RAが2型糖尿病の治療レジメンに組み込まれると、複数の利点がもたらされる



  • Harmony Outcomes: アルビグルチド albiglutide (Tanzeum) 日本発売?
  • REWIND:デュラグルチド dulaglutide (Trulicity) wikipedia記載なし
  • PIONEER 6: oral semaglutide (investigational) :注射用オゼンピックはあるが・・・経口発売未だ

MACE 減少は、致死性、非致死性卒中の有意減少 (HR 0.84, 95% CI 0.76-0.93)
しかし、心血管死亡 (HR 0.88, 95% CI 0.81-0.96) 、致死性非致死性心筋梗塞 (HR 0.91, 95% CI 0.84-1.00) も有意に減少

メタアナリシスは、2型糖尿病 成人 56,004名で施行

2008年時点の視点に戻すと、FDAは、新規2型糖尿病治療薬に対してランダム化MACE心血管アウトカムを製薬会社へ要求した



心血管系安全性提示主目的MACE複合アウトカム評価によりほぼ20種類の主要心血管アウトカムトライアルはほぼその安全性を2012年までに提示されたが、ベネフィットを示したのはGLP-1 RAとSGLT2iであった。

MACEアウトカムの深掘りによりKristensenらは、一次予防 vs 既存心血管疾患ありでも統計学的にheterogeneityを示さず P値 0.22とした

しかしSandleは、一次予防群のHRは 0.95(95% CI, 0.83-1.08)で説得力が無く、REWIND以前では 1.20、1.00、 0.99でベネフィットシグナルを示さないとした

MACE減少ベネフィットを俯瞰すると、KristensenらのグループはGLP-1 RAは全死亡率の 12%減少に関連(HR 0.88, 95% CI, 0.83-0.95, p=0.001)で、心不全入院率も 9%低下 (HR 0.91、95%CI 0.83-0.99、P = 0.028)
SGLT-2 iでは (0.69, [number needed to treat] 約100)で、それよりもさらに少ない効果


腎アウトカム複合的な評価としては  Harmony Outcomes (albiglutide) と PIONEER 6 (oral semaglutide) trialを除外すると、GLP-1 RAにて17%程副事象アウトカム減少 
 (HR 0.83, 95% CI 0.78-0.89, P<0.0001)
尿中アルブミン排泄が主にこのアウトカム減少に寄与。eGFR減少率低下へのベネフィットはSGLT-2iの報告より乏しいかもしれない







こうやってみると 心血管、一部腎機能へのベネフィットはSGLT2iの方がやや有意か?


ただ、SGLT2iは運命的にリスクが伴う

The Good, the Bad, and the Ugly: Sodium–Glucose Cotransporter-2 Inhibitors (Gliflozins) and Perioperative Diabetes
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0310057X1804600202


厳格な症例選択検討が必要

2019年8月16日金曜日

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 統合モデルの可能性

myalgic encephalomyelitis/ chronic fatigue syndrome (ME/CFS) についてのNIH基金関連研究のまとめ

"ICD10対応標準病名マスターでは、神経系の疾患としてG93.3に分類されている(病名は、ウイルス感染後疲労症候群、慢性疲労症候群、良性筋痛性脳脊髄炎の3つを列挙)"ということで、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群


Advances in Understanding the Pathophysiology of Chronic Fatigue Syndrome
Anthony L. Komaroff, MD
JAMA. 2019;322(6):499-500. doi:10.1001/jama.2019.8312
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2737854



Institute of Medicine of the National Academy of Sciences が、2015年、 "myalgic encephalomyelitis/ chronic fatigue syndrome (ME/CFS) は、重症で、慢性の、複雑な全身b性疾患で、しばしば患者の生命に深く影響を与える”とし、米国内で推定250万名罹患、年間約170〜240億米ドルに直接・間接的出費を生じる疾患であるとした。



