日本のガイドラインによると・・・
http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/simplified%20version_B.pdf
HBV 再活性化は、キャリアからの再活性化と既往感染者(HBs 抗原陰性、かつ HBc 抗体または HBs 抗体陽性)からの再活性化に分類される。既往感染者からの再活性化による肝炎は、「de novo B 型肝炎」と称される。
Viewpoint | March 19, 2015
Preventing Hepatitis B Reactivation Due to Immunosuppressive Drug Treatments
Robert P. Perrillo, et. al.
JAMA. Published online March 19, 2015. doi:10.1001/jama.2015.2571
immunosuppressive drug therapy (ISDT):免疫抑制剤治療による、B型肝炎ウィルス(HBV)再活性化は、重篤な肝障害により黄疸、肝不全、死をもたらす
HBs抗原陽性で、化学療法を受けた患者のHBV再活性化率は40%にも及ぶ、しかも、肝不全率13%、死亡率16%
HBs抗原陰性/HBC抗体陽性でも肝臓内にHVB DNA存在し、抗TNFα治療では0から5%、R-CHOP療法では3%〜41%のHBV再活性化認める
B細胞機能低下治療、例えば骨髄移植や血液幹細胞移植、B細胞ターゲット治療では、“reverse seroconversion”が見られ、 HBs抗原再出現が生じることがある。
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免疫抑制剤だけでなく、新規癌治療薬剤、生物製剤など非腫瘍性疾患へも対象が広がり、ステロイド後抗TNF治療がもっともHBV再活性化症例が多いのはその投与期間が長いこともある。
CDC、 American Association for the Study of Liver Diseases、 Asian Pacific Association for the Study of the Liver、 European Association for the Study of the Liver、 American Gastroenterological Associationは、ISDT施行患者のHBs抗原、HBc抗体スクリーニング方針であり、予防的抗ウィルス治療をHBs抗原陽性者全員、HBs抗原陰性/HBc抗体陽性者でB細胞機能低下治療及び高度攻撃的化学療法に対して選択的に使用。リツキシマブ・ベースの治療ではモニターし、HBV再活性化のエビデンス出現時に治療開始することが代替的に用いられる。しかし、HBV DNA存在し、モニタリング3-4週間毎という頻回モニタリング必要で、完全予防も困難という報告がある。ISDN終了後6から12ヶ月は最低治療は継続することが推奨される。
抗ウィルス予防投与を支持するレビューは、ラミブジンであり、HBV再活性化後80%減少効果。ランダム化トライアルでは、ISDT開始時あるいはその前の投与が、HBV・DNA頻回モニタリング・再活性化後治療より有効。
エンテカビル・テノフォビルにより、ラミブジンが、そのHBV耐性率が低く、安全性・有効性が示されている。
HBV再活性リスクを怠り、予防投薬を怠った、医原性HBV再活性化が、米国FDAで109例、リツキシマブやオファツムマブ関連致死的HBV再活性化が、関連急性肝不全として、報告。
医療事故として認識されつつあるHBV再活性化事例・・・関連薬剤を使用する医療関係者だけじゃなく、それ以外にも認識を広め、深める必要がある