地中海湾岸国であるスペインでは、揚げ物に、オリーブ油やひまわり油を使用するが、この揚げ物食品摂取と、冠動脈疾患・全原因死亡率に関して関連性を認めない。
European Prospective Investigation into Cancer and Nutritionのスペイン・コホート
1992-6年の40757名(29-69)、ベースラインで冠動脈疾患なしの2004年までのフォローアップ
Consumption of fried foods and risk of coronary heart disease: Spanish cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e363 (Published 24 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:e363
11年フォロアップ中央値、冠動脈疾患606、急性原因での死亡1135
フライド食品第1四分位 比較で、冠動脈疾患多変量ハザード
第2四分位 1.15
(95% 信頼区間 0.91 to 1.45)
第3四分位 1.07
(0.83 to 1.38)
第4四分位 1.08 (0.82 to 1.43; P for
trend 0.74)
オリーブ油使用、ひまわり油使用での差を認めない
同様に、 フライド食品と全原因死亡率との相関認めず
第1vs第4四分位多変量ハザード比は 0.93 (95% 信頼区間 0.77 ~ 1.14; P
for trend 0.98)
西洋諸国では揚げ物料理が多い。揚げ物は特に再利用することで、参加・水酸化過程により、不飽和脂肪の減少・トランス型脂肪酸の増加をもたらす。
再利用油と高血圧の関連(
Am J Clin Nutr2003;78:1092-7)、スペインのEuropean Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC)とSUN (Seguimiento University of Navarra) cohortでの肥満(中心性肥満、一般肥満)と揚げ物の関係(
Am J Clin Nutr2007;86:198-205 、
Nutr Metab Cardiovasc Dis2011: published online 6 Aug.)、2090名のイタリア人成人横断研究での揚げ物食品とHDL値、ウェスト径の相関報告(
BMC Fam Pract2008;9:53)が序文に記載されている。
しかし、いままで揚げ物食品と心血管疾患リスクの直接の評価は少なかった。
INTERHEART研究の揚げ物食品と急性心筋梗塞の関連(
Circulation2008;118:1929-37.)など。
この研究はオリーブ油・ひまわり油などの摂取の多い地域での報告。
ただ、ひまわり油は、n-6であるリノール酸過剰のリスクとなると思ってたのだが・・・
論文中に、n-3、n-6の問題は書かれてない気がする・・・