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2022年7月5日火曜日

カルニチン代謝:新規喘息治療ターゲット?

 喘息患者の尿中メタボロームから、喘息をコントロールするための新たな介入のターゲットとなりうるエネルギー代謝の根本的な違いを特定とのこと、具体的には、カルニチンらしいが・・・


Urinary metabotype of severe asthma evidences decreased carnitine metabolism independent of oral corticosteroid treatment in the U-BIOPRED study, 

Stacey N. Reinke et al, 

European Respiratory Journal (2021). DOI: 10.1183/13993003.01733-2021

https://erj.ersjournals.com/content/59/6/2101733

【序文】 喘息は、表現型の定義が曖昧な異質な疾患である。重症の喘息患者は、経口コルチコステロイド(OCS)を含む複数の治療を受けていることが多い。治療により、観察される代謝型が変化する可能性があり、疾患の基礎的なメカニズムを調査することは困難である。ここでは、喘息の重症度と投薬との関連で調節された代謝過程を同定することを目的とした。

【方法】 U-BIOPREDの横断的コホートにおいて、健常者(n=100)、軽度から中等度の喘息患者(n=87)、重度の喘息患者(n=418)からベースラインの尿を前向きに収集し、重度の喘息患者(n=305)から12-18ヶ月の縦断的サンプルを収集した。メタボロミクスデータは高分解能質量分析計を用いて取得し、単変量および多変量解析法を用いて分析した。

【結果】 合計90種類の代謝物が同定され、40種類が重症喘息で、23種類がOCS使用で有意に変化した(p<0.05、偽発見率<0.05)。 

多変量解析の結果、健常者と軽度から中等度の喘息患者で観察された metabotypeは、重度の喘息患者の metabotypeと有意に異なる(p=2.6×10-20)。OCS治療喘息患者は非治療の患者と有意に異なる(p=9.5×10-4)。 

metabotypeは経時的に安定であることが示された。 

カルニチンレベルは、重症喘息において、OCSに独立した、最も強い減少を示した。 

喀痰・気道ブラッシングにおいて、カルニチン値減少は、脂肪酸代謝のpathway enrichment scoreの減少、 carnitine transporter SLC22A5の発現減少を介し、ミトコンドリア機能障害と相関した。




代謝物量の階層的クラスター分析(HCA)。HCA は多変量 Spearman 相関距離法と Ward のグループ連結法を用いて行った。黒文字:一変量解析でも多変量解析でも有意でない代謝物、赤文字:一変量解析および/または多変量解析で有意な代謝物。*b) 結果として得られたクラスタの対数変換およびzスケールデータの平均値(95%CI)を臨床群に対してプロットしたもの。HC:健康な対照群、MMA:軽度から中等度の喘息、SAns:重度の喘息非喫煙者、SAs:重度の喘息元喫煙者、L:縦断的データ。




経口コルチコステロイド(OCS)の使用により層別化した重症喘息の非喫煙患者を用いた主成分-正準変量解析(PC-CVA)。クロスバリデーションにより、5つの主成分がCVAモデルで使用する最適な数であることが示された(補足図E2)。 a)臨床クラスでラベル付けされたベースラインデータのスコアプロット、b)ベースラインモデルに投影した重症喘息群の縦断的データ。赤:健常対照者(HC)、黄:軽度~中等度喘息(MMA)、緑:重症喘息非喫煙者(SAns)、青:OCS治療を受ける重症喘息非喫煙者(SAns+OCS)、L:縦断データ、黒丸:各ベースライン群の平均、黒点:各縦断群の平均、実線丸:ベースライン群の平均、黒丸:ベースライン群の平均の95%CI。実線円:ベースライン群の平均の95%信頼区間、破線円:経時的な平均の95%信頼区間。c) loadings plot は、モデルに有意に(p<0.05)寄与した代謝物を表示する。代謝物の位置は、canonical variate (CV) 1 (x-axis) と CV2 (y-axis) における効果の大きさと方向を表示します。代謝物の象限位置は、スコアプロットにおける臨床群の象限位置と関連している。つまり、代謝物は同じ象限を持つ臨床群で最も多く存在することになります。代謝物の色分けは、図1で確認された対応するクラスターに基づいて、図の凡例に従って行われています。
 


【結論】 これは、喘息における疾患とOCSに関連した代謝の違いを明らかにした最初の大規模研究である。観察された代謝型に異なる治療法が広く関連していることから、治療および代謝に特異的な潜在的調節効果を評価する必要性があることが示された。カルニチン代謝の変化は、OCS治療に依存しない潜在的な治療標的であり、重症喘息におけるミトコンドリア機能不全の役割を強調するものである。


2022年2月8日火曜日

喘息治療と気候への影響:定量噴霧式吸入器1回の噴霧量は自家用車1マイル走行に相当という脅し

この分野にもCO2削減が・・・グレダのおかげで・・・ガソリンも値上げされ、pMDIに危機が・・・、にしても、DPIの口腔カンジダについての影響は?


Effects of switching from a metered dose inhaler to a dry powder inhaler on climate emissions and asthma control: post-hoc analysis 

Thorax

Christer Janson, et al.

https://thorax.bmj.com/content/early/2022/01/12/thoraxjnl-2021-218088


【目的】 加圧式定量噴霧器(pMDI)ベースの維持療法から乾燥粉末吸入器(DPI)ベースの維持療法への切り替えと通常治療の継続が、温室効果ガス排出量(二酸化炭素換算、CO2e)と喘息コントロールに及ぼす影響を比較すること。


【方法】 このポストホック解析は、Salford Lung Study in Asthmaの患者2236人(53%)のうち、ベースライン時にpMDIベースのコントローラー療法を使用していたサブセットに基づいて行われたものです。試験期間中、患者はELLIPTA DPIによるfluticasone furoate/vilanterol(FF/VI)投与(pMDIからDPIへの切り替え)(n=1081)または通常治療の継続(n=1155)に割り付けられ、日常臨床に近い条件で管理されました。年間CO2e(kg)は、維持吸入薬と救援吸入薬の処方数の合計で算出しました。喘息コントロールは、ACT反応者の割合(ACTトータルスコア≧20および/またはベースラインからの増加≧3の合成値)で評価した。


【結果】 両群は人口統計学的特徴およびベースラインのAsthma Control Test(ACT)総スコアについてよく一致した(平均年齢:49歳,平均ACTスコア:通常ケア,16.6,FF/VI,16.5)。患者1人あたりの年間CO2e kg(維持療法+救助療法)は、FF/VI DPI治療(「スイッチ」群)が通常のケアより有意に低かった(最小二乗幾何平均 108 kg(95% CI 102~114)対 240 kg(95% CI 229~252)、p<0.001)。FF/VI DPI群では、通常のケアと比較して、12ヶ月間一貫して喘息コントロールが優れていた


【結論】 pMDIベースの維持療法からDPIベースの維持療法に切り替えた患者は、喘息コントロールを失うことなく吸入器の二酸化炭素排出量を半分以上減らすことができた。残りの吸入器のカーボンフットプリントは、pMDIからDPIへのレスキュー薬の切り替えや、より低カーボンフットプリントの代替レスキュー吸入器があれば、それによって削減できる可能性がある。喘息コントロールは両群で改善され、FF/VI DPIを開始した群ではより大きなコントロールが示されました。



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Trial registration number NCT01706198.


