ラベル 臨床研究 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 臨床研究 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年12月6日金曜日

臨床トライアルの詐欺要素巣窟 → 複合アウトカム設定(検出パワー操作) KYOTO・JIKEIなどの潜在的問題

 悪名高き、KYOTOやJIKEIの問題の本質は、PROBE法というQualityの低い方法論以外に「アウトカムの組み合わせ」・複合アウトカムの問題がある。ハードなアウトカムではなく、よりソフトな入院というアウトカムがそのプライマリ・エンドポイントに影響をあたえてことは、ノバルティス関連のトライアルでは当初から指摘されていた。その批判を見聞きしていた臨床家は多かったが、一般には問題にされることがなかった。このことが日本の臨床家の根本的問題と思う。臨床トライアルが、今、臨床上大きな比重を占めてきたのは健全なことだが、あまりに情報利用法が稚拙で、お人好し・・・一言で言えば馬鹿な臨床家が多すぎる・・・

以下の論文のサマリーポイントを先に提示する

サマリーポイント
・非特異的・複合アウトカムの使用は、介入に関する原因的でないイベントの比率を増加させることになる(原因と関係ないイベント比率が増大) 
・原因と関連しないイベントを含めることで、帰無推定の方へ効果を希釈することとなり、正確な推定ができず、トライアルの検出力低下につながる 
・複合アウトカムは、その影響として、個別患者のケアに関する情報に役立たない。 
・複合アウトカムの影響に基づく結論は、対象が違えば、違うわけで、一般化できない、役立たずの情報である。

 ノバルティスだけに限らない、臨床トライアルに基づく薬剤宣伝に対し、一般医家たちは、そのトライアル対象やアウトカム設定を吟味することなく、「なんとなく、臨床トライアルで証明された」から・・・などと、あいまいにその情報をうのみにしていたのではないか!
 言葉は悪いが、今更、特定の製薬会社に怒って、血圧安定しているのにその薬剤を変更するって行為は実に見苦しい。製薬会社が臨床家をだまそうとやってくるのに、それをそのまんま鵜呑みにする・・・そういう態度にも問題がある・・・と偉そうに書いてみた。



Dangers of non-specific composite outcome measures in clinical trials
BMJ 2013; 347
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6782 (Published 22 November 2013)


 臨床トライアル上のアウトカムとして、プライマリ、セカンダリ共に、composite outcome(組み合わせ/複合アウトカム)が設定されることが多くなっている。
 国際的ガイドライン(e.g. ICH)では、2つのアウトカム測定項目は、患者に対するリスク・ベネフィット共に明らかにすることを主目的としなければならないとされ、不幸号アウトカムとして、「全死亡率」、「全原因入院」、他の副作用イベントを選択項目とする。「全死亡率」が最頻回項目であるが、これは、原因特異的死亡率より発生率が高く、検出パワー増加をもたらすからと想像できる。他の頻用アプローチは、広汎な症例定義や感度試験などでパワー増加をもたらすよう選別されてしまう。

 臨床的トライアルにおける複合アウトカムは利用が多くなっている理由は、予備調査研究により、アウトカム上、検出パワー増大するよう設定されており、真の患者ベネフィット・リスク検出に直結しない項目の検出となる設計がなされている。

 たとえとして、β遮断剤は、気道狭窄を特定の患者に生じさせる危険性はあるが、肺機能の改善・入院率を減少させる可能性がある。プラシーボ対照ランダム化研究を予定するときに、あなたは、どれをプライマリアウトカムの構成とするか。COPD中等症では年次入院リスク40%というあなたの臨床データがあり、入院率20%減少効果(40%→32%)をを示すためには1510名の被験者数が必要と統計学者が主張するだろう。あなたの注目点が喘鳴や息切れなら、記録に喘鳴、息切れ、他の重度臨床症状についての記載を求めるだろう。原文に仮想結果が示されている


Outcomeβ blocker (n=775)*Control (n=775)*Relative risk/rate† (95% CI)P value
No of patients/eventsRisk/rate†No of patients/eventsRisk/rate†
Hospital admission






Any cause
272
0.35
302
0.4
0.90 (0.79 to 1.02)<0 .12="" font="">
COPD related
121
0.16
151
0.2
0.80 (0.65 to 0.99)<0 .045="" font="">
Adverse events






Any shortness of breath
39746
0.1442
39444
0.1431
1.01 (0.99 to 1.02)<0 .29="" font="">
Severe bronchospasm
378
0.0014
76
0.0003
4.96 (3.91 to 6.40)


 真の臨床効果は非特異的アウトカム測定により希釈されてしまう。この例では入院理由はCOPD外の理由が半数を超えてしまう。β遮断剤による重度気道痙攣の発生率は極めて稀なため、そのリスク増大させるが、検出パワー能力がないため、その機会を失っている。効果を帰無仮説否定できずに、多原因の息切れという副事象の中に埋没することになってしまう。


