非結核性抗酸菌症(NTMD)の種類である、MAC complexは、Mycobacterium avium と Mycobacterium intracellulare の組み合わせ
この2つを分けられるようになって、病態の違いが次第に分かるようになった。
Mintracellulareのほうがより重症で、予後不良。予後、治療上の相違がある。
Clinical Significance of the Differentiation Between Mycobacterium avium and Mycobacterium intracellulare in M avium Complex Lung Disease
Won-Jung Koh, et. al.
CHEST. 2012;142(6):1482-1488. doi:10.1378/chest.12-0494
M avium呼吸器疾患に比べ、M intracellulare肺疾患は以下の特徴が有る
・高齢 (64 vs 59 years, P = .002)
・より BMI (19.5 kg/m2 vs 20.6 kg/m2, P < .001)
・咳嗽のような呼吸器症状 (84% vs 74%, P = .005)
・結核治療の既往歴 (51% vs 31%, P < .001)
・疾患の線維性空洞病変 (26% vs 13%, P < .001)
・塗抹陽性喀痰 (56% vs 38%, P < .001)
・24ヶ月間抗生剤治療 (58% vs 42%, P < .001)
・抗生剤併用療法後の治療反応不良 (56% vs 74%, P = .001)
米国では、NTMは、MAC>(結核)>Xenopi>RGM>Kansasiiの症例頻度
結核は治癒率が高いから、prevalenceが相対的に低くなる
非結核性抗酸菌症治療に関して、米国での基本的な骨子は“CAM. EB. RFP+アミノグリコシド系薬”であり、日本の抗結核治療延長上のRFP+EB/INH24ヶ月レジメンとは随分異なり、より積極的である。
・週3回の間欠投与法が副作用軽減や高齢者治療のためには有効な方法として推奨されている高齢化に伴い、NTMD治療必要と思われる症例増加してきており、日本でも、より積極的なレジメンが使える環境が望ましいのだが、つい最近まで、保険適応として曖昧なまま放置されていたNTMD・・・日本の医療ってほんとまだまだ・・・
・比較的軽症であるNodular/Bronchiectatic typeに対する初回治療としてCAM1.000 mg. またはazithromycin(AZM) 500 -600 mgとEB25 mg/kgとRFP600 mgのすべてを週3回服用.
・より重症な空洞型に対してはCAM500 - 1.000 mgまたはAZM250 -300 mg. EB 15 mg/kg. RFP 450 ~ 600 mgを毎日
場合によりアミノグリコシド系薬追加,さらに重症あるいは再治療の場合はRFPに替えRBTとアミノグリコシド系誕の併用を推奨
一般的にはマクロライド系薬を含むレジメンで3-6 ヵ月で、|臨床症状は改善し12ヵ月以内で菌陰性化は達成するであろうとしている