2021年12月2日木曜日

ライノウィルス誘発喘息:ILC2/ILC1比率高まり抗ウイルス反応が低下

 エディトリアル

type 2 innate lymphoid cells (ILC2s)は、natural helper cell や nuocyteとして知られ注目され、ILC2は胞表面受容体を発現していない(つまり、linage negative)。ILC2は、上皮由来の自然免疫系サイトカインであるIL-25、IL-33、胸腺間質性リンパポエチン(TSLP)によって刺激され、IL-5、IL-13、IL-9、さらにはIL-4などのT-ヘルパー2(Th2)細胞に典型的に関連するサイトカインを産生することができる。

重要なのは、ILC2の活性化には樹状細胞による抗原提示が必要ないことである。したがって、上皮の感染や損傷によって刺激される粘膜ILC2は、ウイルスによって誘発される喘息の表現型を媒介するのに最適な位置にあると考えられる。

ILC2が記憶反応において重要な役割を果たし、アレルゲンに反応してTh2細胞の活性化を促進することが示唆される

 

ライノウィルス誘発喘息中の臨床トライアル

 

Pulmonary Innate Lymphoid Cell Responses during Rhinovirus-induced Asthma Exacerbations In Vivo: A Clinical Trial
Jaideep Dhariwal ,et al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 204, Issue 11
https://doi.org/10.1164/rccm.202010-3754OC       PubMed: 34469272
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202010-3754OC


【論文根拠】2型自然リンパ細胞(ILC2s)は、2型サイトカインの重要な供給源であり、これらのサイトカインは喘息や喘息増悪の病因に関与している。しかし、ウイルスによる喘息増悪におけるILC2sの役割は十分に明らかにされていない。

【目的】 中等度の喘息患者と健常者を対象に、ライノウイルスの実験的暴露に伴う肺ILCの反応を特徴づけること。

【方法】中等症の喘息患者と健常者にライノウイルス16を接種し,ベースライン時,接種後3日目,8日目に気管支鏡検査を行った。気管支肺胞洗浄液中の肺ILC1sおよびILC2sをフローサイトメトリーで定量した。気管支肺胞洗浄液中のILC2とILC1の比率を評価し、ライノウイルスチャレンジに対する臨床反応と免疫反応に対する両者の相対的な寄与を明らかにした。

【測定と主な結果】ベースラインでは、喘息患者のILC2は健常者に比べて有意に高かった。8日目には、両群ともILC2sはベースラインから有意に増加し、健常者よりも喘息患者の方が有意に高かった(すべての比較はP<0.05)。

健常者では3日目にILC1sがベースラインから増加したが(P=0.001)、喘息患者では8日目にILC1sがベースラインから増加した(P=0.042)。

喘息患者では、ILC2とILC1の比率がベースライン時(P = 0.024)と8日目(P = 0.005)に有意に高かった。

喘息患者におけるILC2:ILC1比の増加は、臨床的な増悪の重症度および鼻粘膜内液中のタイプ2サイトカインと相関していた。

【結論】喘息患者におけるILC2優位の炎症プロファイルは、健常者と比較してライノウイルス感染の重症度および期間の増加と関連しており、ウイルス誘発性喘息増悪の病態におけるILC2の潜在的な役割を支持するものであった。



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2021年11月27日土曜日

気管支喘息気管支平滑筋リモデリング:脂肪酸酸化の重要な役割

 リモデリング治療薬開発示唆?

 

Crucial role of fatty acid oxidation in asthmatic bronchial smooth muscle remodelling
Pauline Esteves, et al.
European Respiratory Journal 2021 58: 2004252; DOI: 10.1183/13993003.04252-2020
https://erj.ersjournals.com/content/58/5/2004252?

 

【背景】 喘息における気管支平滑筋(BSM)のリモデリングは、ミトコンドリアの生合成の増加と喘息のBSM細胞の増殖促進に関係している。ミトコンドリアは最高レベルの細胞エネルギーを産生し、脂肪酸のβ酸化はATPを産生する最も強力な方法であることから、我々は、喘息のBSM細胞ではエネルギー代謝が脂肪酸のβ酸化にシフトしているのではないかと考えた。

【目的】 喘息のBSM細胞の代謝をin vitroおよびex vivoで解析し、BSM細胞の増殖を抑制するための新たな標的を同定することを目的とした。

【方法】 喘息患者21名と非喘息患者31名を登録した。メタボロームおよびプロテオミクスの手法を用いて、BSM細胞を調査した。酸化ストレス、ATP合成、脂肪酸のエンドサイトーシス、代謝物の生成、代謝能力、ミトコンドリアネットワーク、細胞増殖、アポトーシスをBSM細胞で評価した。脂肪酸の含有量は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法によるイメージングを用いてin vivoで評価した。

【結果】 気管支喘息のBSM細胞は、ミトコンドリア呼吸速度が上昇し、ATP産生とミトコンドリアβ酸化が促進されていることが特徴的であった。喘息のBSMでは、in vitroとex vivoの両方で脂肪酸消費量が増加していた。

喘息患者のプロテオームは、2つのミトコンドリア経路で変化した。カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)2低密度リポタンパク質(LDL)受容体は、それぞれ脂肪酸をミトコンドリア膜と細胞膜を通して内在化させるが、喘息のあるBSM細胞では両方とも増加していた。CPT2またはLDL受容体をブロックすると、喘息を持つBSM細胞の増殖が劇的かつ特異的に減少した。

【結論】 本研究は、喘息のBSMにおいてミトコンドリアのβ酸化に向けて代謝が変化していることを示し、脂肪酸代謝が喘息のBSMリモデリングを抑制するための新たな重要な標的であることを明らかにした。

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2021年9月27日月曜日

NOVELTYコホート:医師診断 喘息 and/or COPD内のheterogeneity

 

NOVELTYコホート:医師診断 喘息 and/or COPD内のheterogeneity

http://makise.mobi/wp/2021/09/27/870/

特定個人への医師の診断でも、COPDと喘息で揺れ動く事例多数あり、一時点で喘息なのかCOPDなのかあるいはACOなのか断定できるのは不可能と思う。同じ俎上に乗せてその特性を検討するというのは喘息・COPD診断スペクトラムの実態理解の上に重要だと思う

元論文:

Heterogeneity within and between physician-diagnosed asthma and/or COPD: NOVELTY cohort | European Respiratory Society (ersjournals.com)

2021年9月21日火曜日

小児喘息への吸入ステロイドと肥満の関連はありそうだが、因果関係の可能性は?

  「体格の指標であるBMI(body mass index)は乳児期早期に増加傾向を示し、乳児期後期から減少に転じて、さらに幼児期に減少から増加に転じます。このBMIが幼児期に減少から増加に転じる現象はadiposity rebound(AR)」と呼ぶ。

http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/clinical-research/untersuchung/post_259.html


Associations between Inhaled Corticosteroid Use in the First 6 Years of Life and Obesity-related Traits
Asja Kunøe et al.
 American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine  Volume 204, Issue 6
https://doi.org/10.1164/rccm.202009-3537OC       PubMed: 33975528

https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202009-3537OC

理論的根拠:乳幼児は、特に、吸入コルチコステロイド(ICS)による肥満度(BMI)、adiposity rebound (AR)、体組成への潜在的な臨床的副作用を経験しやすいかもしれませんが、この年齢層における長期研究ではほとんど検討されていません。

目的:生後6年間のICS曝露と、BMI、AR、体組成、および血中脂質濃度との関連を明らかにすること。

方法:COPSAC(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood)の2つの母子コホートに属する小児を対象とした。ICSの使用は6歳までプロスペクティブに登録し,累積投与量を算出した。解析には重回帰モデルを用いた。

測定と主な結果:COPSACコホートの1,111人の子どものうち、合計932人(84%)がBMIデータを持ち、786人(71%)が6歳時の二重エネルギーX線吸収測定スキャンデータを持ち、815人(73%)がAR年齢を算出した。

291名(31%)の小児が、6歳までに10週間の標準的な治療よりも多いICS累積投与を受けていた。

0~6歳のICS治療は、BMI z-scoreの増加(0. AR年齢が-0.18歳(95%信頼区間,-0.28~-0.08歳,P=0.0006),幾何平均体型脂肪率が2%増加した(P=0.05).

