2020年1月30日木曜日

自然気胸:積極的治療 vs 保存的観察アプローチ

オーストラリア・ニュージーランドの39病院で検討された治験で

保守管理グループでは、救急部門で患者を少なくとも4時間観察し、その後、胸部X線写真を繰り返しても拡大が見られず、患者が酸素を必要とせず、問題なく歩くことができる場合、指示書と鎮痛薬で外来患者として扱い退院扱いとした。
介入群では、小口径の Seldinger-type  chest  tube  を配置し、1時間ウォーターシールに取り付けた。肺が再膨張し、空気漏れがなかった場合は、チューブを4時間クランプし、肺が完全に拡張したままであれば、胸部チューブを再び取り外して患者を退院させた。

自然気胸に対して、保存的観察アプロートが即時チェストチューブ挿入アプローチより果たして肺過膨張率に非劣性存在するのだろうか?


Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax
List of authors.
Simon G.A. Brown, , et al., for the PSP Investigators
January 30, 2020
N Engl J Med 2020; 382:405-415
DOI: 10.1056/NEJMoa1910775
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910775


非盲検多施設非劣性試験:14歳から50歳までの初回認識、片側、中等度・重度原発性自然気胸登録
ランダム割り付け:

  • 即時介入管理:介入群
  • 保存的観察アプロート:保存管理群

12か月フォローアップ、プライマリアウトカムは8週間の肺再膨張

総計316名ランダム割り付け:介入群 154 vs 保存管理群 162
保存管理群での(事前設定プロトコールに従う)気胸管理介入は 25名(15.4%)、137名は介入無し

全症例解析では介入群23名、保存管理群では 37名でデータ活用不能
8週間内の肺再膨張発生 介入群 129/131 (98.5%) vs 保存管理群 118/125 (94.4%): リスク差 -4.1%ポイント, 95%信頼区間[CI] -8.6 to 0.5; P=0.02 for noninferiority)
95%下限境界は 事前瀬一定非劣性 -9.0%ポイント範囲内

56日後の全欠損データを治療失敗と見なす感度分析では、介入群 129/138 (93.5%) vs 保存管理群 118/143 (82.5%)で、リスク差 -11.0%ポイントで 事前設定非劣性境界の外であった




解釈難しい報告だと思う

エディトリアル
・英国BTSでは、ニードル吸引を優先で、成功しない場合に胸腔チュープを助言
・米国ATSでは、ニードル吸引は必要なく、胸腔チューブ留置推奨
「肺疾患ベースの二次的気胸や苦痛症状ある場合は、介入アプローチ必要だろう しかし、症状あるも苦痛では無い場合、吸引必要だろうか?」という問いかけ 
介入無しに安全に管理可能というコホートもあるが、リークの継続・緊張性気胸への危惧がるが、自然気胸は稀にしか懸念とならないという前提


これの答えが果たして得られたのだろうか?
 













noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note