米国NIHは、異例の包括的多システム研究で、3つの extramural ME/CFS research centerにファンドを与え、7つの既存グラントをサポートするawardをだし、定期的遠隔ブリーフィングを開催した。2019年4月、直近の進展に焦点が当てられた。

いくつかのplausible modelも提案された



中枢神経・自律神経系

1990年代からME/CFS患者と年齢・性別マッチ化健常対照比較でいくつかの違いを見いだされた
•神経内分泌異常は、報告された最初の証拠の1つであり、いくつかの辺縁部-視床下部-下垂体軸(コルチゾール、プロラクチン、および成長ホルモンの最終産物を含む): limbic-hypothalamic-pituitary axes (involving cortisol, prolactin, and growth hormone end products)の障害を伴う。うつ病で見られる視床下部-下垂体副腎軸のアップレギュレーションとは対照的に、ME / CFS患者では視床下部-下垂体副腎軸の一般的なダウンレギュレーションが見られる
•多くの研究者が認知障害を発見。それには、情報処理速度の低下、付随する精神障害では説明できない記憶力や注意力の低下が含まれる。
•磁気共鳴画像法により、白質の高信号の点状領域の数が増加していることが明らかに。機能的磁気共鳴画像法は、聴覚と視覚の課題、および作業記憶のテストに対するさまざまな反応、および異なる脳領域間の変化した接続性を実証している。
•陽電子放射断層撮影法と磁気共鳴分光法は、ME / CFS患者の神経炎症(特にミクログリア細胞の活性化)が広範囲であり、 choline-creatinine 比率が増加し、疲労のレベルと相関する乳酸レベルが増加していることを最近明らかに. 脊髄液には、組織の損傷と修復に関与するタンパク質のレベルが増加している。
•自律神経系の異常はME / CFSで繰り返し示されており、特に症状と相関する全身および脳の血行動態の変化がある。直立姿勢が長引くと、心拍数の異常な増加と血圧の低下が報告された。;心拍数と血圧の反応が正常な場合でも、脳血流の大幅な減少が認められる。



代謝変化
最近、血液またはその他の体液サンプル中の数千の代謝物を同時に測定することが可能になりった。 いくつかのそのようなメタボロミクス研究により、ME / CFSの患者では、多くの代謝産物のレベルが hibernation:冬眠時に起こるように正常よりも低いことが明らかになっています。 言い換えると、人間の有機体は、その細胞にエネルギーを生成する(そしておそらく使用する)問題があるため、「エネルギー」が不足していると感じるかもしれない。 さらに、多くの研究で、酸化ストレスとニトロソ化ストレスの両方のマーカーが報告されている。たとえば、iNOSのレベルの増加など。


免疫学的変化
リンパ球では多くの表現型および機能異常が報告されている 。 最も一貫して報告されているのは、活性化された細胞傷害性CD8 + T細胞の数の増加と機能不全のナチュラルキラー細胞。 多くのサイトカインの血中濃度は、ME / CFSの患者、特に病気の最初の3年間で著しく高くなる。 さらに、循環サイトカインの多くのレベルは、症状の重症度と正の相関があり、髄液中のいくつかのサイトカインの異常なレベルも報告されている。

誘発研究
ME / CFSの患者では、身体的、姿勢的(起立性)、および認知的challengeにより、通常12から48時間遅れて、postexertion malaiseと呼ばれる症状のフレアがしばしば発症する。 provocation studyでは、ME / CFSの人が気分が悪くなるchallengeが生物学的異常を悪化させるかどうかを明らかにしようとしている。 その場合、異常が病気の症状に因果関係がある可能性が高くなる。
NIH conferenceでの運動中のmultiple studyからのエビデンス要約を行い、運動によっての"difficulty extracting oxygen”で、AT値低い状態であること、心拍数、血圧、前負荷低値で、それは初回後24時間後反復の2番目の運動時点が特に著明となる


