言わずもがな、クレアチニン・Cr総量は体筋肉量を反映している。筋肉量が少なければESRDや死亡率増加しやすいといういままでの報告。筋肉内組成を反映しているかもしれない、インピーダンス法検査やDXAによる除脂肪体重評価は臨床的アウトカムと相関してなかった。
この解釈は?
慢性疾患を持つ場合、尿中クレアチニン排泄量(UCr)の低値と、死亡率増加の関連性が知られていた。ただ、UCrのうちの体組成などの要因への影響は不明。
注目アウトカム予測について、UCrと体組成指標
具体的には、UCr、除脂肪容積(FFM)を電気生理インピーダンス法にて測定、、DXAによる四肢除脂肪量を検討
UCr低値ほど、死亡、ESRDというアウトカムと相関
Urinary creatinine excretion, bioelectrical impedance analysis, and clinical outcomes in patients with CKD: The CRIC study
Wilson FP, et al
Clin J Am Soc Nephrol 2014; DOI: 10.2215/CJN.03790414.
CRIC研究、3605名登録の尿中クレアチニンと電気生理的インピーダンス測定、232名のDXAスキャンによる体組成研究を行った。
平均年齢57.8歳、男性が半数、黒人42%
フォローアップ中央値 4.2年、死亡率 9.3、ESRD発症 14.2%
尿中Cr排泄量(UCr)減少は、電気生理学的インピーダンス測定FFM値補正後も、死亡・ESRDと相関
死亡率:補正ハザード比/UCrの1SD増加 0,63(95%信頼区間 0.56-0.72)
ESRD:補正ハザード比/UCrの1SD増加 0.70(95%信頼区間 0.63-0.75)
一方、電気生理学的インピーダンスFFMデータは、死亡、ESRDと有意相関しないが、筋肉量とは強い相関性はある。
電気生理学的インピーダンス測定FFM、すなわち除脂肪体重量は、アウトカムに関連性が見られない。一方、尿中クレアチニン排泄量減少は臨床的アウトカムと相関する。
インピーダンス法は筋肉組成を反映している可能性があるとのこと