2013年11月25日月曜日

痛風:家族集積性あり

家族集積性として、遺伝学的第1度近親者と第2度近親者の推定相対リスクで考察されている。
(日本の法律上の近親カウントと異なるので注意:http://www.falco-genetics.com/brcastudy_end/main/q01/index.html

兄弟は同じ環境に育つわけだから、遺伝的集積性以外に影響を与えているのかもしれない。


Clinical and epidemiological research
Extended report
Familial aggregation of gout and relative genetic and environmental contributions: a nationwide population study in Taiwan
Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2013-204067




痛風に関して
・第1度近親者:相対リスク
女性 1.97 (95% CI 1.94 to 1.99))
・第2度近親者
女性 1.40 (95% CI 1.35 to 1.46))

双生児 8.02 (6.95 to 9.26) 、兄弟 2.59 (2.54 to 2.63)、子供 1.96 (1.95 to 1.97)、親 1.93 (1.91 to 1.94)、孫 1.48 (1.43 to 1.53)、甥・姪 1.40 (1.32 to 1.47)、おじ・おば 1.31 (1.24 to 1.39)、祖父母 1.26 (1.21 to 1.30)  

痛風発現型相対的寄与として、遺伝性、コモン環境要素、非共有環境要素は、それぞれ、男性 35.1,、28.1、36.8% 、 女性 17.0、 18.5 、64.5%


住民ベース研究において、痛風の家族集積性が明らかになり、痛風リスクは家族歴有りで頻度が高い。遺伝的・環境的要素が痛風疫学と関連しており、相対的要素として性別も関連。
男性 1.91 (95% CI 1.90 to 1.93)
男性 1.27 (95% CI 1.23 to 1.31)

AHA/ACCの暴走について:CAlculator-gate  → いまこそ “スタチン”ペテンの追放を! 

CAlculator-gate
2013年ACC/AHA関連ガイドライン:動脈硬化疾患・コレステロール治療、心血管疾患リスク・ライフスタイル、肥満・体重過多 2013/11/13
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/2013accaha.html

"CAlculator-gate": 心血管疾患予測式 リスクかさ上げ問題  2013/11/20
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/calculator-gate.html 
これに関する関連記事を読んで、ことの背景がやや分かった気がする。


・ AHA・ACC(アメリカ心臓病主要関連学会)の新しいガイドライン(http://circ.ahajournals.org/content/early/2013/11/11/01.cir.0000437738.63853.7a)では、白人男性 62歳超、アフリカ系アメリカ人 65歳超、白人女性 70歳超、アフリカ系女性 69歳超ではすべてスタチン服用すべきとなり、若年全体への言及無し。

・ 事実、多くの心臓病専門医団体では、成人3名に1人では、コレステロール値をスタチン系薬剤でコントロールすべきとされている。(スタチンなどによる)心臓発作・卒中予防に関するエビデンスは少ないという、悪しき団体(薬理利益軽視・薬害至上主義者)の信念が広がることにつながる少なくとも、新規推奨がbacklash(一般大衆の反感)を引き起こし、処方薬剤が心疾患予防に役立つか疑念を生じさせることにつながるのは間違いない。

・ 一定年齢以上の国民は、ルーチンにコレステロール、LDL、HDLコレステロールを測定し、 LDLを 2.6-33 mml/L未満に、HDLを 1.6 mml/Lを上回るようキープすべきとされる。この系統のガイドラインは2001年出版され、HDL低下・LDL増加による心発作・卒中増悪仮説に従ったもの。このアプローチは現在否定され、新しいガイドラインでは、ルーチンモニターの必要はないとされる。:善玉・HDLと悪玉・LDLという仮説と治療ルーチン測定の否定。国民の3/4が心臓発作を生じる状況であり、一般での採血上の検査値の平均などを目安とするのこと自体が間違い。

・ 信念のようにスタチンの有効性を信じ込む("leap of faith"と表現)こと、コレステロールさえ測定せず薬剤投与量さえ補正しないという行きすぎたガイドライン。スタチンには心臓発作病歴予防に関しては中等度効果しか無い、そして女性ではその効果が示されてない。これら対象者に多大なるベネフィットがあるとは言えない。例えば、BMJ誌では、先月、“5年間で1例の心臓発作予防“に対し、140名のスタチン投与例が必要という解析解説がなされた。
・ カナダは、コレステロールに関する、新しい米国ガイドラインを採用せず、これも科学的とは言えないのだろうが、LDL/HDL方式のまま。一度信じ込んだら信仰のように離れない臨床概念、この呪縛からの解放には相当年数が必要となるだろう。 

・ 「心血管疾患診断既往」「家族性高コレステロール血症を主とした、LDL 190 mg/dL以上」「40-75歳診断の糖尿病患者全員」「10年間心血管疾患リスク 7.5%以上の40−75歳(年齢、体重、人種考慮)」というのがスタチン投与の基準。リスク推定式でスタチン投与必要という一群が投与対象者の大部分となる。一度、スタチン始めたら、薬剤投与量不要、永遠に服用し続けるという製薬業界団体に都合の良いもの
故に、このリスク推定式の信頼性が今度のガイドラインの肝であったわけである。今までのスタチン使用リスクの閾値としては、次の10年で20%を基準とするものであったが、さらに、広く15%としている。その上に、この推定式作成者自身が認めてるごとく、過剰推定となることがthe Lancetのコメンタリーに記載され、おそらく、75−150%ほど心臓関連イベントを過剰推定することになる。


英国の医学ジャーナル雑誌「the Lancet」、自らの不祥事には甘く、他人には厳しい雑誌だが、こういう時には良い働きをする。米国内からの告発じゃないところに根の深さを感じる。繰り返しになるが、日本よりはましだわ。ノバルティス不祥事は結局製薬会社だけのせいにして幕引きして、学会の自浄作用に関する話は途絶えているどこかの国。


標準化されてないLDL直接法で国策としての健康施策してる馬鹿な国は何も言えまい。

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