統合モデルの可能性

ME / CFSが、傷害または潜在的な傷害に対する生物学的に古く、進化的に保存された反応の活性化となっているか、あるいは、これらの反応をスイッチオフにすることが病理学的に不能となっているか、はたまた、その両方の反映だとどうなるか? 
NIH conferenceでのいくつかのプレゼンテーションにより、動物モデルを引用して、 low-grade neuroinflammationがトリガーとなり、活動や食欲​​の減少、睡眠の増加など、防御的行動変化を引き起こすことが提示された。これにより、利用可能なエネルギーを温存し、傷害の予防または治癒に集中させる。このステレオタイプ化された行動の変化は、おそらく “fatigue nucleus” (a group of neurons)によって引き起こされます。nucleusは、神経炎症によって生成されたサイトカインによってトリガーとなる。
神経炎症は、個人ごとに異なるトリガーを持つ可能性があり、一部では、脳ヘルペスウイルス感染(慢性ヘルペスウイルス感染など)、自己抗体、神経毒、または慢性ストレスによって誘発される可能性がある。他の例では、脳外の炎症が脳内のinnate immune systemを活性化し、液性シグナルを通してporousな血管脳関門を通過するか、もしくは、腸管炎症も神経炎症の末梢トリガーの一つとなることがエビデンスで示されており;腸管microbiotaがME/CFS患者で炎症誘発性speciesを多数具有し、抗炎症性speciesが少ないという報告もある。 
ME / CFSの患者に見られる比較的低代謝状態は、傷害に対する2番目の、おそらく関連する生物学的に古代の反応を反映している可能性がある。このような代謝低下は、線虫Caenorhabditis elegansの state of dauer (ie, a developmental larval stage:幼虫発達段階) およびより複雑な動物の冬眠: hibernation 中に見られる。 
state of dauerと冬眠により、重要な脅威(虫の群れやクマの冬など)を知覚する動物は、不可欠な機能に必要なエネルギーを保存するために、不必要なエネルギー消費代謝プロセスを抑制できる。すなわち、動物は生き続けるために機能する能力を一時的に犠牲にしている。state of dauerと hibernation を開始(および終了)する信号は既知で研究者たちは、ME/CFS患者の活性化あるいは不活性化を打ち消す方法を研究中である





大雑把すぎるが、hibernationあるいはdauerが基本モデルということになりそう


就寝1−2時間前温浴は睡眠の質、睡眠効率、入眠潜時改善効果をもたらす

一般的な指導法が正しいということが確認された


Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep:
Shahab Haghayegh,  et al.
Sleep Medicine Reviews Volume 46, August 2019, Pages 124-135
https://doi.org/10.1016/j.smrv.2019.04.008
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1087079218301552?via%3Dihub

就寝前の温水シャワーや入浴などのWater-based passive body heating (PBHWB):水ベースの受動的加温の効果がシンプルな睡眠の改善手段して推奨されることが多い。
入眠潜時:sleep onset latency (SOL)、中途覚醒:wake after sleep onset、睡眠効率:sleep efficiency (SE)、徐波睡眠、主観的睡眠の質検討された研究のシステミック・レビュー&メタアナリシス


5322の候補論文が得られ、そのうち17が重複を除去した後に登録基準を満たし、13のメタ分析の比較可能な定量データ


40–42.5 °CのPBHWBは自己評価rate睡眠の質と睡眠効率、予定睡眠1−2時間前施行時入眠潜時10分程度の短縮化を示した

これら知見はPBHWB効果のメカニズムと一致。PBHWBは、手掌と足底への血液灌流の増加による体温低下をもたらし、遠位から近位の皮膚温度勾配を増強して体の熱放散を強化する

しかし、PBHWBに関するこれら知見は研究報告が比較的少ないため追加研究が必要で、特に、適正なタイミングとその時間+正確な効果メカニズム検討が必要。





Forest plot of standardized mean difference (Cohen's d) between treatment and baseline nights of sleep onset latency (SOL).







