2012年12月10日月曜日

「ネット依存症」って、確立した疾患概念だっけ?

各報道では、“DSM-5”の議論を無視して、「ネット依存症」の存在を既存化している。

e.g.)ゲーム、SNS…「ネット依存症」深刻化 スマホなど携帯型端末も要因
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121210/ecc1212100732001-n1.htm

国立病院機構久里浜医療センター・ネット依存治療部門(TIAR)が立ち上っている
マスコミに売り込み活動盛んなようだが、「ネット依存症」既定概念化する一方的な活動は、国立機関として健全な方向性とはおもえない)


果たして、“ネット依存症”が、確定的概念であるが十分討議された上での設立だったのだろうか?



DSM-5: どのようになるか? セックス・ネット依存などは認めず、分類不能も排除の方向など 2012/03/11
性、食物、インターネット、カフェイン依存症の提案拒否
インターネットゲーム依存は、もともと、DSM-5 Section III(DSM-IV)で、さらなる研究必要性が記述されている。
その宿題に十分答えられてない状況にある 。

「ネット依存症」は、DSMなど海外の議論と整合性なく、暴走している状況にあるのでは?



日本語Wikipedia (インターネット依存)
"2008年アメリカ医療情報学会(ANA)は「インターネットおよびビデオゲーム中毒」を分類に入れ、正式な診断名とすることを推奨した。 [3] 結果として、DSM-Vでは「今後検討すべき診断名」として盛り込まれることとなった。[4]"

と、まるで 疾患概念として認められる方向性のような記述になっている。

しかし、en.wikipediaでは・・・
https://en.wikipedia.org/wiki/Internet_addiction_disorder
IAD was originally proposed as a disorder in a satirical hoax by Ivan Goldberg, M.D., in 1995.[2] He took pathological gambling as diagnosed by the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-IV) as his model for the description[3] of IAD. It is not, however, included in the current DSM as of 2009. IAD receives coverage in the press, and possible future classification as a psychological disorder continues to be debated and researched.
やはりなお議論継続が必要という記載で、他の記事とも合致する。

日本語だけしか読まない日本人って、疾患の存在前提の人間達に、ミスリードされてると思う。

LAPLACE-TIMI 57: PCSK9阻害ヒトモノクローナル抗体 第二相治験:不応性高コレステロール血症治療

 今年後半の話題になっている、PCSK9( Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 ) 阻害する ヒト・モノクローナル IgG2 抗体 AMG145の臨床応用治験

スタチン不耐性患者へのモノクローナルPCSK9抗体治療 ・・・ ゼチーアがゴミのようだ脂質 2012/11/06
メモ: AHA2012心血管疾患 2012/11/04

高コレステロール血症治療: 抗PCSK9抗体治験 (+スタチンでの効果)脂質 2012/11/01
   
Anti-PCSK9抗体:LDL治療薬 phase I脂質 2012/03/22

スタチン投与下高コレステロール血症患者での有効性・安全性・耐用性の検討

Efficacy, safety, and tolerability of a monoclonal antibody to proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 in combination with a statin in patients with hypercholesterolaemia (LAPLACE-TIMI 57): a randomised, placebo-controlled, dose-ranging, phase 2 study
The Lancet, Volume 380, Issue 9858, Pages 2007 - 2017, 8 December 2012

phase 2、用量調整研究( 78センター USA, Canada, Denmark, Hungary,  Czech Republic)、18-80歳の患者で、LDL-C 2.2mmol/L超でスタチン使用(ゼチーア使用の有無不問)
ランダム割り付け
・AMG 145皮下注  70 mg、105 mg、プラシーボ ×2週毎
・AMG 145皮下注 280mg、350mg、420mg、プラシーボ ×4週毎

プライマリエンドポイントは、12週後のLDL濃度のベースラインからのパーセント変化
修正ITT解析

抗コレステロール血症631名ランダム割り付け
AMG 145 70 mg (n=79), 105 mg (n=79),  140 mg (n=78), matching placebo (n=78) ×2週毎
AMG 145 280 mg (n=79), 350 mg (n=79), 420 mg (n=80), matching placebo (n=79) ×4週毎

12週目の投与間隔終了時、平均LDL-C濃度減少
2週毎AMG 14投与  ( 41.8% ~ 66.1%; P< 0.0001)
4週毎AMG 145投与( 41.8% ~ 50.3%;  P< 0.0001)

治療関連重篤副事象イベントは生ぜず

治療関連副作用イベントはプラシーボ群と同等





喘息:服薬アドヒアランス改善で喘息合併症軽減、医療費軽減効果

喘息の有病率は米国内では成人7.7%、小児9.4%で、年間1700万件の受診回数で、45万件の入院の存在。抗炎症治療、吸入ステロイドなど有効な治療法により、肺機能改善、レスキュー薬投与回数減少、喘息関連QOL改善、喘息関連医療費軽減効果が確立し、抗炎症治療がガイドラインの中核となっている。しかしながら、服薬遵守性が問題。

服薬アドヒアランス改善で、どれほどのインパクトがあるか、シミュレーションした報告。


Modeling the Impact of Increased Adherence to Asthma Therapy
Schlender A, et. al.
PLoS ONE 7(12): e51139. doi:10.1371/journal.pone.0051139

【序文】喘息の薬物へのnon-adherenceは70%にものぼる。adherence回線の効果は定量化されてない。住民レベルで、医薬処方・adherence改善の効果を喘息で検討。 
【方法】U.S. NHLBI-funded SOCS trial のデータ構成とNHLBI SLIC trialの評価データを用い、数学モデルを喘息コントローラー処方・adherence増加の効果モデルに適応した。National Asthma Surveyサンプルから、住民シミュレーションとして4930名の喘息患者構成。主要アウトカムは、コントローラー使用、レリーバー使用、予定外受診、ED受診、病院入院。  
【結果】キャリブレーション時、SOCSトライアルアウトカム厳格適合シミュレーションアウトカムは、治療失敗ハザード比[95%信頼区間]は、プラシーボ群 0.92[0.58-1.26]、 サルメテロール群 0.97 [0.49–1.45]、トリアムシノロン群 1.01 [0–1.87]

評価時、中間ポイントと終了ポイントの治療失敗シミュレーションアウトカムは、ハザード比として、それぞれ、サルメテロール/トリアムシノロン群 1.21 [0.08–2.34] 、サルメテロール単剤治療群  0.83 [0.60–1.07]となる。

全研究期間を通して、サルメテロール/トリアムシノロン治療患者の不充分パフォーマンス・モデルでは、中間/終了時ハザード比は、それぞれ、0.83 [0.00–2.12] と 0.37 [0.10–0.65]

米国内では、至適なadherence/処方となるシミュレーションによると、adherenceと処方ギャップは類似することで、予定外受診 900万、ED受診 400万、喘息治療入院 100万を毎年減少させることが出来る。

【結論】薬物アドヒアランスと処方改善は、喘息合併症・医療費軽減につながる


SOCSトライアルの治療失敗率


SLICトライアルの治療失敗率



コントローラー・レリーバーに対する特定の処方率・アドヒアランス率毎の平均シミュレーションアウトカム率





うちらの田舎では、医者のガイドライン遵守性のほうが喫緊の課題

ICS使わず、テオドール  and/or オノン だもんなぁ・・・

noteへ実験的移行

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