ICSの暴露と二重エネルギーX線吸収測定のデータは関連していなかった。

結論:幼児期のICS使用は,6歳時のBMI zスコアの増加,ARの早期化,android body fat percentageの増加と関連する傾向が見られた。

2021年9月3日金曜日

fatty acid desaturase genotypeによってはn-3不飽和脂肪酸摂取量が小児喘息へ影響を与える

 

  n-3 (ω-3) very-long-chain polyunsaturated fatty acids (VLC-PUFAs), i.e. eicosapentaenoic acid (EPA) とdocosahexaenoic acid (DHA) の内因性産生は,脂肪酸デサチュラーゼ:fatty acid desaturase(FADS)による前駆体脂肪酸の変換効率に依存している。FADSの一塩基多型(SNP)であるrs1535のマイナーGアリル( minor G allele of a FADS single nucleotide polymorphism (SNP), rs1535)は,ゲノムワイド関連研究のメタアナリシスでは,血漿中のEPAおよびDHA濃度の低下を予測しており,妊娠中の魚油補充に関する無作為化比較試験(RCT)に参加した母親では,その傾向が見られた。後者のRCTでは,G対立遺伝子を持つ母親の子供において,子供の喘息リスクに対するサプリメントの有益な効果が最大であった。このことは,このFADS SNPのG対立遺伝子を持つ人が,EPAとDHAの高いステータスと健康上の利点の両方を得るためには,あらかじめ形成されたEPAとDHAを外因的に供給すること(例えば,魚や魚油サプリメントから)が必要であることを示唆している。

 

Intake of n-3 polyunsaturated fatty acids in childhood, FADS genotype and incident asthma
Mohammad Talaei, et al.
European Respiratory Journal 2021 58: 2003633; 

DOI: 10.1183/13993003.03633-2020
https://erj.ersjournals.com/content/58/3/2003633?rss=1

ω-3系超長鎖多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)の幼少期における食事摂取量と喘息リスクとの関係に関する縦断的なエビデンスは乏しい。小児期に魚からのEPAおよびDHAの摂取量が多いことが、喘息発症リスクの低下と関連するかどうかを調べることを目的とした。

Avon Longitudinal Study of Parents and Children(エイボン親子縦断研究)において,7歳時の食物頻度調査により,魚からのEPAおよびDHAの食事摂取量を推定した。交絡因子をコントロールしたロジスティック回帰法を用いて、EPAおよびDHAの摂取量(四分位)と11歳または14歳の時点で医師が診断した喘息の発症率との関連を分析し、脂肪酸デサチュラーゼ(FADS)多型(rs1535)による効果修飾の可能性を検討した。スウェーデンのBAMSE出生コホートで再現性を検討した。

魚類からのEPAおよびDHAの摂取量と喘息発症との関連を示す証拠は、全体(n=4543)では認められなかった。しかし、FADS遺伝子型で層別すると、2025年 minor G allele of a FADS single nucleotide polymorphism (SNP), rs1535の上位と下位を比較したオッズ比は0.49(95%CI 0.31-0.79、ptrend=0.006)であったが、ホモ接合のメジャーAアリル保有者では逆相関は認められなかった(OR 1.43、95%CI 0.83-2.46、ptrend=0.19)(pinteraction=0.006)。この喘息発症に対する遺伝子と栄養素の相互作用は、BAMSEでも再現された。

共通のFADS変異体を持つ小児において、小児期に魚からのEPAおよびDHAの摂取量が多いことは、青年期半ばまでの喘息発症リスクの低下と強く関連していた。

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コントロール不良喘息へのトリプル吸入:ネットワークメタアナリシス

テリルジー」、「ビレーズトリ」、「エナジア」と長期処方可能トリプル吸入製剤がでそろったが、喘息適応は「テリルジー」と「エナジア」、COPD適応は「テリルジー」と「ビレーズトリ」とやや不可解

 

コントロール不良喘息を対象とする固定吸入トリプルpIIIトライアルのネットワークメタアナリシス

中等度以上の喘息を対象とするJAMAの報告と合わせ評価する必要があるのかもしれない。トリプル製剤使用に関しては対象をどこにするか議論が必要だと思う。

 

2021年2月5日金曜日

喫煙リスクは世代を超えて伝わる:祖母による喫煙の影響

エピジェネティック遺伝は孫へ伝わる?


Grandmaternal smoking, asthma and lung function in the offspring: the Lifelines cohort study

Gillian M Mahon, et al.

背景/目的 妊娠中の祖母の喫煙と孫の喘息リスクおよび肺機能の変化との関連については、限られた研究しか存在しない。本研究は、3世代を対象にこの関連性を調査することを目的とした。

方法 オランダで実施された前向き縦断3世代コホート研究であるLifelines研究から37 291人(成人25 747人、小児11 544人)が参加した。対象となった成人および小児の 69.5%および 61.1%でspirometryが利用可能であった。 
妊娠中の祖母の喫煙と(1)喘息、(2)幼児期の喘息(すなわち、6 歳前に発症)、(3)肺機能レベルとの関連を分析するために、ロジスティック回帰と線形回帰を用いた。 
母方および父方の祖母の喫煙を別々に調査し、解析は成人/子供別、性別別に層別化した。解析は、性別、現在の喫煙、出生時の変数、社会経済状況で調整された。

結果 
成人集団で、母系祖母の妊娠中喫煙は喘息高リスクと関連 (OR (95% CI): 1.38 (1.06 to 1.79))、同様、幼児期喘息(1.49 (95% CI 1.06 to 2.11))、低FEV1/FVC%予測比(B (95% CI): −1.04 (−1.91 to −0.16) と男児では関連。被験者小児の個別分析ではこれらの所見は認めなかった。父系祖母喫煙と喘息/肺機能の関連性有意所見無し

結論 妊娠中の母方の祖母の喫煙は、男性の孫では喘息リスクの上昇と肺機能の低下と関連し、その後の世代の男性の孫では逆効果である。世代を超えたタバコ喫煙の根深い影響を浮き彫りにしている。

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2021年1月22日金曜日

喘息患者に於ける肺外対応可能特性phenotype:身体活発性、肥満、不安/うつ

喘息患者に於ける肺外対応可能特性phenotype


これまでの喘息クラスタ解析では、肺外治療可能な形質とリスク因子に基づいて患者の表現型を決定することは試みられてないが、身体活動の不活発さや高い座位時間などの形質は喘息患者、特に重症の患者では一般的であり、これらは臨床転帰や健康状態の悪さと有意に関連している。一般集団や他の慢性疾患のエビデンスから、これらの形質は重要な修正可能性要素あることが確認されている。 

したがって、これらの特徴の影響とそれらがどのように集積しているかを理解することは、現在の喘息管理のパラダイムを超えた治療介入を開発する上で重要である



Identification of asthma phenotypes based on extrapulmonary treatable traits

Patricia Duarte Freitas, et al.

European Respiratory Journal 2021 57: 2000240; 

DOI: 10.1183/13993003.00240-2020



喘息は不均質で複雑な疾患であり、肺外治療可能な形質に基づいた喘息表現型の記述はこれまでに報告されていない。

本研究の目的は、中等度から重度の喘息患者の臨床的特徴、機能的特徴、人体統計学的特徴、心理学的特徴に基づいて喘息のクラスターを同定し、特徴づけること

この研究は、ブラジルとオーストラリアのセンターが参加した多施設横断的研究であった。中等度から重度の喘息の参加者(n=296)が連続して募集された。身体活動と鎮静時間、喘息の臨床的コントロール、人間計測データ、肺機能、心理学的および健康状態が評価された。参加者を階層的クラスタ分析で分類し、ANOVA、Kruskal-Wallisおよびカイ二乗検定を用いてクラスタを比較した。変数間の関連を評価するために、多重ロジスティック回帰モデルおよび線形回帰モデルが実行された。

4つのクラスターを同定
1)喘息をコントロールしていて身体活動が活発な参加者
2)喘息をコントロールしていない参加者で身体活動が少なく、より座りっぱなしの参加者
3)喘息をコントロールしておらず身体活動が少ない参加者で、肥満で不安および/または抑うつ症状を経験している参加者
4)喘息をコントロールしていない参加者で、身体活動が少なく、より座りっぱなしで、肥満で、不安および/または抑うつ症状を経験している参加者





鎮静時間、女性の性および不安症状のレベルが高いほど、増悪リスクの増加と関連していたが、活動的であることは入院の保護因子を示していた。喘息のコントロールは、性、増悪の発生、身体活動、健康状態と関連していた。

運動不足、肥満、不安や抑うつの症状は喘息の転帰の悪化と関連しており、喘息のコントロールと密接かつ表裏一体の関係にあった。このクラスター分析は、中等度および重度の喘息患者の個別化された管理と転帰を改善するために、肺外形質を評価することの重要性を強調している。