2019年8月13日火曜日

無症候性高血圧症の過剰治療: Emergency or Urgency

Overtreatment of Asymptomatic Hypertension—Urgency Is Not an Emergency
A Teachable Moment
JAMA Intern Med. 2018;178(5):704-705. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0126


高血圧と慢性膵炎の77歳の女性は、心窩部痛で入院した。彼女の包括的な代謝パネルと完全な血球数の結果は正常でした。腹部のコンピューター断層撮影は目立たなかった。慢性膵炎に続発すると考えられていた痛みを緩和するために、静脈内(IV)モルヒネが投与されました。彼女の痛みはモルヒネで十分に制御されていました。しかし、彼女の血圧は一時的に100/64 mm Hgに低下し、それに応じて3種類の家庭血圧薬が保持されました。翌日、患者は上腹部痛の再発を報告し、血圧は247/118 mm Hgであると記録されました。彼女はすぐにヒドララジン20 mgを1回1回投与し、血圧を90/54 mm Hgに低下させ、数時間低血圧を保ちました。彼女はめまい、吐き気、嘔吐を経験しました。彼女は、通常の生理食塩水と吐き気のための制吐薬を静注しました。翌日、彼女は急性腎障害を患い、そのために彼女の長期の低血圧が寄与した可能性が高い。彼女は腎機能が改善し、家庭用降圧薬で再開されるまで、さらに2日間モニターされました。

Teachable Moment
Hypertensive crisis は、蓋然性として内臓損傷をもたらす血圧の急激な増加です。end-organ damageの有無に基づいて、それぞれ hypertensive emergency or hypertensive urgencyとして分類されます。徹底した病歴と身体診察の実施は、 hypertensive emergency or hypertensive urgencyを区別する上で不可欠です。 
hypertensive emergency の最も一般的な症状には、胸痛、呼吸困難、神経障害が含まれます。hypertensive emergency は、高血圧性脳症、脳卒中、急性肺水腫、腎不全などの生命にかかわる状態につながる可能性があるため、集中治療室への入院時に速やかに治療する必要があります。逆に、hypertensive urgencyは、コントロール不良のための高血圧の長期合併症を避けるために効果的な経口レジメンを見つけることに焦点を当てて、外来患者の環境で安全に治療することができます。
違いにもかかわらず、臨床医はしばしばemergency でも urgency でもIV降圧療法治療します。一連の後顧的研究では、すべての入院患者のうち4%がhypertensive urgencyのために1回IV降圧薬がオーダーされました。 
ガイドラインでは、経口剤で高血圧の緊急性を管理し、数時間から数日かけて徐々に血圧を下げることを推奨しています。一方、高血圧emergencyには、すぐに注意を払う必要があり、静脈内投与薬で血圧を急激に低下させて症状を緩和します。



さらに、コントロール不良高血圧の潜在的な合併症の恐れは、積極的な治療を部分的に促進する可能性があります。この恐怖は、無症候性の血圧上昇において短期の主要な心血管有害事象の割合がまれであるという証拠にもかかわらず存在する可能性がある。
高血圧性urgencyを有するの58 000名超の外来患者対象の後顧的コホート研究では、救急部門に紹介された患者と外来環境で治療された患者の主要な心血管有害事象の発生率に差はなく、入院によるコスト増大をもたらすという結果であった。
高血圧urgency治療にはそれほど積極的ではないアプローチが安全に見えますが、IV薬剤による積極的な血圧低下は、この患者の場合のように、低血圧、脳卒中、臓器損傷などの有害事象につながる可能性がある。前述の後顧的報告では、高血圧性urgencyの治療により、患者の3分の1以上で有害事象が発生した。罹患率は、脳、冠状動脈、および腎臓の動脈床の血圧および/または血流自己調節範囲よりも低い血圧を変更することにより生じる可能性があり、これにより、灌流が実質的に減少し、虚血および梗塞に至る。

