2014年10月28日火曜日

糖尿病初期治療としてメトホルミン外を使用すると薬剤併用リスク増加につながる

日本では、メトホルミンの使用不当に制限され、初期治療としての地位を保持できているとはいえない。理由は某学会のトップ連中にあることは疑う余地もない。


Aetonaというアメリカの医療管理会社のデータベースでも、 日本ほどひどくはないが、ガイドラインにもかかわらず初期治療メトホルミンは57.8%(8964名/15516名)。



Initial Choice of Oral Glucose-Lowering Medication for Diabetes Mellitus
A Patient-Centered Comparative Effectiveness Study
Seth A. Berkowitz, et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 27, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5294


非補正分析では、メトホルミン外の薬品使用にて、2番目の経口血糖降下剤を追加、もしくは、インスリンを2剤目として追加するリスクが増加する(P < 0.001 )

propensity score及び多変量補正Cox比例ハザードモデルにてSU剤s (hazard ratio [HR], 1.68; 95% CI, 1.57-1.79)、チアゾリジン系 (HR, 1.61; 95% CI, 1.43-1.80)、DPP4阻害剤 (HR, 1.62; 95% CI, 1.47-1.79) の第一選択は治療補強リスク増加する。

メトホルミンの代替的第一選択多剤使用は、低血糖リスク減少、ED受診リスク減少、新血管イベントリスク減少と関連せず


それにしても、日本の糖尿病学会のいびつさ ・・・ あほの集まりなのだろうか?

COPD急性増悪:入院での非侵襲的人工呼吸利用は死亡率減少、入院期間短縮、コスト低下に役立つ

COPD急性増悪における、非侵襲的人工呼吸・・・臨床的アウトカムにおけるベネフィットがあきらかなのだが、なかなか導入が進まない。ひとえに施設経験の問題だと思う。私の所は超小規模の有床だったが、かなり積極的に行っていけたわけだし・・・やる気次第だとおもう。




Outcomes Associated With Invasive and Noninvasive Ventilation Among Patients Hospitalized With Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease ONLINE FIRST
Peter K. Lindenauer, et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 27, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5430


意義  COPD(慢性閉塞性肺疾患)重症急性増悪患者小規模臨床トライアルで、非侵襲的人工換気(NIV)は挿管必要性減少、短期生存率改善効果が示されている。しかし、ルーチンの臨床実践の場でのNIVの有効性での知見は少ない。


目的  NIV治療VS侵襲的人工換気(IMV)COPD患者のアウトカム比較


デザイン・セッティング・被験者  420の米国入院被験者の初回・2回目の入院において人工換気を受けたCOPD急性増悪入院25,628名の後顧的コホート(Premier Inpatient Database内)


暴露  初期人工呼吸戦略



主要アウトカム・測定項目  入院死亡率、院内肺炎、入院滞在日数・コスト、30日再入院




結果  研究対象群において、総数 17,978(70%) で、入院日1もしくは2日目にNIVを初期治療として受けている。IMV初期治療を比較すると、NIV治療患者はより高齢、合併症少なく、入院時合併肺炎も少ない。


propensity補正解析にて、NIVはIMVより死亡リスク少ない(オッズ比[OR] 0.54; 95% CI, 0.48 - 0.61)。


NIV治療は、院内肺炎リスク減少 (OR, 0.53 [95% CI, 0.44-0.64])、コスト減少 (ratio, 0.68 [95% CI, 0.67-0.69])、入院滞在日数減少(ratio, 0.81 [95% CI, 0.79-0.82])と関連


しかし、30日めの全原因再入院 (OR, 1.04 [95% CI, 0.94-1.15])やCOPD特異的再入院 (OR, 1.05 [95% CI, 0.91-1.22]).とは相関せず。


これらの相関はpropensity補正解析で相関性減弱する。


NIVのベネフィットは、85才未満の患者に限定したサンプルでも同様で、合併症や合併肺炎のレベルが高いほどそのベネフィットは減弱する。


インスツルメント指標として病院を用いると、NIVと死亡率の相関性強度はやや減弱する (OR, 0.66 [95% CI, 0.47-0.91]).


感度分析では、NIVのベネフィットは、仮説的未測定強度寄与要素という側面でも十分存在する。




結論と知見  大規模後顧的コホート研究において、COPDの入院時NIV治療は、IMV治療に比べ、入院死亡率低下、入院期間短縮、コスト減少が明らか。




Propensity補正しても、所詮、後顧的研究だけど・・・


noteへ実験的移行

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