2014年1月7日火曜日

2013年MDLinx最既読トップ記事

昨年、発表無いなぁと思ってた。

例年、食品関係やビタミン、サプリメントなどが関心が高いようだ。


  1. Gonadal Steroids and Body Composition, Strength, and Sexual Function in Men
    New England Journal of Medicine - 09/16/2013
  2. Walking Versus Running for Hypertension, Cholesterol, and Diabetes Mellitus Risk Reduction
    Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology - 04/17/2013
  3. Aspirin: Its risks, benefits, and optimal use in preventing cardiovascular events
    Cleveland Clinic Journal of Medicine - 05/08/2013
  4. Vitamin D and Calcium Supplementation to Prevent Fractures in Adults: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
    Annals of Internal Medicine - 02/26/2013
  5. The new hypertension guidelines
    The Journal of Clinical Hypertension - 07/24/2013
  6. The Risk of Taking Ascorbic Acid
    JAMA Internal Medicine - 02/05/2013
  7. Effect of green tea on glucose control and insulin sensitivity: a meta-analysis of 17 randomized controlled trials
    American Journal of Clinical Nutrition - 07/01/2013
  8. Cardiovascular benefits and diabetes risks of statin therapy in primary prevention: an analysis from the JUPITER trial
    The Lancet - 08/14/2012
  9. Red Meat Consumption and Mortality
    JAMA Internal Medicine - 04/10/2012
  10. Relationship between 25-Hydroxyvitamin D and All-cause and Cardiovascular Disease Mortality
    American Journal of Medicine - 05/24/2013
  11. Lactobacilli and bifidobacteria in the prevention of antibiotic-associated diarrhoea and diarrhoea in older inpatients (PLACIDE): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial
    The Lancet - 08/08/2013
  12. High-Dose Vitamin D Supplementation in People With Prediabetes and Hypovitaminosis D
    Diabetes Care - 10/03/2012
  13. Effects of vitamin D supplements on bone mineral density: a systematic review and meta-analysis
    The Lancet - 10/11/2013
  14. The impact of coffee on health
    Maturitas - 02/26/2013
  15. Nonsteroidal anti-inflammatory drug use and the risk of cognitive impairment and Alzheimers disease
    Alzheimer's & Dementia - 05/22/2012
  16. Drug Interactions with Grapefruit Juice
    British Journal of Medical Practitioners - 02/12/2013 →この相互作用重要
      Risk of Interaction
    GroupDrugV HighHighMod
    AnaestheticKetamine+++  
    AnaestheticAlfentanil ++ 
     Fentanyl ++ 
    AntiarrhythmicDronedorone+++  
     Amiodorone ++ 
     Quinidine  +
    Anti-CancerDasatanib ++ 
     Everolimus ++ 
     Nilotinib ++ 
     Pazopanib ++ 
     Sunitinib ++ 
     Vanetanib ++ 
    AntidepressantsBuspirone ++ 
     Sertraline  +
     Clomipramine  +
    AntiemeticDomperidone+++  
    AntiepilepticsCarbamazapine ++ 
    Anti-HIVMaraviroc+++  
     Ripivirine ++ 
    Anti-infectiveErythromycin ++ 
     Quinine ++ 
     Primaquine ++ 
    AntiplateletClopidogrel ++ 
    AntipsychoticsPimozide ++ 
     Quetiapine ++ 
     Ziprasidone ++ 
    BenzodiazepinesMidazolam  +
     Diazepam  +
     Triazolam  +
    Ca-channel bolckersFelodipine  +
     Nifedipine  +
    ImmunosuppressantsCyclosporin ++ 
     Tacrolimus ++ 
     Sirolimus ++ 
    OpiodsOxycodone ++ 
     Methadone ++ 
    StatinsSimvastatin+++  
     Atorvastatin ++ 
    Urinary TractSolifenacin  +
     Fesoterodine  +
     Darifenacin  +
     Tamsulosin  +
  17. Role of Vitamin D in Cardiometabolic Diseases 
    Experimental Diabetes Research - 03/05/2013
  18. Vitamin D and heart
    Internal and Emergency Medicine - 03/21/2013
  19. Egg consumption and risk of coronary heart disease and stroke: dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
    British Medical Journal - 01/29/2013総じて、卵摂取量多くても冠動脈疾患や卒中と関連しないが、サブグループとして糖尿病群の冠動脈性心疾患とは関連性あるかもしれない。出血性卒中リスクは低下するかもしれない。
  20. A new look at atrial fibrillation: lessons learned from drugs, pacing, and ablation therapies
    European Heart Journal - 08/05/2013


瞑想:システマティック・レビュー&メタアナリシス:臨床医は、臨床上その限界とともに、効果も認識しておく必要がある

瞑想といっても、エビデンスレベルで検討できるのは、マインドフルネス瞑想プログラムが主なようだ。

マインドフルネスやacceptance-based therapy
参照:http://kiui.jp/pc/clinical/kiyou/data/pdf2010/02_2.pdfといったアプローチは、無欲思想への非判断的姿勢、回避や変化を求めないであるがままに経験すること( nonjudgmental attention to unwanted thoughts feelings, and bodily experiences without attempting to avoid or change them )といったことの重要性をadvocateするもの。