臨床医は、降圧療法を反射的に開始する前に、血圧上昇の原因を詳細に評価する必要がある。在宅血圧薬の不足、不安、痛み、体液量過多などの代替病因について患者を評価する必要があります。血圧を治療する前に、代替病因を最初に治療する必要がある。代替病因の治療にもかかわらず、患者が無症候性で高血圧である場合、経口降圧薬を開始しうる。
この患者は、ヒドララジン静注の代わりに経口降圧薬を選択した場合、潜在的に低血圧および静注液の必要性、制吐薬、腎臓損傷、入院期間の延長を回避できた可能性がある。
彼女の血圧を急速に下げるのではなく、彼女の心窩部痛に対処し、徐々に自宅の血圧レジメンを回復することに焦点を当てるべきであった。最終的には、高血圧性尿意切迫感の治療には、効果的な経口レジメンの確立が必要であり、コントロールされていない血圧の長期的な害と積極的な血圧低下の短期的な害を回避する。 このような症例は毎日発生し、入院患者の介入を求めて、ケアチームが高血圧の緊急性でIV降圧薬を避け、胸痛や精神状態の変化などの臓器障害の症状を経験している患者に使用を制限するよう促す。




“Asymptomatic Hypertension—Urgency Is Not an Emergency”


でも、病棟やら外来で、騒ぐ人が居るんだよな


それと・・・

皆さんご存じだと思いますが、日本の添付文書に書かれているアプレゾリンの使用法は極めて乱暴なので注意しましょう! いい加減添付文書直せよ

Posology and method of administration
Adults: Initially 5 to 10 mg by slow intravenous injection, to avoid precipitous decreases in arterial pressure with a critical reduction in cerebral or utero-placental perfusion. If necessary a repeat injection can be given after an interval of 20-30 minutes, throughout which blood pressure and heart rate should be monitored. A satisfactory response can be defined as a decrease in diastyloic blood pressure to 90/100 mmHg. The contents of the vial should be reconstituted by dissolving in 1 ml of water for injection BP. This should then be further diluted with 10 ml of Sodium Chloride injection BP 0.9% and be administered by slow intravenous injection. The injection must be given immediately and any remainder discarded. Hydralazine may also be given by continuous intravenous infusion, beginning with a flow rate of 200-300µg/min. Maintenance flow rates must be determined individually and are usually within the range 50-150µg/min. The product reconstituted as for direct iv injection may be added via the infusion container to 500 ml of Sodium Chloride Injection BP 0.9% and given by continuous infusion. The addition should be made immediately before administration and the mixture should not be stored. Hydralazine for infusion can also be used with 5% sorbitol solution or isotonic inorganic infusion solutions such as Ringers solution.



アプレゾリン


【効能又は効果】
高血圧性緊急症(子癇、高血圧性脳症等)
【用法及び用量】
ヒドララジン塩酸塩として、通常成人1回20mgを筋肉内又は徐々に静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。


IDACO:自由行動下血圧と診察室血圧の総死亡と脳心血管病発症との関連

標準的血圧測定というのが問題なのだが・・・自動診察室血圧automated office blood pressure (AOBP) との対比で議論を呼びそう


AOBP vs ABPMは続く・・・




24時間と夜間の血圧値の組み合わせが脳心血管病発症リスク予測に有用
学校法人帝京大学 2019年08月07日 12時00分
https://japan.cnet.com/release/30355358/




Association of Office and Ambulatory Blood Pressure With Mortality and Cardiovascular Outcomes
Wen-Yi Yang, et al. for The International Database on Ambulatory Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcomes (IDACO) Investigators
JAMA. 2019;322(5):409-420. doi:10.1001/jama.2019.9811
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2740719

意義:血圧(BP)は全死亡率や心血管疾患特異的死亡率、非致死性アウトカムの既知のリスク要素。どの血圧指数がこれらアウトカムと強く関連することは実は不明確

目的:死亡及び複合的CVイベントと血圧指数の相関性を評価

デザイン・セッティング・被験者 長軸的住民ベースコホート研究 11135名(欧州、アジア、南アメリカ成人)、ベースライン観察:1988年5月〜2010年5月(最終フォローアップ 2006年8月〜2016年10月)

