2012年1月23日月曜日
ヒト・実験肺気腫:抗原提示細胞活性化 ・・・Th17介在
肺気腫における肺組織の破壊は、抗原提示細胞(APC)の介在、 TH17の介在による、メカニズムで喫煙が活性化することで生じる。
Shan M, et al. "Cigarette Smoke Induction of Osteopontin (SPP1) Mediates TH17 Inflammation in Human and Experimental Emphysema"
Sci Transl Med 2012;4.
マウスをchamberで喫煙暴露4ヶ月させて疑似的喫煙を生じさせた結果、樹状細胞・好中球が対照群比較より有意に増加。有意に肺容量増加 (417 ± 8 mm3 air-exposed mice versus 500 ± 9 mm3 smoke-exposed)、density減少 (-428 ± 9 HU versus -478 ± 7 HU, P< 0.05)
肺特異的 interleukin 17-A (IL-17A) トランスジェニックマウス(Cc-10-IL17a)とnull マウス (IL-17a-/-)を比較、transgenic マウスでは、肺炎症細胞数増加し、では、野生種に比べ、肺の炎症細胞減少。
トランスジェニックマウスは喫煙誘起性肺気腫が増加し、null マウスでは減少。
肺気腫形成過程のひとつ
マウス6-8週齢 1日4回喫煙 週5日暴露 4ヶ月間
Spp1は最も発現性が高く、osteopontinをcodeする遺伝子で、 TH1 and TH17 responseにリンクする。osteopontinの役割を検討したとき、喫煙暴露マウスではIL-17Aは3倍、IFN-分泌は10倍であり、 osteopontin-deficient mice (Spp1-/-)は増加影響なかった。
肺気腫と 喫煙関連疾患にとって、重要な発見。
肺のγシグマ細胞に関し肺ダメージを抑える可能性も示唆。
medpagetoday : http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/SmokingCOPD/30783
医師報酬により心臓検査オーダー影響を受ける
この論文、気になってたけど、そのままスルーしてた論文。
医師報酬により、ストレス心エコー・核医学検査オーダーの程度が異なってくるという話。
冠動脈再建術後のストレス検査は、Journal Watchによると、"Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging"(ACCF/ASNC/ACR/AHA/ASE/SCCT/SCMR/SNM 2009 Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging)では、以下のごとく、無症状・血管再建術が成功下で行われている状況では、通常、“不適切検査”となる。
経済的インセンティブが医師に臨床実践へ与える影響のいかんについて厳格な検査が進行中である。
冠動脈再建術後の医師報酬とストレス試験の関連を、連邦保険からのデータで検討。
17847名の成人(平均年齢55、21%女性) の心臓関連外来患者で、86%関連症状なしの可能脈再建術後90日超過患者、2004年11月1日から2007年6月30日まで
循環器医師(医師への報酬約半分)のうち、技術・専門報酬70%、14%、どのサービスでなくても16%の場合を比較。
全体的に、指定外来30日以内、ストレス試験施行 12%(核医学ストレステスト 10%、 エコーストレス 2%)。
多変量解析にて、医師報酬状況はストレス試験の尤度に相関。
どのタイプの報酬もなかった医師に比べ、技術・専門報酬は特にreferが多かった (odds ratio, 2.2; 95% confidence interval, 1.6–2.9)。逆に、専門報酬飲みの場合は軽度の尤度(統計学的有意差無し)
AUC(ACC)はルーチンのストレス試験を推奨してないが、この研究では、一任的検査施行として、8名の患者の内1名で行われてしまっている。症状により施行示唆された場合ももちろんあるが、内場合もあった。さらに、解釈に対して報酬を行うことがオーダーに影響を与えていることが考えられる。
多くの説明因子が考えられるが、経済的インセンティブがケアの質に影響を与えていることは確か。
Association between physician billing and cardiac stress testing patterns following coronary revascularization.
JAMA. 2011 Nov 9;306(18):1993-2000.