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2020年12月18日金曜日

生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられている

生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられているという仮説

生誕時肺機能検査評価とその後のコホートにて明確になりつつある

胎内成長との関連ということに話がなってくるのだが・・・


先行研究にて生誕時maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)が生後3ヶ月後の喘鳴と関連している(N Engl J Med 1988; 319:1112-1117) 。さらに、24歳時点での活動性喘息とも関連という報告(Pediatr Pulmonol 2018; 53: 1082-1088)があった。peak tidal expiratory flow to the total expiratory time (tptef/te)、T<sub>me</sub>/T<sub>E</sub>maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)よりその後の喘鳴リスク予測となるとの報告と10歳時点での活動性喘息との関連性有りという報告(NEJM 2006; 355 : 1682-1689)もある

2020年12月4日金曜日

ベルギーコホート:重症喘息:biologics使用ではSARS-CoV-2感染増加と関連せず?

type 2 low 表現型、経口コルチコステロイドの使用、および重度の喘息が悪化因子である可能性があるが、吸入コルチコステロイド(ICS)による維持治療および良好な喘息コントロールはおそらく保護的

重度の喘息および/または生物学的製剤の使用がある被験者におけるCOVID-19に関連するリスクに関する情報は現在のところ乏しい。好酸球減少症はCOVID-19の重症度のバイオマーカーであるため 、抗IL5および抗IL5受容体ブロッキングモノクローナル抗体によって誘発される好酸球減少は、患者およびその治療を行う医師に懸念を抱かせる。

ベルギー重症喘息登録(BSAR)のデータに基づいて、重症喘息の成人患者におけるCOVID-19の発生を評価し、生物製剤を使用している重症喘息患者が、これらの薬剤を使用していない患者と比較して重症COVID-19のリスクが増加するかどうかを評価


結論は以下の通り 

In conclusion, among this cohort of adult patients with severe asthma, a small number of COVID-19 cases was found, none of which resulted in death or a very severe disease course. Treatment with biologics for severe allergic or severe eosinophilic asthma was not associated with a higher risk of SARS-CoV-2 infection nor with more severe COVID-19. 

COVID-19 and biologics in severe asthma: data from the Belgian Severe Asthma Registry

Shane Hanon, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 2002857; 

DOI: 10.1183/13993003.02857-2020

https://erj.ersjournals.com/content/56/6/2002857?rss=1







2020年10月20日火曜日

小胞体ストレスと肺疾患

Role of unfolded proteins in lung disease

https://thorax.bmj.com/content/early/2020/10/18/thoraxjnl-2019-213738

肺は様々な環境毒素(タバコの煙、大気汚染、アスベストを含む)や病原体(細菌、ウイルス、真菌)にさらされており、ほとんどの呼吸器疾患は局所的または全身的な低酸素に関連しています。これらの有害因子はすべて、小胞体(ER)ストレスの引き金となります。

小胞体は、分泌および膜タンパク質の合成のための細胞内の重要な部位であり、それらの折り畳み、複合体への組み立て、輸送、および分解を制御しています。



 unfolded protein response


小胞体内にmisfolded proteinが蓄積されると、小胞体ストレスが生じ、unfolded protein response (UPR)が活性化されます。UPRのエフェクターは一時的にタンパク質合成を低下させ、一方で、 misfolded proteinの分解を促進し、ERの折り畳み能力を増加させる。成功すれば、恒常性が回復し、タンパク質合成が再開するが、ERストレスが持続すると、細胞死経路が活性化する。

ERストレスとその結果生じるUPRは、様々な肺障害で発生し、その結果は多くの呼吸器疾患において重要な役割を果たしています。UPRは、いくつかの呼吸器疾患を持つ患者の気道とそれに対応する実験モデルでトリガーされます。ERストレスは、肺線維化の開始および進行に関与しており、閉塞性肺疾患(特に喘息)、肺感染症(一部のウイルス感染症および嚢胞性線維化気道の設定)、および肺癌においてERストレスが起こることを示唆する証拠が蓄積されている。疾患モデルにおける UPR の役割を調べるために多くの低分子阻害剤が使用されてきたが、これらのツールの多くは複雑で標的外の効果を持つため、そのような薬理学的薬剤の影響に基づく結論を支持するためには、追加の証拠(例えば、遺伝子操作によるもの)が必要とされるかもしれない。UPRの異常な活性化は、疾患の発症や進行に関連している可能性があるが、これらのプロセスに関連する context-specific なメカニズムや疾患特異的なメカニズムについての理解は、現時点では不完全である。しかし、UPRがERストレスから身を守り、様々な呼吸器疾患に影響を与えることが明らかになってきており、治療介入戦略のターゲットとして注目されています。


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UPRと特発性肺線維症



肺線維性肺疾患におけるERストレスとunfolded protein応答。肺線維症では、タバコの煙、アスベスト、粒子状物質またはウイルスなどの引き金は、遺伝的に素因を持つ宿主(例えば、サーファクタントタンパク質変異、MUC5B多型)においてERストレスを誘発する可能性がある。これは、アポトーシスおよびepithelial mesenchymal transition (EMT)と関連している。組織低酸素は、患部のERストレスをさらに促進する可能性がある。


ER、小胞体;MUC5B、ムチン5B;UPR、unfolded protein response。

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UPRと喘息

説明を追加


喘息におけるERストレスとunfolded protein response応答。喘息では、ハウスダストマイト、ウイルス性または真菌性病原体、およびタバコの煙などの誘因は、遺伝的に素因を持つ(例えば、ORMDL3多型)宿主においてERストレスを引き起こす可能性があります。これは、炎症、アポトーシス、粘液の過分泌に関連しており、気道反応性およびリモデリングにつながる。

ER、小胞体;UPR、unfolded protein response。

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UPRとCOPD

COPDを対象とした大規模なGWASやシークエンス研究にもかかわらず、ERストレスやUPRとの明確な遺伝的関連性は明らかにされていない。CSは気道上皮細胞においてERストレスを誘導することができるが、これは機序的な関連性とは言えず、複数の細胞ストレス経路がCSによって開始される。Minらは、UPRのIRE1とATF6については調査していないが、COPD患者の肺では免疫ブロッティングによりリン酸化されたeIF2αとCHOPの発現が増加していることを報告している。Hassanらは、COPD患者の単球においてmiR199a-5pの発現低下がBiP、ATF6、XBP1sの発現増加の裏付けとなっていることを報告しているが、これは興味深い知見であるが、肺の病理学的意義は不明である。マウスモデルもまた、肺気腫におけるERストレスの役割の可能性を示唆しているが、そのようなモデルがヒトの疾患をどのように再現するかは議論の余地がある。4-PBAは、CS誘発性肺気腫のマウスモデルにおいて部分的に保護され、ヘム消去タンパク質であるヘモペキシンで処理されたマウスは、臭素吸入に対するERストレス、気道線維化、および肺気腫の発症がコントロールマウスよりも少なかった15。

このように、全体的に見ると、UPR は COPD の文脈で活性化されている可能性があるが、COPD 病因に対する UPR の寄与は現在のところ不明である。

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COPDのところがオチ

2020年10月13日火曜日

妊娠中母親の心理的苦悩は胎内で影響を受け、子供の後年の喘息・肺機能へ影響を与える

Parental psychological distress during pregnancy and the risk of childhood lower lung function and asthma: a population-based prospective cohort study 

Evelien R van Meel, et al.

https://thorax.bmj.com/content/early/2020/09/25/thoraxjnl-2019-214099

背景 

妊娠中の母親の心理的苦痛は、未就学児の呼吸器疾患リスクの増加と関連しているが、この関連がその後の小児期にまで持続するかどうかは不明である。


目的 

妊娠中の母親の心理的苦痛と就学前児肺機能および喘息との関連を検討


方法 

小児4231人を対象とした本研究は、集団ベースの前向きコホートに組み込まれている。親の心理的苦痛は、妊娠中と妊娠3年後、および妊娠2ヵ月と6ヵ月後の母親において、Brief Symptom Inventoryで評価。10歳時点で肺機能はスパイロメトリ評価と質問紙による評価。


