2014年3月1日土曜日

第1相試験:オマリズマブ(ゾレア)は、急速経口免疫治療に役立ちそう・・・

オマリズマブ(ゾレア:ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤)は、急速経口免疫療法:蛋白4g経口耐用能増加に役立つか?


Phase 1 results of safety and tolerability in a rush oral immunotherapy protocol to multiple foods using Omalizumab
Philippe Bégin , et. al.
Allergy, Asthma & Clinical Immunology 2014, 10:7 doi:10.1186/1710-1492-10-7;Published: 27 February 2014


一度に複数の食品を減感作する治療法が、この研究グループから安全性重視第1相研究クリア報告がなされ、今後の治療法方向性のひとつのトピックスとなっている。


緩徐・単一アレルゲン減感作の従来法からの脱却が可能か、今後、検討されるだろう。

Xenodiagnosis:ダニを噛ませて菌体検出 ・・・ ライム病での初めてのヒト研究

ライム病の原因Borrelia burgdorferiは抗生剤投与後も時続刊穿刺、natural tick vectorを用いたxenodiagnosisを含む様々な方法で検査されている。

倦怠・疼痛・関節・筋痛の症状である、posttreatment Lyme disease syndrome (PTLDS):http://www.cdc.gov/lyme/postLDS/)ではライム病治療後10%から20%で、2-4週間抗生剤投与が推奨されている。外的要因も示唆され、抗生剤投与期間など判断が困難となっている。そのため、xenodiagnosisによる菌体存在の検証が一つの手がかりとなる。


Ixodes scapularis ( ((学名))(エーリキア症を媒介するマダニ)クロアシマダニ, シカダニ)というダニの幼虫に噛ませて感染チェックをするという検査
マダニをPCR、培養、isothermal amplification followed by PCR 、 electrospray ionization mass spectroscopyで検査。



Xenodiagnosis to Detect Borrelia burgdorferi Infection: A First-in-Human Study
Clin Infect Dis. (2014)doi: 10.1093/cid/cit939First published online: February 11, 2014



システマティック・レビュー:鍼による心拍変動への影響

鍼による心拍変動への影響


鍼は健康成人に対して心拍変動に影響示さないという報告であったが、今回のシステマティック・レビューにより、健常者・被健康群で、心拍変動への影響が示された。
なんらかの効果を示すのかもしれない。


Review Article
Effect of Acupuncture on Heart Rate Variability: A Systematic Review
Joanne W. Y. Chung, et. al.
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine Volume 2014 (2014), Article ID 819871, 19 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2014/819871


14名の研究

鍼による、心拍変動(HRV)の低周波(LF)と低周波/高周波比(LF/HF比)減少効果が非健康群でしめされた。健康群では低周波正規化(LF norm) への影響が示された。






全体的効果としては、sham/control群の方が、非健康群ではHFで、健康群ではHF normで良好。

健康被験者では、ST36のパフォーマンスとして、HRTのHF及びLF/HF比減少効果有意で、健康・被験者ともPC6において有意。

【喘息と無呼吸】吸入ステロイド高用量で閉塞型無呼吸悪化?:上気道虚脱悪化、脂肪比率・容積増加の可能性

この前、某民放テレビ見てたら、閉塞型無呼吸やってた。治療適応以下のAHIなのにCPAP治療したり、気道虚脱の説明では無く閉塞と説明したり、無呼吸で突然死するという信じれない発言をしてた。無呼吸専門医師というのに・・・ひどい内容だった。医師自身が編集したのではないから、おそらくテレビ局編集の問題だとは思う(思いたい)が・・・。こけおどしの世界だった。


閉塞型無呼吸とは、その名称とは異なり、上気道閉塞の本体は気道虚脱(collapse)である。故に、前提としてある程度強い陰圧がないと気道虚脱は生じない。故に、気道閉塞で死ぬって事は一般にはあり得ないのだ。それさえ理解してないように思えた放送だった。


これとは関係ないが、無呼吸症候群診療の歴史は日本では浅い。故に、不勉強医師も専門と名乗る場合もあるのかもしれない。


さて・・・


閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、喘息で多い。しかし、未知のメカニズム。吸入ステロイドが寄与するかもしれない。ということで、パイロット研究。



ほとんどが女性、若年ということであり、さらに喘息コントロール良好で、上気道虚脱のすくない対象者ということで、影響の出にくい群。この群でもやはり16週間高用量吸入ステロイド(FP 1800μg/日)で、上気道への影響もたらす可能性が示唆された。

上気道の虚脱増強し、上気道抵抗増加させ、閉塞型無呼吸へつながる可能性示唆!
喘息治療がOSA悪化する可能性があれば問題。特に、中高年男性において・・・

Effects of Inhaled Fluticasone on Upper Airway during Sleep and Wakefulness in Asthma: A Pilot Study
J Clin Sleep Med 2014;10(2):183-193.
18名の(平均年齢 26±6歳)、吸入ステロイドnaiveは喘息軽症例 
高用量フルチカゾン 

検討項目は、上気道(JAW)虚脱(Pcrit: 受動的閉塞限界(critical)圧)、舌の力(Pmax 最大等張圧力(KPa表現)、運動耐用能(Ttot:Pmax50%維持能力3回トライアル能力))、MRIによる上気道周りの脂肪比率・容積

全般的に、咽頭虚脱:pharynx collapse (Pcrit) 増強し、陰圧になる(平均 ± SE  -8.2 ± 1.1 vs. -12.2 ± 2.2 cm H2O, p = 0.04)  
この咽頭虚脱への効果はベースライン特性(高齢、男性)に依存する。
一方では、この効果は、Pcrit低下すなわち咽頭陰圧減弱よる喘息コントロール悪化となる
全体的に、舌の力(Pmaxは増加 (anterior p = 0.02; posterior p = 0.002)するも、舌の運動耐用・ Ttotは微妙(anterior p = 0.0007; post 0.06)

MRI研究された群では、喘息コントロール改善する一方、脂肪部分と脂肪容積は20.6%、15.4%増加、 Pcrit変化なし





noteへ実験的移行

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