2012年10月11日木曜日

HPVワクチン接種推奨:性的活動性に影響を与えない・・・

HPVワクチン推奨が、性行為促進につながるのではないかという危惧がある。

以下の調査では、HPVワクチン接種は性的活動性に影響を与えず、
接種者は、コンドーム使用など性病に関心が高いことがうかがわれる。


Human papillomavirus vaccine and sexual behavior among adolescent and young women.
Am J Prev Med. 2012 Jan;42(1):44-52.

NSFG(National Survey of Family Growth ) の2007-2008年、15-24歳の1243名の女性へのアンケート調査。2010年住民・性行為相関を、年齢毎に、二変量、多変量解析評価

結果、 20-24歳より15-19歳でワクチン開始多く (30.3% vs 15.9%, p<0 .001=".001" p="p">15-19歳では人種/民族による違い認めず、20-24歳では非死すパニック系黒人は、非ヒスパニック系白人よりHPVワクチン接種少ない (AOR=0.15)
HPVワクチン開始は年齢に関わる保険を有する場合に頻度多し
HPVワクチン接種は、年齢にかかわらず、性的活動性や性的パートナー数とは相関認めず
性的活動のある15-19歳思春期では、HPVワクチン接種者は、よりコンドームを使う傾向にある

ホルモン補充療法にて閉経後女性の心血管アウトカムなど改善?

ホルモン補充療法に熱心な関係者には朗報

ただ、最近でも、USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る 2012/5/29によれば、“ここ10年ほどの研究でもやはり、ベネフィットより、リスクが上回る”と考えるのが必然。

WHIが発端の心血管イベントへや発がんへの悪影響を全否定できるほどの報告なのか、議論がなされることであろう。

すでに、サンプルサイズが小さすぎること、WHIより若年者が多くてもともと死亡リスクが少ない対象群、観察期間が短すぎて発症リスクに関与したとしても心血管疾患やがんの“潜伏期間”に見合わない・・・など、疑念多数。


それでも、この論文でごり押ししする予感がする・・・日本の産科学会系


Objective To investigate the long term effect of hormone replacement therapy on cardiovascular outcomes in recently postmenopausal women.
【デザイン】 Open label, randomised controlled trial.

【セッティング】 Denmark, 1990-93.

【被験者】 健康女性 1006 、 45-58歳、閉経直後あるいは閉経前後症状ある女性(閉経後黄体刺激ホルモン値記録あり)
502名の女性をランダムにホルモン補充療法に割り付け、504名を対照として無治療
子宮摘出女性は45-52歳で、閉経後黄体刺激ホルモン測定記録がある場合は登録


【介入】 治療群にて、生来子宮女性は triphasic estradiol + norethisterone acetate 使用、子宮摘出女性では、エストラジオール 2mg/日使用

介入は約11年間で終了、他のトライアルからの副事象報告による中止
しかし、登録者は死亡、心血管疾患、がんをフォロー、16年間。
5年間治療処方量の80%超服用女性でのSensitivity analysisを行った。

【主要アウトカム測定】 プライマリエンドポイントは、組み合わせ(死亡、心不全入院、心筋梗塞)

【結果】 登録時平均女性年齢50歳で、6ヶ月の閉経あり
プライマリ構成エンドポイントは、介入10年時点で、治療群 16名、対照群 33名 (ハザード比 0.48, 95% 信頼区間 0.26 ~ 0.87; P=0.015)
死亡は、それぞれ、15名、26名  (0.57, 0.30 ~ 1.08; P=0.084)

心血管イベント減少はがん(種類問わず)の増加と関連せず(治療群 36、対照群  39  , 0.92, 0.58 ~ 1.45; P=0.71) 、乳がんも同様 (治療群 10  v 対照群 , 0.58, 0.27 ~ 1.27; P=0.17)
深部静脈血栓ハザード比(治療群 2 v 対照群 1)は 2.01 (0.18 ~ 22.16) 、卒中(治療群 11 v 対照群 14 ) は 0.77 (0.35 ~ 1.70)

プライマリ組み合わせアウトカムはの16年後減少傾向は持続し、がん増加とは関連せず 
【結論】 ランダム化治療10年後、ホルモン補充療法を受けていた閉経直後女性群は有意に、死亡率、心不全、心筋梗塞減少し、明らかながんリスク増加、静脈血栓性疾患、卒中リスク増加認めなかった。


患者側の盲検化が十分でないことがポイント?

胸水・血中fibulin-3:中皮腫早期診断、治療戦略上有益

早期段階での胸膜中皮腫同定と、個別治療戦略に役立つであろう新しいバイオマーカー


fibulin-3
Fibulin-3 は、 epidermal growth factor–containing fibulin-like extracellular matrix protein 1 (EFEMP1)をエンコードするextracellular glycoprotein fibulin familyで、染色体2p16に存在。
遺伝子発現は正常細胞で少なく、甲状腺などで発現増加。骨性・軟骨構造をもたらす緻密な間葉に発現する。 細胞増殖と逆相関的に関連する細胞・細胞、細胞・マトリックス相互作用へ影響を与え、血管新生に影響を与える。


Fibulin-3 as a Blood and Effusion Biomarker for Pleural Mesothelioma
Harvey I. Pass, et. al.
N Engl J Med 2012; 367:1417-1427October 11, 2012
DOI: 10.1056/NEJMoa1115050

 中皮腫92名、アスベスト暴露・非がん 136、中皮腫によらない胸水 93、健康対照者 43
胸水(中皮腫 74、良性胸水 39、非中皮腫・悪性胸水 54)

盲検化評価で、免疫組織化学的分析、fibulin-3血中、浸出液測定(ELISA)


血中 bibulin-3濃度は、年齢、性、アスベスト暴露器官、レントゲン変化によらずばらつきなく、アスベスト暴露・中皮腫無しの患者に比べ、胸膜中皮腫患者で有意に高値 (Detroit コホート 105±7 ng/mL , New York cohort 113±8 ng /mL vs 非中皮腫 14±1  ng/mL , 24±1  ng/mL ,; P<0 .001=".001" br="br">
胸水 fibulin濃度はアスベスト暴露・中皮腫無しの患者に比べ、胸膜中皮腫患者で有意に高値 (Detroit cohort 694±37 ng/mL , New York cohort 636±92 ng/mL vs 中皮腫に寄らない胸水 212±25, 151±23 ng/mL; P<0 .001=".001" br="br">

fibulin-3染色腫瘍細胞、サンプル26/26で陽性

中皮腫有無全体比較で、血中fibulin-3値 ROC/UCカーブで、カットオフ値 52.8 ng/mLで、感度 96.7%、特異度 95.5%

アスベスト暴露中皮腫早期で、fibulin-3 カットオフ値 46.0 ng/mL感度100%、特異度 94.1%

盲検検討によれば、血中サンプルのAUC 0.87(アスベスト暴露 96名、中皮腫 48名)




中皮腫の診断、治療に難儀してるだけに、早期に実用化してほしい

noteへ実験的移行

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