結果 

喘息の有病率は5.9%であった。

妊娠中の母親の全心理的苦痛は 小児において以下関連

FVC低下 (z-score difference −0.10 (95% CI −0.20 to –0.01) per 1-unit increase)

妊娠時母親のうつ症状とFEV1低下 、FVC低下((臨床的カットオフ値使用時 −0.13 (95% CI −0.24 to –0.01) 、−0.13(95% CI −0.24 to –0.02)) 

妊娠中のすべての母親の心理的苦痛対策は、喘息のリスク増加と関連していた(範囲OR:1.46(95%CI 1.12~1.90)~1.91(95%CI 1.26~2.91))。 

妊娠中の父親の心理的苦痛と妊娠後の両親の心理的苦痛を追加調整しても、関連は実質的に変化しなかった。 

妊娠中の父親の心理的苦痛は、小児期の呼吸器疾患とは関連していない


結論 

父親では関連ない、妊娠中の母親の心理的苦痛は、喘息のリスクの増加と部分的に子供の肺機能を低下させると関連付けられている。子宮内のprogramingで生まれた後の後年の呼吸器疾患を示唆 することとなる

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<hr>母親の視床下部・下垂体・副腎系への影響ということが仮説になっている

This suggests a potential role of intrauterine mechanisms, such as altered programming of the fetal hypothalamic–pituitary–adrenal (HPA) axis, leading to adaptive airway and lung development and asthma. The association of maternal psychological distress during pregnancy with childhood asthma might also be explained by residual confounding factors such as unmeasured genetic, social, behavioural or environmental factors. 



2020年10月9日金曜日

喘息:感冒回数リスクとして性差、喘息、TLR7遺伝子発現などの関連

 喘息患者ではTLR7遺伝子発現低下、症状コントロール悪い場合はTLR8遺伝子発現低下

性差はあるものの感冒と喘息の病態の関連あり

Toll-like受容体:TLR7及びTLR8遺伝子は染色体X上に局在し、single strand RNAウィルスへの検出・反応をencodeする受容体である、これらの受容体の活性化は抗ウィルスサイトカイン type I interferonを産生を誘導し、抗ウィルス作用に重要

形質細胞様樹状細胞(pDC)はTLR7の高レベル発言をもたらしtype 1 interferonの主たるpruducerである。

これらの抗ウィルス因子喪失すると頻回の気道感染しやすくなると考えられる

ただ、type 1 IFN産生欠如と喘息での機能に合致しない所見が認められ、pDCの変異、性別、年齢の影響が認められた。喘息においてpDC-TLR7-INF-axisの欠如認められた


Risks for cold frequency vary by sex: role of asthma, age, TLR7 and leukocyte subsets

Liisa M. Murray, et al.

European Respiratory Journal 2020 56: 1902453; DOI: 10.1183/13993003.02453-2019

https://erj.ersjournals.com/content/56/4/1902453?rss=1

ウイルス性呼吸器感染症は通常良性であるが、喘息の増悪の引き金となることがある。上気道感染(風邪)の頻度に関連する因子は完全には解明されておらず、また、そのような因子が女性と男性で異なるかどうかも明らかになっていない。


自己申告による呼吸器感染症(風邪)の頻度と関連する免疫学的および臨床的変数を明らかにするために、150人の喘息患者と151人の対照者を募集した。次に、風邪の頻度を説明する可能性のある抗ウイルス免疫応答変数である、toll-like receptor(TLR)7/8遺伝子発現、形質細胞様樹状細胞(pDC)数、インターフェロン-α、腫瘍壊死因子、インターロイキン-12産生、喘息との関連を検討した。


喘息患者は対照群に比べて年間の風邪回数が多く(中央値は3回対2回;p<0.001)、ベースラインのTLR7遺伝子発現が低かった(オッズ比0.12;p=0.02)。

多くの変数と風邪の頻度との関連は、女性と男性で異なっていた。

女性では、血中好中球数の増加(β=0.096、p=0.002)、若年齢(β=0.017、p<0.001)が独立して風邪の頻度の増加と関連し、子供の接触とは関連せず。

男性では、TLR7の低発現(β=0.96、p=0.041)とCLEC4C遺伝子の高度発現(pDCのマーカー、β=0.88、p=0.008)が独立して風邪の頻発と関連していた。

喘息症状のコントロール不良は、TLR8遺伝子発現の低下(β=1.4、p=0.036)およびbody mass index (β=0.041、p=0.004)と独立して関連していた。


喘息、年齢、末梢血中の炎症および抗ウイルス免疫のマーカーは、頻繁な風邪と関連している。興味深いことに、風邪の頻度と関連する変数は、女性と男性で異なっていた。


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2020年9月8日火曜日

血中テストステロン高値は喘息に関して防御的

結論から

英国40−69歳大規模住民ベース研究で、血中遊離テストステロンは医師診断喘息と現行喘鳴と男女ともオッズ比低下と関連性を示すばかりで無く、女性においては1回以上の入院のオッズ比低下、男性においてはFEV1、FVC高値と関連するprotectiveな影響を示した


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エストロゲンとプロゲステロンはTh2-誘導アレルギー性気道炎症を促進するが、テストステロンや5-α-DHT(dihdrotestosterone)は自然免疫や獲得免疫反応抑制によりそのようなアレルギー性気道炎症を抑制する可能性が記述されており、エストロゲン値とプロゲステロン値は月経周期・妊娠・閉経あるいは外的ホルモン摂取により変動し、女性においては喘息リスク増加と関連する。観察研究ではテストステロン高値は女性においては現行の喘息オッズ低下と関連するが男性では認めないというものがあったが検証パワー不足のままである

喘息に対するテストステロンの防御的役割について血中遊離テストステロンと喘息、現行喘鳴、喘息入院と肺機能の関連を検討した報告


Serum free testosterone and asthma, asthma hospitalisations and lung function in British adults

Yueh-Ying Han, et al.


https://thorax.bmj.com/content/early/2020/09/06/thoraxjnl-2019-214204

目的  

高齢者における無血清テストステロンと喘息,喘鳴,喘息による入院,肺機能との関連を検討した。

デザイン 横断的研究。

設定 英国。

参加者 2006年から2010年に募集した40~69歳の成人256 419人。

主なアウトカム指標 

遊離テストステロンと医師から診断された喘息、現在の喘鳴、喘息の入院、肺機能測定の解析には多変量ロジスティック回帰または線形回帰を使用し、血清エストラジオール、喫煙状況、およびその他の共変量で調整した。

結果 

最も低い四分位(Q1)以上の遊離テストステロン値は、女性(Q4(最も高い四分位)対Q1=0.67、95%CI=0.64~0.71の調整済みOR(aOR))と男性(Q4対Q1=0.87、95%CI=0.82~0.91)の両方で喘息のオッズが低いことと有意に関連していた。 

喘息の被験者では、Q1以上の遊離テストステロン値は、女性では現在の喘鳴のオッズの低下と有意に関連しており(aOR範囲0.78~0.87)、Q4の遊離テストステロン値は男性では現在の喘鳴のオッズの低下と関連していた(Q4のaORはQ1対0.86、95%CI=0.77~0.95)。 

喘息を有する女性では、第4四半期の遊離テストステロン値もまた、1回以上の喘息による入院のオッズの低下と関連していた。 

男性では、遊離テストステロンはFEV1およびFVCと正の相関があった。 

女性では、遊離テストステロンとFVCとの関連性は否定的で弱かった。



結論 

英国成人を対象とした大規模研究で、遊離テストステロン値の上昇は、女性と男性で喘息と現在の喘鳴のオッズの低下、女性においては喘息による入院のオッズの低下、男性ではFEV1とFVCの上昇と関連していた。


