2013年6月4日火曜日

ベジタリアンは一般に死亡率は少なく、男性でその良好性が目立つ、また、ペスコ・ベジタリアンで特に死亡率低下明らか

前向きコホート研究: Adventist Health Study 2 (AHS-2)、大規模北米のコホート

菜食主義推奨のセブンスデー・アドベンティスト信者男女 96,469名、2002-2007年登録、除外後73,308名のサンプル解析

食事を、定量的食事回数アンケート、5つの食事パターンに分類し、ベースラインで評価
・非菜食主義
半(セミ)ベジタリアン(鶏肉と魚肉だけは食べる)
ペスコベジタリアン(野菜と魚肉を食べるが、獣肉・鶏肉は食べない)
ラクト・オボ・ベジタリアン ( 乳卵菜食: 乳製品と卵は食べる)ベガン(完全菜食主義:動物を食べることを避け、卵・乳製品などの動物由来の食品の摂取も避ける人)

ベジタリアンは総原因死亡率低下と関連し、原因特異的死亡率減少も見られる。
男性での影響が大きく、これらの良好な相関性は、一般にも参考になるのかもしれない。

Vegetarian Dietary Patterns and Mortality in Adventist Health Study 2
Michael J. Orlich,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-8.


主要アウトカム測定
ベジタリアン食と総原因・原因別死亡率: 2009年の間の国内死亡統計から


結果
平均フォローアップ期間5.79年間で、73,308名の登録者のうち、死亡 2570

死亡は、1千人年あたり 6.05 (95% CI, 5.82-6.29)

総原因死亡率の補正ハザード比
全てのベジタリアン組み合わせでは、vs 非菜食主義者比較で、 0.88 (95% CI, 0.80-0.97)

非ベジタリアン比較の死亡率補正ハザード
・ベガンでは、0.85 (95% CI, 0.73 - 1.01)
ラクト・オボ・ベジタリアンでは、 0.91 (95% CI, 0.82 - 1.00)
ペスコ・ベジタリアンでは、 0.81 (95% CI, 0.69 - 0.94)
・セミ・ベジタリアンでは、0.92 (95% CI, 0.75-1.13)

ベジタリアンとの有意相関が、心血管死亡率、非心血管系非がん死亡率、腎原因死亡率、内分泌疾患原因死亡率で観察。

男性での相関が、女性のそれより、特に大きく、より有意。




スタチン副作用:筋骨格系・関節・外傷・疼痛への広く関与している可能性

後顧的コホート・propensity score マッチ化研究により、スタチンの筋骨格謹啓への副作用イベント率の調査

従来考えられているより、広く、筋骨格筋、関節症、外傷、疼痛への関与が示唆された。


Statins and Musculoskeletal Conditions, Arthropathies, and Injuries
Ishak Mansi, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-9.

【被験者】  Tricare Prime/Plus beneficiaries evaluated from October 1, 2003, to March 1, 2010.
【介入】 2005年会計年度スタチン使用。 薬物fillベースで、2群に分割
・最低90日間スタチン使用
・スタチン無使用(研究期間内スタチン未使用) 
【主要アウトカム・測定】
ベースライン特性を用いて、propensity scoreを作成し、いずれのアウトカム指標に対してもオッズ比決定。セカンダリ解析は、研究クライテリア合致全患者。二次解析は、Charlson Comorbidity Indexを用いた非合併症患者サブグループに対して補正OR決定。
感度分析は、非筋肉骨格疾患無しのサブグループと、2年以上スタチン治療継続群で決定。
筋骨格異常発生は、ICD(9)で事前決定:Msk1:全骨格筋疾患、Msk1a:関節症及び関連疾患、 Mskb:外傷関連疾患(脱臼、ねんざ、疲労)、Msk2:薬剤関連筋骨格筋痛  
【結果】 総数 46,249名が研究クライテリア合致  (スタチン使用 13 626、 無使用  32 623 )
これらのうち、propensity score マッチ化 スタチン使用 6967名、無使用者 6967名
マッチ化ペアにおいて、
Msk1 オッズ比 1.19 ; 95% 信頼区間 [CI], 1.08 - 1.30
Msk1b オッズ比 1.13 ; 1.05 - 1.21
Msk2オッズ比 1.09; 1.02 - 1.18
Msk1aのORは、1.07 (0.99-1.16; P = .07)
二次分析、感度分析では、スタチン使用はの補正オッズ比は全てのアウトカム群で高い

小児処方薬物暴露・中毒事故

増加する子供の薬物中毒は、経口血糖降下薬、脂質異常改善薬、β遮断薬、オピオイドの処方拡大と関連している。これらのイベントは、医療資源の消費、救急外来使用や入院とつながる。そして、薬物中毒は、OTC薬より、処方薬が大部分を占める状況である

Adult Prescription Drug Use and Pediatric Medication
Exposures and Poisonings
DOI: 10.1542/peds.2012-2978; originally published online June 3, 2013;Pediatrics
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2013/05/29/peds.2012-2978.full.pdf

