「エゼチミブ」:ゼチーア は未だ、重大心血管イベントに対する有効性確立してないと言って良いだろう
Clinical Efficacy and Safety of Ezetimibe on Major Cardiovascular Endpoints: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
PLoS One. 2015; 10(4): e0124587.Published online 2015 Apr 27. doi: 10.1371/journal.pone.0124587
LDL減少効果甚だしいエボロクマブへの有効性は期待するものの・・・やはりMACEに関する有効性が示されなければ疑心暗鬼
非FH・高コレステロール血症:スタチン非耐用患者に対しいかなる医療実践すべきか?
フィブラート系は?
Use of fibrates in the metabolic syndrome: A review
World J Diabetes. 2016 Mar 10; 7(5): 74–88.
Published online 2016 Mar 10. doi: 10.4239/wjd.v7.i5.74
PMCID: PMC4781903
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4781903/
・・・などと考えながら、論文を読んだ!
Efficacy and Tolerability of Evolocumab vs Ezetimibe in Patients With Muscle-Related Statin Intolerance
The GAUSS-3 Randomized Clinical Trial
Steven E.
Nissen, et. al. ; for the
GAUSS-3 Investigators
JAMA.
Published online April 03, 2016. doi:10.1001/jama.2016.3608
意義 筋肉関連スタチン非耐用は患者のうち5%〜20%と報告
目的 スタチン再チャレンジにより確認された筋肉症状患者確認し、2つの非スタチン治療、「エゼチミブ」および抗PCSK9抗体「エボロクマブ」と脂質低下効果を比較
デザイン・セッティング・被検者 2段階ランダム化臨床トライアル(511名の成人患者: LDL非コントロールレベル・2剤以上のスタチン非耐用症例:2013−2014グローバル登録)
A相:24週交差施行:アトルバスタチン or プラシーボ :筋肉症状同定のため
B相:2週間洗い出し後、患者をエゼチミブ or エボロクマブ 24週間投与へ割り付け
介入
A相:アトルバスタチン (20 mg) vs プラシーボ
B相:ランダム化 2:1 エボロクマブ 皮下注 (420 mg 月毎) or 経口エゼチミブ(10 mg 連日)
主要アウトカム・測定項目
合同プライマリエンドポイント:ベースラインから22週から24週平均とベースラインから24週の平均パーセント変化
結果
A相エントリー491名患者 (平均年齢, 60.7 [SD, 10.2] 歳; 女性 246 [50.1%]; 冠動脈性心疾患170 [34.6%]; エントリー時平均 LDL-C 値, 212.3 [SD, 67.9] mg/dL)、プラシーボ投与時は出現せず・アトルバスタチン投与時筋症状出現 209 / 491 (42.6%)
B相エントリー199名患者、CK増加 B相直接施行19名を含み (N = 218, エゼチミブ ランダム化 73、エボロクマブ 145 ; エントリ時平均 LDL-C 値, 219.9 [SD, 72] mg/dL)
22−24週平均に関し、LDL-C値
エゼチミブ 183.0 mg/dL; 平均%変化 LDL-C , −16.7% (95% CI, −20.5% to −12.9%), 絶対値変化, −31.0 mg/dL
エボロクマブ 103.6 mg/dL;平均%変化 LDL-C , −54.5% (95% CI, −57.2% to −51.8%); 絶対値変化, −106.8 mg/dL (P < .001)
エゼチミブ24週目 LDL-C 値 181.5 mg/dL; 平均%変化 LDL-C , −16.7% (95% CI, −20.8% to −12.5%); 絶対値変化, −31.2 mg/dL
エボロクマブ 104.1 mg/dL; 平均%変化 LDL-C , −52.8% (95% CI, −55.8% to −49.8%);絶対値変化, −102.9 mg/dL (P < .001)
22-24週平均に関し、LDL-C 群間差 −37.8%;絶対値差 −75.8 mg/dL.
24週平均に関し、LDL-C 群間差 −36.1%; 絶対値差 –71.7 mg/dL
筋肉症状:エゼチミブ患者 28.8%、エボロクマブ患者 20.7% (log-rank P = .17)
筋肉症状のためのactive study drug中止 エゼチミブ 5/73 (6.8%)、 エボロクマブ 1/145 (0.7%)
結論・知見
筋肉症状関連副作用関連スタチン非耐用患者において、
エボロクマブはエゼチミブに比較して有意なLDL減少を24週以降も認める
長期有効性・安全性が課題
Trial Registration clinicaltrials.gov Identifier: NCT01984424