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discussionから

現在の結果と一致するように、ヒトの第二相臨床試験では、吸入コルチコステロイドと長時間作用型β2アゴニストを服用している中等度から重度の喘息を持つ成人の喘息コントロールと症状を、ネブライズドデヒドロエピアンドロステロン-3-硫酸塩(DHEAS)が改善したことが報告されています。さらに、COPDを持つ40~63歳の米国人男性450人を対象とした研究では、テストステロン補充療法を受けた被験者は、4.2~9.1%の減少が見られた。あるマウスモデルでは、テストステロンは、テストステロン補充療法を受けていない被験者と比較して、入院中の肺のダニ誘発性好酸球性および好中球性炎症を部分的に減少させることが示されました。別のマウスモデルでは、テストステロンは、type 2 自然リンパ球細胞(ILC2)を減衰させることにより、オルタナリア抽出物に誘導されたインターロイキン(IL)-5、IL-13、肺好酸球を減少させることが示されています。他の研究では、アンドロゲンが気道平滑筋弛緩を誘導することが示されている。モルモットの気道では、テストステロンが生理的な濃度で、IP3受容体(ITPR)を調節することで細胞内カルシウム(Ca2+)iの増加を減少させ、平滑筋の反応性を低下させました。また、アンドロゲンは、ヒト気道平滑筋細胞における腫瘍壊死因子(TNF)-αやIL-13誘導による(Ca2+)iの増加を弱め、気道反応性を低下させることも示されている。テストステロンの拡張作用と抗炎症作用は、喘息、現在の喘鳴や喘息の入院に関する我々の結果を説明できるかもしれない。


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2020年8月6日木曜日

アレルギー性気道炎症に於けるフェロトーシス:ステロイドとのsynergy効果など NAC・グルタチオンもね・・・

喘息とフェロトーシス

フェロトーシス(フェロプトーシス,Ferroptosis)は,「制御された細胞死」の一つで2012年にコロンビア大学のストックウェル教授のグループにより初めて報告されました。アポトーシスやネクロトーシスとの共通点(例えば,オルガネラの膨張,クロマチンの凝縮,膜の完全性の喪失)は無く,フェロトーシスを起こしている細胞は,細胞体積の減少やミトコンドリア膜密度の増加など,正常細胞と比べ形態的にはわずかな違いしかありません。また,生化学的プロセスも異なります。フェロトーシスは,鉄依存の過酸化脂質の蓄積に起因します。鉄は脂質過酸化を強く促進し,生じたROS(Reactive Oxygen Species,活性酸素種)が細胞の抗酸化システムの処理能力を超えると,酸化ストレスがタンパク質,核酸,脂質を損傷します。このように,酸化を受けた脂質は致命的な信号として機能し,損傷した物質の除去/リサイクルにつながる反応が開始します。




Induction of ferroptosis-like cell death of eosinophils exerts synergistic effects with glucocorticoids in allergic airway inflammation
Yanping Wu , et al.

はじめに 
好酸球はアレルギー疾患において重要な役割を果たしており、好酸球の死滅を促進することでアレルギー性気道炎症を効果的に抑制することができる。フェロトーシス(Ferroptosis)は最近報告された新しい細胞死の形態であるが、好酸球のフェロトーシスとその関連疾患についてはほとんど知られていない。本研究では、 ferroptosis-inducing agents (FINs) の好酸球死およびアレルギー性気道炎症に対する効果を調べ、グルココルチコイド(GC)との相乗効果の可能性を探ることを目的とした。

方法 
ヒトまたはマウスの末梢血から分離した好酸球をFINsとインキュベートし、好酸球のフェロプトーシスを評価した。アレルギー性気道炎症モデルマウスを用いて,FINs単独またはデキサメタゾン(DXMS)との併用によるin vivo効果を検討した。気管支肺胞液および肺組織を採取し、気道炎症を調べた。

結果 
ヒトおよびマウスの好酸球の細胞死を誘導した。 
FINsは好酸球にnon-canonical ferroptosisを誘導し、フェロトーシスに特有の形態学的特徴を生じ、鉄に依存したが脂質過酸化とは無関係であった。 
抗酸化物質であるグルタチオンとN-アセチルシステインは、FINによる細胞死を有意に抑制した。 
FINでの治療はin vivoで好酸球死を誘発し、最終的にはマウスの好酸球性気道炎症を緩和した。さらに、FINはDXMSとの相乗効果により、in vitroで好酸球死を誘導し、in vivoではアレルギー性気道炎症を緩和した。

結論 
FINは好酸球のフェロトーシス様細胞死を誘導することから、好酸球性気道炎の治療薬として、特にアレルギー性疾患の治療におけるGCとの相乗効果が期待できる。

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私にはさっぱり分からない





The regulatory mechanisms of ferroptosis: 
(1) iron metabolism mechanism, including HSPB1-TFR1, ATG5/7-NCOA4 pathway, IREB2 pathway, and Keap1-Nrf2 pathway;
 (2) system Xc-, including Xc-/GSH/GPX4, p53/SLC7A11 pathway, Keap1-Nrf2 pathway, and sulfur transfer pathway (methionine); 
(3) lipid metabolism mechanism, including p53-SAT1-15LOX pathway, ACSL4, and LPCAT3; 
(4) MVA pathway and FSP1-CoQ10-NAD(P)H pathway working cooperatively with GPX4 and GSH/GSSG to inhibit phospholipid peroxidation and ferroptosis. 

Abbreviations—ACSL4: acyl-CoA synthetase long-chain family member 4; ALOX: arachidonate lipoxygenase; AA: arachidonoyl; AdA: adrenoyl; ABCB6: ATP-binding cassette subfamily B member 6; ATG5: autophagy-related 5; ATG7: autophagy-related 7; CoQ10: coenzyme Q10; Cys: cysteine; system Xc-: cysteine/glutamate transporter receptor; DMT1: divalent metal transporter 1; FTH1: ferritin heavy chain 1; FTL: ferritin light chain; FPN: ferroportin; FSP1: ferroptosis suppressor protein 1; Glu: glutamate; GCLC/GCLM: glutamate-cysteine ligase; GSH: glutathione; GSR: glutathione-disulfide reductase; GPX4: glutathione peroxidase 4; GSS: glutathione synthetase; Gly: glycine; HSPB1: heat shock protein beta-1; HO-1: heme oxygenase-1; IREB2: iron-responsive element binding protein 2; Keap1: Kelch-like ECH-associated protein 1; LOX: lipoxygenase; LPCAT3: lysophosphatidylcholine acyltransferase 3; MVA: mevalonate; NADPH: nicotinamide adenine dinucleotide phosphate; Nrf2: nuclear factor erythroid 2-related factor 2; NCOA4: nuclear receptor coactivator 4; GSSG: oxidized glutathione; PL: phospholipid; ROS: reactive oxygen species; STEAP3: six transmembrane epithelial antigen of the prostate 3; SLC7A11: solute carrier family 7 member 11; SAT1: spermidine/spermine N1-acetyltransferase 1; TF: transferrin; TFR1: transferrin receptor 1; ZIP8/14: zinc-iron regulatory protein family 8/14.


2020年7月16日木曜日

小児喘息:ライノウィルスCによる免疫調整障害

コロナウィルスばやりだが、喘息やCOPDに関わるウィルスであるライノウィルスがやはり気になる


RV-AとRV-Cは地域社会で同様の有病率で循環していることがわかっているが、
小児科病院の入院や診察に関する研究では、RV-CはRV-Aよりも重篤な感染症症状と喘息の増悪の頻度が高いことがわかっている。
出生コホートの研究ではこれは検出されていませんが、RV-Cの重症化率の増加は、RV-C特有の細胞受容体CDHR3(カドヘリン関連ファミリーメンバー3)の特異的対立遺伝子と気道上皮細胞での発現の増加が重症喘息の有病率の上昇と関連しているという発見によって裏付けられています。
筆者等は喘息患者は健康な対照者と比較して、 VP1 rhinovirus capsid proteinへのIgG抗体結合力価が高いことを報告している。一方、RV-C VP-1へのIgG抗体結合はRV-Aと交差反応性のある抗体が大半を占めていた。この異常なパターンは、抗原原罪(こうげんげんざい original antigen sin)現象RV-Cに対する全体的な免疫応答の悪さを示唆している



