◆ “政治 → 精神医学”
精神医学を政治的悪用に関する歴史的概観
Political Abuse of Psychiatry—An Historical Overview
Schizophr Bull (2010) 36 (1): 33-35. doi: 10.1093/schbul/sbp119 First published online: November 5, 2009
世界の精神医学界において議論されてきたことらしい
1970年代、1980年代にソビエト連邦における精神科のシステマティックな政治的乱用、そして精神病院への強制収容が背景にある。
その後、ソ連邦崩壊につながる過程の中、1983年強制収容が無くなり、World Psychiatric Associationにとって、政治的利用がテーマとなった。
精神医学的診断・治療を政治的に利用することは特定の人々・特定の団体の人権を剥奪することである。
ソビエト連邦政府に反対すること自体がメンタルに病んでいるというSoviet regimeが存在した。
診断者側が能動的に政治的スタンスにより”精神病”診断することは、すなわち、精神医学の乱用なのである。
◆ “精神医学” → ”政治”
医学・医療として、特定対象者を相手にする医療・診療以外に、特定の集団を相手にする公衆衛生学や疫学などがある。
個別診療を基本とする精神医学者・医者は、みな、後者のエキスパートと言えるだろうか?
考えるまでもなく No!