2013年12月11日水曜日

2型糖尿病・肥満患者:朝食にカロリー比重を置く食事法は、代謝特性、血糖コントロール上優れ、必要薬剤数も減少

高蛋白・高脂質にてエネルギー比重を朝食に重きをおいた食事法は、体重過多の2型糖尿病患者の血糖コントロール上有効

朝食抜きは、2型糖尿病など、代謝的にも、高血圧にも良くない


"Big breakfast rich in protein and fat improves glycemic control in type 2 diabetics"
Rabinovitz HR, et al
Obesity 2013; DOI: 10.1002/oby.20654.


【目的】
2型糖尿病成人で、朝食のサイズと、体重・血糖コントロール、メタボリックマーカーを評価

【デザイン・メソッド】
59名の2型糖尿病過体重・肥満成人を等カロリー糖尿病食3ヶ月ランダム化
・big breakfast (BB):脂肪・蛋白豊富、一日総カロリーの33%に相当
・small breakfast (SB):炭水化物主体、一日総カロリーの12.5%に相当

【結果】
体重は両群同等に減少するが、BB群はHbA1c、収縮期血圧減少多大 (HbA1c: −4.62% vs. −1.46%, p = 0.047; SBP −9.58 vs. −2.43 mmHg; p = 0.04)

2型糖尿病薬剤投与量は、BB群でより、減少比率多くなる( 31% vs. 0%; p = 0.002)
一方、SB群では、薬剤投与量増加比率が多くなる (16.7% vs. 3.4%; p = 0.002)

BB群で、空腹スコアはより低値で、空腹時血糖の改善が寄り多く見られる。
【結論】
朝食に、蛋白脂肪エネルギー加重を置いた食事パターンは、メタボリック特性優れ、2型糖尿病の有効な食事療法。

朝食に着眼した研究はいくつかあり、いずれもが朝食比重高い場合包括的1日のカロリー減少、体重増加少ないとされるが、一つは、正常・肥満者で全体的カロリー摂取増加報告が一つはあった。この研究では体重減少の群間差が1kg程度、メタボリックな改善はこれでは説明できない。満腹感にかかわるなにかが今後の課題。消化管ペプチドなど・・・

写真ばかり撮ってては記憶が残らない;思いで作りのため、写メは控えよう

Point-and-Shoot Memories: The Influence of Taking Photos on Memory for a Museum Tour
Psychological Science 0956797613504438, first published on December 5, 2013 as doi:10.1177/0956797613504438


観光地などを回っても写真ばかり撮り、旅行の記憶が残らない。

学生を対象に芸術博物館のガイドツアーを企画し、観察被写体と写真被写体との記憶研究
特定の対象物に対してはメモを慎重にとるよう指示し、翌日、想起試験。

写真は思い出す上で役立ちそうだが、実は、逆に働く。


対象物観察がもおろそか、記憶作業もおろそかで、記憶にしまおうとする作業である写真撮影も逆効果になる。


解説記事:http://guardianlv.com/2013/12/taking-a-picture-may-cause-memory-loss/

FDA安全性懸念:脂肪萎縮症治療薬:メトレプチンは全身型に有効だが、部分型への効果ばらつき、リンパ腫など悪性疾患プロモーター懸念

レプチン・アナログ:Myaleptは、日本でも「メトレレプチン皮下注」として承認されている。

リンパ腫や免疫欠乏といった副作用も注目され、FDA会合に先行し、文書公開
http://www.fiercebiotech.com/story/fda-raises-safety-efficacy-questions-bristol-myers-rare-disease-drug-metrel/2013-12-09

全身性リポジストロフィー患者についての記載では、インスリン抵抗性、HbA1cやTGに関して改善持続示された。一方、部分型(partial from)に関してはばらつきが多く、治療反応も多彩。

全身性リポジストロフィーと共に、TG血症・脂肪肝・糖尿病(他治療抵抗性)の部分型リポジストロフィーに適用拡大への道を探っている。

副作用としてリンパ腫のシグナルがあるが、これはJAK pathwayの活性化を生じ癌のプロモーターとなり得る可能性がある。
Risk evaluation and mitigation strategy (REMS) の評価判定により承認される?