Differential Gene Expression of Lymphocytes Stimulated with Rhinovirus A and C in Children with Asthma
Denise Anderson , et al.
AJRCCM Vol. 202 No2
https://doi.org/10.1164/rccm.201908-1670OC       PubMed: 32142615
Received: August 28, 2019 Accepted: March 05, 2020
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.201908-1670OC


喘息患者はライノウイルス(RV)に対する抗体反応が高いが、RV-Cに特異的な抗体反応はRV-Aに特異的な抗体反応よりも低く、ライノウイルスに対する免疫力が低いことを示唆している。

目的
目的:喘息の有無にかかわらず、RV-AとRV-Cによって誘導されるT細胞の記憶反応を確認し、比較すること。

方法
喘息のある17名の小児と喘息のない19名の対照者の末梢血単核細胞をin vitroでペプチド製剤を用いて刺激し、RV-AおよびRV-Cに対する代表的な種特異的な反応を誘導した。分子プロファイリング(RNAシークエンシング)を用いて、enriched pathwayとupstream regulatorを同定した。

測定結果と主な結果
RV-Aに対する反応は、RV-Cと比較してIFNGとSTAT1の発現が高く、CXCL9、10、11の有意な発現はRV-Cでは認められなかった。 
Tヘルパー細胞2型(Th2)サイトカイン遺伝子やTh2ケモカイン遺伝子CCL11、CCL17、CCL22の相互増加は認められなかった。 
RV-Cは喘息の有無にかかわらず、RV-AよりもCCL24(eotaxin-2)の発現を高く誘導した。upstream regulatorの解析では、RV-AとRV-Cの両方でTh1および炎症性サイトカインの発現を誘導することが示されたが、その程度は低いものの、RV-CではTh1および炎症性サイトカインの発現が優勢であった。 

喘息小児の反応は、喘息を持たない子供と比較して、RV-AとRV-Cの両方で低かったが、それぞれの種に特徴的な遺伝子発現パターンと上流調節因子のパターンを保持していた。すべてのグループでIL-17A経路の活性化が認められた。

結論
RV-CはRV-Aに比べ、Tヘルパー細胞2型(Th2)のupregulationを伴わずにIFN-γ型の反応低下を伴うmemory cellの反応を示す。 
喘息を持つ子供は、各種の遺伝子活性化プロファイルはほぼ同じであるが、喘息を持たない子供よりも低いrecall responseを示した。 
RV-AとRV-Cは質的に異なるT細胞応答を誘導する。


Asthma and the Dysregulated Immune Response to Rhinovirus
AJRCCM https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202003-0634ED
https://doi.org/10.1164/rccm.202003-0634ED       PubMed: 32240597


急性喘息とウイルス感染との関連は、ライノウイルス(RV)で最も強く、RV感染とアレルギー性脱感作を伴う喘鳴の再発は、6歳までの喘息発症を独立して予測することが明らかとなり。その後、未就学児において、急性喘息と最も重篤な増悪との関連性が高いウイルスは、新たに発見されたRV-Cであることが明らかになった。 喘息は活発な気道炎症とtype 2 免疫反応を特徴とする疾患であり、それ以外の場合は健康な子供や大人がウイルス感染症の影響を受けやすい状態になっているのはなぜだろうか?

喘息の子供の末梢血単球を用いたin vitro実験では、RVに曝露したときにtype 1またはIFN-γ反応が比較的低下することが示されたが、これは最初に抗ウイルス免疫が特異的に低下していることを示唆している。逆説的なことに、喘息を発症した成人や青年では、吸入コルチコステロイドによって基礎となるtype 2 免疫反応気道炎症をコントロールすると、RVに対する免疫反応を高める効果がないにもかかわらず、喘息の増悪のリスクが劇的に減少した。同様の効果は現在、就学前の子どもたちでも明らかになっており、喘鳴を繰り返す子どもたちでは、定期的または断続的に吸入コルチコステロイドを使用することで増悪の頻度を減少させている。
type 2 免疫反応気道の炎症をコントロールすることは、明らかにRV感染症への罹患率を低下させる。喘息における抗ウイルス反応の増強は自然な延長線上にあるように思われるが、その影響は2型炎症の制御ほど重要ではないように思われる。成人の喘息患者が風邪の開始時にIFN-βをネブライザーで投与された場合、吸入コルチコステロイドによる定期的な治療では疾患をコントロールできなかった患者にのみ効果が見られた。


このような微妙な免疫反応の障害は、アレルギー感作が発症する前であっても喘息を発症する運命にある人々に存在しています。生後1年目の重度の気管支炎は、後の喘息発症と関連していますが、このリスクは様々です。最近のエビデンスは、気管支炎を持つ子供たちが、3つのプロファイルが見られる不均一な免疫応答を示すことを示しています。
最も一般的なプロファイルは、中等度の重度の急性疾患を伴う呼吸器同期ウイルスによって引き起こされた気管支炎であるが、このグループでは3年後の喘息リスクの増加は見られない。最も重度の急性疾患を有する者で、これもほとんどがRSウイルスが原因であるが、喘息のリスクは中程度に上昇している。しかし、喘息のリスクが最も高かった人は、湿疹の既往歴、RVによる気管支炎、血中好酸球の増加、Haemophilus influenzaeとMoraxellaに支配されたマイクロバイオームを有しており、病原体に対する粘膜免疫反応の異常を示唆していた。これらの影響は、喘息の発症に影響を及ぼすことが知られている他のすべての環境因子とは独立していた。このことは、RVに対する応答の障害によって特徴づけられる免疫表現型が、これらの子供たちの間で進化し、喘息の素因となっていることを示唆しており、生後1年以内に明らかになっている。

急性喘息増悪時の小児の鼻分泌物もまた、I型およびIII型IFN応答のマスターレギュレーターであるIRF-7によって区別された2つの異なる免疫表現型を示している。IRF-7が高値の人はIFN-α/γ応答がより強固で重症度が低いのに対し、IRF-7が低値の人は重症度が長く、IFN-α/γ応答が相対的に悪い。
喘息の子供の自然免疫応答の違いは、T細胞応答にも見られている。RV-AおよびRV-Cのペプチドを用いて、小児のCD4およびCD8細胞は活性化され、対照の小児と同様の増殖を示したが、喘息の場合はT調節(Treg)細胞の数が少なく、反応性が低かった。
RV-CペプチドはTreg応答がさらに少ないことを示した。Tregsは急性炎症の影響を緩和する重要な免疫調節細胞である。興味深いことに、喘息ではTregが減少することが観察されているが、吸入コルチコステロイドの使用によりTregの数が増加することがある。

・・・・

現在、私たちが理解していることは、早期に喘息を発症した子供たちは、幼少期からRVに感染しやすい免疫表現型を示している
この表現型は、アレルギー感作に伴う2型気道炎症の発生によって悪化し、RV-CやRV-Aのような薬剤に繰り返し感染すると、この過程を悪化させる正のフィードバック効果があると考えられている。これらの特徴は、すべての年齢で喘息を特徴づける可能性がある。type 2 の気道炎症を治療することで、その影響は解消されないものの、軽減される。このような免疫機能の低下した表現型がなぜ進化するのか、なぜそれが2型気道炎症と密接に関連しているのか、また、それを予防したり、いったん発症してしまった場合にどのようにして逆行させることができるのかについては、いまだに理解されていない。これらのことは依然として答えを出すための重要な問題であり、これらの問題が解決されるまでは、急性喘息の制御と予防において重要な進歩を遂げることは難しいと考えられます。







提案されている一連の早生期のイベントが喘息を発症する素因となる可能性がある。生後1年目の感受性の高い人は、I型およびII型のIFN反応(IRF7 lo)が障害されており、抗ウイルス免疫の表現型が障害されている。ウイルス感染は、生後1年目に激しい急性気道炎症を引き起こし、気管支炎を引き起こします。免疫力が低下している人(IRF7 lo)は、IL-6応答が低下しており、ウイルスをクリアするのが遅く、気道炎症がより激しくなり、ライノウイルスC(RV-C)のようなウイルスでは再発感染が起こります。誇張された気道炎症反応は継続し、今では増加したCCL-24によって増強され、気道好酸球症が発症します。減少したT細胞免疫応答と再発する気道炎症は、気道炎症の制御に失敗し、減少したT調節因子(Treg)の数と機能に関連しています。気道では、損傷とリモデリングのサイクルが開発しています。感受性の高い個体は、エアロアレルゲン、特にホコリダニに感作を起こします。タイプ2の気道炎症が確立されます。このこと自体が、抗ウイルス免疫型の障害をさらに悪化させ、反復的なRV感染の素因となることがある。喘息が発症し、2型気道炎症とRV-AおよびRV-Cによって引き起こされる再発性の増悪が特徴である。