ちなみに、m3では以下の記事の紹介がなされているが・・・どうなんだろ・・・解説に偏りあると思うのだが・・・
正解はβ遮断薬の選択性によって転帰に差が生じることはない。最近の研究によれば、心不全(HF)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の合併患者へのβ遮断薬 については懸念が存在するものの、β遮断薬の選択性がHFとCOPDの合併患者と非合併患者の転帰の差と関連するというエビデンスは得られなかったと報告 されている。
Mentz RJ, et al. Am J Cardiol. 2013;111(4):582-587.
「SmartestDoc米国版」より出題


(後略)


Causal mechanism modelでの治療効果説明

複合アウトカム

アウトカムの誤分類

現実のトライアルによる説明

考察



2013年8月6日火曜日

PLATOトライアル信頼性疑義:アストラゼネカの新規抗血小板剤チカグレロル

洋の東西問わず、薬剤治験・臨床治験の公平性が問われている。

ノバルティスのそれより重大・・・臨床治験で、FDA薬剤承認に関連してたから
でも、恣意性が判明されることがあるのだろうか?

勝手に名前使われた、プラトンさんが怒ってるだろう


Inactivations, deletions, non-adjudications, and downgrades of clinical endpoints on ticagrelor: Serious concerns over the reliability of the PLATO trial
International Journal of CardiologyPII: S0167-5273(13)01216-3 doi:10.1016/j.ijcard.2013.07.020


FDA Medical Review は以下を示唆

(1) 研究スポンサーと独立した第三者機関CROの結果と異なり、研究スポンサーによるチカグレロルでは、プライマリエンドポイントオッズ比は減少(P=0.0004)


(2) チカグレロルに有利な研究終了まで全原因死亡率に関して研究スポンサーモニター地域とチカグレロルに、有意な関連性存在(p=0.006),


(3) 独立第三者機関CRO(米国、ロシア、ジョージア)による研究スポンサーに独立した地域では、チカグレロル悪化へ中立化 (OR=1.21, 95% CI: 0.91 to 1.59, p=0.2022)


(4) チカグレロルに有利なプライマリエンドポイントのうち、46%は、2つの国(ポーランド、ハンガリー)からのもの


(5) PLATO はデータベースロック前のロック解除状態の最低452名の患者で、クロピドグレル/ダミー・クロピドグレル錠開き、無ブラインド化されやすい状態にあった。


(6) チカグレロル割り当て群に比べ、心筋梗塞としてのプライマリ解析としてカウントされていた心臓イベント数が有意に多い  (p<0 .0001="" p="">

(7) 指標イベント/入院後の入院患者が、クロピドグレルと比較してチカグレロル群で多いことは報告されてない (p=0.002 in favor of ticagrelor),


(8) サイト報告の心筋梗塞では、チカグレロル vs クロピドグレルの減少、有意差はない。


(9) チカグレロルに於ける23の確定・可能性心血管イベントでは、裁定・不活化・削除・より弱いエンドポイントへのダウングレードなどがなされてない(これはFDAレビューでも示されてない)


(10) 4名の FDA reviewerは、チカグレロル非承認に投票


2013年7月22日月曜日

臨床研究不正:研究者の知識低すぎるという主張

臨床研究不正でNPOが非難 研究者の知識低すぎる
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072001001494.html

ノバルティスファーマの降圧薬ディオバンを使い京都府立医大で行われた臨床研究がデータ操作された問題で、医師らでつくるNPO法人臨床研究適正評価教育機構(桑島巌理事長)は20日に記者会見し、臨床研究に関わった医師の知識や技術が低すぎると非難した。

この桑島理事長って、「職場高血圧」(workplace hypertension)というテーマで製薬メーカーによる講演会かなり行ってた。

「職場高血圧」・「仮面高血圧」という造語にご用心 2005年 07月 21日

ちなみに「office」とは、通常、「clinical office」のことであり、日本の「診察室」相当であり、白衣高血圧のこと。  


ちなみに、pubmed上で、「'work' AND 'hypertension'」や「'occupation' AND 'hypertension'」 に 'Kuwajima'をAND検索に加えると、

Workplace hypertension is associated with obesity and family history of hypertension.
Hypertens Res. 2006 Dec;29(12):969-76.

という論文が検索される。中身をみると、通常血圧正常でも、「job strain」(職業上の緊張)による高血圧ということで、ABPMによる測定値を持って、「職場高血圧」と命名している。「Workplace hypertension」という病態に関してはその意義は否定しないが、「職場高血圧」という命名は軽々しいのではないか、そういう思いを持つ。

最近のメタアナリシス・システマティックレビューでも「job strain」という言葉はあっても、「workplace hypertension」は使われてないようだ。
Job Strain and Ambulatory Blood Pressure: A Meta-Analysis and Systematic Review
Read More: http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2012.301153?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

そういう御仁が、「臨床研究に関わった医師の知識や技術が低すぎると非難」という・・・



米国と比較すれば分かるが、「日本の臨床研究のレベルは低い」というより、国が金出さないため、研究に必要な「資金や資材・人材提供」を紐付き資金に求めざる得ないという状況が問題と思う。

NPO法人臨床研究適正評価教育機構は、批判すべき方向性が違う

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note