医師報酬により、ストレス心エコー・核医学検査オーダーの程度が異なってくるという話。
冠動脈再建術後のストレス検査は、Journal Watchによると、"Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging"(ACCF/ASNC/ACR/AHA/ASE/SCCT/SCMR/SNM 2009 Appropriate Use Criteria for Cardiac Radionuclide Imaging)では、以下のごとく、無症状・血管再建術が成功下で行われている状況では、通常、“不適切検査”となる。
経済的インセンティブが医師に臨床実践へ与える影響のいかんについて厳格な検査が進行中である。
冠動脈再建術後の医師報酬とストレス試験の関連を、連邦保険からのデータで検討。
17847名の成人(平均年齢55、21%女性) の心臓関連外来患者で、86%関連症状なしの可能脈再建術後90日超過患者、2004年11月1日から2007年6月30日まで
循環器医師(医師への報酬約半分)のうち、技術・専門報酬70%、14%、どのサービスでなくても16%の場合を比較。
全体的に、指定外来30日以内、ストレス試験施行 12%(核医学ストレステスト 10%、 エコーストレス 2%)。
多変量解析にて、医師報酬状況はストレス試験の尤度に相関。
どのタイプの報酬もなかった医師に比べ、技術・専門報酬は特にreferが多かった (odds ratio, 2.2; 95% confidence interval, 1.6–2.9)。逆に、専門報酬飲みの場合は軽度の尤度(統計学的有意差無し)
AUC(ACC)はルーチンのストレス試験を推奨してないが、この研究では、一任的検査施行として、8名の患者の内1名で行われてしまっている。症状により施行示唆された場合ももちろんあるが、内場合もあった。さらに、解釈に対して報酬を行うことがオーダーに影響を与えていることが考えられる。
多くの説明因子が考えられるが、経済的インセンティブがケアの質に影響を与えていることは確か。
RCT: "Cybercycle" Exergaming :高齢者認知機能改善目的のゲーム
2050年までに認知症は1億人に到達する。認知症減少のための介入が考案中。運動は認知機能に対しベネフィットを有するが、少数の老人しか運動をしない。バーチャル・リアリティー促進的運動、”exergame”をこれの使おうとする試み
exergame研究は良好な結果をもたらした。
Exergaming and Older Adult Cognition: A Cluster Randomized Clinical Trial
Am J Prev Med. 2012;2:109-119.
exergame研究は良好な結果をもたらした。
Exergaming and Older Adult Cognition: A Cluster Randomized Clinical Trial
Am J Prev Med. 2012;2:109-119.
仮説:
1.virtual reality tours (“cybercycle”)を用いることで、運動機能・臨床状態を、従来の運動より改善?
2.運動努力は改善をもたらすか
3.brain-derived neurotrophic growth factor (BDNF)が増加するか?
Multi-site cluster randomized clinical trial (RCT)
3ヶ月の cybercycling vs 従来の運動 で、認知機能評価
Intent-to-treat analyses
年齢・教育補正クラスターランダム化で、、複合運動実践機能に関し有意なgroup x time interaction判明 (p=0.002)
cybercyclingは、伝統的運動よりmedium effectを有する(d=0.50)
Cybercyclistは、23%MCIの臨床的発症を減少。
運動努力とフィットネスは比較可能で、他のメカニズムが考えられる。
cybercyclist内での、BDNFとの有意なgroup x time interaction(p=0.05)は神経可塑性促進を示唆する。
Primary Cognitive Outcomes: Mean Difference From Baseline
運動遂行機能 Cybercycle (n= 38) 対照 (n= 41) P 値 Color trails difference -15.94 9.743 0.007 Stroop C -6.59 0.56 0.05 Digits backwards 0.36 -0.83 0.03
喫煙と肺がんに関するエビデンスと議論 ”実験的結果の欠如” ”疫学的証拠軽視主義” ・・・などが存在
たばこの発がん性を示すに十分な”実験的結果”がないことは・・・
愛煙家だろうが、嫌煙家だろうが、治療者だろうが、JT社員だろうが、関連研究者だろうが、一般市民だろうが、知っておくことは必要。
一方で、司法判断で、疫学的なエビデンスを完全否定し、”実験的結果”のみを採用するというのは間違い。
喫煙は、"疾患・死亡の原因のなかで予防できるもっとも大きな危険因子(2006年 09月 21日)”で、直接喫煙の危険性だけでなく、受動・間接喫煙による健康による害についても確実に存在するもの(職場の環境喫煙の肺癌リスク 2007年 02月 01日)と学術的な論文にされている。
にもかかわらず、なぜ、「たばこ病訴訟」司法判断において、その有害性に関する原告側主張が、棄却されたのだろうか
横浜たばこ病裁判に於ける「“原因”は病理によってのみ確定されるのであり、“疫学”によっては確定されないのである」” という証言 が象徴的。
