LABA/LAMA併用は動的過膨脹抑制による身体活動活発化の期待から処方されているが、心筋酸素消費量増大に繋がらないか疑念も存在する。COPDに対して長時間作用型気管支拡張剤の治療を開始した患者の全国コホート内で行われた最近の症例対照研究(BMJ Open Respir Res . 2021 Jan;8(1):e000840. doi: 10.1136/bmjresp-2020-000840. )では、LAMAとLABAの二重療法を受けている患者は、LAMAのみを受けている患者と比較して、急性冠症候群(ACS)のリスクが高いことが分かった。ニュージーランドの2つの地域のプライマリケアで心血管リスク評価を受けたすべての人のデータを含む独自のデータセットに基づいて寄与要素をより細かく補正したnested case-control study
症例対照研究なので冷静に扱う必要はあるが・・・
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Dual versus single long-acting bronchodilator use could raise acute coronary syndrome risk by over 50%: A population-based nested case–control study
Lianne Parkin, et al.
Journal of Internal Medicine, First published: 21 July 2021
https://doi.org/10.1111/joim.13348
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/joim.13348
【背景】慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では、COPDでない患者に比べて冠動脈疾患の発生頻度が高い。長時間作用型気管支拡張薬は、急性冠症候群(ACS)のリスクを高める可能性を示唆する研究もあるが、COPDに2種類の長時間作用型気管支拡張薬を使用した場合と1種類の長時間作用型気管支拡張薬を使用した場合の心血管への影響について、実際の臨床現場からの情報は限られている。我々は、長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)と長時間作用型β2作動薬(LABA)の両方を使用した場合のACSのリスクを、LAMAを使用した場合と比較して推定するために、人口ベースのネステッドケースコントロール研究を行った。
【方法】本研究では、プライマリーケアのPREDICT心血管疾患コホートと、地域の研究機関およびニュージーランド保健省の全国データコレクションから得られたリンクデータを用いた。対象となるコホート(n=29,993)は、2006年2月1日から2016年10月11日の間にCOPDに対してLAMAおよび/またはLABAによる治療を開始した45~84歳の患者で構成されていた。1490例のACS患者と13,550例の対照者を、生年月日、性別、コホートエントリー日(長時間作用型気管支拡張剤の初回調剤日)、COPDの重症度でマッチさせた。
【結果】LAMA療法の現在の使用と比較して、LAMAとLABAの二重療法の現在の使用は、ACSの有意に高いリスクと関連していた(調整OR = 1.72; [95% CI: 1.28-2.31])。
【結論】LAMA単剤療法よりも長時間作用型気管支拡張薬の二重療法の方が、ACSのリスクを50%以上高める可能性がある。このことは、二重療法の利点が控えめであることを考えると、COPD治療強化の潜在的な利益/害の比率に関する決定に重要な意味を持つ。
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