暴露:血圧測定:観察者とautomated office machine;24時間、昼間、夜間、dipping ratio(夜間血圧÷昼間血圧)

計測法
看護師または医師は、標​​準的な水銀血圧計または検証済みの聴診器またはオシロメトリック装置を使用して従来の測定値を取得した。従来の血圧が140/90 mm Hg以上の場合、または降圧薬を服用している場合、患者は高血圧であるとみなされた。
自由行動下血圧モニタリングの場合、ポータブルモニターで1日中30分間隔で、または昼間は15〜30分間隔で、夜間は20〜60分の間隔で歩行測定値を取得するようにプログラムされた。ヨーロッパおよび南アメリカの国では午前10時から午後8時まで、アジア諸国では午前8時から午後6時まで。対応する夜間の間隔は、ヨーロッパおよび南アメリカの国では真夜中から午前6時まで、アジア諸国では午後10時から午前4時まで。分析のために、歩行記録には、少なくとも6つの日中時間と3つの夜間測定値が含まれていなければならない。
医療環境で患者が監視されている最初の1時間の間に自動化されたデバイスによって取得された平均BP記録を使用した。
dipping ratioは、夜間血圧を昼間血圧値で割ることによって計算された。収縮期血圧に焦点を当てたのは、それが高齢者の主要な危険因子であり、この研究の患者の平均年齢が53.4歳だったため。収縮期血圧の所見を再現するために拡張期血圧を分析した。 
カテゴリー分析で、dipping ratioはextreme dipping 0.80以下、normal dipping は0.80から0.90以下、nondipping 0.90から1.00以下、reverse dipping 1.00超

主要アウトカムと測定項目:多変量補正ハザード比(HRs):血圧値 20/10 mmHg増加毎、死亡 or CVイベントリスク。心血管イベントは心血管死亡率+非致死性冠状動脈イベント、心不全、卒中。モデルパフォーマンス改善性はAUCの変化で評価

結果
11,135名登録(年齢中央値 54.7歳、女性 49.3%)、フォローアップ年数中央値 13.8年間中、死亡 2836(1000人年対 18.5)、CVイベント経験 2049 (1000人年対 13.4)

両エンドポイントは有意に収縮期血圧indexと相関(p<0.001)

夜間収縮期血圧値に対し総死亡率ハザード比 1.23 (95% CI, 1.17-1.28)、CVイベント 1.36 (95% CI, 1.30 - 1.43)

24時間収縮期血圧に対して、総死亡率ハザード比は 1.22(95% CI, 1.16-1.28)、CVイベント 1.45 (95% CI, 1.37 - 1.54)


他の全ての収縮期血圧index補正によっても、夜間・24時間持続収縮期血圧値のプライマリアウトカムへの相関は有意性残存 (HRs ranging from 1.17 [95% CI, 1.10-1.25] to 1.87 [95% CI, 1.62-2.16])

収縮期血圧 indexを含むbase modelによる死亡率へのAUC 0.83、CVアウトカムへのAUC 0.84

24時間血圧或いは夜間収縮期血圧をbase modelに加えるとAUC増加改善は、死亡率に関して 0.0013-0.0027、複合CVアウトカム 0.0031-0.0075

夜間or 24時間収縮期血圧が加わっているindexにさらにすべての血圧指数をモデルに加えても モデルパフォーマンスは有意に改善せず
これらは拡張期血圧とも一致した所見である






dipping statusによるアウトカム変化




結論と知見
この住民ベースのコホート研究において、24時間および夜間血圧測定値高値ほど有意に死亡、複合心血管疾患アウトカムリスク増加し、他の診療所ベース、携帯血圧測定値補正後もリスク増加を示す。24時間及び夜間血圧測定値はCVリスク推定のための最適な測定方法と考えられ、他の血圧測定値による数値モデルのパフォーマンス改善は望めなかった


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note