横浜市立大学名誉教授の蟹沢成好氏は、経歴からJTとのつながりを指摘され、一部には人格批判まで行ってるWebサイトもある(嫌煙原理主義って、こういう行動をとるから一切の共感をもてない)。
で、氏の記載物である「喫煙の生体影響と発癌」を冷静に見てみると、
「...疫学研究成績は、国際がん研究機関(IARC、Lyon)専門家会議において「たばこ煙はひとに対して発癌性あり」との結論を生むところとなり、今日の世界的禁煙キャンペーンの原動力となったのであるが、一方で喫煙による発癌については依然として実験的証明に欠けることも問題点として残されている。したがって喫煙と癌の問題はなお多角的な検索、究明が必要」と書かれている。
・・・と、至極もっともなことが記載されている。
愛煙家だろうが、嫌煙家だろうが、治療者だろうが、JT社員だろうが、関連研究者だろうが、一般市民だろうが、知っておくことは必要。
一方で、司法判断で、疫学的なエビデンスを完全否定し、”実験的結果”のみを採用するというのは間違い。
喫煙は、"疾患・死亡の原因のなかで予防できるもっとも大きな危険因子(2006年 09月 21日)”で、直接喫煙の危険性だけでなく、受動・間接喫煙による健康による害についても確実に存在するもの(職場の環境喫煙の肺癌リスク 2007年 02月 01日)と学術的な論文にされている。
にもかかわらず、なぜ、「たばこ病訴訟」司法判断において、その有害性に関する原告側主張が、棄却されたのだろうか
横浜たばこ病裁判に於ける「“原因”は病理によってのみ確定されるのであり、“疫学”によっては確定されないのである」” という証言 が象徴的。
横浜市立大学名誉教授の蟹沢成好氏は、経歴からJTとのつながりを指摘され、一部には人格批判まで行ってるWebサイトもある(嫌煙原理主義って、こういう行動をとるから一切の共感をもてない)。
で、氏の記載物である「喫煙の生体影響と発癌」を冷静に見てみると、
「...疫学研究成績は、国際がん研究機関(IARC、Lyon)専門家会議において「たばこ煙はひとに対して発癌性あり」との結論を生むところとなり、今日の世界的禁煙キャンペーンの原動力となったのであるが、一方で喫煙による発癌については依然として実験的証明に欠けることも問題点として残されている。したがって喫煙と癌の問題はなお多角的な検索、究明が必要」と書かれている。
・・・と、至極もっともなことが記載されている。
米国内生豚肉:MRSA検出率7%
日本で問題になった、ウシ肉のMRSA感染だが、日本の行政はいかなる総括をしたのだろう?対策と問題点くらい国民に提示すべきだと思うのだが・・・
米国での小売店先の豚肉の7%がMRSAが付着していたという話。
MRSA in Conventional and Alternative Retail Pork Products O'Brien AM, Hanson BM, Farina SA, Wu JY, Simmering JE, et al. (2012) PLoS ONE 7(1): e30092. doi:10.1371/journal.pone.0030092
以前より米国の小売でのMRSA同定の頻度増加している。
アイオワ、ミネソタ、ニュージャージーの36ストアの生豚肉サンプル395のうち、26、則ち7%がMRSAのコンタミネーションがあった。
筆者らの意見として、豚肉として、抗生剤未使用と、通常製品に、MRSA検出率の差が無かったことは驚くべきことであったと書かれている。
(ソース:http://news-releases.uiowa.edu/2012/january/012012MRSA_pork.html)
関連: ウシがMRSAの貯蔵庫として働く可能性 2011年 06月 03日
米国での小売店先の豚肉の7%がMRSAが付着していたという話。
MRSA in Conventional and Alternative Retail Pork Products O'Brien AM, Hanson BM, Farina SA, Wu JY, Simmering JE, et al. (2012) PLoS ONE 7(1): e30092. doi:10.1371/journal.pone.0030092
以前より米国の小売でのMRSA同定の頻度増加している。
アイオワ、ミネソタ、ニュージャージーの36ストアの生豚肉サンプル395のうち、26、則ち7%がMRSAのコンタミネーションがあった。
筆者らの意見として、豚肉として、抗生剤未使用と、通常製品に、MRSA検出率の差が無かったことは驚くべきことであったと書かれている。
(ソース:http://news-releases.uiowa.edu/2012/january/012012MRSA_pork.html)
Prevalence of MRSA and MSSA in each type of meat cut.pork chop(切り身), ground pork(挽肉), pork ribs(バーベキューソースをつけてグリルするような肉), pork sausage(ソーセージ), pork roast(丸焼き), pork cutlet(ポークかつ)などにMRSAが検出されている。
Total number of samples of each type of meat cut are noted.
doi:10.1371/journal.pone.0030092.g001
関連: ウシがMRSAの貯蔵庫として働く可能性 2011年 06月 03日
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