背景  タバコの煙の暴露は、若小児期の喘息症状と関連する。筆者等は、妊娠期・小児期喫煙暴露と、就学期の喘鳴パターン、喘息、airway interrupter resistance (Rint) 、 Fractional exhaled Nitric Oxide (FeNO) の相関性を評価し、生まれたときの特性がこれらの関連性を説明できるかも検討。


研究方法  6007名の子供、住民ベース前向きコホートに含まれる検討。父親・母親の妊娠期喫煙状態(非喫煙、 第一妊娠期のみ、継続)、小児期間接喫煙、喘鳴パターン、喘息をアンケートにより前向き評価。喘鳴パターンを、無し、早期(3歳以下)、後期(3歳超)、持続(3歳以下及び3歳超)喘鳴と分ける。
Rint、FeNOを6歳時点で評価。生下時特性を登録データから取得。 


結果  妊娠期持続性母体喫煙は、早期・持続喘鳴リスク増加と相関 (OR: 1.24 (1.01, 1.52); 1.48 (1.13, 1.95))、 喘息と相関 (1.65 (1.07, 2.55、 ≥5 cigarettes per day)
しかし、Rint、FeNOとは相関認めず



 生下時特性では、これらの相関性の説明できず

 小児喫煙暴露は、Rintと相関  (difference Z-score 0.45 (0.00, 0.90))するも、生下時特性にて補正される

1stトリメスター時母体喫煙のみ、父親の妊娠中喫煙のみという要素は、Rint、FeNO、喘鳴、喘息と 相関せず


結論   母体の妊娠中継続喫煙は、学童期喘息アウトカムリスク増加と相関。
一方、小児喫煙暴露は、Rint高値と相関


 生下時特性は一部この相関と関連するのかもしれない