サティ(パーリ:sati、サンスクリット:smṛti、漢訳:「念」、英語:mindfulness)は、仏教の瞑想の実践における重要な概念のひとつ。対象に価値判断を加えることなく、中立的な立場で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の主要な技術の一つである。;参考wiki
マルティン・ハイデッガー(Martin Heidegger)執筆「マインドフルネス(Mindfulness)」は1938/39年で、Friedrich Wilhelm von Herrmannにょり編集され、歴史的にも長い間検討された手法。


うつ、不安、疼痛へは一定程度のエビデンスが示されている。

Meditation Programs for Psychological Stress and Well-being
A Systematic Review and Meta-analysis
Madhav Goyal,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online January 06, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.13018

【研究意義】  多くのヒトは、心理学的ストレスとストレス関連医療問題軽減のために瞑想をする。適切に家運セルするため、臨床家は、エビデンスによる瞑想の健康ベネフィットの記載を知っておく必要性がある。

【目的】  ストレス関連アウトカム(不安、うつ、ストレス/distress、陽性気分、メンタル健康関連QOL、注意、薬物使用、食事習慣、睡眠、疼痛、体重)改善目的の瞑想プログラムの有効性検証を様々な臨床上の成人を対象に検証

【エビデンスレビュー】 プラシーボ効果をactive controlとしたランダム化臨床トライアルを同定(November 2012 from MEDLINE, PsycINFO, EMBASE, PsycArticles, Scopus, CINAHL, AMED, the Cochrane Library,  hand searches)

2名の独立したレビューアが引用をスクリーン、データ抽出。 4つのドメイン(bias risk、precision、 directness、consistency)を使用しエビデンス強度を分け、ベースラインからの変化を群別の相対的差として計算し、有効性の強度と方向性とする。
可能なら、標準化平均値差(SMD)を用い、メタアナリシスし、95%信頼区間のeffect sizeを推定。 

【結果】  18,753引用後、47トライアル3515名登録者。

マインドフルネス瞑想プログラム
・中等度のエビデンス(effect size)
  • 不安:8週後 0.38 [95% CI, 0.12-0.64]、  3〜6ヶ月後 0.22 [0.02-0.43] )
  • うつ:8週後 0.30 [0.00-0.59] 、 3から6ヶ月後 0.23 [0.05-0.42]
  • 疼痛: 0.33 [0.03- 0.62])
・低エビデンスでは、ストレス/distress改善、メンタルヘルス関連QOLの改善

陽性気分、注意、薬物使用、食習慣、睡眠、体重に関しては、効果のエビデンス少ないか、不十分なエビデンス

瞑想プログラムが、他のactiveな治療(例:薬物、運動、行動療法など)より良好であるというエビデンスは存在しない

【結論と知見】  臨床医は瞑想プログラムは多次元的なネガティブな次元の心理的ストレス軽減のため、軽度から中等度の効果を認めるということを認識すべき。
心理的ストレスに着眼した瞑想プログラムはありえる存在で、その役割を患者に話す準備をしておくべき。より強固なデザインの研究で、瞑想プログラム効果がメンタルヘルスやストレス関連行動への陽性次元への改善をもたらすか決定する必要がある。


HPV(子宮頸がん)ワクチンを妨害する要因のシステマティック・レビュー

 前に記載したが、基本的にワクチン行政に疎いくせに情緒的に施策をごり押しした結果、ワクチン行政が正しく行われなくなってしまう事例となった「子宮頸がんワクチン」行政

 この国では、「ワクチン接種禍」というキャンペーンにより、ワクチン“乳児大腿四頭筋短縮症/大腿四頭筋萎縮症”後遺症問題以来、反行政プロパガンダに用いられてしまっている。これには(比較的行政より報道をくりかえす傾向のある)読売・日経なども関与していた(る)。毎日・朝日は昔からどうしようもないが・・・。ところが、子宮頸がんワクチンに関しては例外と思える、肯定的スタンスを各新聞とっていた。が、一転・・・


 この国の障壁はさておき・・・


 HPVワクチンを妨害する要因のシステマティック・レビュー

医療専門家・両親が、性的活動盛んになる前にHPVワクチン接種することの重要性を確認することが重要。医療専門家は、両親や被接種者の子供にHPVを推奨し続けることのベネフィットは明らか。医療機関と関わるとき、医療機関は、その努力を行うことで、HPVワクチン機会を逸することを提言。さらに、住民内のサブグループ単位で特異的努力も必要だろう。ワクチンのシステムレベルの障壁に着眼し、HPVワクチン受容性を増加させる努力が必要・・・という趣旨の結論


Barriers to human papillomavirus vaccination among us adolescents: A systematic review of the literature"
Holman DM, et al
JAMA Pediatr 2014; 168(1): 76-82. 