脂肪萎縮症:http://www.nanbyou.or.jp/entry/3358
 脂肪萎縮症は、糖尿病合併症や非アルコール性脂肪肝炎、肥大型心筋症などにより、平均寿命30~40歳とも言われる極めて予後不良な難治性疾患。

 皮下脂肪組織異常減少(脂肪萎縮症(lipoatrophy))あるいは、増加する状態をリポジストロフィー(脂肪異栄養症)と総称するが、一般には、脂肪萎縮症をリポジストロフィ ーとするようだ。全身型と部分型、先天性と後天性に分類。レプチンとの関連性が示唆され、一部にメタボリックシンドロームの拡大解釈にモデルとしてい利用する研究者もいる。
 脂肪組織由来ホルモン欠乏が選択的脂肪組織減少を生じ、特に、食欲調整正・エネルギー調整重要ホルモン、レプチンが役割を果たしているとされる。レプチン欠乏は、hyperphagiaを生じ、結果的に、筋肉や肝臓などの異所性脂肪蓄積を生じさせる。そして重度インスリン抵抗性、糖尿病、高TG血症を生じる。

続発性の脂肪萎縮性糖尿病へ、レプチン使用したがってるのはよく分かる。



胃酸抑制薬剤(PPI、H2R拮抗剤)によりビタミンB12欠乏

ペプシノーゲン前駆体を活性化するために胃酸が必要。鉄吸収だけでなく、様々なビタミン・ミネラル吸収に胃酸抑制剤が悪影響を与える。

Proton Pump Inhibitor and Histamine 2 Receptor Antagonist Use and Vitamin B12 Deficiency
Jameson R.  et. al.
JAMA. 2013;310(22):2435-2442. doi:10.1001/jama.2013.280490.

Kaiser Permanente Northern California 住民の症例対照研究
症例:ビタミンB12欠乏 25,956名
対照:ビタミンB12非欠乏 184,199名
インシデンタルなビタミンB12欠乏診断患者のうち、
PPI 2年間以上利用 3120 (12.0%)
40のいます24時間か今からH2RA(PPI無使用) 2年間以上利用 1087 (4.2%)
PPI・H2RA無使用 21 749 (83.8%)

ビタミンB12欠乏なしの患者では、それぞれ 13 210 (7.2%)、5897 (3.2%) 、165 092 (89.6%)

2年以上使用のPPIs、H2RAのビタミンB12欠乏オッズ比は 1.65 [95% CI, 1.58-1.73]) 、1.25 [95% CI, 1.17-1.34])

PPI1剤/日を超すほど、ビタミンB12欠乏と強く相関(0.75剤/日未満比較で、 OR 1.95 [95% CI, 1.77 to 2.15])




制酸治療長期の場合、ビタミンB12欠乏も考慮必要なようだ

以下、PPIとビタミン・ミネラル不足に関するレクチャー
 ↓
Proton Pump Inhibitors and Risk of Vitamin and Mineral Deficiency
Evidence and Clinical Implications
Joel J. Heidelbaugh, MDDisclosures
Ther Adv in Drug Safe. 2013;4(3):125-133.
・ビタミンB12
・ビタミンC
・カルシウム
・鉄
・マグネシウム

オーガニック牛乳は通常のよりω6/ω3比良好 ・・・ 全般的健康への影響としてはさほどの効果無い

こういう記事だと、まるで、オーガニック製品を全面的肯定的であるかのよう・・・
マスゴミって奴は、西東を問わず・・・ロハスとか、オーガニックとか軽薄雰囲気納得馬鹿大量存在。大量のゴミ情報の原因を考察すれば、彼らの収入源として、一見まともなで表層的な情報を垂れ流す必要がある、それが理由だろう。


