2013年5月17日金曜日

TDCS・経頭蓋直流電流刺激で、学習はかどる?

TDCS(経頭蓋直流刺激)によるNeuromodulationで、勉強がはかどるらしい


著者の英国オックスフォード大学のRoi Cohen Kadosh
『認知機能訓練と、非侵襲的無疼痛脳刺激を5日間行っただけで、認知機能・脳の機能の改善長期持続させることができた』と述べている。
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57585052/mild-brain-shock-may-improve-math-skills/

算数の計算で、例えば、31−17+5=?





Long-Term Enhancement of Brain Function and Cognition Using Cognitive Training and Brain Stimulation
Current Biology, 16 May 2013

非侵襲的脳刺激法である、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation, TDCS)

6日間20分間15名のテスト被験者に施行。

非侵襲的脳刺激は、神経可塑性への長期的manipulationによる認知機能促進法として有望なようである。行動レベル、ベーシックタスクのパフォーマンスに限定された促進する改善効果に注目されている。

計算をするときのキーエリアである両側背外側前頭前野:dorsolateral prefrontal cortex (DLPFC)へのTRNSは、ユニークに前頭前野内血行動態反応測定のため、近赤外分光法(NIRS)とcoupling。
計算および記憶・回想ベースの計算学習の両スピードとも、TRNSを伴う認知訓練5日連続で、行動的改善は、定義された血行動態反応と相関し、これは、左DLPFC内の効率的神経血管couplingと一致。

訓練後6ヶ月検討で、訓練・非訓練計算教材において、sham対照と比べて、長期持続的行動的・心理的変化が明らかであった。

結果、学習レジームに依存し、TRNSは長期認知・脳機能の促進を促すことが判明した。



パイロット研究: 経頭蓋陽極直流電気刺激(tDCS)で卒中による嚥下機能改善 2011年 03月 25日


CDC予防:プールの半数で大腸菌汚染



CDC予防報告では、公衆プールの半数に、糞便由来の大腸菌存在
フィルターは物理的に微生物を含む汚染物質を除去するわけだが、フィルターにそれらの汚染物質が濃縮し、定量的PCR検査を行い、緑膿菌 95/161(59%)、これは環境(泥など)、泳者、媒介物(キックボードなど)からのコンタミネーションを意味し、ただ、泳者の健康に悪影響を与えるほどの濃度には達してなかった。
大腸菌も93(58%)同定、これは糞便中由来との特徴を示す。下痢などの有害性可能性あり、殺菌濃度、pH濃度維持必要


TABLE 1. Target genes and molecular testing methodologies, by microbe — metro-Atlanta, Georgia, December 2012–March 2013
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6219a3.htm?s_cid=mm6219a3_w#tab1
大腸菌 uid A
緑膿菌 ecfX
ランブル鞭毛虫 18S rRNA
クルプトスポリジウム 18S rRNA
E. coli O157:H7 eae
ノロウィルス GI、GII ORF1 - ORF2
アデノウィルス Hexo

BOX. 水泳衛生推奨
水に糞便・尿を混入させない
  • 下痢の場合、水泳禁止
  • 水泳前に石けんでシャワー
  • 水に入る前にリンスシャワーを
  • 60分毎に入浴中断を
  • トイレ後、おむつ交換後かならず手を洗う
水に入る前に、塩素濃度・pHチェック
  • プール: 適切な塩素濃度 (1–3 mg/L or parts per million) と pH (7.2–7.8)で最大の病原性不活化
  • スーパーストア、ハードウェアストア、プール用品店ではプール試験紙を販売を.
水泳中の水を飲まない
若年児の親は特段の対処を
  • 60分毎に入浴、30−60分ごとにおむつ交換
  • 浴室やおむつ交換エリアでおむつ交換すること、水中に病原体侵入しないようにすること
Additional information available at http://www.cdc.gov/healthyswimming.


遊泳用プール衛生基準


(4) 遊離残留塩素濃度は、0.4 mg/L 以上であること。また、1 .0 mg/L 以下であることが望ましいこと。
(5) 塩素消毒に代えて二酸化塩素により消毒を行う場合には、二酸化塩素濃度は0.1 mg/L以上0.4 mg/L 以下であること。また、亜塩素酸濃度は1 .2 mg/L 以下であること。 

CDCでは
http://www.cdc.gov/healthywater/pdf/swimming/resources/disinfection-team-chlorine-ph-factsheet.pdf
塩素レベル:1.0-3.0 ppm 
(日常では、 mg/L=ppmで近似可能)


日本の方は、塩素濃度に関して、慎重? ・・・ 有効性ピークではないので、不十分な可能性は?

病院品質改善(QI)プログラムにて治療成績改善


Baltimoreで開かれた、American Heart Association's Quality of Care and Outcomes Research meeting でのSarah Song (シカゴにあるRush University Medical Center)の報告
Song S, et al "Get With The Guidelines-Stroke program participation and clinical outcomes for Medicare beneficiaries" QCOR 2013; Abstract 008.