2020年5月22日金曜日

喘息:NO呼気濃度 いろんな知見

FENOを日常臨床に利用しているのだが・・・一筋縄にはいかない経験を多くする
特に、気道閉塞効果判定との不一致が多く・・・ だからこそ存在意義あるバイオマーカーなのだろうが・・・


喘息は元々異質性の高い疾患で、エピソード的気管支閉塞と慢性気道炎症を特徴とする。臨床的生物学的背景における異質性に基づき、type-2炎症は recognisable immunological featureから生じる。type-2バイオマーカーは血中好酸球、血中ペリオスチン、 FENOモニタリングでtype-2 highの喘息患者を評価できるはず。将来の急性増悪やICS治療反応性を予測可能なはずだが・・・

FENOに関するERJに2つの論文が発表され、重症喘息管理での臨床的有用性と喘息児童サブグループでのICS治療ガイダンスに関するレビュー記事

例えば、臨床的有用性について
  • 診断
    • NICE 成人 40、小児 35、スコットランド・コンセンサス ICS naive 40 ICS治療 25、GINA 成人 20、ATS/ERS 成人: 高値:50 中間 25-50 低値 25未満、 小児: 高値:35、中間 20--35、高値 20未満
  • 急性増悪予測
    • 成人のFENOレベルが50ppbを超えると、患者がICS治療に反応する可能性が高いことを示す強力な指標となる [69]。米国の喘息・アレルギー専門外来診療所で実施された観察的な単一施設での研究では、治療の決定は、まず症状、臨床検査、およびスピロメトリーの結果に基づいて行われ、その後、FeNO測定に基づく治療の変更は記述[70]。FENO測定を行わなかった場合、気道炎症の医師の評価は患者の50%で不正確であり、FENO測定は患者の36%で治療の決定を大幅に変更しました。米国の喘息専門医337施設を対象に、FeNO測定が喘息管理に与える影響を調査した別のリアルワールドの研究では、FeNO測定により医師は根本的な気道炎症の評価が可能となり、臨床評価のみの場合と比較して治療計画の大幅な修正につながりました[71]。臨床評価がFENO測定と一致したのは56%の症例のみであった。FENO測定後、医師は31%の症例で治療計画を変更し、90%の症例でICSの処方を変更した[71]。
    • 主に英国で実施された無作為化比較試験では、ベースライン時のFENO レベルと治療群(ICS 対プラセボ)の間に有意な相互作用が観察され、治療効果の大きさはベースライン時の FENO レベルに依存していることが示されています[30]。ベースラインのFENOが10ppb増加するごとに、喘息コントロール質問票(ACQ)-7の平均スコアの変化は、プラセボよりもICSを使用した患者の方が0.071(p=0.044)増加した。ベースラインの FeNO は咳の重症度の改善と強い関連があり、FENOの値が高いほど、咳症状の視覚アナログスケールで 20mm 以上の改善と定義される臨床的反応が得られる確率が高くなりました[30]。喘息の診断と ICS 治療への反応を予測する FeNO の能力を評価した英国の観察研究では、FENO テストの真の有用性は、基礎となる 2 型炎症の存在を検出し、ICS の反応の可能性が非常に低い患者を特定し、喘息治療における ICS の適切な使用を導くことにあると結論づけています[72]。
    • 妊婦の喘息管理をガイドするための FENOの使用は、他の成人の場合よりも、そうではないにしても効果的であるように思われる [73]。妊娠中の喘息の炎症性マーカーに基づく管理の二重盲検無作為化試験では、FENOレベルとACQスコアに基づく治療アルゴリズムは、臨床アルゴリズムと比較して喘息の増悪を有意に減少させ、β2アゴニストの使用を減少させた。この研究では周産期の転帰を評価するための特別なデータは得られなかったが、FeNOによる管理は赤ちゃんの出生体重の正常化をもたらし、新生児の入院率と早産率の低下をもたらした(いずれも喘息のある妊娠では増加する)[73]。さらなる研究が必要であるが、FeNOはICS用量の滴定や喘息治療の管理を指導する上で有用で費用対効果の高いツールとなる可能性があることを示す証拠がいくつかある[59, 74-77]。 www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
  • アドヒアランス :
  • 重症喘息バイオマーカー

  • バイオマーカーガイド管理オプション:モノクローナル抗体バイオ製剤に関する指標
    • ゾレア:EXTRA研究で、 19.5 ppb以上、好酸球数 260 cells/μL以上、血中ペリオスチン 50 ng/mL-1以上でオマリズマブ有効性と関連、特異的vs総 IgE非、血中tryptase、ECP、CD23とは関連性示せず、他PROSPERO研究ではFENOとは有効性関連示せず
    • メポリズマブでは薬物動態反応なしだが、DREAM研究で高値vs低値の好酸球増加群で急性増悪減少可能性
    • デュピルマブ(dupilumab、商品名: デュピクセント Dupixent)はNO+いくつかの亜type 2 炎症性マーカー抑制。好酸球数 150 cell/μL超及び FENO 25 ppb超が治療予測因子



1112RCT被験者。
LTRA治療無し患者群(既往の有無は不問)で、, FENO-ガイド下治療は、急性増悪リスク減少 (OR 0.68, 95% CI 0.49–0.94)し、初回急性増悪までの期間を延長n (hazard ratio (HR) 0.76, 95% CI 0.57–0.99) し、コントロール不良へのリスク軽減に関しては境界的(OR 0.70, 95% CI 0.49–1.00)
非肥満児において、肥満児に比べ、 FENO ガイド下治療で喘息コントロール喪失は少ない(OR 0.69, 95% CI 0.48–0.99)、コントロール喪失出現までの期間は長い (HR 0.77, 95% CI 0.61–0.99)


FENO ばらばら


2020年2月21日金曜日

関節リウマチ発症前抗CCP抗体はCOPD発症と関連

anti‐citrullinated protein antibodies (ACPA):抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体


喘息は関節リウマチ(RA)とbi-directional association は以前の報告から知られている。ただ、ACPA(抗CCP抗体)の状態、喫煙との関連づけでの検討は乏しい



ご存じ、関節リウマチ発症将来リスクと関連し、喫煙はRAのリスク要素で、一部には肺粘膜炎症を生じACPA産生促進し、特にHLA-DRB1 shared epitopeと関連する
ACP自体は気道の粘液表面に存在し、RA病態中心的存在でもある

ACPAが気道系疾患にも関与してる可能性があり検討



RA診断前CCP抗体陽性は女性においてCOPD発症リスク増加


Elevated anti‐citrullinated protein antibodies prior to rheumatoid arthritis diagnosis and risks for chronic obstructive pulmonary disease or asthma
Alessandra Zaccardelli  , et al.
Arthritis Care & Research
First published:21 January 2020 https://doi.org/10.1002/acr.24140
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/acr.24140



pre-RA女性 283名 と 対照 842名 RA診断前血液提供されその平均期間 9.7(SD 5.8)年間
pre-RA ACPA+ 59名、20.8%
フォローアップ21,489人年あたり COPD発症 107例、喘息 105


喫煙pack-yearsを含む共役要素補正後 pre-RA ACPA+はCOPDリスク増加と関連
(HR 3.04, 95% CI, 1.33-7.00)

Pre-RA ACPA +の喘息のHR 1.74(多変量95%CI 0.72,4.24)で、pre-RA ACPA-の喘息のリスク(HR 1.65、95%CI 1.11,2.46)と同様




抗CCP抗体は、喫煙という共役要素補正後もCOPD発症と関連
喘息発症に関しては、抗体陽性・陰性でも共にリスク増加あり

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