以下の論文引用3次情報が、世界のマスゴミさんたちを介して、全世界に誤ったメッセージが伝わらないことを願う


米国内科学会系雑誌(Ann.Int.Med.)に関する総説も合わせ参照いただきたい

Ann Int Med.誌:オーガニック食品 栄養面で優秀性認めず(vs 通常食品) 危険な面も多い 2012/09/04

Organic whole milk provides best heart-health benefits, study says
http://www.latimes.com/science/sciencenow/la-sn-organic-milk-20131210,0,908353.story#ixzz2n7beIugl

牛乳は一部健康に関わり良好な性質をもつが、食事全体として評価すべきである。食事内容全体でω3/ω6増加、この報告ではω6/ω3が用いられており、この比率の減少が望ましい。確かにオーガニック牛乳はそれに関しては合致しているが、シーフードなどには含まれるが牛乳には含まれない不飽和脂肪酸がある。牛乳は、オーガニック牛乳が望ましいのかもしれないが、全体的にみれば取るに足りない話になる・・・論文を直接みれば、そういう感想をもつ。大金持ちで、健康に金糸目をつけないなら止めはしない・・・程度のもの。






西洋社会の食事によりω6量が劇的に増加する一方、ω3は減少している。結果、栄養学的に好ましからぬ状況。

大規模米国内オーガニックミルクと牛乳の脂肪酸含量研究


Organic Production Enhances Milk Nutritional Quality by Shifting Fatty Acid Composition: A United States–Wide, 18-Month Study
Charles M. Benbrook et. al.
PLoS ONE 8(12): e82429. doi:10.1371/journal.pone.0082429

平均12ヶ月間で、オーガニック牛乳は、通常牛乳に比べ、ω−6脂肪酸 ω−3脂肪酸はそれぞれ25%未満、62%超で、ω6/ω3比で言えば2.5倍もの差あり  (5.77 vs. 2.28)


ω3-脂肪酸個別では、オーガニック牛乳で、αリノレン酸 60%、EPA 32%、DHA 19%多い、conjugated linoleic acidとしては18%濃度が濃い。

地域的・季節的変動が中等度

仮説的に成人女性をモデルとして、3つの選択肢で牛乳脂肪酸による一日のω−6/ω−3比を評価
・ high instead of moderate dairy consumption:乳製品量増やす vs 中等度
・ organic vs. conventional dairy products:オーガニック vs 通常製品
・ reduced vs. typical consumption of ω-6 fatty acids:ω−6脂肪酸減少 vs 通常

3つの選択肢ともにω−6/ω−3比減少した
対象者は、目標比率2.3への到達必要には−80%の総量減量が必要で、
効果インパクトは、以下で言えば、1)>2)≒ 3)
1)ω−6/ω−3比低値食品への転換
2)オーガニック牛乳への転換
3)通常の乳製品消費増加


乳製品やシーフードを推奨程度摂取するとして、乳製品はより多くのαリノレン酸がシーフードより多く含む。EPAは1/3、ドコサペンタエン酸はやや多い、DHAはほぼ皆無。

消費者は、健康問題発症や慢性疾患へのリスク排除・リスク減少のために平均ω−6/ω−3比減少のためには様々なオプションを持つわけ




”オーガニック”で肥満 2010年 06月 25日

オーガニック(有機)食品に栄養的優秀性みとめず 2009年 07月 30日


有機食品の検証
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

;農水省利権化してる感は否めないし一部曖昧なところもある。国際的コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)に基づくガイドラインなので基準としてはユニバーサル

有機畜産物の基準

・ 飼料は主に有機飼料を与えること ・ 野外への放牧などストレスを与えずに飼育すること 
・ 抗生物質等を病気の予防目的で使用しないこと ・ 遺伝子組換え技術を使用しないこと 
有機加工食品の生産法の基準
・ 化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用は極力 避けること
・ 原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農 産物、有機畜産物又は有機加工食品であること
・ 薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造 を行うこと
・ 遺伝子組換え技術を使用しないこと

