2014年1月28日火曜日

腹部超音波:腹部大動脈瘤検診 ・・・ 破裂予防・関連死減少効果

腹部大動脈瘤(AAA)に関する検診ルーチン1回を65−70歳、喫煙既往歴ありを対象とする。
U.S. Preventive Services Task Force
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/tfcomment.htm





住民ベースのRCT長期フォローアップにて、AAA 3cm以上の検診にて、65歳以上のAAA関連死亡率減少が報告されている

65歳以上の男性に対し、AAA1回の検診で、AAA破裂とAAA関連死亡率減少効果が示されたが、総死亡率への影響は少ない。
13万7千名超の4つのRCTレビューにて、65歳以上の男性において、AAA破裂・AAA関連死亡率、10から15年間での減少効果しめされたが、全原因死亡率10から15年間では統計学的有意性示せなかった。
検診は、包括的・待機的手術増加と相関、緊急手術減少、30日手術死亡率低下が10から15年フォローアップで示された。
1つのRCT(9342名の女性)では、検診ではAAA関連、全原因死亡率低下に関するベネフィット示せなかった。

Ultrasonography Screening for Abdominal Aortic Aneurysms: A Systematic Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Janelle M.  et. al.
Ann Intern Med. Published online 28 January 2014
doi:10.7326/M13-1844





米国:銃による暴力:毎年子供の犠牲者1万名超

アメリカ人の発想はよくわからない・・・憲法に規定されてる、銃所持の権利。


毎年1万名の子供が傷つき、殺されてるというのに・・・

銃暴力により、7千名超の入院・死亡してるが、入院前死亡判断3千名を追加すると、1万名の被害者ということになる。

Nearly 10,000 American children are injured or killed by guns every year
http://www.nbcnews.com/health/guns-hurt-or-kill-10-000-children-us-each-year-2D11997891?ocid=twitter

日本の平成25年度子供白書によると、事故・交通事故被害者は、東日本大震災をのぞけば、3千名以下、殺人被害者はほとんど統計にならない

殺虫剤DDT:アルツハイマー型認知症発症関連性密、APOE4alleleリスク状態でさらに影響受ける

DDE(Dichlorodiphenyldichloroethylene )は、殺虫剤DDT(dichlorodiphenyltrichloroethane ) 代謝産物
その血中濃度とアルツハイマー型認知症AD)との関連性 を評価したもの。

血中DDE濃度はアルツハイマー型認知症発症リスクと相関し、APOE4 ε4 alleleキャリアではその発症感受性かなり高くなる。メカニズム考察として、神経芽細胞への蓄積し影響が示唆された。

Elevated Serum Pesticide Levels and Risk for Alzheimer Disease
Jason R.  et. al.
JAMA Neurol. Published online January 27, 2014. doi:10.1001/jamaneurol.2013.6030

症例対象研究:AD症例 86 vs 対照 79
主要アウトカム測定:血中DDE濃度、AD診断、AD重症度(MMSEスコア)、それとAPOE genotypeとの関連性

DDE濃度は、AD vs 対照 3.8倍 D (mean [SEM], 2.64 [0.35] ng/mg cholesterol) vs mean [SEM], 0.69 [0.1] ng/mg cholesterol; P < .001)

DDE最大3分位で、ADリスクオッズ比 4.18  (95% CI, 2.54-5.82; P < .001) 、 Mini-Mental State Examination score低値 (−1.605; range, −3.095 to −0.114; P < .0001)

DDE最大3分位のMMSEスコアは、APOE ε 4 allele保有サブグループで低値 vs APOE ε3 allele (P interaction = .04)

血中DDE濃度は、脳内のDDEレベル高値と高度相関 (ρ = 0.95)

ヒト神経芽細胞へのDDT、DDE暴露は、アミロイド前駆蛋白濃度増加をもたらす


1943年頃のDDT大量生産化と、マラリア撲滅の成功

日本は太平洋戦争まっただ中で、日本普及が一部しか無かったことは幸い。それでも、のみ・しらみ対策でDDTのシャワーを戦後あびた日本人は多いだろうが・・・

米国などは大量に散布されていた。1980年までそれは続いてたわけで・・・そりゃ、深刻だろう。

http://nouyaku.net/tishiki/REKISHI/reki2.html
使用開始から30年の間に全世界で300万トン以上に及ぶDDTが散布されたと推定されます。地球表面全てがうっすらと白くなるほどの量だそうです。
「日本では昆虫の撲滅を目的としたアメリカのような大量散布は行われていませんでしたが、サイレントスプリングは「沈黙の春」と和訳され、やはり大きな話題となります。殺虫剤の使用方法の違いなどはあまり考えられることもなく、DDTが悪いという風に話が単純化されてしまったようです。そのせいか、世界の中でも先陣を切って1969年には稲作への使用禁止を指示、1971年には全面的な販売停止となりました。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/DDT
製造特許を持つガイギー社は、製品の海外輸出を禁じていた。アメリカから日本に輸出されたものは、連合軍からの援助として特別に許されたものであった。そのため、日本の農薬会社の関心は、次第にBHC(ベンゼンヘキサクロリド)に向けられていったのである。
2007年現在で主に製造している国は中国とインドで、主に発展途上国に輸出されマラリア対策に使われている。農薬としても一部では使用されており、残留農薬となったDDTが問題になることもある。
DDTの分解物のDDE、DDAは非常に安定しており分解しにくく環境中に長く留まり影響を与える可能性があり、また食物連鎖を通じて生体濃縮されることがわかった。

