2013年12月30日月曜日

State-of-the-art:高血圧実地診療3問題中心に・・・ 

 糖尿病のメトホルミン使用制限してきたことは、日本の医療・医学の恥だとおもうが、高血圧診療においてもクロロサリドンを無視しヒドロクロロサイアザイド併用を推奨するスポンサーサイド優先の医療がなされてきた。→ 参考:エビデンスに基づく利尿剤使用と異なる血圧治療の現状:米国医者も日本同様アホ 2011年 04月 02日

 日本なんてALLHAT発表以降にクロロサリドン(ハイグロトン)使用不能になったわけで、日本の厚労省と関係学会のアホぶりは、ここでも強調しておきたい!

 日本の教授様たちは、製薬会社のための新薬利益誘導に便宜のため浅学医師たちに誤った方向性を示してきたのだ。GSKショックが彼らの脳天とかれらの懐を直撃することを私は望む。


欧州の学会は、日米ほど製薬会社の意向が行き届かないところがあり、糖尿病や高血圧診療のガイダンスにおいて、妥当な示唆をあたえてくれることが多い。


 

State-of-the-art treatment of hypertension: established and new drugs
Eur Heart J (2013) doi: 10.1093/eurheartj/eht465 
First published online: November 11, 2013


市場利用可能な降圧薬を適正に使用することは重大な問題である。降圧剤のクラス分け使用における具体的懸案

ACE阻害剤は、ARBより優秀か?

カルシウム拮抗剤における末梢性浮腫頻度軽減の可能性?

ヒドロクロロサイアザイドは併用治療として最善薬剤か?

これらの疑問議論のための臨床研究・メタアナリシスのレビュー

結論としては、ACE阻害剤とARBは、ARBの良好耐用性以外は同等ということが示唆、3世代カルシウム拮抗剤は末梢性浮腫軽減に役立つ。そして、クロロサリドンが確実にヒドロクロロサイアザイドより有効


最後に、薬剤アドヒアランスと長期持続性が現時点では最大の臨床実地上のテーマ。

高血圧患者:自宅ヨガで降圧効果・自己評価QOLも改善 vs 教室・インストラクター介入では効果認めず

 おもしろい結果がでてるようだ。ヨガ教室でインストラクター介入のヨガでは血圧や自己評価QOLで効果をみとめないが、自宅でのヨガ施行では降圧効果を認めるというもの。


 少なくとも、今回検討の短期的ヨガ介入においては、選択バイアスの問題とともに、心理的影響があるようだ。その内容はやや複雑で、自宅ヨガにおける最大肯定群の存在が心理的ポジティブ効果をかさ上げしている。一方、中間的肯定的評価群では、ヨガ教室介入の方がやや多い。

 なんにしろ、導入期に教室に通うのは良いが、降圧効果を目的にするなら自宅ヨガが基本と考えるべきなのかもしれない。現時点での考察をしろと言われれば・・・


高血圧診断一次医療機関患者でのヨガ介入の血圧・QOL研究2つでその効果を研究。


スイス南部地域の一次医療機関電子カルテ調査高血圧診断:20−80歳、総数83名、ベースライン血圧 120〜179/109 mmHg以下
ベースラインで、標準化血圧測定と自己報告QOL(WHOQOL-BREF)調査

介入:
1)ヨガ教室:ヨガインストラクター(n=28)
2)自宅ヨガ(n=28)
3)対照群(n=27)

介入12週後、評価


Impact of yoga on blood pressure and quality of life in patients with hypertension – a controlled trial in primary care, matched for systolic blood pressure

Moa Wolff, et. al.
BMC Cardiovascular Disorders 2013, 13:111
 doi:10.1186/1471-2261-13-111

ヨガ教室介入では、血圧改善せず、自己評価QOLも改善せず
自宅ヨガ群では、拡張期血圧4.4mmHg低下(p<0 .05="" font="">
さらに、自己報告QOL改善



介入後血圧と血圧補正値
BP after intervention and adjusted mean change in BP

Intervention group 1 Intervention group 2 Group 3
Yoga class group Yoga at home group Control group
OC PPS OC PPS OC PPS
n=28 n=21 n=26 n=20 n=26 n=23
Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE)
SBP (mmHg) 144.1 (2.6) 144.3 (3.1) 137.0 (2.7) 138.4 (3.2) 141.5 (2.7) 142.6 (3.0)
Change from baseline 0.3 (2.6) -0.2 (3.1) -6.8 (2.7) -6.1 (3.2) -2.3 (2.7) -1.9 (3.0)
P-value 0.917 0.954 0.013** 0.061 0.381 0.527
Difference vs. control 2.6 (3.7) 1.7 (4.3) -4.4 (3.8) -4.2 (4.4)


P-value 0.482 0.693 0.241 0.341


DBP (mmHg) 89.4 (1.6) 89.5 (1.9) 84.7 (1.6) 85.3 (1.9) 89.9 (1.6) 90.2 (1.8)
Change from baseline 0.2 (1.6) 0.3 (1.9) -4.4 (1.6) -3.9 (1.9) 0.8 (1.6) 1.01 (1.8)
P-value 0.889 0.890 0.008** 0.045** 0.612 0.571
Difference vs. control -0.6 (2.5) -0.8 (2.6) -5.2 (2.3) -4.9 (2.6)


P-value 0.794 0.771 0.025* 0.064


Yoga sessions during intervention† 47.2 52.7 63.9 72.6




*Significant difference compared to control (p < 0.05).

**Significant change from baseline (p < 0.05).

†According to yoga calendar (yoga class sessions and yoga at home sessions).

OC, observed cases; PPS, per protocol set; SE, standard error of the mean; SBP, systolic blood pressure; DBP, diastolic blood pressure.

The PPS consists of all patients who (1) practiced yoga at least once a week for nine weeks or more and (2) had no change in medication during the study period.

Wolff et al.

Wolff et al. BMC Cardiovascular Disorders 2013 13:111   doi:10.1186/1471-2261-13-111 




ヨガ:自宅ヨガとヨガ教室における患者視点
a. How did you experience the yoga practice emotionally? b. How did you experience the yoga practice physically? c. Will you continue practicing yoga after this study?

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