2016年5月14日土曜日

喫煙:肺炎球菌肺炎入院死亡率減少効果 ただ、低CFRセロタイプ菌血症になりやすい

なんにしろ、喫煙関連の疾患を診療する身としては、その苦悩を相対する立場としては、喫煙習慣を合理化するのはやはり認めがたい


しかし、まぁ喫煙が全てに対して悪というわけではないのは当然かもしれない
恩師医師から、過敏性肺臓炎にもなりにくいぞと聞かされたこともあったなぁ・・・そういえば・・・




喫煙は肺炎死亡率減少と関連するという報告有り、仮説としてlow case fatality rate(CFR)セロタイプの菌血症となるなど、異なる肺炎球菌セロタイプで結果が異なるのではないかと架設して、住民ベースコホートで検証を試みた報告

非喫煙者に比べ、喫煙者では菌血症性肺炎球菌症(BPP)では入院死亡率低下し、低CFRセロタイプ菌血症になりやすいことが分かった
これらの所見から、肺炎患者で喫煙により死亡率低下をもたらすことの説明可能?

Current Smoking and Reduced Mortality in Bacteremic Pneumococcal Pneumonia: A Population-Based Cohort Study
Jessica A. Beatty, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.04.020




カナダ北アルバータ州の2000-2010年、細菌血症性肺炎球菌(BPP)入院18歳以上1636名成人前向き住民ベース臨床レジストリ:多変量ロジスティック回帰検討にて喫煙状態で全原因死亡率を評価し、セロタイプ(低CFRと他CFR)で層別化



平均年齢 54歳、男性 57%、 現行喫煙率 49%、 低CFRセロタイプ 41%

入院時死亡 現行喫煙 809名中62名 vs 927名中 164 (8% vs 20% 補正オッズ比 (aOR) 0.52; 95% CI, 0.36-0.77 ; p=0.001)


現行喫煙では、非喫煙より 低CFRセロタイプ分離多く (53% vs 29%, aOR 1.67 ; 95% CI, 1.31 - 2.12 ; p < 0.001)、低CFRセロタイプ補正モデルでは、現行喫煙という因子では死亡率減少と関連 (p=0.001)


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