2012年12月17日月曜日

“高齢医師を監視下に!”

米国ドラマ“ER”にもかつての名医が認知症と発覚、自覚し引退を示唆する場面があったと思う。

冒頭、アメリカの日野原先生と言えるのだろう、引退を考えてない101歳の“Dr. Ephraim Engleman”を紹介している。趣味の音楽に積極的に生きる、心身ともに丈夫な超高齢医師。

中身は、“高齢医師を監視下に!”という、医師側にとってショッキングな話題。
Aging Doctors Come Under Greater Scrutiny
By MedPage Today Staff
Published: December 16, 2012
http://www.medpagetoday.com/Surgery/GeneralSurgery/36476



AMANDAによると、100万名いる米国医師のうち、55歳超 42%、65歳超 21%。
2006年は、それぞれ35%、18%であった。
64歳超の年齢階層の実務就業増加が、個人的・経済的理由からも増大している。

だが、パイロットは45歳から定期的身体検査、65歳で引退、FBIの引退平均年齢は57歳

医師たちも定期的な健康状態、適正能力がモニターされていると一般に思われているが、そんなものは米国でも存在しない。

Narcossは、100から150名の医師を評価・推定し、約8千名の医師たちが完全に認知症になってると推定。
(米国では、一般的には65歳超では3-11%に認知症)

日本人でも、60-65歳以上で3-8%程度と考えて良いと思う。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

H22 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/10/dl/kekka_1.pdf

就業状態にある医師のうち、60-69歳 33217名、70歳以上で26649名 合計59866名
認知症 1800名から4800名程度と考えられる。脳リザーブ理論から考えればこれより低率になる可能性はもちろんあるが・・・


さらに、Narcossは、聴覚・視力・共調運動、認知機能などに問題を有しても、医師の1/3は主治医を持ってない状況にあると述べている。



維持フィットネス能力を2年毎チェック、診療権投与という病院側の取り組み紹介。
一方、知的・身体的能力に疑いも無く、102歳まで医師を続けてるEpharaim Englemanのケースの紹介。彼の母校、スタンフォードは75歳超の医師たちに試験を要求していることにうれしくないようだが、反対もしないという意見を示している。



脂肪摂取量制限による体重減少効果確認





マスコミなどが極端な低炭水化物ダイエットを勧めるのを見聞きすることがある。結果的に、総脂肪量増加の可能性がある。

DIRECT研究: 低炭水化物食 vs バランスのとれたダイエット食 vs 低脂肪食 2012/10/05
低炭水化物・高蛋白食は心血管疾患リスク増加をもたらす 2012/06/28




長年リスク状態にある人を含め健康状態に関わらず、総脂肪制限することはあきらかに体重減少と関連することが高品質エビデンスとして存在する。 総脂肪摂取量を低下することで、程度は少ないが、統計学的に有意な体重減少を成人にもたらす。

このケースは成人脂肪摂取量ベースラインでエネルギー摂取量の28%-43%の6ヶ月から8年間の研究 。小児でも不充分だがエビデンス存在。


Effect of reducing total fat intake on body weight: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials and cohort studies
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7666 (Published 6 December 2012) Cite this as: BMJ 2012;345:e7666

 先進国データがすべてで、33 RCT(73589名)、10 コホートを含む
メタアナリシスから、総脂肪量低減食は、相対的に体重減少と相関  (by 1.6 kg, 95%信頼区間 −2.0 to −1.2 kg, I2=75%, 被験者 57 735)

 対照群比較で脂肪低減群で体重増加が少ないことは、トライアル横断的な現象だが、影響にばらつきがある。
  メタ回帰にて、総脂肪摂取量減少大きいほど、ベースラインの脂肪摂取少ないほど、体重減少効果相対的に大きく、これによって、結果のばらつきの多くは説明可能。

 低脂肪の体重への有意な影響は、感度分析で消失せず (観察期間のながいもの、低脂肪群でのトライアルを除いても・・・)。

 低脂肪総摂取量制限は、BMI低下と関連し  (−0.51 kg/m2, 95% 信頼区間 −0.76 to −0.26,9トライアル, I2=77%)、同様に、ウェスト径  (by 0.3 cm, 95% 信頼区間 −0.58 to −0.02, 女性 15 671名, 1トライアル)
 心血管疾患リスク要素への負の影響は示唆されない  (脂質、血圧)

 GRADE assessment にて、総死亡摂取量と体重の相関に関する高品質エビデンスの存在が示唆された。

 一つのRCT、3つのコホート研究で、小児・若年においてのみだが、総脂肪摂取量と体重増加の正相関性が示された。 



There is high quality, consistent evidence that reduction of total fat intake has been achieved in large numbers of both healthy and at risk trial participants over many years. Lower total fat intake leads to small but statistically significant and clinically meaningful, sustained reductions in body weight in adults in studies with baseline fat intakes of 28-43% of energy intake and durations from six months to over eight years. Evidence supports a similar effect in children and young people.

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