保守管理グループでは、救急部門で患者を少なくとも4時間観察し、その後、胸部X線写真を繰り返しても拡大が見られず、患者が酸素を必要とせず、問題なく歩くことができる場合、指示書と鎮痛薬で外来患者として扱い退院扱いとした。
介入群では、小口径の Seldinger-type chest tube を配置し、1時間ウォーターシールに取り付けた。肺が再膨張し、空気漏れがなかった場合は、チューブを4時間クランプし、肺が完全に拡張したままであれば、胸部チューブを再び取り外して患者を退院させた。
自然気胸に対して、保存的観察アプロートが即時チェストチューブ挿入アプローチより果たして肺過膨張率に非劣性存在するのだろうか?
Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax
List of authors.
Simon G.A. Brown, , et al., for the PSP Investigators
January 30, 2020
N Engl J Med 2020; 382:405-415
DOI: 10.1056/NEJMoa1910775
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910775
非盲検多施設非劣性試験:14歳から50歳までの初回認識、片側、中等度・重度原発性自然気胸登録
ランダム割り付け:
- 即時介入管理:介入群
- 保存的観察アプロート:保存管理群
12か月フォローアップ、プライマリアウトカムは8週間の肺再膨張
総計316名ランダム割り付け:介入群 154 vs 保存管理群 162
保存管理群での(事前設定プロトコールに従う)気胸管理介入は 25名(15.4%)、137名は介入無し
全症例解析では介入群23名、保存管理群では 37名でデータ活用不能
8週間内の肺再膨張発生 介入群 129/131 (98.5%) vs 保存管理群 118/125 (94.4%): リスク差 -4.1%ポイント, 95%信頼区間[CI] -8.6 to 0.5; P=0.02 for noninferiority)
95%下限境界は 事前瀬一定非劣性 -9.0%ポイント範囲内
56日後の全欠損データを治療失敗と見なす感度分析では、介入群 129/138 (93.5%) vs 保存管理群 118/143 (82.5%)で、リスク差 -11.0%ポイントで 事前設定非劣性境界の外であった
解釈難しい報告だと思う
エディトリアル
・英国BTSでは、ニードル吸引を優先で、成功しない場合に胸腔チュープを助言
・米国ATSでは、ニードル吸引は必要なく、胸腔チューブ留置推奨
「肺疾患ベースの二次的気胸や苦痛症状ある場合は、介入アプローチ必要だろう しかし、症状あるも苦痛では無い場合、吸引必要だろうか?」という問いかけ
介入無しに安全に管理可能というコホートもあるが、リークの継続・緊張性気胸への危惧がるが、自然気胸は稀にしか懸念とならないという前提
これの答えが果たして得られたのだろうか?