2020年12月23日水曜日

医療崩壊を防ぐ第一の方策:医療機関周囲の社会感染を防ぐこと!

Variation in US Hospital Mortality Rates for Patients Admitted With COVID-19 During the First 6 Months of the Pandemic

JAMA Intern Med. Published online December 22, 2020. 

doi:10.1001/jamainternmed.2020.8193 


REGN-COV2:中和抗体カクテル


EMPACTA (Evaluating Minority Patients with Actemra):Covid-19

Covid-19治療に関し、「米国で唯一承認されている治療法はレムデシビルであり、これまでのところ死亡率を低下させることが示されている唯一の治療法はデキサメタゾン」だが、ご承知の如く、前者の有効性/安全性に関して確たるエビデンスレベルがあるとは言えない状況。

米国CDC調査報告によると、非ヒスパニック系の黒人では非ヒスパニック系白人の3.7倍、ヒスパニック系またはラテン系の4.1倍、非ヒスパニック系アメリカインディアンまたはアラスカ先住民では非ヒスパニック系白人の4.0倍となっており、これは世界的な問題でもあり、英国の1700万人の患者のうち、白人以外の人種・民族の患者はすべて、白人患者よりもCovid-19関連の死亡リスクが高かったとのことで、この報告は、ハイリスク患者や人種・民族的マイノリティ集団に焦点を当てた治験



Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia

Carlos Salama, et al.

N. Engl. J. Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2030340

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2030340

機械式人工呼吸を受けていないCovid-19肺炎入院患者へ2:1ランダム化割り付け

標準ケア+

tocilizumab ( 8mg/kgBW)1回投与 or 2回投与 or placebo

高リスク・マイノリティ人種登録の所在地を組み入れ、site selectionに焦点を当てた

プライマリアウトカム:day 28に人工呼吸 or 死亡



389名をランダム化、修正ITTに含めたのはtocilizumab群 249名、プラシーボ群 128
ヒスパニック、ラテン系:56.0%、黒人 14.9%、アメリカ系インディアンあるいはアラスカ原住民 12.7%、非ヒスパニック系白人 12.7%、他不明を含む群が 3.7%
 
day 28の機械式人工呼吸を受けるか・死亡までの累積比率はトシリズマブ群で12.0% (95% 信頼区間 [CI], 8.5 to 16.9) 、プラシーボ群で19.3% (95% CI, 13.3 to 27.4)p (ハザード比 for mechanical ventilation or death, 0.56; 95% CI, 0.33 to 0.97; P=0.04 by the log-rank test)
clinical failureでは、time-to-event analysis評価で、プラシーボに比べトシリズマブが良好(hazard ratio, 0.55; 95% CI, 0.33 to 0.93)

day 28までの全原因死亡は、tocilizumab群では 10.4%、プラシーボ群では 8.6% (加重差, 2.0 パーセントポイント; 95% CI, –5.2 to 7.8)

safety populationでは、重大副事象発生は、トシリズマブ群では38/250(15.2%)、プラシーボ群では 24/127(19.7%)

機械換気を受けていないCovid-19 肺炎入院患者において,トシリズマブは,機械換気または死亡の複合アウトカムへの進行の可能性を低下させたが,生存率の改善には至らなかった.新たな安全性シグナルは確認されなかった。(Genentechによる資金提供;EMPACTA ClinicalTrials.gov番号、NCT04372186)。

noteへ実験的移行

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