Get With The Guidelines-Stroke program

品質改善プログラム参加施設では、自宅への退院促進そして、死亡率低下(30日、1年)低下に寄与していた。故に、国内品質改善プログラム参加病院では、急性虚血性卒中患者のアウトカム改善が証明された。


CMS(Centers for Medicare & Medicaid Services )管理データからの分析で
患者平均年齢 79歳という高齢者に偏ったもの
品質改善施設治療患者 88,584 vs 不参加施設治療患者 85,401


30日死亡率(HR 0.911、0.880〜0.942 95%CI)
1年死亡率(HR 0.902、0.878v0.926 95%CI)
30日全再入院(HR 0.956、0.923v0.990 95%CI)
1年再入院(HR 0.972、0.953v0.992 95%CI)
30日脳卒中再入院(HR 0.927、0.864〜0.996 95%CI)

品質改善参加施設と非参加施設直接比較で、参加施設は自宅への直接退院増加し、1年死亡率改善を示した。



http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AdditionalMeetings/39186


卒中に関しては、熊本モデルは秀逸で、多施設・多職種横断的参加で、患者本位の医療モデルだとおもう。

だが、日本においては、相当数の自己完結型医療・介護保険施設において、その組織のベネフィット優先で、患者の退院後動向が決定されている印象を持つ。なんらかの分析を行い、検討が必要と思う。直接自宅へ帰れるのに、施設の利益確保のため、いったん、リハビリテーション施設・介護施設経由ってのが・・・

医療・介護に関わる、あらゆる分野に、医療の品質管理は必要だろうと思う。ただ、患者に直接関わる医療従事者に、その業務をさせるとしたら、それは本末転倒と思う。

介護保険のだめなところは、役人のごとき過剰な事務処理を強制、クライアント・患者へのケアに要すべき時間を奪ってるところ

CKD悪化ほどLDL影響少ない ・・・ 糖尿病・CKD患者での"リベラル・アプローチ"を示唆?



高LDL血症は、CKDにおいては、そのリスク推定要素の影響度は低い

少なくとも1回は空腹時LDL、eGFR、蛋白尿検討されたAlberta Kidney Disease Network 836,000名を対象に48ヶ月フォローアップ中央値、7,762名被験者にして心筋梗塞入院7,762名

eGFR最小群患者での心筋梗塞発生頻度は高いが、LDL 2.6-3.39 mmol/Lを参照値にすれば、4.9 mmol/L超での心筋梗塞リスクは、eGFR 90 ml/min/1.73 m2で最も高く、15-59.9 ml/min/1.73 m2で最も低い

GFRが少ないほど、LDL値の心筋梗塞予測因子価値は減弱
例)LDL 4.9 以上と関連する心筋梗塞補正ハザード比
eGFR of 15 〜 59.9 → 2.06 (1.59, 2.67)
eGFR of 60 〜 89.9 → 2.30 (2.00, 2.65)
eGFR of ≥90 → 3.01 (2.46, 3.69) 


Association between LDL-C and Risk of Myocardial Infarction in CKD
Marcello Tonelli, et. al.

Published online before print May 16, 2013, doi: 10.1681/ASN.2012080870
JASN May 16, 2013 ASN.2012080870


CKD患者では一部一般住民とは異なるリスク要素関連性がありそうだ

現行、非透析依存CKD患者選択患者への脂質低下療法に関しては、糖尿病患者とともにリベラルなアプローチが良いのかもしれないという解釈も・・・

【中年・若年女性】うつは卒中リスクと関連

うつが、卒中リスクであることは知られている。限定的ながら、年齢差での影響エビデンス、若年でその関連性が高いというエビデンスがあることはある。
今回は、大規模コホート中年女性でのうつと卒中頻度検討とのこと

結論から言えば、うつは、中年女性において、卒中の強いリスク要素で、一部、ライフスタイル・心理的要素による影響で説明可能かもしれない。

今後、若年女性など他の年齢層との比較など、ターゲット介入に関する検討が必要。

"Depression and risk of stroke in mid-aged women: a prospective longitudinal study"
Jackson C, Mishra G
Stroke 2013.STROKEAHA.113.001147 
Published online before print May 16, 2013,
 doi: 10.1161/​STROKEAHA.113.001147


47−52歳の卒中既往のない10,547名の女性(Australian Longitudinal Study on Women’s Health, surveyed 各3年ごと調査;1998 〜 2010)
うつ定義は、Center for Epidemiological Studies Depression Scale (shortened version) と直近1ヶ月間抗うつ薬使用
卒中は、自己報告・死亡統計から
どのサーベイでも、うつ保有 24%程度
フォローアップ中、卒中発生 177
うつは、卒中発生オッズ比2倍超 (オッズ比, 2.41; 95% 信頼区間[CI], 1.738-3.27)
年齢・社会経済状態・ライフスタイル・心理的要素補正後減衰 オッズ比, 1.94,; 95%CI, 1.37-2.74)
うつ定義、抗うつ薬使用、寄与データ消失の研究方法焦点感度分析にても十分な傾向


serotoninトランスポーター遺伝子などの考察も成り立つと思うのだが・・・
また、うつ誘発遺伝子と血糖との関連性とか・・(Stroke. 1999; 30: 114-119 doi: 10.1161/ 01.STR.30.1.114)

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note