2012年11月16日金曜日

中枢性神経変性疾患患者の呼吸筋トレーニングのシステマティックレビュー

中枢性神経変性疾患患者の呼吸筋トレーニングのシステマティックレビュー

パーキンソン病・多発性硬化症 に関して呼吸機能パラメータの改善効果を認めた

Respiratory muscle training for respiratory deficits in neurodegenerative disorders: A systematic review
Alvaro Reyes et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-1442


検討に値するのは、わずか19研究のみ

そして、Quality評価チェックリスト存在したのは6/16のみで、そもそも研究解析は10研究

チャンピックス:重大な心血管疾患リスクとは関連なさそう

バレニクリンの心血管安全性への関心が高まっている、若干非致死性心筋梗塞、血管再建術、末梢動脈疾患などのリスクが 高まるのではないかという安全性懸念
有意差のあるものではなかったが、FDAは安全性委員会で検討がなされた。

メカニズムとして、脳幹からの副交感神経アウトプットにmodulationを生じ、心臓、カテコールアミン、そして、プロトロンビンへの影響が考えられた。

Use of varenicline for smoking cessation and risk of serious cardiovascular events: nationwide cohort study
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7176 (Published 8 November 2012)
デンマーク(2007-2010)の国内病歴コホート研究

バレニクリン新規使用(n=17926)、ブプロピオン(n=17926)

Cox回帰を用い、心血管イベントハザード比(propensity scoreマッチ化)を推定
6ヶ月後プライマリアウトカムとして、急性冠症候群、虚血性卒中、心血管死亡として組み合わせ


重大心血管イベント
バレニクリン使用 57(1000人年 6.9)
ブプロピオン使用 60(1000人年 7.1)
重大イベント・ハザード比 0.96(95%信頼区間 0.67-1.39)


バレニクリンは急性冠症候群リスク増加と関連せず (1.20, 0.75 to 1.91)、同様に、虚血性卒中(0.77, 0.40 to 1.48)、心血管死(0.51, 0.13 to 2.02)と関連せず

サブグループ分析で、心血管疾患病歴有無間で主要重大心血管イベントリスクは有意で無い(1.24 (0.72 to 2.12) vs 0.83 (0.51 to 1.36); P=0.29)

神経筋疾患気切:発語システム上のPEEP圧設定は患者任せで良い

神経筋疾患による在宅人工呼吸患者で、気管切開人工呼吸依存患者のautonomyのためにも、呼気PEEPを利用した発語システム導入は望ましい。

たとえば・・・
http://www.passy-muir.com/what_is


 以下のトライアルは、ResMedのシステムらしい


PEEP値を補正しなければならないのだが、それは、患者主導の評価で良いという話。sそして、患者コントロールPEEPは、高度PEEPにて呼吸系トレランス良好で、有意に会話機能の改善をもたらす。

Effect of patient-controlled PEEP on the speech of ventilated tracheostomized neuromuscular patients
Marine Garguilo et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-0574
上気道での呼気が十分可能なレベルのPEEPを、Optimal PEEP-level(PEEPeff)と定義

12名の神経筋疾患人工呼吸依存患者

PEEPなし、中間PEEP(PEEP50)で、会話、スパイロメトリーデータを検討
流量・気道圧測定
マイクロホーンスピーチ記録で、理解度評価、知覚認識スコア、韻律評価を含む発語定量的測定・質的評価のためにPEEP条件を盲目化したスピーチ療法士が行う

文書読み時間、発声気流量、発声時呼吸サイクルの利用、スピーチの快適さのいずれも、PEEP増加にて改善、しかし、定量的パラメータは不変であった。

スピーチ中の上気道活用時の呼気量増加のため、生じた効果と思われ、9名全員で呼吸回数増加も生じていた。

PEEP10.0[9.5-12.0]cm水柱でも、呼吸快適性は不変

ECCO2R法:簡易体外循環CO2排泄システム ・・・ 高炭酸ガス血症COPD患者

Extracorporeal CO2 removal (ECCO2R) technique

機器名は、Hemolung® Respiratory Assist System, ALung Technologies, Inc.
http://www.alung.com/respiratory-solutions/hemolung-ras/

簡素な体外循環で、小さな静脈カテーテル:15Frのカテーテル挿入   、透析類似テクニックで可能



A novel extracorporeal CO2 removal system: Results of a pilot study in COPD patients with hypercapnic respiratory failure
Nausherwan K. Burki,  et. al.
CHEST. 2012   doi: 10.1378/chest.12-0228

 low flow ECCO2R systemで、

システム内血流は 430.5±73.7 ml/min
ECCO2R  82.5±15.6 ml/min
時間経過で変動認めず

侵襲的換気をGroup1患者(n=7;侵襲的人工換気必要尤度高い非侵襲的人工呼吸患者)で避けられ、Group2(n=2; 非侵襲的人工呼吸管理離脱不能例)患者では離脱
PaCO2 は、78.9±16.8 mmHg → 65.9±11.5mmHg有意に減少 (p<0 .003=".003">
Group 3(n=11; 侵襲的人工呼吸管理・離脱不能例)では、3名離脱可能、3名は侵襲的人工換気3名減少、1人がカテーテル挿入に伴う後腹膜出血で死亡




あくまでパイロット研究

長期人工呼吸離脱手段として、あるいは、侵襲性人工換気回避手段として、利用が画策されている

はたして、リスクベネフィットはあるのか・・・適応条件の吟味、リスク軽減法の模索段階といったところか・・・

noteへ実験的移行

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