2013年9月11日水曜日

メトホルミンは高血糖下細菌増殖抑制効果をもたらす

高血糖は呼吸器系黄色ブドウ球菌感染促進的に働き、メトホルミンは気道上皮への血糖移動に影響を与え、高血糖誘起性細菌増殖を抑制する可能性。メトホルミンは、故に、気道感染予防に関して付加的価値がある可能性がある。 Metformin reduces airway glucose permeability and hyperglycaemia-induced Staphylococcus aureus load independently of effects on blood glucose Thorax 2013;68:835-845 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-203178

左脚ブロック所見時の心筋梗塞診断:Sgarbossaクライテリア

左脚ブロック患者でST上昇型急性心筋梗塞を正確に同定することは困難

2004年ガイドラインによる推奨では偽陽性カテーテルラボ使用が頻回になされることとなった。2013年STEMIガイドラインでは、ドラスティックな変化があった。

Sgarbossa electrocardiography criteria

スコア 3以上で、急性心筋梗塞・血管造影確認急性冠動脈閉塞の特異性98%、 PPV高度とのこと


Qiangjun Cai, et. al.
American Heart Journal Volume 166, Issue 3 , Pages 409-413, September 2013




http://en.ecgpedia.org/wiki/MI_Diagnosis_in_LBBB_or_paced_rhythm

・ QRS positive誘導のST上昇 > 1mm (concordance in ST deviation) (score 5)
・ V1-3のST低下 > 1 mm (concordance in ST deviation) (score 3)
・ QRS negative誘導のST上昇 > 5 mm (inappropriate discordance in ST deviation) (score 2)


http://lifeinthefastlane.com/ecg-library/basics/sgarbossa/




糖尿病:メトホルミン使用と認知パフォーマンス低下相関 ビタミンB12不足・カルシウムでの補正の可能性

late onset Alzheimer's disease(LOAD)と2型糖尿病の関連性は疫学的にはその存在が明らかとなっている。原因的・メカニズムに関しては不明( 2012;30 Suppl 2:S185-98. doi: 10.3233/JAD-2012-111433.)。

認知機能低下に関しては、低血糖、SU剤との関連性などが取りざたされてきたと思うのだが、メトホルミンとの関連性は、突発的で奇異な印象をもつ

Increased Risk of Cognitive Impairment in Patients With Diabetes Is Associated With Metformin
Diabetic Care 
Published online before print September 5, 2013, doi: 10.2337/dc13-0229 Diabetes Care September 5, 2013 

メトホルミン、血中ビタミンB12、カルシウムサプリメントと、糖尿病関連認知機能障害に関する検討 
アルツハイマー病 480名、MCI 187名 
糖尿病なし群より、糖尿病のある場合、認知パフォーマンス悪化( n=1228 , 補正ハザード比 1.51 [95% CI 1.03-2.21]) 
糖尿病患者内で、認知機能悪化はメトホルミン使用と相関( 2.23 [1.05-4.75) 
年齢・性・教育レベル・うつ病歴、血中ビタミンB12、メトホルミン使用補正後、カルシウムサプリメント服用は認知機能パフォーマンス改善と相関(0.41 [0.19-0.92])


重度アルコール性肝炎 ペントキシフィリン生存率改善認めず ・・・ ただ、検出パワー不足治験

この治験、プライマリエンドポイントに関して検出パワー不足

多施設・ランダム化二重盲験臨床トライアル

270名のベルギー・フランスの病院での18−70歳の、重度飲酒(黄疸3ヶ月前から存在し、Maddreyスコア 32以上)

プレドニゾロン 40mg/日+pentoxifilline 400mg×3回/日 (n= 133)
vs
プレドニゾロン 40mg/日+プラシーボ (n=137)
いずれも28日間
ITT解析にて、6ヶ月生存率有意差認めず

Prednisolone With vs Without Pentoxifylline and Survival of Patients With Severe Alcoholic Hepatitis
A Randomized Clinical Trial
Philippe Mathurin,  et. al.
JAMA. 2013;310(10):1033-1041. doi:10.1001/jama.2013.276300.


脳循環改善薬として存在していたトレンタール・・・ この種の効能で復活もあるかもしれないと思っていたが・・・

レスピマット vs ハンディヘラー :非劣性評価にてレスピマット安全性確認

べーリンガーってのは、日本を小馬鹿にしている会社ってのだけは、日本無視のコメントではっきりしている。英文では有害性事象記載を自社ページで記載したが、日本べーリンガーは終始説明せず。有害性に関する日本語翻訳もせず、一般医療関係者にも説明無し放置し続けてきた。ノバルティスが問題なっているが、それ以上の問題企業だと思う。
メタアナリシス:スピリーバ・レスピマットの終焉:死亡率増加あらためて明らかに 2012/10/17
日本呼吸器学会のおえらいさんたちは、おえらいさんたちは、患者さんたちの安全性よりこの企業の言い訳に終始してたという、実に、現日本の象徴的経緯


一応、レスピマットを回避する主たる理由はなくなったので、本格的に使用することにするが、この会社への不信感と、呼吸器学会のおえらいさん方への疑念だけは印象として残る。


Tiotropium Respimat Inhaler and the Risk of Death in COPD
Robert A. Wise, M    ,et. al.
for the TIOSPIR Investigators
NEJM    September 8, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1303342

COPD17,135例の無作為二重盲験
レスピマットの有効性安全性に関して、ハンディーヘラー vs レスピマットの非劣性比較
プライマリアウトカムは、死亡リスク(非劣性;レスピマット 5または2.5μg vs ハンディーヘラー)と初回増悪リスク(優越性; レスピマット 5μg vs ハンディーヘラー)
さらに心血管系安全性(安定心疾患を含む)の評価

フォローアップ平均2.3年間
レスピマットは、ハンディーヘラー比較の死亡リスクに関して非劣性  (Respimat at a dose of 5 μg vs. HandiHaler: hazard ratio, 0.96; 95% confidence interval [CI], 0.84 to 1.09; Respimat at a dose of 2.5 μg vs. HandiHaler: hazard ratio, 1.00; 95% CI, 0.87 to 1.14)

初回急性増悪リスクに関して優越性認めず(Respimat at a dose of 5 μg vs. HandiHaler: hazard ratio, 0.98; 95% CI, 0.93 to 1.03)

死亡原因と主要心血管副事象イベントは、3群同様。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note