Chronic Care Model:青年期喘息管理 ・・・ 理想型へ進歩

看護師(NP、高級NP)主導慢性疾患管理モデル

Chronic Care Model :患者へ影響を与え、その相互作用により、補正継続を行う医療モデル
http://www.improvingchroniccare.org/index.php?p=The_%20Chronic_Care_Model&s=2
フレームワークとして個別・住民レベル両者あり、相互関係が必要で、最適化システム。

青年期喘息を、この枠組みで評価

Improving Outcomes for Underserved Adolescents With Asthma


至適well-controlled asthma比率は、ほぼ10%から30%まで増加。

エビデンスに基づくケア・バンドル(カルテ記載の病状/重症度、持続性喘息では直近受診時アクションプランとコントローラー薬剤使用)は、38%からほぼ100%へ増加。

自己管理バンドル(患者自己評価、stage-of-readiness tool、個別アクションプラン)必要な患者の実際の受療比率は0%から90%未満へ増加

喘息管理能力確実な患者・両親比率も70%からほぼ85%まで増加。

患者満足度、喘息関連ED受診・入院患者比率平均は良好状態安定


あらゆる慢性疾患は、個別医師レベルのスキルアップも大事だけど、結局は、疾患管理モデルが重要。包括的なコストと効率を考えれば、一定プロトコールによる個別レベルと住民レベルの管理モデルが必要なのだろう。
先日あったCKD管理の勉強会で、「専門医はまれな疾患にしか興味なく、住民レベルでの透析導入率減少に果たして役立つかという自問は全くしてない」という印象を個人的に持った。専門医=慢性疾患管理専門家ではない!としみじみ感じた。行政側もじれったいと感じるだろうなぁと。

良いやつも悪く変わる:善玉コレステロールも動脈硬化血管で血管閉塞させる


HDLと、その主要構造蛋白 apoA1は、ヒト動脈硬化・機能障害を改善しする。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、apo A-1のコレステロール引き出し能(cholesterol acceptor function)を減弱する。HDLの抗酸化に重要な役割を果たすパラオキソナーゼ1(PON1)とともに機序が注目されている。

Cleaveland Clinicのチームは、 HDLコレステロールも血管閉塞につながりかねない異常を示すことを見いだした。
HDL数を激増させるブースティングだとかえって合併症増加につながる可能性があると研究者ら・・・


An abundant dysfunctional apolipoprotein A1 in human atheroma
Ying Huang, et. al.
Nature Medicine (2014) doi:10.1038/nm.3459
phage display affinity maturationを用い、high-affinity monoclonal antibodyを作成、これで、MPO-H2O2-CLシステムによる就職された apoA1とHDLを特異的に識別 
ApoA1のTrp72部位2-OH-Trp(oxidolyl anlanine) moetyが免疫原性epitopeである。mutagenesis研究にて、in vitro、in vivo上、MPO-介在性の抑制的働きが明らかになった。それは、apoA1の、ATP結合カセットトランスポーターア1(ABCA1)依存的なコレステロール受容体活性への抑制である。

2-OH-Trp72群を含むApoA1(OxTrp72-apoA1)は、循環血中内には少ないが、動脈硬化存在下血管のapoA1の20%ほどにあたる。OxTrp72-apoA1は、ヒト・アテローマ及び血液中から回収される分はlipid poorで、バーチャルにコレステロール受容体活性欠如し、血管内皮細胞の催炎症性活性及び、HDL biogenesis 活性障害を in vivoで示す。


心臓クリニック患者(n=627)のoxTrp 72-apoA1増加は、心血管疾患リスク増加と相関
循環血中oxTrp72-apoA1値は、動脈壁の催炎症性プロセスのモニター法として役立つ



様々な要素をもつ自然・人工物や動物などを、善玉、悪玉と自分の都合で2分する所業・・・下らなさすぎる。日本人が最初に言いはじめたと威張ってる馬鹿がNHKに居たけど、歌舞伎や水戸黄門に毒され過ぎだわ・・・日本人。
http://www.nhk.or.jp/kininaru-blog/149918.html


まねして、擬人化すれば、「善人が100人集まると、うち、2割が悪く変わる」働きアリの世界で、1−3割は働かなくなる(働かないアリに意義がある: 1 (メディアファクトリー新書) [Kindle版])そうだが、だれかが、また擬人化する・・・

まぁわかりやすくはあるが、擬人かは誤解を誘導するリスクも存在する。


透析・心房細動:ワルファリン卒中予防効果認めず、出血リスク増加のみ

Journal Scan Summary
Title: Warfarin Use and the Risk for Stroke and Bleeding in Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Dialysis
Date Posted:   January 24, 2014
Authors: Shah M, Tsadok MA, Jackevicius CA, et al.
http://goo.gl/qRshcv

心房細動透析患者で、ワルファリン使用は、卒中リスクを減らすことがしめせてないどころか、出血リスクが高い。

noteへ実験的移行

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