治療抵抗性高血圧・閉塞型睡眠時無呼吸併発患者:CPAP治療による24時間血圧(平均・拡張期)改善・夜間血圧パターン改善効果

 治療抵抗性高血圧の70%超に閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)が存在するとされる。高血圧・循環器系の医師たちは真正面からとらえようとしない。特に、製薬会社関連の講演会など行くと胸くそが悪くなるなるほど、アンジオテンシン系とからめてくる。故に、一般医家へ、閉塞型無呼吸と治療抵抗性高血圧の関連の知識は広まってないのではないかと思う。

一方、治療抵抗性高血圧と睡眠時無呼吸症候群の関連性は以前から指摘されているが、CPAP治療で劇的効果を示す確実な報告はないと思う。診察室レベルの血圧変動に関して実感を臨床上持つことも少ない。

 さらに、CPAPがらみは、小規模研究が多い、100前後症例数の報告はあまりみない。小規模トライアルと言いながら、以下の報告は比較的多い検討数。

nocturnal dipperパターンを示す患者に関し、HIPARCOトライアルという小規模研究で、夜間血圧パターンの改善を示した。

 Effect of CPAP on blood pressure in patients with obstructive sleep apnea and resistant hypertension. 
Martinez-Garcia MA, Capote F, et al.

スペインの2の教育病院に於けるエンドポイント盲目化
オープンラベルランダム化非盲験多施設臨床トライアル・平行群研究
194名の治療抵抗性高血圧とAHI 15以上の患者

介入:CPAP治療 vs 無治療、 通常の血圧コントロール下
主要アウトカム測定:
・プライマリエンドポイント:12週間後24時間血圧変動
・セカンダリエンドポイント:血圧値の他の指数、夜間血圧パターンの変化

結果:194名を、CPAP治療 n=98、CPAP治療無し n=96にランダム割り付け

平均AHIは、40.4(SD, 18.9)、平均降圧薬剤数 3.8
ベースラインの24時間平均血圧 103.4 mm Hg; 収縮期血圧 (SBP), 144.2 mm Hg;  拡張期血圧 (DBP), 83 mm Hg
ベースラインにおける血圧変動パターンとして、dipperパターン(平均夜間血圧が平均日中血圧より10%以上低下パターン)は25.8%。

1日あたり4時間以上CPAP治療のアドヒアランス良好患者の比率は72.4%

研究期間中の且つ圧変動をITTにて群間比較したところ、CPAP治療群は、24-時間平均血圧 (3.1 mm Hg [95% CI, 0.6 to 5.6]; P = .02) 、 24-時間 DBP (3.2 mm Hg [95% CI, 1.0 to 5.4]; P = .005)は大きく減少したが、24-時間SBP (3.1 mm Hg [95% CI, −0.6 to 6.7]; P = .10) は対照群と比べ減少せず。

さらに、夜間血圧dipperパターンを示す患者の比率は、12週後、CPAP治療群で増加した  (35.9% vs 21.6%; adjusted odds ratio [OR], 2.4 [95% CI, 1.2 to 5.1]; P = .02)

CPAP使用時間数と、24時間平均血圧、収縮期血圧、拡張期血圧との間に有意相関  (r = 0.29, P = .006、r = 0.25; P = .02、r = 0.30, P = .005)

結論:閉塞型無呼吸と治療抵抗性高血圧併発患者において、CPAP治療は12週後24時間平均血圧・拡張期血圧を減少、さらに、夜間の血圧パターン改善をもたらす。さらに長期アウトカムへの影響を検討する必要がある。



一般医師向け高血圧の講演会とか行くとおもしろいのは、ほぼ全ての講師がこの無呼吸症候群の存在を無視か軽視して話をする。 少なくとも閉塞型無呼吸症候群の有病率を考えれば、無視なんてできないと思うのだが・・・ 

noteへ実験的移行

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