対照としての“通常ケア”は、医師の通常治療であり、この群でも約50%が何らかの検診を受けている。
故に、無検診群というわけではなく、さらに、この差が開くことを意味する・・・と筆者ら。
コロノスコピーは大腸全体をカバーし、医師には好まれるが、麻酔や緩下剤処置を必要であり、コストも高くなる。$150-300 vs $1,000-2,000となる。
Colorectal-Cancer Incidence and Mortality with Screening Flexible Sigmoidoscopy
Robert E. Schoen, et. al.
the PLCO Project Team
NEJM May 21, 2012 (10.1056/NEJMoa1114635)
1993-2001年、154900名の男女(55-74歳)
3-5年のシグモイドスコピー繰り返し vs 通常ケア
77445登録者をランダムにスクリーニング(介入群)割り付けたうち、83.5$がベースラインでフレキシブル・シグモイドスコピー、54.0%が3-5年毎検診
11.9年フォローアップ中央値の後、結腸直腸癌頻度は、
介入群(1012例) 1万人年対 11.9
通常ケア群(1287)1万人年対 15.2
21%リスク減少(相対リスク、0.79;95%信頼区間[CI], 0.72-0.85; p<0.001)
遠位側がんの頻度で特に有意で、介入群 479 vs 通常ケア群 669;相対リスク 0.71;95%CI、0.64-0.80;P<0.001
近位側がんでは、512例 vs 595例;相対リスク 0.86;95%CI 0.76-0.97;P=0.01
直腸結腸がん死亡率は、1万人年あたりの介入群(252死亡)で 2.9、 通常ケア群で3.9(341死亡)、26%減少(相対リスク 0.74;95%CI 0.63-0.87;P<0.001)
遠位側大腸がん死亡率は50%減少(介入群 87死亡 vs 通常ケア群 175死亡;相対リスク、0.38-0.64; P<0.001);近位側大腸がん死亡率は影響を受けない(143 , 147 ;相対リスク, 0.97; 95% CI, 0.77 - 1.22; P=0.81)