・経済的関心、親の態度/関心を医療専門家たちはその理由としている
・親は、ワクチン前の情報提供をより多く欲している
・親の関心は、性行為でのワクチンの有効性、HPV感染のリスクの自覚の低さ、社会的影響、イレギュラーな予防ケア、ワクチンのコストなどが共通する寄与障壁であった


子供が男の子の場合、直接のベネフィットが自覚できないため、ワクチンを受け無いと述べてる親が一定数いる。


医療専門家推奨に同意する親が、子供のワクチン接種意思決定にとって最も重要な要素である。


麻疹ワクチンがそうであったように、 反ワクチン運動による弊害
これと同じように、反子宮頸がんワクチン運動の弊害は、10年後以降明らかになるはず・・・かれらはその責任を負うだろうか?麻疹に関する態度と同様、黙りだろう。


遅すぎるHPVワクチンは意味が無い:18歳以上・細胞診異常有する場合、意味が無いかもしれない

子宮頸がんワクチンなどという表現自体がおかしいわけで、「ヒトパピローマウィルスに対するワクチン:HPVワクチン」と正しく表現すべき。でなければ、前がん状態である子宮頚部異形成への効果などを無視してしまうことになる。医師資格をもつ大臣を含め、衆参議員がフェミニズムのうち表層的部分を突出させ、「子宮頸がんワクチン」をごり押しした結果が、いまの日本のHPVワクチンの現状であろう。


カナダからの報告では、18歳未満もしくは子宮頸部に病変みとめる場合では、前がん病変発症予防効果認めない報告がなされた。






18歳までにあるいはすでに子宮頸部異形成を有しながらHPVワクチン接種をした女性は、ワクチン非接種女性では、子宮頸部異形成発生率は同等。

一方、子宮頸部病変を有さない18歳以上の女性では、高度扁平上皮内病変:HSIL(high-grade squamous intraepithelial lesion(s))リスクを、HPVワクチン接種群では、非ワクチン接種群に比べ23%減少する。

子宮頸部病変を有する女性では、4価ワクチンでは、HSIL予防効果認めない。


Effectiveness of the Quadrivalent Human Papillomavirus Vaccine Against Cervical Dysplasia in Manitoba, Canada
alaheddin M. Mahmud, et. al.
JCO published online on January 6, 2014; DOI:10.1200/JCO.2013.52.4645.


【目的】 子宮頸部異形成への4価HPVワクチン(QHPV)の有効性は住民ベース個別レベルデータとしては推定さえされてない。QHPVワクチンの子宮頸部異形成への有効性(VE)をマニトバ・ルーチン集積データを用いて検討 

【方法】 15歳以上、QHPVワクチン接種女性(マニトバ、between September 2006 and April 2010 privately (n = 3,541) を、3非ワクチン接種群(n = 9,594)と年齢マッチ化比較。Cox回帰モデルにて、3つのアウトカムハザード比を推定: atypical squamous cells of undetermined significance (ASCUS)、low-grade squamous intraepithelial lesions (LSILs)、 high-grade SILs (HSILs)

【結果】 15〜17歳までで、補正VE推定値は、それぞれに対し、ASCUS 35% (95% CI, −19% to 65%)、 LSILs 21% (−10% to 43%)、HSILs −1% (−44% to 29%)


登録後Papスメアを最低1回行った群において、それぞれの補正VE推定値はより高値 になる (46% [0% 〜 71%]、 35% [10% 〜 54%]、 23% [−8% 〜 45%])


QHPVワクチンは、18歳以上・細胞診異常病歴無し群では、HSILリスクを 23% (−17% to 48%) 減少。しかし、病歴を有する一群では予防効果認めず (−8% [−59% to 27%]。


【結論】 18歳以上か、すでに細胞診異常を有する女性では、予防効果は認めないかもしれない。ワクチン接種されても、性的活動性ある場合には、スクリーニングプログラムの必要性を過小評価してはならない。HPV暴露前にワクチン接種することが必要。

JNC-8ガイドライン撤回せよ・・・という主張

Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure-8 (JNC-8) guidelines
JAMA:http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1791497
(参考:http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/12/jnc8.html

エビデンスに基づかず、医学的に有害で経済的にも有害という主張。

http://www.kevinmd.com/blog/2014/01/call-retract-jnc8-hypertension-guidelines.html



  •     “The evidence review did not include observational studies, systematic reviews, or meta-analyses, and the panel did not conduct its own meta-analysis based on prespecified inclusion criteria. Thus, information from these types of studies was not incorporated into the evidence statements or recommendations.”
  •      “Although adverse effects and harms of antihypertensive treatment documented in the randomized controlled trials (RCTs) were considered when the panel made its decisions, the review was not designed to determine whether therapy-associated adverse effects and harms resulted in significant changes in important health outcomes.”


今までは、ガイドライン発表後、従順な解説に終始することが多かった医療系ITメディア

流れが変わってきたのか?


わるいことではないと私は思う。

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