2019年8月1日木曜日

安定狭心症への代替治療としての鍼治療

中国で行われた多施設研究


慢性安定狭心症患者404人を対象とした無作為化臨床試験の実施を通じて、慢性安定狭心症患者の狭心症発作頻度の減少における抗狭心症療法の補助療法としての鍼治療の有効性と安全性を検討

Acupuncture as Adjunctive Therapy for Chronic Stable Angina
A Randomized Clinical Trial
Ling Zhao, et al.
JAMA Intern Med. Published online July 29, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.2407
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2739058

16週の群の間で、狭心症発作の頻度の平均変化は有意に変動し、狭心症発作の数のより大きな減少がDAM群対NAM群、DAM群対SA​​群、およびDAMグループとWLグループ。したがって、NAM、SA、または無鍼治療(WL)での鍼治療と比較して、DAMでの鍼治療は、抗狭心症療法に対する補助治療として狭心症を軽減するのに優れた利点を示した。


398名 ランダム割り付け
  • acupuncture on the acupoints on the disease-affected meridian (DAM):疾患関連経絡のツボへの鍼治療
  • acupuncture on the acupoints on the nonaffected meridian (NAM):関連しない経絡への鍼治療
  • sham acupuncture (SA):偽治療
  • no acupuncture (wait list [WL] group):wait list群
ITT解析、4群間ベースライン同等


16週において、狭心症頻度変化有意にばらつき
NAM群に比べDAM群で狭心症発作数減少、SA群に比べDAM群でも、WL群比較DAM群でも同様


結論:
 鍼治療は狭心症を軽減するための補助治療の一つの選択肢として考慮されるべき





JAMAに鍼治療肯定的論文記載


Neiguan(PC6)、Tongi(HT5)
Both points are punctured bilaterally and perpendicularly 2 to 4 cm




心肺機能高いほど肺癌、大腸癌発生、死亡リスク減少

紹介論文の主題と違うが、physical activityという言葉を、心肺機能と混同して用いている状況に遭遇することが多い。確かに心肺機能良好の方が身体活動量増加にリンクしやすいのは確かだろう。しかし、身体活動量が生命予後やQOL改善にリンクするのだから「心肺機能制限がある場合」にも身体活動量を増加してもらいたい。そういう場合に心肺機能だけをテーマにするというのは心不全や呼吸機能障害対象研究では不適切・不十分となりやすいと思う。

この論文の序文の一部にも以下の如く表記されている
心肺機能:cardiorespiratory fitness:CRFは、エネルギー消費ピーク尺度で、MET(metabolic equivalents of task)で表示され、身体活動、遺伝的要素や他の宿主要素(年齢、多臓器包括的健康度)などに影響する。身体活動(physical activity)と比べ、CRFは心血管疾患及び全原因死亡率のより良い指標であり、心血管疾患リスク分類に他要素を付記して用いられる。」


後顧的コホート研究で、1991年から2009年まで49,143名の clinician-referred exercise stress testing連続患者で、40−70歳、がんを有さなデトロイドの医療システム内治療患者

偏ったサンプルの可能性のあるコホートだが、いままでの報告としてはサンプル数最大というのが売りらしい
ただし、アルコールや食事用粗データなど交絡要素検討が足りないのではないかという批判が当然出てくるだろう

心肺機能検査:CRFの程度と肺癌・直腸結腸癌アウトカムの関連性の後顧的観察報告
MET表示カテゴリー分け、6未満(参照)、6-9、10-11、12以上
フォローアップ中央値 7.7年間

全体として、男女とも 肺癌、直腸k発生率低下、肺癌・直腸結腸癌総死亡リスク低下がCRF高度ほど認める

Cardiorespiratory fitness and incident lung and colorectal cancer in men and women: Results from the Henry Ford Exercise Testing (FIT) cohort
Catherine Handy Marshall, et. al.
Cancer
https://doi.org/10.1002/cncr.32085
https://www.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cncr.32085



肺癌(A)、直腸結腸癌(B)のはっせいりハザード比:肺癌では年齢、人種、性別・喫煙・BMI糖尿病補正+直腸結腸癌はアスピリン・スタチンによる補正
METs indicates metabolic equivalents of task; Ref, reference.



METs 12以上 vs 最小心肺機能との比較





noteへ実験的移行

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