2016年2月18日木曜日

インフルエンザワクチンと心房細動

インフルエンザワクチンにより、インフルエンザ感染・無症状及びインフルエンザ感染・有症状を減少させ、結果、心房細動発症を抑制する・・・と考えるのが普通では・・・


反ワクチン無責任市民団体は、その利益性は無視するけどね・・・


The association between influenza infection, vaccination, and atrial fibrillation: A nationwide case-control study

Ting-Yung Chang, et. al.
Heart Rhythm Society
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.hrthm.2016.01.026
http://www.heartrhythmjournal.com/article/S1547-5271(16)00126-0/abstract

インフルエンザ感染なし・ワクチン患者 (reference group; n = 38,353)に比べ、ワクチンなしインフルエンザ感染患者 (n = 1369) は心房細動高リスク有意差あり
オッズ比 1.182  p = 0.032 ベースライン差補正後


心房細動リスクは、インフルエンザ感染無し・インフルエンザワクチン接種患者(n = 16,452)で低下 オッズ比 0.881 (P < .001)

インフルエンザ接種患者・インフルエンザ感染経験者では、心房細動リスクは参照患者と同等
 (オッズ比 1.136; P = .214)


 ワクチン接種心房細動のリスク低下は、サブグループ解析で一致

IRISトライアル:アクトスの非糖尿病・インスリン抵抗症例に対する卒中二次予防効果


多施設二重盲験ランダム研究:糖尿病無し、インスリン抵抗性(HOMA-IR 3超)で、直近の卒中もしくはTIAのある症例

プライマリアウトカムは、致死性・非致死性卒中・心筋梗塞


“インスリン抵抗”という病態への治療可能性を示した重要な報告となっている



Pioglitazone after Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attack
Walter N. Kernan,  et. al. . for the IRIS Trial Investigators
N. Engl. J. Med. February 17, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1506930


4.8年間のうち、プライマリアウトカム発生
ピオグリタゾン群 75 / 1939 patients (9.0%)
プラシーボ群 228 / 1937 (11.8%) 
(ピオグリタゾン群ハザード比, 0.76; 95% 信頼区かbン[CI], 0.62 to 0.93; P=0.007)

糖尿病発症
ピオグリタゾン群 73 (3.8%)
プラシーボ群 149 (7.7%)
(ピオグリタゾン群ハザード比, 0.48; 95% CI, 0.33 to 0.69; P < 0.001)





全原因死オブ率群間差有意差認めず (ハザード比, 0.93; 95% CI, 0.73 to 1.17; P=0.52).


ピオグリタゾン群は、体重4.5kg超症例比率増加 (52.2% vs 33.7% ,  P < 0.001)

同様浮腫増加 (35.6% vs. 24.9%, P = 0.03)




ピオグリタゾンの卒中二次予防効果:抗動脈硬化性が示されたこととなる


体重増加、浮腫増加によりなんらかの不都合はないのか?

MACE事象減少を見いだせなかったPROactive研究などと反した結果であり、
様々な解釈ができる報告で、糖尿病から治療スタートしても遅い「インスリン抵抗性」という病気などと主張する向きも出現するかも・・・





ACT1:頸動脈ステントは手術より悪いとは言えない

minor strokeをプライマリ・アウトカムとして考慮してないため、リアルワールドにおいて全て同等とは言えないがという但し書きでの話




"LB25 randomized trial of stent versus surgery for asymptomatic carotid stenosis: initial and five-year results of ACT 1 trial"
International Stroke Conference : ISC 2016. http://my.americanheart.org/professional/Sessions/InternationalStrokeConference/International-Stroke-Conference_UCM_316901_SubHomePage.jsp






"Randomized trial of stent versus surgery for asymptomatic carotid stenosis" Rosenfield, K et al
N Engl J Med 2016; DOI: 10.1056/NEJMoa1515706.


背景
今までの臨床トライアルでは、手術合併症リスク平均以上の場合、血栓を"captureしremoveする"デバイスを用いたcarotid-artery stenting:頸動脈ステント (“embolic protection”) は、 carotid endarterectomy(頚動脈内膜切除)の代替的有効性を有することが示唆されてきた。

方法
carotid-artery stenting with embolic protectionとcarotid endarterectomyを比較
79歳以下、重症頸動脈狭窄且つ無症状(i.e. 卒中、TIA、一過性黒内障を登録180日間内無い症例)、手術合併症高リスクとは考えられない症例
1658名登録デザインも1453例ランダム化後登録状況のため途中中止
5年までフォローアップ
プライマリ複合エンドポイントは、施行後30日以内死亡・卒中、心筋梗塞、1年内の同側卒中を非劣性限界3%ポイントとして検証

結果
Stenting は、プライマリ複合エンドポイントに関して非劣性(イベント発生率、 3.8% vs 3.4% ; P = 0.01 for 非劣性)
30日内卒中・死亡発生率 stenting群 2.9% vs endarectomy群 1.7%  (P=0.33).

施行後30日から5年間、同側卒中無発生率は、stenting群 97.8% vs endarterectomy群 97.3% (P=0.51)、包括生存率 87.1% vs 89.4% P=0.21
5年卒中無事故累積生存率は 93.1% vs 94.7% (P=0.44)

米国FDA:ジカ熱感染懸念地域での輸血注意喚起

現時点では米国FDAでは、米国内輸血由来のZikaウィルス感染報告はないが、リスクは存在するとして注意喚起


FDA issues recommendations to reduce the risk for Zika virus blood transmission in the United States
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm486359.htm


noteへ実験的移行

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