オピオイドに関して、子供全年齢層において暴露・中毒と相関。

薬物横断的にみると、0-5歳で最もリスクが大きく、13-19歳がこれに続く


ED受診率は、血糖降下薬 60.1%、 β遮断剤 60.1%
一方、より重篤な入院まで至った事例は、オピオイドで、障害発症 26.8%、 入院 35.2%
血糖降下薬剤は、障害発症 19.5%、入院 49.4%





増大する糖尿病患者、そして、脂質管理薬剤使用頻度増大
なにより気になるのが、【トラマドール】などのオピオイド系薬剤の非がん性疼痛への適応拡大、今後、【トラマール】も適応拡大となるようだ。

この種の薬剤使用機会増加に関して、小児存在家庭では、特に注意が必要だろう。


システマティックレビュー:C型慢性肝炎ウィルス感染の線維化・肝硬変診断のための血液検査

APRIが線維化・肝硬変同定のため比較的高評価のようだ。FibroTestと対比必要なようだが・・・


Blood Tests to Diagnose Fibrosis or Cirrhosis in Patients With Chronic Hepatitis C Virus Infection: A Systematic Review
Roger Chou,  et. al.
Ann Intern Med. 2013;158(11):807-820. doi:10.7326/0003-4819-158-11-201306040-00005 

172の研究にて診断正確性評価

臨床的意義のある線維化同定のため
血小板数、年齢・血小板指数(age-platelet index)、AST-血小板指数(aspartate aminotransferase–platelet ratio index (APRI))、FibroIndex、 FibroTest、  Forns indexは、通常カットオフ値にて、5-10の陽性尤度で、areas under the receiver-operating characteristic curve (AUROCs)は 0.70 (range 0.71 - 0.86)

肝硬変同定のため
血小板数、年齢血小板指数、APRI、Hepascoreは、尤度比中央値 5-10、AUROC 0.80以上 (range, 0.80-0.91)

Göteborg University Cirrhosis Index と Lok index は、陽性尤度 軽度低下 (4.8、 4.4) 
直接比較として、肝硬変同定のためのAPRIは、FibroTestに比べAUROC軽度減少相関、しかし、線維化・肝硬変同定のためには、AST-ALT比よりはAUROC高値


Age-platelet index
Platelet count (× 103/mL): ≥ 225 = 0; 200-224 = 1; 175-199 = 2; 150-174 = 3; 125-149 = 4; < 125 = 5

Asparate aminotransferase-platelet index (APRI)
AST [ULN]/platelet count [103/mL]) × 100 Age (years): <30 0="" 30-39="1;" 3="" 40-49="2;50-59" 60-69="4;" 70="5</blockquote">
FibroIndex

1.738 - 0.064 (platelets [x 104/mm3]) + 0.005(AST [IU/L]) + 0.463 (gamma globulin [g/dl]) (参照)

FibroTest


Forn index
7.811 – 3.131 x ln platelet + 0.781 x ln GGT + 3.647 x ln age – 0.014 x cholesterol

Hepascore → 参照;
http://www.clinchem.org/content/51/10/1867/T3.expansion.html


Göteborg University Cirrhosis Index
Normalized ASTX prothrombin-INR ×100 / Platelet count (×109/L) (参照;http://journals.tubitak.gov.tr/medical/issues/sag-09-39-6/sag-39-6-6-0902-11.pdf

Lok index
Lok score: log odds = -5.56 - 0.0089 × number of platelets (10³/mm³) + 1.26 × (AST/ALT) + 5.27 × INR
Lok = [exp (log odds)]/ [1 + exp (log odds)] 


[ランダム化トライアル]中年男女において、日焼け止め毎日使用で皮膚老化減少

中年男女において、日焼け止め毎日使用で皮膚老化減少

ベータカロチンに関しては、包括的に影響診られず


Sunscreen and Prevention of Skin Aging: A Randomized Trial
Maria Celia B.  et. al.
Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790. 

オーストラリア・ニュージーランドのランダム化住民ベース介入
55歳未満 903名 (登録住民1621名からランダム選択)
【介入】4群
・広域日焼け止め連日使用と ベータカロチン 30mg使用
・日焼け止め連日と プラシーボ
・日焼け止め任意使用と ベータカロチン 30mg使用
・日焼け止め任意使用と プラシーボ
【測定】
1992-1996のmicrotopography変化:治療割り付け群盲目化評価
【結果】
日焼け止め連日使用では、4.5年間、皮膚の検出変化認めず
トライアル終了時点でのベースラインからの皮膚老化は、日焼け止め任意使用より、連日使用の方が24%減少 (相対オッズ 0.96 (95% CI, 0.59-0.98)
ベータカロチンサプリメントは、皮膚老化に包括的影響認めず
しかし、ベースライン重症度によりそう反する相関が見られた

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